無線LANの基礎知識

Wi-Fiを自宅で使うための方法と適切な設置場所を解説

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家庭内のどこにいてもインターネットに接続できる無線LANは非常に便利ですね。
しかし、無線LANルーター(ルーター)やアクセスポイントの置き場所によっては家中に電波が届かなかったり、あるいは電波の死角が発生したりする場合があります。

どこに設置しても完全に電波の死角を消せない場合もありますが、できるだけ家中にくまなく電波が届くよう、無線ルーターやアクセスポイントの設置場所には気を配りたいものです。

Wi-Fiを自宅で使うための2つの方法

自宅でWi-Fi環境を整えるには、大きく分けて2つの方法があります。
それぞれに特徴があるため、ライフスタイルや住環境に合わせて選びましょう。

インターネット回線(固定回線)を使う

多くの家庭で採用されている方法として、光回線やケーブル回線(ケーブルテレビ)といった「固定回線」を契約し、その回線をルーターに接続する方法が挙げられます。
固定回線は一般的に通信速度が安定しており、オンライン会議や動画視聴、オンラインゲームなどを快適におこなうことができます。

月額料金に対して比較的に回線も高速で、コストパフォーマンスが高いケースが多いです。 お使いのルーターが複数の回線を接続できるタイプであれば、家族で同時に複数のデバイスを使うといった使い方もできるでしょう。

※ 固定回線は契約時に回線工事も必要になる場合があります。

ホームルーターやモバイルルーターを使う

一方、手軽にWi-Fiを導入したい方には、ホームルーターやモバイルルーターという選択肢もあります。
これらは「SIMカード」を使うことで、スマートフォンや携帯電話などで使われている電話回線により、インターネットに接続します。

特長は、工事が不要という点です。コンセントに挿すだけで使えるため、引っ越しが多い方や、一人暮らしの方に人気があります。
ただし、電波状況や回線の混雑によって速度が不安定になる場合もあります。 マンションの高層階では使用できないこともあるので、予め業者に確認することをおすすめします。

ルーターの適切な設置場所とは

Wi-Fiが安定して高速通信を実現するための適切な設置場所について解説します。

ルーター、アクセスポイントはなるべく高い位置に置く

スカイツリーや東京タワーを見ればわかるとおり、電波を遠くまで飛ばしたい場合は、アンテナをできるだけ高い場所に設置した方が有利です。 アンテナが高い場所にあると中の障害物が少なく、遠くまで電波が届きやすくなります。

周囲に背の高い家具を置かない

無線LANの電波は、間に何も障害物がなければ何十メートル(場合によっては100メートル以上)も遠くまで届きます。
ですから、なるべく無線(Wi-Fi)ルーター(以下ルーター)の近くに背の高い家具を置かないことが大切です。

同様に、背の高い家具のすぐ近くに無線LAN子機を設置することもできるだけ避けましょう。 受信状況に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

電子レンジやドアホンなどのそばに置かない

無線LANが使用する2.4GHz帯の周波数は、電子レンジやドアホン、インターホンと干渉しやすい性質があります。
5GHz帯を利用するIEEE802.11ac対応のルーターであればそれほど大きな影響はありませんが、それ以外のルーターは強い電波を発する機器のそばに置かない方がいいでしょう。

金属製の棚や水場に近い場所には置かない

Wi-Fiの電波は、金属や水に弱い性質を持ちます。
電子レンジや冷蔵庫、洗面所・キッチンの近くに置くと、電波がさえぎられて通信が不安定になることがあります。

また、金属製のラックやキャビネットの中など、周囲を囲まれた場所にルーターを置くのも避けましょう。
ルーターはできるだけ開放的で、周囲に障害物の少ない場所へ設置することが理想的です。

窓際には置かない

外に面した窓際にルーターを設置すると、電波が屋外へ漏れやすくなります。
結果として、室内での電波が弱くなるだけでなく、情報漏洩をはじめとしたセキュリティ面でもリスクが生じます。

Wi-Fiの電波は、家の中心付近や、利用する部屋との間に壁が少ない位置に設置することで、安定した通信が可能です。
置き場所がない場合、機器によっては天井に設置できるものもあるため、そういった製品を選択しましょう。

なるべく家の中心に設置する

もしもインターネットの配線が許されるなら、ルーターはなるべく家の中心に設置した方が均一に電波を飛ばすことができ、死角が発生しにくくなります。 なお、家の形状や家具の配置によっては、家の中心にルーターを設置することでかえって死角が広くなってしまうことも考えられます。

電波は壁などにぶつかると電波の一部が吸収されて減衰しますが、反射しながら死角へ回り込んでいく性質があります。
そのため、電波を強く反射させたい部分にアルミ板などを置くと回り込みが良くなり、死角を消せる可能性もあります。
「無線LANの感度を高めたい」という方は検討してみてはいかがでしょうか。

Wi-Fiの接続方法

スマートフォンとパソコンとの一般的な接続手順をご紹介します。

スマートフォンの場合

  1. 設定アプリを開き、「Wi-Fi」や「ネットワーク」などの項目を選びます。
  2. 表示されたWi-Fi一覧から、自宅のネットワーク名(SSID)を選択します。
  3. ルーターに記載されているパスワード(暗号キー)を入力すれば接続完了です。

スマートフォンは場所を移動して使うこともあるため、ルーターの設置位置によっては接続が不安定になることがあります。 安定した通信を実現するために、必要に応じて中継器の利用も検討しましょう。

PCの場合

  1. タスクバー(Windowsの場合)またはメニューバー(Macの場合)のWi-Fiアイコンをクリックします。
  2. 利用可能なネットワークが一覧で表示されるので、対象のSSIDを選択します。
  3. パスワードを入力すれば接続できます。

ノートパソコンを複数の場所で使用する際は、設置場所に応じて電波状況を確認し、快適に使えるかチェックしましょう。
電波状況を確認するためには、Webサイトやアプリを使用します。

Wi-Fiの設置場所には注意が必要

こちらの記事では、Wi-Fiを自宅に設置する方法と適切な設置場所について解説しました。
自宅でWi-Fiを使用する場合、インターネット回線を使う方法とホームルーターやモバイルルーターを使う方法が挙げられます。

快適なインターネット通信を実現するためには、ルーターの設置場所に注意が必要です。
電子レンジやドアホン、金属製の棚、水場の近くでは電波が阻害され、通信が遅くなる可能性があります。 また、窓際に設置すると電波が適切に拡散されにくいため、おすすめしません。

設置場所と接続方法を意識することで、Wi-Fiのパフォーマンスを最大限に引き出しましょう。