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株式会社建設システムは、静岡県富士市に本社を置くソフトウェア会社である。建設土木業界向けのパッケージソフトを開発しており、主力の土木施工管理システム「デキスパート」シリーズは業界シェアNo.1を誇る。デキスパートシリーズは基本部を中心に様々なニーズに応えるソフトが用意されており、業種に合わせた組み合わせを選ぶことができる。また、各自治体ごとに異なる基準や書式にも迅速なバージョンアップで対応している。また、1パッケージの稼動台数が無制限であり、担当者全員で使用することができる。人員が増えても追加ライセンス料金は必要ない。本社に置かれたコールセンターによるきめ細かいサポートでもユーザーから支持されている。
今回は建設システム販売企画部 部長 榊原平八様と開発部 部長 細川達也様、開発部課長 岩渕明浩様にご協力いただき、同社製ソフトとロジテック製NAS製品「LSV-5S1000/4C」の動作検証を行っていただいた。LSV-5S1000/4Cをデキスパートのデータフォルダや一次管理フォルダとして使用した場合のパフォーマンスの検証である。インタビューでは検証の結果と現場への応用、今後の展望を伺った。 |

土木業界ではゼネコンを始めとして複数の企業が同じ工事に関わるというケースが多い。共同企業体(JointVenture/JV)を組織して工事を進める。普段は別々のオフィスで働いているメンバーが、プロジェクトの情報を共有するには「ファイルサーバを導入するのが効率的」(榊原部長)である。
また社団法人日本土木工業協会(土工協)がデータ共有の手段としてNASを推奨したため、建設システムでも検証を行ったのが数年前のことである。
しかし当時のLinux搭載NASでは性能が十分でなかったため、いろいろな障害が起こったのである。Linux搭載NASでは大量のデータを扱う場合にデータの欠落が発生したり、タイムスタンプが変わってしまったりといった問題が起こってしまった。
土木工事の写真データは欠落が許されない。日々現場の様子は変化するため、写真を紛失してしまっても撮影し直すことが不可能なためである。検証の結果、万が一にもトラブルが許されないこともあり、建設システムではデキスパートの工事データや一次管理ファイルの保存先としての使用を動作保証外とするしかなかった。
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障害だけでなく性能面でもLinux搭載NASには問題があった。自治体への納品のため土木工事で撮影される写真は膨大な数に上る。典型的な場合で数千枚になり、多い場合は数万枚というレベルである。1枚1MBだとしても数GBから数十GBというデータ容量になる。このようなデータを扱うためには当然高速なデータ転送が要求される。小容量のデータコピーでは目立たないが、実作業に即した数千単位のファイルをコピーすると「パフォーマンスの低下が著しくなった」(岩渕課長)。サーバマシンを使ってファイルサーバを構築すればパフォーマンス面は問題ないが、今度は維持管理にコストがかかる。規模的にサーバマシンを導入するのが非効率な現場はたくさん存在する。Linux搭載NASとサーバマシンの中間的なバランスを持つ機器が必要だった。
ロジテックのLSV-5S1000/4Cは正にそのようなニーズを満たす性能を発揮した。PC同士のネットワーク接続に近い性能を発揮したのである(P5 検証1参照)。「Linux搭載NASより4〜10倍程度高速で、実用的な処理速度が出ることが分かった」(岩渕課長)。
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Linux搭載NASでファイルのタイムスタンプに問題が出た原因として考えられるのが、ファイルシステムの問題である。LinuxとWindowsでは使用するファイルシステムが異なるため、ファイルの互換性に問題が出ることがある。
LSV-5S1000/4CはWindowsファミリーであるWSSを搭載しているため、当然ファイルシステムはWindowsと共通の物である。互換性で問題が発生することはなく、「ソフトの動作も非常に安心できる」(細川部長)。また、設定や操作時にもWSSの互換性は有効なようだ。使い慣れたWindowsと操作が共通しており、専門家ではなくても設置できる。建設システムでの検証でも既に稼働していたActiveDirectoryに簡単に参加させることができた。「すごく敷居が低いんだなと感じた」(細川部長)。Linux搭載NASでは製品ごとに操作方法が異なったり、設定を変更するごとに10秒15秒と待たされることがあり、「非常に使いづらい」(岩渕課長)。
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Linux搭載NASや単純にパソコンをファイルサーバにした場合とはセキュリティ面でも違いがあった。パソコンをサーバにする場合はRAIDを組むためにコストがかかるが「LSV-5S1000/4Cならば最初からRAID5なので安全性も問題ない」(岩渕課長)。データの消失が許されない建設土木業務にとって重要なポイントである。
今回の動作検証は条件を合わせる必要がある物を除いて、LSV-5S1000/4C本体にウイルスバスターがインストールして稼働している状態で行われた。実用環境では当然ウイルス対策が必要なため、より実用に近い状態での検証となっている。今回の検証結果からはウイルスバスターによって実用に影響があるほどの性能の低下はなかった。Linux搭載NASではそもそも本体にウイルス対策ソフトを導入できないため、セキュリティ面で大いに不安が残る。
建設土木業界ではJVを組織する事が多いため、1台のパソコンに入っていたウイルスがNASを通じて他社のパソコンまで汚染してしまうことになる。そうなれば参加企業の信頼や発注元の信頼が一気に失われてしまうだろう。ロジテックのWSS搭載NASであれば、しっかりと対策することができるのである。
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ここまで見てきたようにWSS搭載NASは建設土木の現場で使用するNASとしてピッタリ合いそうだ。今回の動作検証を受けて、デキスパートと組み合わせる場合にも、社内のファイルサーバとして使う場合にも「安心して勧められる」(岩渕課長)と言っていただけた。
ロジテックのLSV-5S1000/4Cは既に業界で高い評価を受けているデキスパートシリーズとともに建設土木分野で活躍するポテンシャルを持っていると言えよう。
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『デキスパート』シリーズは、業界シェアNo.1の土木施工管理システムです。約30種類から構成されており、貴社の工事内容にあわせて必要なシステムを導入することができます。すべてのシステムが「デキスパート基本部」上で動作し、工事名をはじめとした工事情報などを、さまざまな箇所で共有できます。各システム間でもデータ共有ができるのも大きな特長です。
また、インストール・稼動台数無制限なので、データ管理・バックアップ・使用方法の社内統一化が図れ、担当者全員でご使用できます。追加オプションも豊富で、更なる充実を図ることができます。
≫NASの動作保証について [PDF]
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製品に関するお問い合わせはこちら>http://www.kentem.jp/index.html



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〈検証条件〉
検証ソフト:デキスパート基本部 3.60.00写真屋 Ver5.76.00
使用データ:工事複写はPC上にある工事データ(12179ファイル;7.15GB)を複写。他工事取り込みはNAS上にある写真情報DB(写真7247ファイル;4.56GB)を、同じNASの他工事に取り込み |
※2 |
〈検証条件〉
検証1で使用した実データと同じ名前(2バイト文字が多用された長いファイル名)が付けられた、8バイトの
テキストファイル7427個を用意。コピー先のフォルダに同名のファイルが存在しないことをチェックしつつコピーを行う処理を連続して実行。 |
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株式会社建設システム
http://www.kentem.jp/
設立:1992年7月
代表取締役:栗田富夫
創業より16年。建設業界にパソコンがほとんど導入されていない時代から、施工管理作業の効率化の為のソフトを提供し、施工管理書類作成にパソコンを導入した草分け的存在。建設業の図面および管理書類をペーパーレス化し、CALS・電子納品を推進。コスト、現場の施工管理だけでなく、利益アップに繋がる経営を支援する仕組みも提供。 |
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同社製ソフトとロジテック製NAS製品「LSV-5S1000/4C」の動作検証にご協力いただいた建設システム販売企画部 部長 榊原様(左)と開発部 部長 細川様(中)、開発部 課長 岩渕様(右) |
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