Vol.04 低周波治療器とは?しくみや周波数による効果について
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低周波治療器とは?しくみや周波数による効果について

低周波治療器とは?イメージ

今では一般家庭にもごく普通に置かれ、多くの人が利用している「低周波治療器」。体に電流を流すことで筋肉を動かし、痛みの緩和や疲労回復、血行の促進などが図られることはよく知られています。
しかし、そもそも低周波とはどのようなものを指し、治療器はどのようなしくみになっているのか。なぜ、体に良い効果をもたらすのかを理解している人はそれほど多くないでしょう。電気を利用した治療の歴史と併せて、低周波治療器の秘密に迫ります。

低周波を利用した治療の歴史

低周波を利用した治療の歴史イメージ

低周波治療器は、電子(※)の力を利用して電気治療を行う機器のこと。その歴史は非常に古く、紀元前(約2500年前)のギリシャにさかのぼるとされています。もちろん、当時は現代のような機械ではなく、魚のシビレエイが放つ電気を利用して、痛風などの治療を行っていたようです。電気を使った治療はその後も続けられ、紀元前1世紀頃の書物にも電気を発する魚類と、それを利用した治療がまとめられています。

その後、1700年代に入ると、凧揚げで雷が電気現象であることを証明したことで知られるベンジャミン・フランクリンが、「電気が治療に使える」ことを発見します。同時期の日本でも、江戸時代を代表する発明家・平賀源内が「エレキテル」を作りました。
火花の放電を見せたり、電気ショックを与えたりして人々を驚かす物として使われたエレキテルですが、医療用の摩擦発電器でもありました。

そして1928年、医学博士の原敏之によって、世界初の電位治療器である「ヘルストロン」が開発されます。ヘルストロンは、1963年に当時の厚生省(現、厚生労働省)から製造承認を得ることに成功。現在は医療機器として認可されるようになった、低周波治療器が発展する下地が作られました。

※ここでいう「電子(Electron)」は、伝導体の中を流れる「電流」を担うもので、「電気(Electricity)」は電荷の移動で生まれる物理現象や、エネルギー自体を指します。本稿では以降、電気に統一して表記。

電位治療器と低周波治療器の違い

家庭で使われている電位治療器と低周波治療器は、どちらも電気の力で治療を行う物ですが、医療機器としての効果は異なります。

・家庭用電位治療器

頭痛や肩こり、不眠症と慢性便秘の症状軽減。

・家庭用低周波治療器

肩こりの症状(痛み)軽減や、麻痺した筋肉が委縮することの予防とマッサージ効果。

低周波治療器のしくみ

低周波治療器のしくみイメージ

人間の神経や筋肉には、低い周波数のパルス電流に反応する性質があります。低周波治療器は、これを利用した医療機器で、体の表面につけた電極を通じて皮膚の表面から通電。それに対する作用を利用して治療を行います。

低周波の電流が流れると電極付近の筋肉が収縮、電流が止まると筋肉は弛緩します。この弛緩したときに血液が送り込まれることにより、老廃物を含む血液が送り出される現象が発生。これを繰り返すことで、血行が促進されるのです。また、痛みがある場所に低周波の電流を流すと、痛みを伝達する機能に働きかけて「脳に痛みを伝えにくくする」効果もあります。

なお、低周波を利用した治療法には、まだ解明されていない部分が多々あり、各国で研究が進められています。将来的には、より多くの症状の緩和や治療に役立つことがわかるかもしれません。

低周波治療の効果と周波数

低周波治療器には「肩こりの解消」「マッサージ効果」「疲労回復」「血行促進」という4つの効果が期待できます。使用する際は、目的に合った周波数に合わせることが大切です。
具体的には、こりや疲れといった症状に対しては低い周波数。神経痛のように痛みを感じる場合は高めの周波数にすると良いでしょう。

低周波治療の注意点

さまざまな症状の改善が期待できる低周波治療器ですが、使用に際しては、いくつかの注意事項があります。以下のポイントに注意してください。

・誤作動を招く危険があるもの

ペースメーカーなどの体内埋め込み型の電気機器、人工心肺などの生命維持用の医用機器、心電計のような装着型の医用機器

・事故やケガ、体調不良の原因になる(電極の)装着部位

心臓の近く、頭部、顔面、口内、陰部、皮膚疾患やタトゥーがある場所

・その他の避けるべきこと

ほかの治療機器との同時使用、時計やネックレスなど金属製品への付着、欠けたり壊れたりしているゲルパッドの使用、治療中の貼り替え(電源を切って行う)、長時間の使用、濡れている部位への使用、入浴中や多湿な場所での使用、運転中の使用など

おすすめは低周波治療+温熱効果のある機器

エレコムの低周波治療器「エクリア リフリーオン」

低周波治療器は種類が豊富で、何を選べば良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。また、肩こりの解消やマッサージ効果だけを考えると、いわゆる家庭用マッサージ器で十分という考え方もできます。

数多い選択肢の中でも、特におすすめなのが低周波治療にプラスして温熱効果を持つ機器です。体内温度を高めると「血行促進」や「こりをほぐす」「筋肉の疲れを取る」といった効果をより高められるので、低周波治療との相性は抜群。例えばエレコムの「エクリア リフリーオン」は、起動からわずか1分20秒で体温と同じ36℃に到達、4分で40℃を超え、温泉に浸かっているような温もりで、こり固まった筋肉をやわらげることができます。
また、温熱効果だけ、低周波だけ、交互治療(温熱と低周波の組み合わせ)と、症状によって使い分けも可能です。もちろん、疲れているときは低周波治療、胃腸が不調のときは温熱効果で温めるというように、環境や体調に合わせて利用できます。「深層指圧」「指圧」「もみ」「たたき」「おまかせ」の5つのモードを切り替えることで、その時々に合った使い方ができる点も見逃せません。