LANケーブルにはさまざまな種類や規格があり、それぞれに特徴やメリットがあります。
では、どのようにして自分に合ったLANケーブルを選ぶのでしょうか?
ここでは、LANケーブルの選び方のポイントをご紹介します。
01
about LAN
LANケーブルとは、パソコンやルーターなどのネットワーク機器を接続するためのケーブルです。
最近ではWi-Fiでのネットワーク接続が主流となっていますが、LANケーブルは高速で遅延の少ない安定した通信ができる点がメリットです。
また、LANポート(RJ45ポート)を搭載した機器であれば、接続するだけで繋がる点やセキュリティ性の高さも重要なポイントです。
02
choice speed
LANケーブルには「カテゴリー」と呼ばれる区分があります。カテゴリーが上がるとスピードが速くなる、と漠然と知っていても詳細な違いをご存じの方は少ないのではないでしょうか。カテゴリーが変わると何が変わるのか、その性能の違いをご説明します。
現在販売されているLANケーブルにはカテゴリー5~8に分類されます。数字が大きくなるにつれて、より高い周波数帯域(伝送帯域)でのデータ伝送が可能になり、1秒あたりに送信できる信号の数が増えるため、伝送速度が向上します。カテゴリーが上のケーブルは、より高品質な材料が使用されるなど、より高度な技術が用いられており、高い周波数帯域での通信を実現するため、様々な工夫がされています。
カテゴリはあくまで理論上の最大値であり、実際の通信速度は接続する機器や回線の状況によって変わります。例えば、CAT8のLANケーブルを使っても、接続する機器や回線がCAT5e相当の性能しかなければ、CAT5e相当の通信速度しか出ません。ご利用中の回線や機器の性能に合ったカテゴリを選定でることで、お持ちの機器の性能を最大限に発揮することができます。反対に、機器のスペックを超えるカテゴリのケーブルを使った場合には、通信速度には変化がない事もあります。
イーサネットの通信速度はLANケーブルだけでは決まりません。接続する全ての機器が対応する一番低い速度に合わせられます。その中でカテゴリー上位のケーブルを使う意味は「耐ノイズ性」です。
CAT5 カテゴリー5 |
CAT5e カテゴリー5e |
CAT6 カテゴリー6 |
CAT6A カテゴリー6A |
CAT7 カテゴリー7 |
CAT7A カテゴリー7A |
CAT8 カテゴリー8 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
伝達帯域 | 100MHz |
250MHz |
500MHz |
600MHz |
1000MHz |
2000MHz |
|
最大通信速度 | 100MHz |
1Gbps |
10Gbps |
40Gbps |
|||
耐ノイズ性能(シールド処理) | ✕ |
◯ |
◎ |
||||
ルーターなど 周辺機器の対応 |
◯ |
||||||
用途 | 一般家庭向け |
業務向け |
データ |
※通信速度は機器本体の性能によります。
各カテゴリの性能をフルに発揮するためにはケーブル以外の接続に関わる機器も対応している必要があります。
10G BASE-Tの機器が普及し始めている現在、10G通信に対応するカテゴリー6A以上の6A,7,8ケーブルがオススメです。
イーサネットの通信では届いたデータに欠損がある場合、自動的にデータが再送されます。全てのデータが届いた時点で初めて通信が成立します。つまり再送の回数が多くなるとそれだけ通信速度が遅くなります。
いかにデータの欠損を少なくして再送回数を減らせられるかで通信速度が左右されます。LANケーブルのカテゴリが上がるに従って様々なノイズに対する対策が増えていきます。それによって高速な通信が実現できるのです。
カテゴリ表記は、LANケーブルに印字されています。
CAT.5 | カテゴリ5 |
---|---|
CAT.5e | カテゴリ5e |
CAT.6 | カテゴリ6 |
CAT.6A | カテゴリ6A |
CAT.7 | カテゴリ7 |
CAT.7A | カテゴリ7A |
CAT.8 | カテゴリ8 |
LANケーブルには、他にもケーブルの仕様が表記されている場合があります。
例えば、「CAT6A U/UTP 26AWG 500MHz」などと書かれている場合、「CAT6A」はカテゴリ、「U/UTP」は配線規格、「26AWG」は導体径、「500MHz」は帯域幅を表しています。
03
choice long
LANケーブルの長さを選ぶ際には、設置する部屋の広さやレイアウトに合わせて適切な長さを選ぶことが重要です。LANケーブルが長すぎると、余分なケーブルが邪魔になったり、通信品質が低下したりする可能性があります。LANケーブルが短すぎると、接続する機器の位置に制限がかかったり、延長ケーブルやカプラーなどを使わなければならなかったりする可能性があります。
4.5畳
6畳
8畳
10畳
LANケーブルの芯線には、単線とヨリ線という2種類の導線があります。単線とは、1本の導線で構成されたもので、ヨリ線とは、複数の細い導線で構成されたものです。単線は、通信品質が高く、耐久性が強いですが、曲げにくく、重いです。ヨリ線は、通信品質が低く、耐久性が弱いですが、曲げやすく、軽いです。一般的には、短いLANケーブルはヨリ線で作られており、長いLANケーブルは単線で作られています。ケーブルの抜き差しが多く取り回し性を重視する5m以下の場合には、ヨリ線をお勧めします。一度配線したら普段はあまり触らないような10m以上の場合には、単線をお勧めします。
単線仕様
1芯が1本の銅線で構成
ヨリ線仕様
1芯が7本の細い銅線で構成
04
choice kinds
LANケーブルには、形状や機能によってもさまざまな種類があります。それぞれにメリットやデメリットがありますので、用途や好みに合わせて選ぶことが大切です。ここでは、定番のLANケーブルの種類とその特長をご紹介します。
ラウンドタイプとは、LANケーブルが丸い形状をしているものです。
ラウンドタイプとは、LANケーブルが丸い形状をしているものです。
メリット
通信品質が高い。
耐久性が強い。
電磁波の干渉を防ぐことができる。
デメリット
重量が重い。
曲げにくく設置しにくい。
スペースを取る。
やわらかタイプとは、LANケーブルが柔らかい素材で作られているものです。
やわらかタイプとは、LANケーブルが柔らかい素材で作られているものです。
メリット
曲げやすく設置しやすい
通信品質が高い。
耐久性が強い。
デメリット
重量が重い。
スペースを取る。
コストが高い。
極細タイプとは、LANケーブルが非常に細い素材で作られているものです。
極細タイプとは、LANケーブルが非常に細い素材で作られているものです。
メリット
軽量でコンパクトなので、持ち運びやすい。
スペースを取らない。
コストが低い。
デメリット
通信品質が低下しやすい。
耐久性が弱い。
長さが変更しにくい。
フラットタイプとは、LANケーブルが平らな形状をしているものです。
フラットタイプとは、LANケーブルが平らな形状をしているものです。
メリット
狭い場所に配線しやすい。
ドアのスキマを使って部屋を跨いだ配線ができる。
カーペット隠すことができるので美観に優れる。
デメリット
通信品質が低下しやすい。
耐久性が弱い。
長さが変更しにくい(自作が難しい)
巻き取りタイプとは、LANケーブルが巻き取り式のケースに収納されているものです。
巻き取りタイプとは、LANケーブルが巻き取り式のケースに収納されているものです。
メリット
長さを自由に調整できる。
使わないときはコンパクトに収納できる。
余分なケーブルが邪魔にならない。
デメリット
重量が重い。
通信品質が低下しやすい。
耐久性が弱い。
屋外向けとは、LANケーブルが屋外で使用できるように設計されているものです。
屋外向けとは、LANケーブルが屋外で使用できるように設計されているものです。
メリット
防水・防塵・耐候性・耐紫外線性がある。
長距離の通信が可能になる。
耐久性が強い。
デメリット
重量が重い。
スペースを取る。
コストが高い。
05
recommend
一般家庭でご利用頂く場合にCat6A以上のLANケーブルを進めしています。
Cat6Aは通信速度10Gbps,周波数500MHzに対応したLANケーブルです。昨今の10Gbps通信を超えるインターネット回線の広まりや、宅内通信などの増加に伴い、一般のご家庭でも1Gbpsを超える性能を有したLANケーブルが必要な場面が増えています。2.5Gbps対応の家庭用ネットワーク製品も増加傾向にあるため、今後さらなる進化を遂げるインターネット回線速度に備え、ケーブル交換のタイミングでCat6Aをお選び頂くことをお勧めしています。
「カテゴリ7」以上のLANケーブルがおすすめです。
カテゴリ7は最大伝送速度10Gbpsに対応、Cat8は最大伝送そくど40Gbpsに対応しており、高速インターネット接続やオンラインゲームなどの高負荷な用途に最適です。
「ツメが折れないLANケーブル」がおすすめです。従来から採用されているツメ折れ防止カバーに加え、柔らかいく折れにくい素材を採用することでツメが折れにくいので、頻繁に抜き差しするパソコンやゲーム機などの接続に最適です。
「スリムケーブル」や「フラットケーブル」、「やわらかケーブル」などの配線しやすいLANケーブルがおすすめです。
デスク周りや壁際など、目立たない場所への配線に最適です。
「カテゴリ6A(Cat6A)」のLANケーブルがおすすめです。
比較的安価な価格ですが、10Gbsの伝送速度と500MHzの伝送帯域に対応したケーブルです。
LANケーブルは一度配線すると長期利用されることが多いです。
インターネット速度が5Gbpsや10Gbpsと早くなってもLANケーブルはそのまま継続利用できるため、長期的に考えればCat6Aがもっともコストパフォーマンスの良いLANケーブルです。
06
FAQ
Q
LANケーブルのカテゴリはどれがおすすめですか?
A
LANケーブルのカテゴリは、自分が使用するネットワーク環境や機器に合わせて選ぶことがおすすめです。例えば、4K動画やオンラインゲームなどの高速な通信を求める場合は、CAT6以上のカテゴリを選ぶと良いでしょう。壁の中にLANケーブルを配線する場合は、今必要なスペックよりも1ランク高いカテゴリのケーブルをご採用頂く事をお勧めしています。将来的に5Gbpsや10Gbpsといった通信が必要になった場合でもCat6Aであれば安心です。
Q
LANケーブルの長さはどれくらいが適切ですか?
A
LANケーブルの長さは、設置する部屋の広さやレイアウトに合わせて適切な長さを選ぶことが重要です。LANケーブルが長すぎると、余分なケーブルが邪魔になったり、通信品質が低下したりする可能性があります。
LANケーブルが短すぎると、接続する機器の位置に制限がかかったり、延長ケーブルやカプラーなどを使わなければならなかったりする可能性があります。
Q
LANケーブルの種類はどれがおすすめですか?
A
LANケーブルの種類は、用途や好みに合わせて選ぶことがおすすめです。例えば、持ち運びやすさやを重視する場合には巻き取りタイプ、省スペース性を重視する場合は、フラットタイプや極細タイプなどが便利です。
通信品質や耐久性を重視する場合は、ラウンドタイプが良いでしょう。屋外で使用する場合は、屋外用のLANケーブルを選ぶことが必要です。
Q
LANケーブル接続する場合と、WiFi接続する場合のメリットとデメリットを教えてください
A
LANケーブル接続は、通信速度や安定性、セキュリティの面で優れています。そのため、オンラインゲームや動画の視聴など、大容量のデータのやり取りを頻繁に行う場合は、LANケーブル接続がおすすめです。
WiFi接続は、ケーブルの配線が不要で、端末を自由に移動できるのがメリットです。また、複数の端末を同時に接続することもできます。そのため、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、さまざまな端末をインターネットに接続したい場合は、WiFi接続がおすすめです。
ただし、WiFi接続は、通信速度が遅くなったり、通信が不安定になったりする場合があります。また、セキュリティ面でも不安な点があります。そのため、重要なデータのやり取りや、セキュリティが求められる場面では、LANケーブル接続がおすすめです。
Q
LANケーブルは何年間継続利用ができますか?
A
LANケーブルの寿命は、使用環境や取り扱いによって異なりますが、10~20年のご利用頂けて居る実績があります。しかし、屋外で使用したり、強い衝撃を与えたりした場合は、寿命が短くなる可能性があります。
Q
LANケーブルを敷設する際の注意点はありますか?
A
LANケーブルを敷設する際は、以下にご注意ください。
Q
LANケーブルに影響を及ぼすノイズが発生する原因はなんですか?
A
Q
LANケーブルのノイズを除去する方法や対策が知りたい。
A
LANケーブルにノイズが発生している可能性がある場合、以下の除去方法が推奨です。
Q
LANケーブルを自作する「メリット」は何ですか?
A
LANケーブルを自作するメリットは、自分に合った長さやカテゴリのLANケーブルを作ることができることです。市販されているLANケーブルでは長さが足りない、または余ってしまう事がありますが、場所やシーンに合わせてピッタリの長さのLANケーブルを作る事ができれば通信性能を落とさずスッキリと配線することができます。また、コネクタを自分の用途に合わせて選べることもメリットの一つです。
市販品ではあまり見かけない金属タイプのコネクタを採用するなど、こだわりのLANケーブルを作ることもできます。
Q
LANケーブルを自作する「デメリット」は何ですか?
A
LANケーブルを自作するデメリットは、自作に必要な道具や材料を用意しなければならないことや、自作の方法を覚えなければならないことです。また、市販品は工場で生産され、品質を担保するための検査などを通過していますが、自作LANケーブルは、ケーブルを作った後の検査をすることが難しく、品質や性能を担保しにくいというデメリットがあります。
自作LANケーブルを作る際には、注意深く作業することが必要です。また可能であれば、市販されている導通チェッカーなどで結線間違いや導通確認を行うことで最低限のチェックは可能になります。
07
connection
LANケーブルだけでは、ネットワークを構築することはできません。LANケーブルを使って、ネットワーク機器を接続することで、ネットワークが完成します。ネットワーク機器には、以下のようなものがあります。
カテゴリの数字が大きいほど速い