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APC Japanは無停電電源装置(UPS)の代名詞的な企業、米American Power Conversion(APC)社の日本法人である。1981年にマサチューセッツ工科大学の3名のエンジニアが設立、電源保護分野に注力し1984年に最初のUPSを発表。その後、UPSのデファクトスタンダード的立場を確立する。2007年よりフランスに本社を置く世界的な電機メーカー、シュナイダーエレクトリックのIT事業部門として活動している。
事業範囲はUPSそのものの販売のみにとどまらず、サーバラックや冷却装置などの販売や保守サービスといったIT機器の物理的なインフラを提供している。
取り扱うUPSは家庭でも使用できるものから大型のデータセンター向けまで幅広い製品を揃えている。1984年当時からUPSのハードだけではなく、制御ソフトをセットにしたソリューション発想のビジネスを行っており、これが現在のUPS管理ソフト「PowerChuteシリーズ」につながっている。PowerChuteシリーズでより高度な電源管理ができることもあり、APC社のUPSはユーザーから高い評価を得ている。
今回はUPS製品およびPowerChuteシリーズとロジテックNASの動作検証にご協力いただいたサービス事業部ソリューションエンジニアリング部 部長 深美雅彰氏、小型UPS事業部ディストリビューション営業部 部長 妻鹿行雄氏、ビジネス・ディベロップメント部 ディレクター 有本一氏の3氏にお話を伺った。 |

近年のビジネスにおいてIT機器は欠かせない存在となっているため、サーバやパソコンなどには常に安定した状態で稼動することが求められている。特にサーバについては継続して稼働し続けること、つまり可用性が重視される。故障や停電などによりサーバがダウンすることは、即座に売上や利益の減少につながる。サーバダウンの時間が長引けば長引くほど、損失も膨らむ。いかにダウンタイムを短くするかが課題となっている。
ダウンタイムの短縮のため、まず必要なのは信頼性の高い製品を選ぶことである。しかし、いくら信頼性の高いものを使っても外部的な要因である停電には対応できない。電源が断たれれば高級なサーバもただの箱となる。そこで必要とされるのがUPSである。停電などのアクシデントにより機器への電源供給が断たれたときに、内蔵されたバッテリーで電力を供給する装置だ。短い電源断ならば機器をストップさせることなく使い続けられる。
また突然の電源断による異常終了はサーバやパソコンが故障しやすい。故障が発生すればダウンタイムはさらに延び、損失は拡大する。UPSのバッテリー容量には限りがあるため、電源断が長引く場合には接続されたサーバやパソコンを正しい手順で終了させる必要がある。そのために用意されているソフトがPowerChuteシリーズである。 |
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UPSと保護対象の機器をシリアルケーブルやUSB、LANで接続して自動でシャットダウンを行ったり、ログの管理をすることがPowerChuteシリーズの主な機能である。
また、どんなUPSでもバッテリーには寿命があり、Smart-UPSクラスの場合は一般的な環境で二年半が交換時期の目安となっているが、PowerChuteシリーズはこの通知も自動的に行ってくれる。いざ停電になったとき、バッテリーの劣化によって障害が起こるといった事態を未然に防いでくれるのである。
このように「運用担当者にとってかなり便利な機能が搭載されている」(深美氏)ソフトなのである。
さらなる特長は幅広いOSへの対応である。「OSを選り好みするようだとインテグレーションが大変になるが、PowerChuteなら様々な環境に対応します」(深美氏)。また新しいOSへの対応も迅速に行っている。
PowerChuteシリーズは大きく2つのエディションに分かれている。一つはUPSと機器を一対一で接続する場合に使用する「PowerChute Business Edition」。もう一つはネットワーク接続された複数の機器を管理できる「PowerChuteNetwork Shutdown」である。
現在は「Business Edition」が出荷本数の多くを占めるとのことだが、増加率では「Network Shutdown」の拡大が著しいそうだ。
APC社では古くからUPSとともにPowerChuteシリーズを提供しており、販売店やユーザーからの認知度が高く、指名買いも多い。使い勝手や信頼性が高く評価されている証拠である。 |

このように高い評価を受けるPowerChuteシリーズとロジテックのNASとの動作検証は思った以上にスムーズに進んだようだ。検証前こそ「正直もっとコンシューマーよりの製品なのかな」(妻鹿氏)との印象を持たれていたそうだ。しかし、いざ検証を始めると、通常のサーバと同じように使える法人向けとして問題なく使える製品だという認識を持っていただけた。
今回はPowerChuteシリーズの双方のエディションで検証していただいた。「見た目は違っても中身はWindowsベースのサーバと同じなので、非常にスムーズに動作できました」(深美氏)ということだ。
実はWindows Storage Server 2003搭載製品の中にはクセのある物があり、PowerChuteシリーズを動作させた場合、画面表示に問題が出たり追加でモジュールのインストールが必要であったりという物があるそうだ。このためWindows Storage Server 2003搭載製品への対応を一律でうたうことはできないという。しかしロジテックのNASはそのような制限事項もなく、正常に動作する。余計な工数が発生しないため、導入コストの削減にもつながる。
またロジテックのNASには導入を容易にするオリジナルソフト「Logitec ホストエクスプローラ」が付属する。「NASも自動で見つけてくれ、全くつまずくことなく設定ができました」(深美氏)ということだ。 |
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デファクトスタンダードの地位を確立しているだけにAPC社のUPSを既に導入している企業は多い。当然PowerChuteによる管理に慣れたユーザーがそれだけ多いということである。新たにNASを導入したからと慣れないUPSを使うのは効率が悪い。そこでロジテックのNASであれば今までと同じ使い勝手で管理できる。
ロジテックのWSS搭載NASは価格もリーズナブルであるが、「UPSは『保険』です。大切なデータが保存されるストレージだから、汎用サーバと同じように電源周りなどの環境に気を遣っていただきたい」(有本氏)。そのためにUPSと組み合わせてしっかり管理やログ記録ができるロジテックNASとPowerChuteシリーズの組み合わせは、ベストな選択と言えるだろう。 |
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小規模、ブランチオフィスにおけるサーバの安全なシャットダウン、およびシステム管理者による効率的な電源管理を可能にします。 |
- 電源障害の発生時に保護対象機器を安全に自動でシャットダウン
- 多彩なOSやプロセッサをサポートし、幅広い環境に対応
- データログ、イベントログの記録や管理が可能
- バッテリーの劣化時や問題発生時の通知機能を搭載
- シャットダウンやスタートアップ時のコマンドファイルを実行可能
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Business Editionが持つ基本機能に加え、ネットワーク上の複数コンピュータの全自動によるシャットダウンを可能にします。 |
- ネットワーク通信の利用により、UPS⇔保護対象機器の専用ケーブルが不要
- リアルタイムのイベント通知機能により、スムーズで効率のよい運用を実現
- UPSを常時モニターし、現在のステータスを簡単にチェック可能
- ブラウザからのアクセスが可能
- デフォルトでのHTTPSによる安全なWebアクセスにより通信の安全を確保
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型番:SUA500JB 本体価格:\49,300(税別) |
- あらゆる負荷との互換性を確保する正弦波出力
- システムを停止することなくバッテリーの交換が可能
- ラインインタラクティブ方式により安定した電源環境を確保
- セルフテストにより、バッテリーやUPSの状態を定期的にチェック可能
- 見やすいLEDディスプレイと警告音で状況を即座に把握可能
- 電源管理ソフトに対応
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ロジテックのWSS 2003搭載NASは、PowerChuteシリーズとの動作検証が完了しています。
管理ソフトのインストールだけでよく、モジュール等のインストールは不要です。 |
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株式会社エーピーシー・ジャパン
http://www.apc.com/jp/
設立:1996年4月
代表取締役社長:内藤 眞
無停電電源装置(UPS)や環境管理システムなどを提供する米American Power Conversion(APC)社の日本法人。UPS、冷却システム、ラック、管理ソフトウェアなどの製品を、大企業から中小規模企業、SOHO、家庭用まで幅広く提供するほか、Green ITを実現する製品・ソリューションを提供している。 |
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