
- 概要
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パソコン周辺機器で有名なエレコムから調理家電が発表された。LiFERE「HOT DISH」は名前の通りホットプレートのように調理ができるお皿。現在、応援購入サービスサイト「makuake」にてプロジェクトが進んでいる注目の家電だ。
今回、いち早く、「HOT DISH」の試作機を使ってみる機会を得たので、色々と料理をしてみた。その感想を何回かに分けて紹介していこう。
一見しただけだと大きな白いお皿
まずは筐体から見てみよう。大きな白いお皿に見えるのが「焼きプレート」だ。熱伝導率の高いアルミ製でできており、底にIHの発熱体がついている。お皿の表面にはセラミックコーティングが施されていた。
お皿の重さは約740g(実測値)、片手で持てるが見た目以上にずっしりとしており、重厚感がある。華美な装飾がないため、お皿としてのデザインは非常にシンプル。その分、和食でも洋食でも使える汎用性の高さがある。
安全性確保のために、フチには薄く「やけどちゅうい」の注意書きがあるが、ほとんど気にならない。キッチン、ダイニングで普段使いできるのはもちろんながら、お客の前などでも安心して使える上質さも兼ね備えている印象だ。
焼きプレートのサイズは直径286.7mm。フチがあり、スープなどが入れられる場所は実測で約210mmだった。また、実測約28mmの深さがあるため、シチューやカレー、スープなどの汁気があるメニューにも対応できる。

焼きプレートはセラミックコーティングが施されたまさにお皿。そのまま食卓に並べられる。

お皿のサイズを計測。具材が入るのは約21cmのエリア。体積は約600mlだった。

台座でもあるIHクッキングヒーター。非常にコンパクトなのでテーブルに置きっぱなしにしても邪魔にならない。
焼きプレートを置いて加熱するのが円形のIHクッキングヒーターだ。一般的なIHクッキングヒーターと比べて非常にコンパクトなのがポイント。なお、焼きプレート以外にIH対応のフライパンや鍋なども使用できる。そして、このほかシリコン製の鍋つかみと電源ケーブルが付属する。
シリコン製の持ち手とマグネット式の電源ケーブルが付属する。
シリコン製の持ち手は、焼きプレートの縁にフィットする形状になっている。
操作はIHクッキングヒーター正面にある温度調節レバーで行う。設定はWARM(保温)/LOW/MID/HIGHの4段階になっているが、レバー自体は無段階で動く仕組みだ。タイマー設定や温度設定などはなく、調理家電としては非常にシンプルな製品だといえる。
温度調節はIHクッキングヒーターのレバーで行う。
加熱のスピードをサーモカメラで計測。約20秒で100℃に達し、約40秒で150℃を突破。1分すぎに176.7℃まで上昇した。
実際に通電してみるとその面白さがすぐに見えてきた。加熱にIH方式を採用しているため、熱の伝わりが非常に早いのだ。実験で100ccの水を焼きプレートに注ぎ、HIGHに設定してみたところ、約20秒で湯気が立ち上り、40秒台には泡が立ち上がり始め沸騰した。消費電力1200Wの電気ケトルと比べても立ち上がりの速さは圧倒的だった。「HOT DISH」ではこの高火力で調理ができるというわけだ。
高火力でこびりつきにくいから簡単に調理できる
では早速、「HOT DISH」を使って料理をしていこう。まずは公式レシピの料理と思ったが、その前に焼き具合をチェックするためにオムレツを作ってみた。
レバーをHIGHに設定し、30秒ほど待ったあと、焼きプレートにバターを投入。フライパンのようにプレートをと動かすことはできないので、ヘラで全体にバターを広げたら溶き卵を入れていく。
非常に火力が高いため、卵はプレートの中央部分からすぐに固まってくる。それをヘラで混ぜながら整形していく。たったこれだけで手軽にオムレツができた。
温電源を入れてから30秒ほどしてバターを入れた後卵を投入したところ。中央部分がすぐに固まり始めているのがわかる。
固まったところからゴムベラで形を作って行く。こびりつかないので失敗しにくい。
オムレツを整形し、スペースが開いてきたらそこにベーコンを投入。あとはオムレツが固くなりすぎないように温度を調整する。簡単にオムレツができた。火力の高さとこびりつきにくさが高い使い勝手を実現しているようだ。

ベーコンにも焼き色を付けて完成。朝食がこのワンプレートでできる。
早速、付属レシピの料理を作っていこう。最初に目についたのが「とろたまエビチリ」だ。エビを炒めて、調味料を合わせ、最後に溶き卵を混ぜてふわふわとろとろに仕上げる中華のメニュー。
一見、手間がかかりそうに感じたが実際は非常に簡単だった。火力は最初から最後までHIGHでよく、食材を順番に炒めていくだけでいい。調味料を用意するときに混ぜておけばさらに手間も減らせる。

「とろたまエビチリ」を作る。まずはにんにくや生姜ネギなどとエビ12尾を炒めていく。

調味料や卵(3個分)などを加えたところ。2人分たっぷりと調理できる。

完成した「とろたまエビチリ」は「HOT DISH」に乗せたまま食卓に出してもいいし、お皿に移してもいい。
たった15分でふわとろのエビチリの完成だ。続いて「焦がしガーリックバター炒飯」も作ってみた。このメニューも「HOT DISH」をHIGHに設定して食材を炒め合わせるだけでいい。フライパンなどで作るのと違って、「HOT DISH」は動かすことはできないので、振るかわりに優しくご飯や食材を「HOT DISH」に押し付けてみるといい感じでご飯がほぐれ、パラパラに仕上げることができた。

刻みにんにくとご飯、牛肉を「HOT DISH」で炒め合わせるだけ。フライパンで作るよりも簡単だった。

「とろたまエビチリ」と「焦がしガーリックバター炒飯」。二人分の晩御飯が簡単にできた。
この2品を作って感じたのは中華料理との相性の良さだ。高火力でさっと炒められるので、美味しく仕上げられる。
「HOT DISH」一つで時短調理ができる
「HOT DISH」の試作機を借りてから一週間、いろんな料理を作ってみた。家電ライターという仕事柄、市販されている多くのホットプレートや焼き肉プレートなどを試している。そんな中でも「HOT DISH」の火力の高さと使い勝手の良さは際立っていると感じた。
例えばちょっとおうち焼肉をしたい場合、「HOT DISH」なら、素早く焼き色を付けて美味しく焼くことができる。焼けるのが早いので待ち時間も殆どなかった。脂が落とせないため、ホルモンのような脂の多い部位の焼き肉は、あまり向かないが、赤身肉なら短時間で美味しく焼くことができる。スーパーなどで売っている味付け肉もさっと焼けて便利だ。

お一人様焼き肉が手軽に楽しめるのも「HOT DISH」の魅力だ。
また、公式レシピにある通りステーキにも向く。専用のフタが付属していつので、厚みのある肉を焼く場合でも中まで蒸し焼きにできる。

分厚いステーキもシッカリ焼き色を付けて焼ける。しかも保温機能を使うことで最後まで温かい状態で食べられる。
そして、火力の高さとフタがあることを利用して、冷凍餃子も焼いてみた。焼きプレートに冷凍餃子を並べた後火力をHIGHにしてフタをする。あとは冷凍餃子のパッケージの記載に合わせて焼くだけでいい。場所によって焼き色に差はあったが、こびりつかせることなく、カリッと餃子が焼けた。

冷凍餃子を「HOT DISH」で焼いてみたがカリッと香ばしく焼けた。
「HOT DISH」があればダイニングテーブルやリビングでお酒を飲みながらゆっくり焼肉や餃子を焼いて楽しめそうだ。
続く、第二回(近日公開)では、公式レシピから少し離れて、スーパーやコンビニにある食材を使って「HOT DISH」で、時短で美味しく調理することに挑戦してみよう。
執筆者プロフィール
- コヤマタカヒロ 白物家電やデジタルガジェットを中心に執筆活動を展開するデジタル&家電ライター。AllAboutガイドも務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための空間「家電スタジオ・コヤマキッチン」も用意。執筆以外に企業のコンサルティングやアドバイザーなども務める。