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VK600A

VK600A PRODUCT STORY

ELECOM GAMING V customが新たに投入するデバイス「VK600A」は、
ゲーミングキーボード界で革命を起こしているアクチュエーションポイント(AP)可変機能を搭載。
本キーボードの特徴や製品化の過程でこだわったポイントを、開発担当者にとことん聞いてみた。

前作は、当時「早い」銀軸が人気

—ハイクラス・ゲーミングデバイス「ELECOM GAMING V custom(以下、V custom)」シリーズが登場してから1年近く経ちます。ユーザーの皆様やプロeスポーツ競技者の反応はいかがでしょうか?

SNSで皆様のいろいろなお声をいただいています。特に好評なのが「ネオクラッチキーキャップ」です。キーの角度や高さ、形状をゲーミングに最適化し、指にグッと食いつくのに離れがよく、操作しやすく調整しています。
また、キーの印字が剥げないように、2色のプラスチックを重ね合わせて整形した「ダブルインジェクションPBTキーキャップ」もご好評いただいております。ゲーミングなどの用途ではキーの酷使によってキートップの印字がかすれるのですが、この仕組みならキーの印字は消えることも発生し得ません。

—従来のV customのキーボード(「VK200」「VK300」)では、キースイッチに「青軸」「茶軸」「銀軸」の3種を採用していますが、どれが人気ですか?

一番の売れ筋は銀軸モデルです。銀軸は青軸、茶軸と比べてアクチュエーションポイント(キーを押したとき、スイッチがオンになるまでの押し込み量)が浅く設定されています。その分、スピーディにキャラクターを操作可能です。
製品としてはキースイッチ以外の差異はありませんし、銀軸モデルはほかの軸のモデルより少し高い価格を設定しています。それでも銀軸モデルが人気ということは、現在eスポーツシーンなどで採用されているタイトルにおいて、銀軸のような特性に対するニーズが高まっているのではないかと思います。

プロにとっては銀軸でも「遅い」

—こうした好評のお声をいただく中で、新規モデルとなる「VK600A」を開発するに至ったきっかけについて教えてください。

エレコムでは、eスポーツチーム「FAV gaming」さんとオフィシャルスポンサー契約を結んでおりまして、各種ゲーミングデバイスを提供しております。昨年のV customの発表後、自信をもって銀軸のキーボードを提供させていただきました。しかし選手から、「もっと早く反応するキーボード、ありませんか?」とお声をいただきまして……。
ご提供したモデルは当時、メカニカルキーボードとしては最速クラスの反応スピードを誇っていたのですが、プロからするとそれでも物足りない、一瞬のラグが気になってしまう。そこで、銀軸より浅いアクチェーションポイントや、キー入力の遅延を少なくする仕組みを実現するソリューションを調査・開発することにしました。
この取り組みの集大成が、磁気検知式というまったく新しいキースイッチを採用した「VK600A」なのです。

0.1mmでキーのオン・オフを実現する磁気検知式スイッチとは

—磁気検知式スイッチは、従来の茶軸や銀軸といったメカニカルスイッチとはどのような点が異なるのでしょうか?

まず、従来のメカニカルスイッチの仕組みから簡単に説明します。例えばVK300の銀軸ですと、アクチュエーションポイントは1.4mmです。キーを1.4mm押し込むとスイッチが反応、オンの状態となります。指を離して押したキーが持ち上がり、アクチュエーションポイントと同じ位置、もしくは少し上にあるリセットポイントまで戻ってくると、スイッチが切れる。これまでのメカニカルキーボードはすべて、このような仕組みになっています。

銀軸のキーストロークは3.5mmですから、底まで押し込むと、オフの状態になるにはキーが2mm以上持ち上がるのを待たないといけなくなってしまう。eスポーツでは、この2mmを待つ時間がひじょうに長く感じてしまうんですね。この問題を解決するソリューションが、磁気でキーストロークを検知するキースイッチなのです。
簡単にお話しますと、キースイッチのステム(中央の軸部分)の下に磁石が付いており、キーボードの基板に設置したホールセンサーで、磁石が動くことによる磁界の変化をキャッチしています。このホールセンサーが磁界の変化から、磁石との距離を0.1mm単位で計測しています。

—どのようなことが可能になるのでしょうか。

アクチュエーションポイントを任意の位置に設定できるんです。これまでは、銀軸の1.4mmであったり、茶軸の1.9mmのように特定の一点でしかスイッチのオンを判定できなかったのですが、磁気検知式スイッチでは、0.1mmから3.8mmまで、お好みに合わせてアクチュエーションポイントを設定できます。

あわせて、アクチュエーションポイントとリセットポイントを動的に変えることも可能となりました。例えばアクチュエーションポイントとリセットポイントを最短の0.1mmに設定しておくと、0.1mm押し下げればスイッチがオンになり、押し下げたところから0.1mmキーを上げるだけでスイッチがオフとなります。また、底の3.8mmまで押せばリセットポイントが3.7mmになりますし、1mmのところまで押している場合は、0.9mmがリセットポイントとなります。そして、そこからあらためてスイッチをオンにするには、リセットポイントから0.1mm押し込むだけですみます。
この「追従式アクチュエーションポイント/リセットポイント」により、スイッチのオン/オフのラグを限りなく短くすることが可能となりました。

ストッピングの“速さ”が勝敗を分ける

—磁気検知式スイッチを採用したキーボードを使用することで、どのようなプレイが可能になるのでしょうか? 効果的なシチュエーションなどを具体的に教えてください。

最近人気のFPSタイトルでは、キャラクターが動いている状態で銃を撃つと、弾の軌道が大きくずれてしまうんですね。敵を見つけた瞬間に移動を中断し、迅速に射撃体勢に入る、いわゆる「ストッピング」が重要になります。
このようなとき、磁気検知式スイッチを採用したキーボードならリセットポイントが短く、すぐに入力が切れますから、ピタッと動きが止まりいち早く射撃体勢に入れます。対人戦でとても優位に働くことから「革命的だ」とまで言われておりまして、プロ選手の間での使用率がここ1年くらいで急激に伸びています。

その他にも、キーの押し込み量を検知できるようになったことから、付随して実現した機能もあります。例えばキーボードのキーボードそのストロークが4mmあったとして、1mmから2mmまでの間はアクションAに割り振り、2mmから4mmまでの間はアクションBを割り振るような、キーの押し込み量によって作動するアクションを変えることができるようになったんですね。
FPSだとよくWキーを押すとキャラクターが歩き、ShiftキーとWキーを同時押しすることでキャラクターが走り出すといったようにアクションが割り振られていますよね。これを、Wキーを浅く押せばキャラが歩き、深く押すと走り出すといったように、1つのキーで完結できるようになります。

0.1mm単位で磁界を制御するために

—磁気検知式スイッチを採用したキーボードを開発する上で苦労した点について教えてください。

何と言っても、アクチュエーションポイント、リセットポイントの0.1mmの実現ですね。0.1mmを実現するためには、微弱な磁界の変化もキャッチできるようにしないといけない。一方で、キーのスイッチのちょっとしたガタツキを押し込みと判断されても困るわけです。開発中には、触れてないのに、キースイッチが反応してしまう誤作動も頻繁に発生していました。何度も繰り返しテストをしながら、正常に反応するように追い込んでファームウェアを調整しています。

ハードウェアに関しては、ガタツキやキーがガタガタしないように、キースイッチの選定やビルドのクオリティーに注意を払っています。ここの部分がしっかりしていないと、触れていないのにキーが押されたといった誤作動につながってしまいますから。

—「EG Tool」(V customのキーボード・マウスを設定するアプリ)にVK600Aを繋ぐと「誤作動防止機能」という項目が用意されています。これはどのような機能なのでしょうか?

常に0.1mmが正確に判定できるのが理想ではあるのですが、「いつどんなときでも」というのはなかなか難しい部分もありまして……。例えば、キーボードの中央付近のキーをかなり強い力で押し込むと、キーボードそのものがたわんで、それが誤作動の原因になることも考えられます。こうした誤作動を避けるために、0.1〜0.2mmまではアクチュエーションポイントが反応しないようにし、3.6〜3.8mmまではリセットポイントが反応しないようにするのが、誤作動防止機能です。
0.3〜3.6mmの部分は0.1mmの設定が生きてきますので、誤動作を抑止しつつ精密な動作を実現したいプレイヤーには、誤作動方式機能をオンにすることをぜひお勧めしたいですね。

—VK600AはEG Toolで細かなカスタマイズを行えます。おすすめの設定などあればお教えいただけないでしょうか。

開発にご協力いただいたFAV Gaming所属選手の皆様は、移動にかかわるWASDキーに重きを置いて、アクチュエーションポイント、リセットポイントともに0.1mmに設定している方が多かったです。
アクチュエーションポイントは比較的遊びを持たせつつ、リセットポイントだけ0.1mmに設定する方もいました。FPSで壁から体を少し出して視界を確保することを「ピークする」と言うのですが、細かくピークするときに、従来のメカニカルキーボードではリセットポイントに戻ってくるまで入力が入ってしまうので体が壁から出過ぎてしまう。VK600Aなら、キーから指を離した瞬間、入力がすぐに切れるので、本当に出したい量だけその顔を出せる。壁から体を出す範囲を小さくできるということは、敵からすればヒットエリアが狭くなるわけですから、非常に効果的な操作なんですね。

性能だけでなく使い心地にも注力

—静音性についても従来モデルと比較して向上し、打鍵音がコトコトと心地良い音に変わったように感じました。この辺は技術的にどのような工夫が施されているのでしょうか?

まず基板の方にはシリコンパッドが二重で入っておりまして、響く音を抑制しています。また、キースイッチには工場でルブ(潤滑油)を塗布しており、キーを押したときの引っかかりやガタツキを抑制しています。これによりカチャカチャとなる音も、大きく軽減することができました。

—たしかにキーを押したときも引っかかりがなく、スムーズな押し心地だと感じました。これは、キースイッチに潤滑油が塗布されているからなんですね。

あわせて、VK600Aでは入力しはじめの押下圧を従来よりも低めの30gに設定しています。キースイッチへのルブと合わさることで、スムーズで軽快な打鍵感が実現しました。

—V customでは、静音性やスムーズな打鍵感といった感性的な部分にも力を入れていますよね。この辺りは、eスポーツのプレイヤーから需要がある部分なのでしょうか?

FPSのゲーム内ボイスチャットを使う方も多く、クリッキーな青軸のキーボードですと、キーボードの打鍵音をマイクが拾ってしまうことが考えられます。指示など自分が伝えたいことが相手に届かない状況が発生してしまうんですね。コンマ1秒をせめぎあうFPSの戦いでは、負けにつながりかねません。
押下圧についても同じで、軽いストロークは物理的により早い入力に繋がります。また、余計な力がいないので、長時間ゲームをする場合でも、疲労感も変わってくるかなと思います。
どちらも感性的な心地よさというのはもちろん大切にしているのですが、それだけではなく、ゲームプレイに副次的な良い効果もあるのではないかと考えております。キーボードの打鍵感や音が気になるということもなくなれば、ゲームにそれだけ集中できるわけですから。

エレコムならではの強みとは

—磁気検知式スイッチを採用したライバル製品と比較して、VK600Aにはどのような強みがあるのでしょうか?

1つは入手性です。ライバル製品は海外メーカーのものが多く、デバイスの価格自体がゲーミングキーボードの中でも高額な部類に入るほか、国内向けの販売網が整備されていないなどの理由で、価格面でハードルが高く感じていた方も多いと思います。また、発売当初は品切れが続き、なかなか手に取れない状況となっておりました。エレコムが磁気検知式スイッチを採用したキーボードの開発・販売に取り組むことで、お客様にとってより手に取りやすい存在になるかと思います。

私どものVK600Aも、注目度の高さから予想以上の予約注文をいただいておりまして、予約注文開始から5時間ほどで完売する状況となってしまいました。今後は在庫を潤沢に手配し、皆様のご期待にお応えできるよう準備を進めてまいります。

もう1つが、マウスの操作スペースを確保しつつ、入力にも適した65%配列のキーボードと考えると、どうしても英語配列の存在が目立ってしまう。日本の方は小学校のパソコンの授業から皆さん日本語配列のキーボードを使っているでしょうから、基本的には日本語配列の方が使いやすいと思います。そういう意味でも、日本語配列のFPSに特化した65%の磁気検知式スイッチのキーボードをエレコムが出す意味は大きいのではないかと考えています。
ネオクラッチキーキャップだったり、筐体のしっかりとした作り込みなど従来のモデルでも好評だったところは、VK600Aでも踏襲しているので、自信を持って皆様のお手元にお届けいたします。

“勝利”にこだわるすべてのプレイヤーへ

—VK600Aは、どのような人に使ってもらいたいでしょうか?

そうですね、勝ち、勝利にこだわるプレイヤーに使っていただきたいですね。
大切なのは、競技レベルではなくて気持ちの部分です。初心者であってもやっぱり勝ちたい、始めたばっかりで負けてばかりだけど、どんどん上手くなって配信者やプロの選手のようなかっこいいプレーをしたい、ランクマッチでどんどんランクを上げていきたい。そういう人を後押しできるような製品に作り込んでいます。

キーボードのアクチュエーションポイント、リセットポイントを設定できる点は、プロはもちろんですが、初心者にとっても大きなメリットになります。ゲームを始めたばかりの人にとって、0.1mmの設定は、使いこなすのがなかなか難しいのではないかと思います。そういった方は、最初は2mmや3mmに設定して使っていただいても全然大丈夫で、慣れてきたらそれをどんどん短くしていけばいいのです。自分の好みに合わせて、やりたいことに合わせてアクチュエーションポイントやリセットポイントを変えられるのは、従来のメカニカルキーボードにはないメリットです。
VK600Aは、レベルを問わずプレイヤーの皆様にずっと寄り添う、相棒となりうる製品に仕上げられたと思います。

30日返品保証キャンペーン

新発売となる磁気検知式キーボード
「VK600A」シリーズでは、
返品保証キャンペーンを実施!

エレコムが自信をもってお届けする新しい”ELECOM GAMING V custom”シリーズを、まずは実際に触って、使って、お試しいただき、一緒に勝利を手にする相棒にふさわしいデバイスかどうかじっくりと見極めてください。
下記の期間にご購入いただいた製品は、初期不良などの問題がなくても、購入日から31日間は返品が可能となります。
■対象型番:TK-VK600ABK/TK-VK600AWH
■返品対象となる製品購入期間:9月19日~11月31日23:59購入分
■返品受付期間:ご購入日より31日以内
ぜひともエレコムのゲーミングデバイスへのこだわりと作り込み、”ELECOM GAMING V-custom”シリーズの本気度を感じていただければ幸いです。
※詳細はキャンペーンサイトの説明をご確認ください。
https://www.elecom.co.jp/pickup/campaign/00003/

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VK600A 65% MAGNETIC GAMING KEYBOARD

最短で僅か0.1mmの押し込み・押し上げでキー入力のON/OFF操作ができる、磁気検知式スイッチ搭載の65%サイズゲーミングキーボード。

オープン価格

カラー