 |
出荷前のウイルスチェックに
画期的な変化をもたらした!
手間とコストの大幅削減を
実現する“リトマスUSB”
横河医療ソリューションズ株式会社 様
横河電機株式会社の医療部門が独立した医療IT業界のシステムソリューション企業
横河医療ソリューションズ株式会社は、2010年4月に設立された新しい会社だが、実際には創業100年近い横河電機株式会社の医療部門として1993年より事業を展開しており、約20年の歴史がある。病院の放射線部門向けのシステム構築を業務としており、おもに、レントゲン画像をデジタル化して保存/管理するシステム(PACS)、レントゲン技師向けの日常業務システム(RIS)、放射線を使った癌治療のための業務システム(治療RIS)の3つの事業を柱としている。また、より豊かな人間社会の実現に貢献すべく、医療IT業界において、顧客にとっての「最適なシステム」の構築を目指している。提案からシステム設計、納品後のサポートまで、すべてを自社でまかなう「ワンストップソリューション」を基本とし、納入後も長期にわたり、自分たちが病院の1部門という立場になって顧客を支援していくのがポリシーだ。「ワンストップソリューション」だからこそ、システム全体のことだけでなく、PC1台に起こる小さな問題までを把握できる。そうして蓄積されたノウハウは、システム品質の向上やコストダウンなどへとつながっている。これは他社にはないこだわりで、同社の大きな魅力となっている。今回は、同社が顧客に納入するPCに対して、出荷前にウイルスチェックをするために導入したハギワラソリューションズ製「オフライン端末向けウイルスチェックスキャンツール“リトマスUSB”」について、同社のエンジニアリングサービス本部 副本部長 森啓倫氏、システムサービス部フィールドサポートセンター テクニカルアーキテクト 萩原宏和氏、さらに事業推進本部 企画PJT部 企画Gr. 岡本和人氏の3氏にお話を伺った。
クライアントPCやサーバの出荷前のウイルスチェックに
多大な手間と時間とコストがかかった
 ワンストップソリューションを実践する同社は、キッティング作業についても外注することなく社内で行っている。システムと共に納入するサーバやクライアントPCは、社内でのキッティング作業により、ソフトウェアのインストールなど必要な作業がなされている。そして作業途中でウイルスが混入していないことを確認するため、出荷前の最後の作業としてウイルスチェックを行う。ウイルス対策は横河電機株式会社の医療部門であった時代から、高い意識を持って取り組んできたことだが、その対策手法は試行錯誤の連続であった。2年ほど前までは、出荷前のウイルスチェック用にカスタマイズされたウイルス対策ソフトを、サーバやPCにインストールしてチェック後にアンインストールしていた。100台も出荷するような時は、それこそ気の遠くなる作業だった。その後は、ウイルスチェック機能を持ったUSBデバイスを、同社のPCで利用できるようにカスタマイズして供給してもらうなどしていた。しかしこれらの作業は、常に問題点を抱えていた。最大の問題は、PCの仕様が変わったり、顧客の要望にあわせて仕様変更したPCで、ウイルスチェックを実行すると、カスタマイズされたウイルス対策ツールが動作しなくなるということだった。一般的にPCのモデルチェンジは2年単位だが、表面的には同じ仕様であっても、ちょっとしたパーツの変更で、ウイルス対策ツールが動作しなくなることも多かった。このようなトラブルが発生すると、ウイルス対策ツールのメーカー
に対策を依頼するのだが、短くても1週間、長ければ1か月もかかることがあった。このような場合でも、納期までにきっちりとウイルスチェックを行ったうえで納品するために、市販のウイルス対策ソフトを使ってチェックすることもあった。ウイルスチェックにかかる手間と時間とコストは、同社の大きな負担であった。キッティング作業と出荷前のウイルスチェックを含めて外注すれば手間と時間は削減できるが、自らの責任において信頼できる製品を納入するためには欠かすことのできない工程だった。このような問題を抱えていることから、常に新しいウイルス対策ツールはないかと意識はしていたが、64ビットOSに対応していない、サーバOSに対応していないなど満足できるツールは見つからなかった。そんな中、2012年3月頃に、偶然の出会いからエレコムの営業マンに提案されたのが、エレコムのグループ会社であるハギワラソリューションズが販売する「オフライン端末向けウイルスチェックスキャンツール“リトマスUSB”」だった。
「リトマスUSB」ならPCのUSBポートに挿すだけ!
特許「UDRW」でウイルスチェックを自動実行
「リトマスUSB」は、スタンドアローン環境にあるサーバやPCを、簡単にウイルスチェックできるツールである。まずウイルス対策ソフトのように、PC上にソフトウェアをインストールする必要がない。シマンテック製のウイルススキャンエンジンを「リトマスUSB」本体上に搭載しているので、サーバやPCにソフトをインストールしたり、チェック後にアンインストールする必要がない。さらにUSBポートに挿すだけで、ウイルスチェックが自動実行されるのも魅力だ。Windows7では、ウイルスの感染予防のためにリムーバブルメディアの自動実行が禁止されているため、本来ならユーザーが手動でプログラムを実行する必要がある。しかし、リトマスUSBは、ハギワラソリューションズが持つ特許「UDRW」により、メディアの一部に作った「CD-ROM領域」を利用して、オートラン機能によりプログラムを自動実行することができる。Windows7環境でも、PCのUSBポートに挿すだけでよく、気軽にウイルスチェックができるのだ。パターンファイルの入手も簡単で、インターネットに接続可能なPCのUSBポートに「リトマスUSB」を挿すだけで、自動的に最新版を入手できる。また、本体にはLED表示を装備しており、モニタがなくてもウイルスチェックの状況を知ることができるようになっている。もうひとつの大きな特長が多彩なOSに対応していることだ。Windows7/Vista/XP/XP Embedded、Windows Server 2003/2003R2/2008/2008R2と、クライアントPC向けのOSだけでなくサーバOSにも対応し、32bit版だけでなく64bit版にも対応している。「リトマスUSB」は、購入時に1年間の更新ライセンスが付いており、有償で最大5年間延長することができる。ウイルスチェックをするサーバやPCの台数に連動したライセンス料は不要で、1本の「リトマスUSB」で何台でもサーバやPCのウイルスチェックを行うことができるという実に魅力的なツールである。横河医療ソリューションズでは、望んでいたツールが見つかったと、すぐさま導入することになった。
出荷前のウイルスチェックに画期的な変化をもたらした!
工数圧縮、コスト削減、「リトマスUSB」の限りない魅力
「リトマスUSB」導入後の横河医療ソリューションズにおいて、キッティングにおけるウイルスチェック作業は一変した。まずはウイルス対策作業がPCの仕様に左右されなくなった。PCのUSBポートに「リトマスUSB」を挿すだけで、安心して実行できるようになった。PCの仕様にあわせた準備の必要もなくなり、OSを気にすることもなく、いとも簡単にウイルスチェックが実行できる。少しの仕様変更でウイルス対策ツールに不具合が生じたり、メーカーに不具合の調査を依頼するといったやり取りもなくなり、大幅な工数削減に成功したのだ。さらにコスト面でも大きなメリットをもたらした。検査数に応じて支払うライセンス料の負担がなくなったのだ。最近ではクライアントPCが100台単位の事案も多く、検査数分だけライセンス料が発生する従来の方式では経費がかさむ一方だった。「リトマスUSB」なら1度購入すれば、1年単位での更新ライセンス料を本数分だけ負担すればよいだけだ。検査数に応じたランセンス料が発生しないことは、イニシャルコストの削減につながり非常に大きな魅力だ。保守やメンテナンス面でもメリットがあった。従来であれば、過去のすべてのサーバやPCを保守できるように、それぞれに対応したウイルス対策ツールを残しておく必要があった。故障で引き取ったPCを修理して再出荷する場合などに必要になるからだ。汎用性の高い「リトマスUSB」なら、そのような必要もない。サポートサービスの面でも、運用中のシステムがウイルス感染した疑いがある場合などにサービスマンが現場に持参して、その場で簡単にウイルスチェックができるようになった。従来であれば疑いのあるPCのモデルを確認し、それに対応するウイルス対策ツールを送って検査するなど、手間も時間もかかっていたものが、「リトマスUSB」が1本あれば、機種やOSに影響されることなく、フレキシブルに対応できる。今では本社のキッティングルームだけでなく、全国の拠点にも配布し、拠点でのエンジニアリングやサービスなどにも活躍しているとのことだ。「リトマスUSB」は、キッティング作業における工程で、出荷前のウイルスチェックに画期的な変化をもたらすことに成功した。スタンドアローンで使用される検査機器や端末の多い医療IT業界では、「リトマスUSB」が活躍できる場面がまだまだ多くありそうだ。

横河医療ソリューションズ株式会社
http://www.yokogawa.com/jp-mis/
設立:2010年4月1日
所在地:東京都杉並区
2010年4月に横河電機株式会社の医療部門から独立して設立された。医療IT分野で、PACS(画像情報統合システム)、RIS(放射線部門業務システム)、治療RIS(放射線治療部門情報システム)という3つの分野のシステム構築を柱とした事業を展開している。最近では、次世代システムの主流になると予想されるクラウドサービスを利用したシステム構築にも力を入れている。
 今回、取材に応じていただいた、左から横河医療ソリューションズ株式会社 エンジニアリングサービス本部 副本部長 森啓倫氏。システムサービス部 フィールドサポートセンター テクニカルアーキテクト 萩原宏和氏。事業推進本部 企画PJT部 企画Gr. 岡本和人氏。
|