
ARカードとは?知っておきたいARカードの基礎知識と作り方

ARコンテンツは、ゲームやアプリなど、誰かが提供したものを受け取って楽しむもの、と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、自分でARコンテンツを作って楽しんだり、誰かに楽しんでもらったりすることも可能です。もちろん、本格的なARコンテンツの制作はツールを使うため専門的な知識が必要ですが、誰もが手軽に作れるARコンテンツとして「ARカード」があります。
そこで今回は、ARカードはどのようなARコンテンツなのか、ARカードの事例を紹介しつつ、作成手順をまとめました。
ARカードとは?

ARカードは、カードに印刷されているコードを読み取るだけで、スマートフォンなどの画面上に、さまざまな3Dコンテンツが飛び出して見えるサービスを提供するカードです。視聴方法は簡単で、スマートフォンやタブレットなどのカメラを使い、専用のアプリやソフトを通して、カードに印刷されているコードをスキャンするだけです。読み込みに成功すると、3Dアニメーションや動画などを楽しむことができます。不特定多数に向けてのサービスはもちろん、特定の相手に向けたメッセージ動画や音楽を表示する(視聴させる)ことも可能です。
企業が制作したARカードの例
まずは、実際にARカードを活用したARコンテンツとして、どのような事例があるのかを見ていきましょう。
・松屋銀座のバレンタインフェア×ARカード
百貨店・松屋銀座は、2018年のバレンタインフェア会場に、無料ARアプリ「COCOAR2」で楽しめるフォトスポットを設置しました。壁にある「ハートマーカー」をアプリでスキャンすると、画面にバレンタイン仕様のフォトフレームが出現し、オリジナルの「ARバレンタインカード」が撮影できるというものです。録画や撮影ができるほか、撮影画面のリンクボタンからイベントページに飛ぶこともできました。
若い女性をターゲットとしたこの企画は、SNS映えするフォトジェニックな空間づくりも意識されており、集客・販促効果を狙ったARカードの活用法といえるでしょう。
・ニンテンドー3DS×ARカード
ARのゲームは、ニンテンドー3DSで遊べるものが代表的です。3DSの本体を購入すると、6枚組のARカードが付属しています。本体に最初からインストールされている「ARゲームズ」というソフトとカメラ機能を使うことで、ARカードに印刷されたキャラクターを3Dで表示させて遊ぶことができます。角度や距離、部屋の明るさなどによって、キャラクターの見え方も変化します。
・グリコ「アーモンドピーク」×ARカードのコラボ
グリコの「アーモンドピーク」は、ARカードを封入するキャンペーンを開催しました。キャンペーン表記のあるパッケージにARカードが入っており、専用の無料アプリでスキャンすると、キャラクターが画面から飛び出して見えたり、そのまま歌い出したりするというものです。これまでに「初音ミク」や「白猫テニス」とコラボしています。
ARカードの作り方
続いて、ARカードの作成の流れや、作成時の注意点をチェックしておきましょう。

ARカードの作成にはアプリとカードが必要
ARカードを作成できるアプリや専用のカードは多数リリースされています。まずは一通りアプリをダウンロードして、使い勝手を試すことから始めましょう。
アプリによって作成の手順は多少違いますが、フレームと動画や画像を組み合わせていく基本的な流れは変わりません。しかし、どのアプリにも共通していえるのは、まず3Dコンテンツにしたい動画や画像を用意する必要があるということです。また、自分で印刷して作るアプリの場合は、カード用紙も必要になります。
ARカードの種類
おもなARカードの種類には、次のようなものがあります。
- ・相手にメッセージ動画を送れるタイプ
- ・カードに記載されているキャラクターを3D表示するタイプ
- ・カードのコードに応じたアニメーションや動画を3D視聴するタイプ
- ・ゲームソフトと連動させて遊ぶタイプ
自作のARカードでできること
オリジナルのARカードを作成すれば、ARコンテンツという新しい形でメッセージを届けることができます。思い出の写真や動画、アニメーションなどを3Dデータとして残し、楽しむこともできるでしょう。バースデーカードをはじめとするグリーティングカードをARカードにして、3D動画と合わせて贈るというサプライズも考えられます。
ARカードを作るときの注意点

ARカードを作成する際に注意すべきポイントをまとめました。特に自分で印刷するタイプのARカードは、用紙選びや印刷方法の違いを知ることが重要ですから、作業前に確認しておきましょう。
- ・動画を用意する際は、制限時間内に収まるようにする
- ・AR利用可能期間を確認する
- ・ARカードの読み取り部分を折り曲げたり、汚したりしない
- ・用紙サイズに指定がある場合は、それに従う
- ・カラー指定がある場合、インクジェットプリンターで印刷する
- ・光沢紙は避け、マット紙で印刷する
- ・折れ曲がり防止のため、厚手の紙で印刷する
また、印刷時に元のサイズから拡大・縮小すると、正常な読み込みができなかったり、視聴できなかったりする可能性があるので特に注意してください。
オリジナルのARカードを作ってみよう
ARカードを自分で作ってみることで、ゲームなどの楽しみ方が広がるだけでなく、ありふれた写真や動画を別の視点で楽しむことにもつながります。アイディアがすぐに浮かばないという場合は、企業による商品やイベントとARカード(技術)をコラボレーションした企画をARカード作成のヒントにしても良いでしょう。
アプリで簡単に作成可能で、受け取った人の驚きも大きいARカードは、ほかの人にはまねのできない自分だけの贈り物として、今後ますます注目されるアイテムといえます。まだそこまで広がっていない今のうちに、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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