選び方How to choose a mouse
マウス選びに役立つ
基礎知識4
(全6回) マウスを使った作業効率をアップするための秘訣とは?
パソコンを使う人にとってマウスの使い勝手は、作業効率に影響します。パソコン本体に付属していたマウスや、安価でスタンダードな3ボタンマウスなどを使う方も多くいますが、その場合でも自分に合ったチューニングを行えば操作性がアップします。マウスの持ち方ひとつ変えるだけで手の負担が減り、長時間の作業がしやすくなることもあります。さらに快適さを求めるのであれば、高機能なモデルに買い替えるという選択肢もあります。
ここでは、マウスの設定や使い方を工夫したり、高性能なマウスを購入したりして、作業効率をアップさせる秘訣をご紹介しましょう。
マウスのプロパティで設定をチューニングして操作性を向上させる

マウスの操作性を向上したい場合、まずは設定を見直すところから始めましょう。設定の変更は、Windowsの「マウスのプロパティ」から行います。Windows 10 Homeでマウスのプロパティを呼び出すには、パソコンの画面右下にあるWindowsメニューをクリックし、歯車のようなアイコンを持つ「Windowsの設定」をクリックします。その中から「デバイス」を選択し、さらに「マウス」を選択しましょう。最後に、表示された画面の「関連設定」にある「その他のマウス オプション」をクリックしたら、マウスのプロパティが表示されます。あとは、変更したい内容のタブをクリックし、詳細な設定を変えていくだけです。以下に、操作性を向上させるために有効な、おもな設定を紹介します。
なお、Windows 10 Proの場合、若干表記が異なる場合がありますが、基本的に作業内容は同じです。
「ボタンの構成」でチューニング
「ボタン」タブにある「主と副のボタンを切り替える」というチェックボックスにチェックを入れることで、おもに使用するボタンを決めることができます。通常は「左ボタン」になっていますが、チェックを入れるとメインのボタンが「右ボタン」になります。これは、左ききの方用の設定といえます。
また、機器の構成やOSのバージョンによっては、設定する「デバイス」も選べたり、「右きき用」「左きき用」という選択肢になっていたりする場合もあります。
「ダブルクリックの速度」でチューニング
「ボタン」タブの「ダブルクリックの速度」では、ダブルクリックのスピードを設定できます。1回目と2回目のクリックの間隔が長い人は、「遅く」のほうへゲージを動かすといいでしょう。また、間隔が短い人は、「速く」のほうにゲージを動かします。
設定した内容で実際にダブルクリックができるかどうかは、「ダブルクリックの速度」の枠内に表示されている「フォルダ」アイコンで試すことができます。
「クリックロック」でチューニング
「ボタン」タブの「クリックロックをオンにする」いうチェックボックスにチェックを入れることで、クリックロック機能をアクティブにできます。これは、マウスのボタンを押したままにしなくても、ドラッグができるようになる機能です。操作は楽になりますが操作方法が変わるので、慣れるまで時間がかかるかもしれません。操作方法を変えたくない人は、無理に変更する必要はないでしょう。
「速度」でチューニング
「ポインター オプション」タブにある「速度」では、ポインターの速度を選択することができます。マウスを動かしたときにマウスポインターの動きが速すぎると感じる人は「遅く」のほうにゲージを動かすといいでしょう。また、遅すぎると感じる人は、「速く」のほうにゲージを動かします。
設定した内容で操作に困らないかどうかは、実際にマウスを移動してみれば確認できます。
「動作」でチューニング
「ポインター オプション」タブにある「動作」では、「ポインターを自動的に既定のボタン上に移動する」のチェックボックスにチェックを入れることで、アプリケーション上で「はい」「いいえ」などの選択ボタンが表示されたときに、自動的に既定のボタン(通常は「はい」や「Yes」)に移動させることができます。
アクティブにすることで操作性は上がりますが、万が一悪意のあるサイトなどにアクセスしてしまい「はい」のボタンを誤って押してしまう可能性が高くなりますので、設定した際は十分に注意してください。
「垂直スクロール」でチューニング
「ホイール」タブにある「垂直スクロール」では、ホイールを使用した際のスクロール量を設定できます。基本設定は、1度のスクロールで移動する行数ですが、1画面ずつスクロールさせる設定も選べます。
好みのホイール操作になるかを試す際は、「適用」ボタンを押して確認しましょう。
高性能マウスを購入して操作性を向上
OSの設定でマウスの操作性をチューニングするだけでは限界があります。そこで、ソフトウェア面ではなく、マウス本体を交換するハードウェア面での操作性向上もおすすめです。ここでは、さまざまな機能や利点のあるマウスの種類をご紹介しましょう。
ゲームをするなら多機能マウスを使う
eスポーツやMMORPGなど、最近のゲームはリアルタイムにたくさんの操作をすることを求められます。そのためには、標準的な3ボタンマウスでは限界があるでしょう。そこで、ボタンが複数ついた多機能マウスの購入を視野に入れてみてはいがかでしょうか?ハードウェアマクロに対応しているモデルであれば、アプリケーションに合わせて、ボタンごとに操作を登録可能です。
エレコムの製品では、13個のボタンがついた「M-ARMA50シリーズ」などがあります。
読み取り方式を変更する
マウスの移動スピードを調整しても、あまり動きが良くない場合は、読み取り方式に問題があるかもしれません。例えば旧世代のボール式マウスであれば汚れなどが原因かもしれませんし、赤色のLEDを使用した光学式でマウスであれば、光沢のある素材や透明な素材の上での読み取り感度が低いです。
そこで、少し高額ではありますが、読み取り感度の高いBlueLEDを進化させた「Ultimate Blue」と呼ばれる光学式センサーを搭載したマウスなどがおすすめです。
エレコムの製品としては「M-CCP1BBシリーズ」などがあります。
握り心地優先マウス
長時間作業するのであれば、手の形に合わせてデザインされた「握り心地優先マウス」に変更するのもいいでしょう。マウス操作時に使用頻度の高い親指と薬指に着目してデザインしているので、とても手になじむ形状のマウスです。
エレコムの製品では、「M-XGM30DBSKシリーズ」などがあります。
マウスの持ち方を工夫して作業効率を向上させる
スポーツを始める際、野球のバットやテニスのラケットといった道具の持ち方を教えてもらうことはあるかと思いますが、マウスの持ち方を教えてもらったことのある人は少ないと思います。
マウスの持ち方にはさまざまな方法がありますので、ここでは代表的な持ち方についてご紹介しましょう。なお、持ち方が最適かどうかは、マウスの大きさにも左右されますので、実際に自分のマウスで試して決めましょう。
かぶせ持ち
大多数の人が、マウスを包み込むようにして操作する「かぶせ持ち」を行っています。安定性はありますが、大きいマウスだと使いにくいかもしれません。

つかみ持ち
「つかみ持ち」は、かぶせ持ちのようにマウスを包み込まず、親指と薬指でマウスをホールドし、人差し指と中指はボタンに手をかける程度の持ち方です。マウスのサイズを問わずに使える、汎用性のある持ち方です。

つまみ持ち
「つまみ持ち」は、マウスを指先だけつかむような持ち方です。指先だけでホールドしますので、大きいマウスや重いマウスには向きません。

マウスの使い方や機能を知ってパフォーマンスをアップしよう

マウスの設定をチューニングしたり、機種を変えたり、持ち方を変えたりすることで、よりパフォーマンスを発揮することができます。
もし、現在マウスの使い勝手に不満をお持ちでしたら、ご紹介した方法を試したり、新しいマウスを購入してみてはいかがでしょうか?