Vol.01 世界で競技人口が爆発的増加!eスポーツの歴史と日本の現状
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世界で競技人口が爆発的増加!eスポーツの歴史と日本の現状

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かつては自宅に友達を呼んで隣り合って遊ぶものだったゲームですが、ハードウェアの性能が上がり、通信環境が整ったことで、世界中のプレイヤーと対戦することができるようになりました。人と人がリアルタイムで技術を競うゲームは「eスポーツ」と呼ばれるようになり、タイトルごとのリーグ戦や世界大会が開かれています。
アーケードの対戦型格闘ゲームが中心だった日本のゲーム大会ですが、大会の賞金やスポンサー収入を得て世界を転戦するプロゲーマーも誕生。関連団体の設立や世界的なスポーツ競技会への採用など、取り巻く環境も激変しているeスポーツの現状を、その歴史を振り返りながらご紹介します。

eスポーツの歴史1 家庭用ゲーム機を使った大会

チェスや将棋、囲碁、トランプなどのカード、そしてボードゲーム…。歴史あるゲームの大半は「人と人が勝負する」=「対戦」するものといえるでしょう。1970年代に生まれたコンピューターを使ったゲームもやはり、対戦型のものが人気でした(例えばアタリ社の「PONG」)。その後、アーケードからPC、そして家のテレビ、持ち運びできるタイプへとゲームの世界は広がり、ジャンルも多様化しましたが、対戦という要素は変わることなく残っています。

この対戦と、他人がプレイするところを観戦するという要素を、日本で初めてフィーチャーしたのがハドソンの「全国キャラバン」です。ファミコンのシューティングゲームを使用し、規定時間内の得点数を競うイベントは、当時の子供たちの熱烈な支持を受け、各地の予選には多くのプレイヤーが参加。いわゆる「ゲーム名人」を生み出すに至りました。名人はメディアに露出し、ライバルの名人との勝負が映画化されるなど、eスポーツでいう「スタープレイヤー」に近い存在でした。

eスポーツの歴史2 対戦型格闘ゲームの流行

1991年に登場したカプコンの「ストリートファイターII」(ストII)が、社会現象といえるメガヒット。各社が対戦型格闘ゲームに注力した結果、アーケードを中心に一大ムーブメントとなります。コンピューターが操るキャラクターではなく、筐体の向こう側に座った人間が操るキャラクターとの戦いは、従来とは異なるゲームの魅力を発掘。各地のゲームセンターでのローカルなものから、メディア主催のものまで無数のゲーム大会が開催されるなど、人が集まってゲームで競うことと、それを観る楽しさを広めます。

この対戦型格闘ゲームのブームは海を越え、北米や欧州でも「ストII」をはじめとするタイトルが大ヒット。今のeスポーツシーンでも重要な位置を占める、一大ジャンルとして定着しています。

eスポーツの歴史3 PCのオンラインゲーム

対戦型格闘ゲームがアーケードの世界を席巻している中、PCゲームの世界にも新たな潮流が生まれます。それが、FPS(ファーストパーソンシューティング)とRTS(リアルタイムストラテジー)です。
前者は一人称視点でフィールドを進み、出会った敵を撃ち倒すタイプのシューティングゲーム。後者は見下ろし型のフィールド上のユニットを操作し、資源を確保して拠点を築き、兵士を生産して敵の拠点を叩くもの。1人でもプレイできるものの、オンライン上でほかのプレイヤーとマッチングして、リアルタイムで撃ち合う(戦う)ことが人気となり、北米を中心に巨大なプレイヤー層が育っています。

プレイヤーの増加はマーケットの拡大につながり、やがてこれらのタイトルを使用したゲーム大会が開かれるようになります。その規模は年々大きくなり、大会の賞金だけで暮らすプロゲーマーが誕生。さまざまな企業がスポンサーとなって、彼らを支援する現在のeスポーツ(興行)が成り立つようになりました。

一方、PCでゲームをする習慣が根付いていなかった日本では、(FPSもRTSも)一部のプレイヤーが楽しむ世界でしたが、ブロードバンドの普及とPCの高性能低価格化、家庭用ゲーム機への同ジャンルの進出などを契機にプレイヤーが増加。PC関連メーカーなどがスポンサーとなってプロチームを結成したり、海外の大会への渡航費や滞在費をフォローしたりするような場面が増えています。

世界のeスポーツ大会

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2000年代に入り、家庭用ゲーム機、アーケード、PCとプラットフォームは異なるものの、人と人が(あるいはチームとチームが)ゲームで競う(戦う)eスポーツは、北米やヨーロッパ、アジアで興行として成立するようになりました。大会には巨額の賞金が設定され、世界的な企業がスポンサーになるなど、社会的にもプロゲーマーが認められる土台は整っています。

中でも最初期に人気を集めたのが「World Cyber Games」(WCG)でした。韓国企業が主催し、2000年に始まったWCGは、初年度から20万米ドルという巨額な賞金を用意。扱うゲームのジャンルの幅広さもあって、参加者、観戦者とも非常に多く、世界を代表するeスポーツの大会になりましたが、2013年を最後に開催されていません。

ヨーロッパでは、フランスの企業が2003年に「Electronic Sports World Cup」(ESWC)を開催しました。各国の予選を勝ち抜いたプレイヤーによる大会は多くの支持を集め、現在は「Electronic Sports World Convention」(略称のESWCは変わらず)へと発展。世界最高峰のeスポーツ大会のひとつになっています。ほかにも、ドイツのESLも世界的に知られている大会です。

アメリカでは、タイトルごとにプロリーグが成立。対戦型格闘ゲームの「ストリートファイターV」、FPSの「オーバーウォッチ」、MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)という多人数が争う「リーグ・オブ・レジェンド」、同じく多人数が生き残りをかけて戦うオンラインバトルシューターの「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」などの人気タイトルで、プロゲーマーによるリーグ戦が行われています。これらのリーグは世界各国でも設立され、各国のリーグを勝ち抜いたプレイヤー(チーム)による大会も行われるようになりました。

日本国内のeスポーツ大会

日本では、PCや家庭用ゲーム機を使ったゲーム大会は規模が小さく、2003年に始まったアーケードの対戦型格闘ゲームの祭典「闘劇」が圧倒的な人気を集めていました。これは、アーケードゲーム情報誌が主催し、対戦型格闘ゲームを生み出した日本のメーカー各社が協力したイベントで、参加者/観覧者となる一般プレイヤーの数が多く、梅原大吾氏をはじめとするトッププレイヤーも参加。初開催から2012年までの10年間、国内eスポーツ最大の大会であったと考えられています。

PCゲームの世界では、2007年にCyAC(Cyber Athlete Competition)が設立され、オンラインとオフラインで定期的な大会を開催し続けています。eスポーツの大会としては、「リーグ・オブ・レジェンド」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」をはじめとするタイトルごとの日本リーグが続々と立ち上がっていて、世界大会への選手派遣なども積極的に行われるようになりました。

eスポーツ大会で扱われるゲームのジャンル

世界でも日本でも大きな盛り上がりを見せているeスポーツですが、すべてのゲームが競技として成立しているわけではありません。実際に大会やリーグが開催されているのは、次の7ジャンルとなっています。

FPS(ファーストパーソンシューティング)

一人称視点で撃ち合うシューティングゲームのFPS。「カウンターストライク」や「オーバーウォッチ」が代表的なタイトルです。

MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)

MOBAは、多対多が争うゲームです。その筆頭は全世界で7,000万人がプレイするといわれる「リーグ・オブ・レジェンド」、ほかに「Dota 2」などがあります。

RTS(リアルタイムストラテジー)

RTSは、MOBAからアクションやキャラクターカスタマイズ要素を外したものですが、MOBA自体がRTSの派生ともいえます。根強い人気を誇る「スタークラフト」が有名です。

スポーツ

サッカーやアメフト、バスケットボールなど、現実のスポーツをリアルに再現したゲームも人気です。「FIFA」や「ウイニングイレブン」シリーズ、「NBAライブ」シリーズなどがあります。

オンラインバトルシューター

多人数の中からたった1人生き残ることを目的とする、比較的新しいジャンルがオンラインバトルシューターです。現在、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」が、最も多くのプレイヤーを獲得しています。

対戦型格闘ゲーム

対戦型格闘ゲームは、「ストリートファイター」や「鉄拳」「大乱闘スマッシュブラザーズ」など、日本のゲームメーカーが制作したタイトルが多いジャンルです。

CCG(Collectible Card Game)

CCGは、いわゆるトレーディングカードゲームのオンライン版です。代表的なタイトルとして「ハースストーン」があります。

上記以外のジャンルとして、パズルゲームやスマホのタイトルによる大会も開催されています。

日本のeスポーツの実情

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日本でも、プロゲーマーやチームをバックアップする体制が徐々に整ってきました。2007年に設立準備委員会を発足した「日本eスポーツ協会」を皮切りに、2009年の「日本eスポーツ学会」(現在は活動休止中)、2010年に「eスポーツ学生連盟」、2011年に「日本eスポーツエージェンシー株式会社」と、eスポーツに関連する団体が続々と設立。ほかにも多くの団体が作られ、それぞれプレイヤーを支える活動を始めます。

しかし、団体の乱立は国際大会への選手派遣などに問題があったことなどから、2018年に「e‐sports促進機構」と「日本eスポーツ連盟」と「日本eスポーツ協会」が統合されて、「日本eスポーツ連合(JeSU)」となりました。その後、インドネシアでのアジア競技大会への選手派遣やプロライセンスの発行が大きな話題を呼ぶなど、日本におけるeスポーツ、プロゲーマーの環境が大きく変わりつつあります。

ほかにも、お笑いで有名な吉本興業が「よしもとゲーミング」を立ち上げ、浅井企画がゲーム配信を開始するなど、一般視聴者を巻き込む取組みも発表されています。また、2019年に茨城県で開かれる国民体育大会(国体)の文化プログラムとしてeスポーツが採用されることも決定(タイトルは「ウイニングイレブン」)。国際的にはオリンピックへの正式採用を目指す動きが顕在化するなど、ゲームがスポーツのひとつとして、広く認知される日も遠くないでしょう。