西尾レントオール株式会社情報システム室主担辻野東亜氏、関隆史氏に今回ご導入いただいたシステムについてお話を伺った。
西尾レントオールの情報システム室は全社のITシステムを管理する部署である。既存のアプリケーションを利用することもあるが、多くをオリジナルの自社開発システムでまかなっている。このため自社の業務にフィットしたシステムの構築ができるのである。
情報システム室では最近全社的にクライアントPCの入れ替えを行った。これに先立って課題となったのが、データの退避先である。古いクライアントPCのデータを新しいPCに入れ替える際に、一時的にデータを預ける場所が必要になったのだ。このとき、システムインテグレーターに相談して薦められたのがNASだった。NASであればネットワーク経由でデータのバックアップができるからだ。
さらに選択肢が二つあった。NASのOSをLinux系のハードウェアにするか、Windows系のハードウェアにするか、である。NAS本体の価格はLinux系のNASの方が安かった。しかし、最終的に選ばれたのはロジテックのWSS搭載NAS「LSV-5S4C」シリーズだった。
理由の一つは導入コストだ。Linux系のNASは本体が安くても、導入に手間と時間がかかる。社内システムに参加させるためのテストに必要な期間と作業量を見込んでおく必要があるのだ。
一方、西尾レントオールではWindowsサーバによるドメインが構築されているため、WSS搭載NASであれば簡単にドメインに参加できる。また「使い慣れたWindows系OSなので、設定時の手間もあまりかからない」(辻野氏)。特に今回のクライアントPCの入れ替えは時間に余裕がなく、準備段階のNAS導入でつまずくわけにはいかなかった。
また、情報システム室が将来的に考えていたネットワークの機能追加についても、WSSに利点があった。例えば後述するDHCPサーバの導入である。本来ならそのために汎用サーバを用意する必要があるが、これもWSS搭載NASでまかなえることが分かった。Linux系NASと汎用サーバを組み合わせて実現することを考えると、1台で複数の役割をこなせるWSS搭載NASは結果的にコスト面で有利になる。
WSSのコスト的なメリットはこれだけではない。「CALが要らないので助かりました」(辻野氏)。つまりNASに接続されるクライアント数に応じたライセンス料が不要なのだ。CALが必要なOSだとクライアントが増えるごとにライセンス料がかかってしまう。将来的な拡張を視野に入れている情報システム室のニーズにも、CAL不要のWSS搭載NASだから応えることができた。
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