ホテルWi-Fi導入レポート

ホテルWi-Fi導入レポート【ハイランドリゾート ホテル&スパ 様】
国内が、海外が注目する世界遺産“富士山”の麓にあるリゾートホテルで165室すべての客室をWi-Fi化!

※無線アクセスポイントのことを「無線AP」と表記しています。

富士山麓のリゾート施設、富士急ハイランドの
オフィシャルホテル「ハイランドリゾート&スパ」

富士山の山梨県側の麓にあるアミューズメントパーク「富士急ハイランド」は、話題となるような大規模な絶叫マシンを導入したり、人気キャラクターのアトラクションを次々と取り入れるなど、常に新鮮さを持つエンターテインメント施設である。その富士急ハイランドのオフィシャルホテルとして隣地に立つのが、1986年開業の「ハイランドリゾート ホテル&スパ」である。

ハイランドリゾート ホテル&スパは、ハイランドリゾート株式会社が運営するホテルのひとつで、富士急ハイランドのオフィシャルホテルとしての立地を活かした集客を図ってきた。さらに2013年6月に富士山がユネスコの世界文化遺産に登録されたことで、最近では富士五湖エリアのゲートウェイホテルとしても注目される存在となり、従来からのアジア方面からの観光客に加え、欧米からの観光客も急増している。それに伴い無料Wi-Fiサービスを求める宿泊客が増え、そのニーズに対応すべく2014年春に、客室ごとの無料Wi-Fiサービスを開始した。

今回は、2014年春、エレコムの小型ルータを使って、全客室に無料Wi-Fiサービスを導入することになった経緯について、ハイランドリゾート株式会社 企画推進室長の小川栄一氏と、同総務部課長の高田宏之氏に伺った。

ビジネス需要に向けて
2004年にインターネット接続サービスを実施

同ホテルが初めてインターネット環境に対応したのは、2004年のことだった。富士五湖エリアには、大きなバンケットルーム(宴会場)を持ったホテルが少ないため、企業や各種団体のオフサイトミーティングに利用される機会が増え、さらに2007年に富士スピードウェイで、F1日本グランプリの開催が決まるなどしたことから、ビジネスユースでの需要に合わせたインフラ整備として導入されたものだ。

当初は、「モデム、ケーブル、電話線」をセットでお客様に貸し出し、PC~モデム間はLANケーブル、モデム~モジュラージャック間は電話線でつなぐ「VDSL方式」だった。この方式は客室まで新たにLANケーブルを敷設する必要がなく、既存の電話線によるインフラを流用することができた。その後、2011年にはPBXの更新にあわせて各客室に有線LANのモジュラージャックを設置、お客様にはLANケーブルだけを貸し出す方式に更新された。

しかし時代の変化は激しく、高速Wi-Fi規格の登場やスマートフォンやタブレットの爆発的な普及により、今度はWi-Fiを使ったインターネット接続サービスのニーズが急速に高まっていく。まずは営業サイドから、より多くのコンベンションの獲得のためにバンケットルームへのWi-Fi導入の要望があり、無線APを導入することになる。一方、外国人観光客からはWi-Fiサービスのニーズが高まり、2012年夏にはロビー周辺に無線APを設置して無料Wi-Fiサービスを開始する。導入後に団体バスで昼食に訪れる外国人観光客が食後にロビーに集まり無料Wi-Fiサービスを利用する姿や、夜になると外国人宿泊者がロビーに集まり、スマートフォンやタブレット、携帯Wi-Fiゲーム機を操作する光景に直面し、客室での無料Wi-Fiサービスの必要性を感じるようになったとのことだ。

高まる無料Wi-Fiサービスのニーズ、
導入間もない有線LANシステムを無駄にはできない

2013年には訪日した外国人観光客が1000万人を突破するまでに増加している。同ホテルでもFIT(Foreign IndependentTour)と呼ばれる個人旅行の外国人観光客の獲得を目指しており、それには客室での無料Wi-Fiサービスの提供が絶対条件だと感じていた。実際、観光庁「訪日外国人消費動向調査(2014年1~3月)」の結果によるその外国人観光客が求めるサービスの1位が「無料Wi-Fiサービス」となっている。

そこで同ホテルが取り引きのある業者にWi-Fi設備導入の見積を依頼したところ、1000万円を超える数字が出てきた。「全客室のインターネット設備の更新をして、まだ3年もたっていない状況で、同様のサービスに高額な投資をすることは難しかった。」(小川氏)

同ホテルでも独自に良い方法を検討している中、ネットで見つけた記事に、ホテルの客室にある有線LANを無線化するツールとしてエレコムの「小型ルータ」が紹介されているのを見つけ、この方式が適しているのではと考えるようになる。しかし、自前で導入するにはノウハウもなく難しいと感じていた。

そんなときに、偶然にもエレコムが協働企業として参加している「やまなしFree Wi-Fiプロジェクト」に絡んで、エレコムの担当者と出会い、Wi-Fi化の提案を聞く機会を得た。そこで提案されたのが前述の小型ルータを使うプランだった。

既存の有線LAN設備を無駄にせず
驚きのローコストで、すべての客室をWi-Fi化

小型ルータを使って客室の有線LANを無線化する方式を、エレコムでは「小型ルータプラン」と呼んでいる。このプランは、すでに客室に有線LANのモジュラージャックが設置されている場合に、既存のインフラを活かして導入コストを大幅に抑えることができるプランだ。客室内にすでにある有線LANのモジュラージャックへのLANケーブルをいったん中間で切断し、切断したケーブルの両側にコネクタを付け、それぞれ小型ルータのWANポートとLANポートに接続するものだ。たったこれだけのことで既存の有線LANに加え、新しくWi-Fi接続が可能になる。安価な小型ルータと客室内での簡単な工事だけで済むので、導入に必要最小限のコストしかかからない。「既存の設備を活かしつつ、コストを掛けずにWi-Fi設備を導入できるという、当ホテルにとって非常に適した提案だった。」(小川氏)

さまざまな施設へのWi-FI設備の導入ノウハウを豊富に持つエレコムの担当者から、細かな疑問点にも納得できる回答をもらい、現地調査後に提示された見積金額を見た段階で、これならいけると一気に導入に向けて話がふくらみ、すぐさま予算措置を講ずることとなった。

「小型ルータプラン」に対し、当初見積をもらった業者が提案したシステムは、客室の廊下に大型の無線APを一定間隔で設置し、複数の客室で共有するものであった。この方式をエレコムでは「無線アクセスポイントプラン」と呼び、各客室までLANケーブルが敷設されていない場合に、工事コストを抑えることができるプランだ。しかし同ホテルの場合、すでに各客室に有線LAN設備があるだけでなく、構造物として客室の壁や扉もしっかりしており、同プランでは、むしろ客室内に電波が届きにくいという問題があった。小型ルータプランであれば、小型ルータを客室内に設置するので、しっかりとした壁や扉があってもその影響を受けない。実際、同ホテルでの小型ルータは電波出力を15%に落とした状態で使用されているが、それでも客室内で安定して利用できる電波レベルになっている。

事前に各部屋の工事方法を調査わずかな時間を利用して
165室の工事を3日で完了

予算も下り、導入は決まったものの165室もの客室を工事する必要がある。工事は閑散期である2月に行われたが、予約が入っている客室では工事に使える時間は、チェックアウトからチェックインまでのわずか3時間しかない。リゾートホテルであるためシングル、ツイン、ダブルといった洋室以外に、和室やキャラクタールームなど多様な50種類近い客室があり、すべてを同じパターンで工事できる状況ではなかった。そこで工事の前にエレコムの担当者と、丸1日かけて客室の状況を調査することで、いくつかのパターンに客室を分類し、当日の工事がスムーズに進むように事前準備をした。その結果、「10フロア、全165室をなんと丸3日かからずにやってもらいました。工事音も小さく、滞在中のお客様にも迷惑はかかりませんでした。」(高田氏)と、スムーズに進んだ工事に非常に高い評価をいただいた。

海外からの観光客に室内Wi-Fi対応をピーアール
今後は富士五湖のゲートウェイとして充実を図る

導入後すでに8か月が過ぎたが、運用は順調だ。客室内に無線ルータが設置されているので、電波が届かないという問題もなく、お客様からのクレームもない。エレコムが提供している接続マニュアルは、日英中韓の4か国語に、Android/iOS/Windowsでの接続方法がそれぞれ説明されており、設定についての問い合わせもないようだ。

  • ルーター接続マニュアルは、
    日英中韓の4か国語に対応している。
  • BOOKING.COMの画面。
    設備として無料Wi-Fi対応であることが掲載されている。

客室への無料Wi-Fiサービスの導入と同時期にExpediaやBOOKING.COMといった海外OTA(Online Travel Agent)に登録したこともあり、外国からの観光客も確実に伸びているようである。もちろん、サイトの設備案内には無料のWi-Fiサービスがあることが記載されている。今後の展開として、ネットワーク設備については、会議需要などをさらに掘り起こすため、より高いセキュアな環境を構築するとともに、予想されるパケット量の増加に対応するバックボーンのアップグレード、お客様へのコンテンツサービスの構築などを進め、ホテル施設としては、富士急ハイランドに開場30分前の優先入場ができるなど、オフィシャルホテルとしての優位性を活かしつつ、富士五湖周辺にある世界資産の構成資産を効率よく堪能してもらえるよう富士五湖エリアのゲートウェイとして、より充実した施設を目指していくとのことだ。

全165室すべての客室が無料Wi-Fiサービスに対応!
既存の有線LAN設備を有効活用し、最小コストでWi-Fi化!!

客室の形態に合わせた工事方法を採用、現地調査で客室および既存設備を確認し、
それぞれのホテル・旅館に適した工事プランをご提案いたします。

ハイランドリゾート&スパ様の場合

  • 客室にすでに設置されていた有線LAN 設備を有効活用するため「小型ルータ方式」を採用
  • 客室に配線された既存の有線LAN 設備を活用したことで配線工事費ゼロを実現
  • 客室ごとに小型ルータを設置することでデットスポットを解消
  • 50 種類近くある客室の仕様を事前調査で分類、それぞれ適した工事を実施
  • 事前調査により、営業しながらわずか3日で工事が完了
  • 簡単でわかりやすい4か国語の接続マニュアルにより、導入後の運用もスムーズに
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ハイランドリゾート株式会社
設立:1982 年6月 / 本社:山梨県富士吉田市
多様化するレジャーニーズに対応するため、富士急ハイランドを中核施設としたリゾートホテルとして1986年3月に開業した「ハイランドリゾート」の経営母体として設立。同県山中湖村の「ホテルマウント富士」「富士ゴルフコース」の運営も行っている。

今回、取材に応じていただいた
企画推進室長の小川栄一様(左)
総務部課長の高田宏之様(右)