
- 概要
- Wi-Fiと無線LAN通信は一見同じものとして認識されがちですが、実際には少し違います。
しかしなぜ両者は同じものとして考えられているのでしょうか?
今回は改めて知っておきたいWi-Fiと無線LANの違いについて、両者が混同されてしまう理由も併せてご紹介していきます。
「無線LAN」について
「無線LAN」とは、LANケーブルを使わないネット接続方法になります。
「無線」は電波を利用して通信を行う技術であり、「LAN」は施設の通信機器をつなげるコンピューターネットワークを意味しています。
電波でネットにつなげるため、ケーブルが不要になるのです。
旧来、一般的な無線LANルーター(Wi-Fiルーター)では親機・子機のセットが必要不可欠だったのですが、近年販売されているものは子機が既にパソコンに内蔵されているものが目立つようになってきました。
これにより、親機のみを用意すれば無線LANを使用することができるという仕組みが誕生しました。
また無線LANに対応できるものであれば、パソコンに限らずプリンターやスマートフォンなどと通信を行うこともできます。
ただパソコンが古い機種である場合は対応できないこともあるため、この場合はパソコンに直接ケーブルを接続するようにしましょう。
「Wi-Fi」について

「Wi-Fi」とは、無線LANと同様にLANケーブルを使わないネット接続方法を指します。
無線LANに認定された規格の1つであり、種類の異なるデバイス間でも問題なく無線通信を行うことができるというマークでもあります。
ここ数年でパソコン・タブレット・スマートフォン・プリンターなどWi-Fiを活用した機器が急増し、複雑な設定を行わずともネット通信を無線で利用することができるようになりました。
現在ではWi-Fiの通信可能なエリアも拡大してきており、利用しやすくなっている無線通信になります。
Wi-Fiと無線LANの違いは何か?
現在、無線LANもWi-Fiも名前が違うだけで同じものであるという認識が一般的となっていますが、正確には「無線LAN」という枠の中に「Wi-Fi」があるというイメージになります。
無線LANの技術を使った製品が世の中に出始めた頃、製品同士の間で相互の接続が保証できておらず、通信が安定しないことが頻繁にありました。
そんな無線LAN製品を普及するため、1999年に「Wi-Fi Alliance」が設立されました。
この「Wi-Fi Alliance」が、種類の異なるデバイス間でも無線通信が可能であることを証明する試験を行い、その証明として「Wi-Fi」のマークが使用されたのです。
そしてこのマークが世の中に知れ渡ったため、「Wi-Fi=無線LANの技術」として認識されていることが多いのでしょう。
Wi-Fiは無線LANブランドの1つでもあるため、無線LAN以上に口馴染みのある言葉として使用され続けているのです。
無線LANのさまざまな種類について

無線LANの通信方式にはさまざまなものがあり、Wi-Fiもその中の一つになります。
「無線LAN・Wi-Fiともに同じものだと思っていた」という方も多いのですが、これは一概に間違いでもないということです。
テレビやラジオといった無線通信の一つに「無線LAN」が存在しており、無線LANの一つに「Wi-Fi」が存在するのです。
無線LANのWi-Fi以外の種類としては「Bluetooth」「Ultra Wideband」などが挙げられますが、規格もそれぞれ異なります。
規格ごとに周波数帯やチャンネルの幅といったものが違ってくるのです。
おわりに
今回は改めて知っておきたいWi-Fiと無線LANの違いについて、両者が混同されてしまう理由も併せてご紹介しました。
「無線LAN」という枠組みの中に「Wi-Fi」が存在しているため、別物というわけではありませんが混同してしまわないよう注意が必要です。
また1999年に無線LAN製品を普及するために「Wi-Fiマーク」が使用されるようになったのですが、これが混同されてしまう理由になっていると考えられています。