葉田:株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。第40期は中期経営計画の初年度として、全社を挙げて事業基盤の見直しと収益構造の改革に取り組み、次なる成長に向けた確かな一歩を踏み出す年となりました。
石見:新たな中期経営計画のもと、次なる成長に向けた土台づくりを目指して多様な挑戦を重ねた一年でした。これからも変化を恐れず、皆様のご期待に応える企業であり続けるべく、全力を尽くしてまいります。
葉田:第40期は、3カ年の中期経営計画の初年度として、全社を挙げた構造改革と成長戦略の実行に取り組んだ重要な一年でした。グループに加わったテスコム電機では、商品戦略や品質体制、収益構造の抜本的な見直しを行い、大幅な黒字化を実現するなど、M&Aの成果が着実に表れています。
石見:主力であるBtoC事業では、新製品投入数を大幅に増やすことでセルイン・セルアウトともに好転し、粗利率の向上にも寄与しました。特にEC領域の売上は、前年比115%と堅調に推移しました。また、BtoB分野でもグループシナジーを活かしたソリューション営業への転換が進み、下期以降の回復につながっています。加えて、全社的に限界利益管理を導入したことで、営業活動における収益性への意識が根付き、間接コストや値引きの抑制といった改善が進むなど、組織全体の利益創出力が着実に向上しています。
葉田:当期は、全事業部が一丸となって課題解決と挑戦を重ねた一年でした。新製品の開発、ソリューション営業体制の整備、BtoC・BtoB両面での市場対応力の強化など、変革の成果が業績に反映されつつあります。
これらの結果、第40期(2025年3月期)の連結業績は、売上高は118,007百万円(前連結会計年度比7.1%増)、営業利益は13,531百万円(前連結会計年度比9.3%増)、経常利益は13,190百万円(前連結会計年度比1.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,300百万円(前連結会計年度比6.9%減)となりました。
葉田:エレコムグループは、2024年度よりスタートした中期経営計画において、「お客様に愛される日本発・唯一無二のグローバルブランドの創造」を基本方針に掲げました。特に本計画では、①連結経営の強化、②顧客体験価値(LTV)の向上、③サステナブル経営の推進という三本柱を軸に、グループ全体で持続的成長と社会価値の両立を目指しております。
石見:まず①連結経営の強化では、グループ会社間の経営資源を有機的に結びつけ、営業・開発・管理などあらゆる機能を最適化していきます。たとえばDXアンテナの営業部門とエレコムの営業組織を融合させるなど、部門横断的な連携を深めることで、生産性と収益性の両面でシナジーを最大化してまいります。
葉田:②顧客体験価値(LTV)の向上では、購買からサポート、再購入に至る一連の体験設計を重視し、ECとリアルのデータ統合やSNSを活用したブランド強化、D2Cモデルの強化に取り組んでいます。こうした取り組みは、Z世代など若年層を含めた幅広い顧客層との接点拡大にもつながっています。
石見:③サステナブル経営の推進においては、環境配慮型製品の拡充やThink ECOLOGYなどの社内指針のもと、持続可能な社会の実現に向けた活動を強化しています。同時に、社員一人ひとりが経営視点で事業に取り組む意識改革を進めることで、組織としての底力を高めていきたいと考えています。
葉田:事業面では、海外市場とBtoB領域の強化を成長の二大軸に据えています。特に北米・欧州への本格展開と、グループシナジーを活かしたワンストップのソリューション提供に注力してまいります。加えて、テスコム電機との連携を軸とした美容・健康家電分野、ネストアウトブランドによるアウトドア用品、最新技術を取り入れたコア周辺機器など、成長カテゴリの開発にも引き続き注力してまいります。さらに、成長領域におけるM&Aを戦略的に活用し、技術・チャネルの両面でグループの総合力を高めてまいります。
石見:第41期は、中期戦略の実行力が問われるフェーズです。「当たり前のことを当たり前に行う」という企業文化のもと、現場に根差した地道な改革を重ねながら、スピード感と柔軟性を持って組織全体の進化を加速し、エレコムグループのさらなる飛躍につなげてまいります。
葉田:私たちは今、「より良き製品・より良きサービス・ソリューションより良き社会・より良き会社」の実現を目指す存在意義=パーパスとして「Better being」を掲げました。これは創業以来貫いてきた“より良く”という姿勢を、未来に向けてより強く発信するものです。
石見:中期経営計画の遂行とともに、このパーパスを全社員と共有し、企業文化として根づかせていくことが私の使命です。変化を恐れず挑戦し続ける組織でありたい。その先に、持続可能で価値ある成長があると信じています。なお、株主の皆様への配当につきましては、これまでと同様の方針を継続いたします。
葉田:エレコムグループは「Better being」の実現に向けて、真摯に歩みを進めてまいります。株主の皆様には、これからも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。