Vol.01 運動せずに筋肉を鍛えられる「EMS」とは?しくみや特徴などを紹介

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運動せずに筋肉を鍛えられる「EMS」とは?しくみや特徴などを紹介

EMSイメージ

美しく引き締まった身体への憧れから、筋トレを取り入れた健康的な身体づくりに取り組む人が増えています。一方で、見た目が変わる程度の効果でるまでには時間がかかり筋トレに対するモチベーションを維持できず、途中で挫折してしまう人も少なくありません。そこで注目を集めているのが、装着するだけで筋肉を鍛えることができる「EMS」です。
ここでは、運動が苦手で筋トレを継続できないという人から、より効率的に体を鍛えたいという人まで、幅広いニーズに応えるEMSのしくみや特徴を総合的に紹介します。

EMSとは?

EMSはElectrical Muscle Stimulationの略で、電気刺激を与えることによって筋肉を動かし、収縮させて鍛えるエクササイズ機器です。元々は低周波を流して体の痛みを取り除いたり、リハビリ効果を上げたりする医療用器具として開発されたものですが、筋肉を直接刺激することによるトレーニング効果が認められるようになり、小型化も手伝って一般家庭にも広く普及しました。

EMSのしくみ

私たちの身体の動きは、目の前に飛び出してきた物をとっさに避けるなどの反射的な行動を除いて、すべて脳からの命令によってコントロールされています。筋肉は、脳が運動神経を通じて伝えてくる「動け」という指令によって、収縮したり弛緩したりしているのです。

EMSは、こうした脳の指令に代わって、筋肉に直接電気を流すことで収縮・弛緩させるしくみです。つまり、使用者は「身体を動かそう」という意識を持たなくても、装着するだけで受動的に筋肉を刺激することができます。

EMSで鍛えられる筋肉

筋肉質の男性イメージ

筋肉は、「随意筋(ずいいきん)」と、「不随意筋」の2つに大きく分けられます。

随意筋

随意筋は、自分の意思で動かすことができる筋肉です。

円柱状の繊維の集まりで、骨格を形成する骨とつながっており、身体の一部を動かしたり、姿勢を維持したりする役割を果たしています。腕をぐっと曲げたときに出る上腕二頭筋、いわゆる力こぶの部分や、腹筋などが代表的です。

不随意筋

自分の意思では動かすことができない筋肉を、不随意筋といいます。
不随意筋のおもな役割は、臓器の動きを調整したり維持したりすることで、胃や腸などを動かす内臓筋や、心臓を動かす心筋がこれにあたります。

通常、筋トレなどで筋肉を鍛えるというときは、随意筋を指している場合がほとんどです。EMSを筋トレ目的に使おうとする人が対象としている筋肉も、この随意筋であることが多いでしょう。

ただし、近年よく耳にする「インナーマッスル」(深層筋)は、不随意筋でありながら筋トレやEMSで鍛えられる筋肉です。

インナーマッスルは、体の中心部分に近いところに存在しており、鍛えることによって体のバランスが整う、身体機能が向上するなどのメリットがあります。しかし、自分の意思では動かせない不随意筋を鍛えるのは非常に難しく、筋トレで鍛える際は専門的な知識に基づいて特別なトレーニングを行わなくてはなりません。

その点、EMSなら、意識とは無関係に筋肉を刺激することができるため、インナーマッスルを鍛えたい人に有効とされているのです。

EMSと筋トレの違い

EMSと筋トレの違いについて確認しておきましょう。

鍛えているイメージ

「ながら」で鍛えられるのがEMS

一般的に筋トレをする場合は、「がんばって鍛えよう」という意思を持ち、時間をしっかり確保して臨まなくてはなりません。しかし、EMSの場合は、例えば家事をしたり、仕事をしたりしながらでも、器具を装着することで筋トレをすることができます。

「運動しよう」という強い意思がなくても、「ながら運動」で高い効果を得られることが、EMSの大きな特徴であるといえるでしょう。

EMSは、疲れを感じずに筋肉を鍛えられる

普通の筋トレは、疲れを感じると脳が「動け」という指令を送るのをやめてしまいます。一方、EMSは脳の指令とは無関係に筋肉を動かし続けることが可能です。とはいえ、ひとつの筋肉を長時間にわたって動かし続けることは、逆に筋肉を痛めてしまう可能性があります。マニュアルなどで決められた時間を守り、左の太ももの次は右の太もも、その次は左腕……というように、鍛える部分を変えていくと良いでしょう。

筋トレとEMSは目的に応じて使い分けよう

EMSは、筋トレでは鍛えにくい筋肉を鍛えたいときや、忙しくて筋トレする時間がとれないときなどに向いています。また、日頃の運動不足の解消を考えている人や、ながら運動で気軽に体を引き締める人にもぴったりです。

一方、スポーツで優れた筋力を発揮したい場合は、脳からの指令を受けて素早く動く敏捷性や、力を発揮し続けるための持久力の向上が不可欠です。脳からの指示をショートカットして手軽に筋肉を刺激するEMSだけでは、筋力を鍛えることはできても、総合的な運動能力を得ることはできません。

いわゆる筋肉をつけたい人や運動能力を高めたい人は、スポーツジムなどでの筋トレを中心にしたほうが良いでしょう。一方、余計な肉が気になってきたり、運動不足を感じていたりする場合は、気軽に取り組めるEMSが有効です。

どちらも筋肉に働きかける「運動」であることに変わりはありませんが、目的に応じて使い分けることをおすすめします。