Vol.04 ディスプレイ切替器は、ポートが足りないときの強い味方!
エレコム製品購入ガイドケーブルの基礎知識

ディスプレイ切替器は、ポートが足りないときの強い味方!

ゲームイメージ

テレビが1台しかないのに、何台もゲーム機を持っていると、遊ぶハードを変える度にケーブルを差し直す必要があります。差し込む端子がテレビの前面や側面など、手の届きやすい場所にあれば一手間で済みますが、背面にしかない場合や、テレビの設置場所によっては一大事となるでしょう。
この問題をクリアするのが「ディスプレイ切替器」です。

テレビに映像を映すHDMIはポートの少なさが難点!?

テレビに接続する機器は、ブルーレイプレイヤー(レコーダー)やDVDプレイヤー(レコーダー)、HDDレコーダーのような映像を楽しむための物や、PlayStation 4やNintendo Switchなどの家庭用ゲーム機が代表的な存在です。また、スマートフォンやタブレットの中には、映像出力を備えている物も増えていますので、例えば撮影した写真や動画を大画面で再生したり、アプリを大画面でプレイしたりすることもあるでしょう。

これらの機器をテレビと接続するのが、HDMIという規格です。しかし、このHDMIの入力端子を大量に備えているテレビはそれほど多くありません。その理由として、ライセンス料の存在を挙げる向きもありますが、レコーダーとゲーム機を1台ずつつないだとき、もう1ポート(端子)空きがあれば一般家庭の需要には十分応えているからでしょう。
その一方で、テレビにつなぐ機器を多く持つ人にとって、ポートの不足や接続作業のやりにくさは大きなデメリットでした。

ディスプレイ切替器は映像機器のたこ足配線!?

たこ足配線イメージ

ディスプレイ切替器は、テレビやディスプレイの映像入力ポート(HDMIやDVI)に接続し、レコーダーやゲーム機、PCなどの機器からの映像出力ケーブルをつないで使用します。HDMIなどのケーブルは端子の形も独特で、入力と出力さえ間違えなければ、誰でも簡単につなぐことが可能です。

PCでも、USB端子の数が不足しているPCに「USBハブ」をつないでポートの数を増やすことがありますが、それとほぼ同じしくみであると考えてください。あるいは、いくつもコンセントが挿さる「電源タップ」をイメージしても良いでしょう。ちなみに、USBハブや電源タップとの違いは、ディスプレイ切替器にはスイッチがついていて、使いたい機器を切り替えられる点です。

もちろん、PCのディスプレイを切り替えることもできます。2台以上のPCを使い分けている人にとって便利なのは「パソコン切替器」ですが、Windows 10のPCとMacの場合、ディスプレイとマウスはともかく、キーボードを共有するのは困難でしょう。このようなケースでは、ディスプレイ切替器でディスプレイだけを共有するのが現実的といえます。

リモコン操作で簡単に接続する機器を変更できる

かつてのディスプレイ切替器は、切り替えるときは本体のボタンやスイッチで…という操作方法でした。しかし、近年の製品にはさまざまな機能が搭載され、使い勝手が良くなっています。エレコムの「DH-SWP41BK」を例に、便利な機能の数々を紹介しましょう。

DH-SWP41BK

・接続している機器の映像を見比べられる

テレビのバラエティー番組などで多用される「ワイプ」は、VTRを流しているときにスタジオの出演者の表情を抜き出したり、大勢の出演者から特定の人物にコメントを求めたりするときなどに使われる演出法です。
これに近いものとして、ディスプレイ切替器につながっている全機器の映像を小窓で確認し、切り替えることができる「プレビュー」機能が搭載されています。リモコンで切り替えたい小窓の映像を選ぶと、メインの映像を見たいものに切り替えられるので、わざわざ本体のスイッチを押す必要がありません。

・ピクチャーインピクチャーにも対応

「録画した番組を再生しながら、小窓に放送中のニュース番組を流す」「メイン画面でゲームを遊びながら、Blu-rayの映像を小窓で楽しむ」など、さまざまな使い方ができる「ピクチャーインピクチャー」機能を搭載。小窓のほうが気になる場面に差し掛かったら、すぐにメイン画面と入れ替えることで、見たい場面を逃さずに済みます。いわゆる「ながら」作業を行う人にはたまらない機能といえるでしょう。

・MHL対応でスマホもOK

端末の小型化・薄型化が進んだスマホやタブレットは、HDMI端子を搭載することが難しくなっています。その代わりに規格化されたのがMHL(Mobile High-definition Link)で、HDMIと互換性があることから多くの端末に採用されるようになりました。
一般的に、スマホで撮影した写真や映像を大画面のテレビで閲覧するには、Micro-USBケーブルでPCなどに移したものを再生したり、microSDカードを抜いて再生機器に入れたりするといった手間がかかりました。しかし、MHLに対応したディスプレイ切替器があれば、これに接続するだけで簡単に見られます。

・HDCPにももちろん対応

Blu-rayなどに収録された映画などの映像作品には、不正利用を防止する「HDCP」というコピーガードが施されています。ブルーレイプレイヤーをテレビに直接つないで見る方法であれば問題ありませんが、プレイヤーとテレビのあいだに別の機器を挟むことでガード機能が発揮されます。しかし、HDCP対応機器であれば通常どおりの再生が可能です。

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ディスプレイ切替器に近い映像出力関連機器

デジタルサイネージ

ディスプレイ切替器と似た機器として「ディスプレイ分配器」が存在します。これを利用すると、複数のテレビやスクリーンに同じ映像(画像)を映せるため、例えば広い会場で講義をしたり、2つの部屋で同じ映画を同時に楽しんだりといった使い方が可能です。駅の構内やショッピングセンター、イベント会場などで見かけるようになったデジタルサイネージにも、このディスプレイ分配器を使って画像や映像を出力している例が増えています。

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また、PCの画面を2Kや4Kなどの高解像度で出力できるようにする、「マルチディスプレイアダプタ」もあります。これは、ノートPCのプレゼン資料を会議室の大型モニターに映し出してプレゼンをしたり、大画面でゲームを楽しんだりするといった用途で使われています。

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