Vol.14 新しく始まる「4K・8K放送」とは?視聴に必要なポイントを解説
100人に聞いた!ネットユーザーの声アンケート記事

新しく始まる「4K・8K放送」とは?視聴に必要なポイントを解説

2018年12月1日、BSと110度CSによる「新4K8K衛星放送」(4K・8K放送の実用放送)が開始されます。しかし、そもそも4K・8K放送がどういったものかわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、4K・8K放送と従来のデジタル放送との違いや、新4K8K衛星放送を視聴するために必要な準備などについて詳しく解説します。

壊れたスマートフォンイメージ

100人に聞いてみた!4K・8K放送って何だかわかりますか?

テレビ売り場などでもよく耳にする4K・8K放送ですが、いったいどのくらいの人が理解しているのでしょうか。そこで、全国の10代以上の男女100人に「4K・8K放送とは何かわかりますか?」とアンケート調査をしてみました。

K・8K放送とは何かわかりますか?グラフ

その結果、62人が「わからない」と回答。まだまだ4K・8K放送の認知は広がっていないようです。

「自分は一般的な世間の情報に、うといほうではないと思っていたのですが、4K・8K放送は初めて耳にする言葉です」「このアンケートで初めて見た言葉。何のことかわからない」というように、言葉自体を聞いたことがない人も多くいました。

また、「知っている」と回答した人の中には「ハイビジョンよりもきれいに映るということは知っていますが、はっきりと説明することはできません」「画質が従来のハイビジョンより高画質であるということしかわかっていないです」という人がいました。4K・8K放送について、正確に理解して説明できるという人は少ないようです。

※調査方法:10~70代の男女100人へのインターネット調査(2018年4月23日)

4K・8K放送とは?従来のデジタル放送との違い

4K・8K放送は「超高精細度テレビジョン放送」または「スーパーハイビジョン放送」とも呼ばれ、現行のデジタル放送(フルハイビジョン)である2Kの放送に比べて、映像の解像度が高い放送の総称です。

現行の2K対応テレビは1,920×1,080ピクセルの解像度です。それに対して、4K放送対応のテレビの解像度は、縦横ともに2Kの2倍となる3,840×2,160ピクセル、8K放送対応テレビの解像度は4倍となる7,680×4,320ピクセルとなっています。

画素数で見ると、従来の2K放送が約200万画素なのに対して、4Kだと4倍の約800万画素、8Kだと16倍の約3,300万画素になります。

このように、4K・8K放送では画素数が増える分だけ、現在のデジタル放送と比べて、格段に美しい映像が実現可能になります。また、8K放送では、音の方向だけでなく音の来る高さや方向までも再現できる「22.2chサラウンド」の再生も可能となっています。

新4K8K衛星放送を見るために必要な準備とは?

4K・8K放送対応のテレビを持っていても、現在の受信設備のままだと、新4K8K衛星放送は視聴できません。それでは、ほかにどのような準備をすればいいのでしょうか。

新4K8K衛星放送対応アンテナ

新4K8K衛星放送対応アンテナ

まず必要なのは、新4K8K衛星放送に対応したBS・110度CS用アンテナです。

従来のBS・110度CSアンテナでも、新4K8K衛星放送の一部チャンネルは受信できますが、すべてのチャンネルを受信することができません。

衛星放送は、衛星からアンテナに向かって「らせん状」に電波が発信されています。

従来は右回りの電波である「右旋」だけしか使われていませんでしたが、新4K8K衛星放送では、左回りの電波である「左旋」も使用することで、チャンネル数を増やしています。

従来のアンテナでは右旋の電波だけしか受信できず、左旋を利用するチャンネルを受信することができません。そのため、すべての新4K8K衛星放送を受信するためには、右旋・左旋どちらも受信することができるアンテナが必要になるというわけです。

また、アンテナだけでなく、アンテナとテレビをつなぐアンテナケーブルも4K・8K放送に対応した物に取り換える必要があります。エレコムでは、さまざまな形状の4K・8K対応のアンテナケーブルを取り扱っています。

新4K8K衛星放送対応のテレビチューナー

新4K8K衛星放送に対応したテレビチューナーも必要となります。現在販売されている「4K・8K対応テレビ」には、新4K8K衛星放送対応のチューナーは搭載されていません。

2018年5月時点では、新4K8K衛星放送に対応したテレビチューナー、チューナーが内蔵されたテレビ、いわゆる「4Kテレビ」は発売されていません。放送開始に合わせて各社から発売される予定になっています。

その他の受信設備も4K・8K対応の物に

アンテナ、テレビチューナーのほかに、ブースター、分配器、混合器などの機器も、新4K8K衛星放送に対応する物に取り換えましょう。4K・8K放送では、従来のデジタル放送よりも高い周波数である3,224MHzまで使用するため、この周波数まで受信保証する機器に取り換える必要があります。

電波の遮蔽性能が良くない機器を使用すると、電波が漏れ出して外部のWi-Fi環境に干渉してしまったり、逆に電子レンジなどの不要な電波が外部から機器に飛び込んで、4K・8K放送が映らなくなったりするなどの障害が生じるおそれがあります。3,224MHzに対応する機器に交換する際には、電波の漏洩や不要な電波が機器に飛び込まないよう、機器の使用や配線工事に注意しましょう。

機器を選ぶ際には、BS・110度CSによる4K・8K放送用の受信機器のうち、業界団体が一定以上の性能を満たしたアンテナや機器に付与している「SHマーク」というシンボルマークを参考にすると確実です。

4K・8K放送の準備をしよう

4K・8K放送では、従来のデジタル放送に比べて、各段に美しい映像を見ることができます。また、8Kでは画像だけでなく、音声も臨場感あふれるサウンドを楽しむことができます。視聴するためには、4K・8K放送対応のテレビだけでなく、対応アンテナや対応チューナーを用意し、分電盤やアンテナケーブルなどの受信設備を4K・8K対応の物にする必要があります。

今から準備しておけば、2020年の東京オリンピックも4K・8K放送で視聴することができます。この機会に、4K・8K放送の導入を検討されてみてはいかかでしょうか。