
HDDからSSDへの換装はクローンを作るのがベスト

パソコンのパフォーマンスをアップするときに検討したいのが、起動ドライブをSSDに換装することです。しかし、いざ換装するとなると「OSを移行できるのか?」「ハードの交換は難しくないか?」など、不安な点も多いでしょう。
ここでは、SSDの換装を行う際に知っておきたいことをご紹介します。
HDDをSSDに交換する必要性は?

まずは、パソコンに内蔵されているHDD…つまり、ハードディスクをSSDに交換したくなる理由を考えてみましょう。理由によっては、「交換の必要がない」「そもそもパソコン自体を交換すべき」など、SSDに交換しなくても良いということになるかもしれません。
内蔵されているハードディスクをSSDに交換しようと思ったケース別に、本当に必要かどうかを考えてみましょう。
ハードディスクが不調
例えば、「ハードディスクが壊れた」「ハードディスクから異音がするようになった」といった場合は、ハードディスクを別のハードディスクかSSDに交換する必要があります。ですが、「壊れる」または「壊れそう」という状態になった原因は何でしょう。
もし、原因が経年劣化であるなら、パソコン自体もすでに旧式となっているかもしれません。特に、2020年にはWindows 7のサポートが終わります。ですから、もし使用しているパソコンが、Windows 7以前のパソコンであれば、いっそのこと買い替えを検討してもいいでしょう。

Windows 10にアップグレードしたい
前述したように、仮にハードディスクが壊れておらず「現在Windows 7を使っているので、Windows 10にアップグレードするタイミングでSSDに交換したい」という場合も、マシンスペックによっては買い替えが有効です。
Windows 10をインストールするなら、それなりのマシンスペックが必要です。お使いのパソコンが、Windows 7発売時に購入した物であれば対応可能かもしれませんが、Windows 7より前のOSからアップグレードを重ねている物であればきびしい可能性もあるのです。スペックを確認し、問題なければSSDへの交換をするようにしましょう。
OSやアプリケーションの起動が遅く感じる
OSやアプリケーションの起動が遅く感じる場合は、ぜひ交換すべきです。SSDは、データの読み込み速度と書き込み速度が速いことが最大のメリットですから、換装すればユーザの作業効率を格段にアップさせることでしょう。
これは、ビジネスユースに限らず、ゲームをプレイする場合も、ゲームの起動やマップデータの読み込み速度などに効果があります。

ハードディスクの容量が足りなくなった
ハードディスクの容量が足りなくなった場合はどうでしょうか。容量に限っていえば、SSDよりもハードディスクのほうが安価で大容量のタイプが多くあります。ですから、現在使っているハードディスクが、交換するSSDよりも容量が小さければ意味がありますが、そうでなければ容量の問題は解決しません。
特に、SSDは容量不足になると書き込みスピードが落ちてきますので、あまりおすすめできません。外付けのストレージやクラウドストレージを利用して、データを外部に移行させましょう。
また、もし現在使っているハードディスクが、64GBとか120GBの場合、やはりマシンスペック的に古い可能性がありますので、新規購入を検討してください。
以上の点から、現行のサポートを受けられるOSが動くパソコンで、「OSやアプリケーションの起動を速くしたい」という人が、ハードディスクをSSDに交換するメリットが大きいといえるでしょう。
もちろん、古いパソコンに愛着を持って使い続けるのはいいことです。ですが、古いパソコンは故障のリスクもありますから、SSDに換装してすぐに故障ということもありますし、OSのメーカーサポートがなければセキュリティ面でのリスクもあります。使い続けるのであれば、万が一の備えを意識する必要があるでしょう。
HDDからSSDへ起動ディスクを移行する方法

では、実際にハードディスクからSSDに換装し、起動ディスクを移行するにはどうしたらいいのでしょうか。方法は大きく分けて2種類あります。どちらも、メリット・デメリットがありますので、行いやすい方法を選びましょう。
手動でOSをインストールし直す(クリーンインストール)
ハードディスクにあるデータは使わず、手動でゼロからOSをインストールして起動ディスクを作成します。これは、クリーンインストールと呼ばれており、パソコンを使い続けるうちに溜まってしまったデータなどを引き継がないため、パソコンにとって健康的な方法です。
しかし、いくらSSDが高速とはいえ、ゼロからOSだけでなくアプリケーションをすべてインストールするのは手間がかかります。環境の設定も最初からやり直すことになるため、時間的なデメリットがあります。この方法を選択するのは、OS自体をアップグレードしたときなどが最適でしょう。
アプリケーションを使ってクローンを作る
アプリケーションを使って、ハードディスクにあったデータのクローンをSSDに作成する方法があります。この方法であれば、これまでとまったく同じ環境を継承できますので、すぐにパソコンを使うことができます。一般的には、クローンを作るためのアプリケーションを使うので、手間はかからず移行できます。
問題点は、SSDの容量がハードディスクの容量(使用容量)と同等かそれよりも大きい必要があることです。そのため、コスト的に問題なければハードディスクの容量以上のSSDを買い、買えないのであればハードディスクの使用容量を、移行する予定のSSDの容量以下にする必要があります。
ただし、交換後にOSをアップグレードするのであれば、極力古い設定ファイルなどは引き継ぎたくはありません。その場合はクローンを作るよりも、クリーンインストールが最適でしょう。
「HD革命/CopyDrive Lite」を使ったクローン作成手順

前述したように、ハードディスクからSSDに移行する際、同じOSを使い続けるのであれば、クローンを作るほうが簡単で速いです。
例えば、エレコムの内蔵SSD「ESD-IBシリーズ」は、クローンを作るための「HD革命/CopyDrive Lite」がついていますし、取り出したハードディスクを再利用できる変換ケースも付属しています。
ここでは、ノートパソコンの2.5インチハードディスクを、2.5インチのSSD(エレコムの内蔵SSD「ESD-IBシリーズ」)に交換する方法を紹介しましょう。
1. ノートパソコンにSSDを接続する
まずは、ハードディスクをSSDに交換する予定のノートパソコンに、ESD-IBシリーズを接続します。ESD-IBシリーズは、すでに2.5インチのケースに入っており、ノートパソコンと接続するためのUSBケーブルも入っているので、簡単に接続できます。接続できたら、きちんと起動しているかを確認しましょう。
2. HD革命/CopyDrive Liteをインストールする
次に、HD革命/CopyDrive Liteをハードディスクにダウンロードします。ダウンロードしたら、ESD-IBシリーズのパッケージに入っていたシリアル番号を使い、HD革命/CopyDrive Liteをインストールします。

3. HD革命/CopyDrive Liteを起動しクローンを作る
HD革命/CopyDrive Liteのインストールが終わったら、ソフトを起動してクローンの作成をします。ただし、ハードディスクに保存されているデータ容量よりもSSDの空き容量が大きい必要があるためご注意ください。
なお、HD革命/CopyDrive Liteでの作業は、画面の指示に従えばできますが、迷ったときは付属のマニュアルが参考になります。

4. クローンが完成したらSSDを取り出してノートパソコンに差し込む
無事にクローンが完成したら、「ディスクの取り出し」でSSDをノートパソコンから外します。そして、ケースからSSDを取り出します。
次に、ノートパソコンの電源を落とし、ハードディスクを取り出します。そしてSSDをハードディスクのあった所に差し込みます。ただし、ESD-IBシリーズの厚みは7mmです。もし、お使いのノートパソコンに入っていたハードディスクが9.5mmの場合は、高さが合いません。その場合は、付属している7mmから9.5mmに変換できるスペーサーを使いましょう。

5. ノートパソコンが起動するか確認する
ノートパソコンにESD-IBシリーズを差し込んだら、再び電源を入れて起動するかを確認しましょう。無事に起動したら完了です。
元々入っていたハードディスクは、ESD-IBシリーズが入っていたケースに入れて、外付けハードディスクとして再利用する方法もあります。この場合は一度、ハードディスクをフォーマットして使いましょう。
なお、このハードディスクにOSを入れておき、万が一のときのために保存しておこうと考える人もいるでしょう。ですが、Microsoftの規約で禁じられておりますので、行わないようにしてください。
HDDからSSDへ交換するならESD-IBシリーズが簡単!

ハードディスクからSSDへの交換を考えるなら、ソフトウェアやケース、ケーブルなどがワンパッケージになった、ESD-IBシリーズを使うのが簡単です。
デスクトップパソコンなどで交換する場合は、「Serial ATA」や「電源ケーブル」「3.5インチへの変換マウンタ」などが必要になりますが、それでもSSDだけ購入するより難度は低めです。SSDへの交換の際は、ぜひご検討ください。