10Gbps回線への刷新と
QNAP NAS 2台構成で、
通信トラブルと
バックアップ不在を同時に解決!
- 導入レポート
株式会社 アスティックフクシマ 様 - 電子部品商社であるアスティックフクシマ様は、昭和16年(1941年)創業の老舗である。電熱線や電気絶縁材料など、電気関連部品の取り扱いから事業を広げ、現在も事業の中心は電子部品等の商社機能にある。
同社では、この度ネットワーク回線の高速化と、QNAP NAS2台によるファイルサーバーの一新を図られた。
担当された情報システム・DX推進室の六田氏に、導入の経緯やその効果についてうかがった。
創業85年、大手メーカーからの
評価も高い電子部品商社

アスティックフクシマの主力製品である
ワイヤーハーネス。
アスティックフクシマ様は、ものづくりの町、東大阪市に本社を置き、仙台・東京・九州(北九州市)の各地に拠点を構えている。仙台支店は工場を併設しており、一部メーカー機能も担っている。海外については専属工場ではなく、協力メーカーで生産された製品を仕入れる形で供給体制を築いておられる。
同社の取扱い製品の中でも売上構成比が大きいのが、ワイヤーハーネスである。家電分野に加え、近年はデータセンター用途などにも広がっているといい、「ワイヤーハーネスならアスティックさんに任せれば安心」と評価する大手メーカーも少なくない。長い歴史で培った信頼と、顧客ニーズに合わせた最適な調達・供給を組み立てる"商社力"が同社の強みである。
一方で、社内の情報システム体制は、大企業のように万全ではなかったという。六田氏は「当社の規模的に情報システム部門として人員を厚くするのは難しい」と語る。限られた体制の中で、事業を支えるIT基盤の安定化は大きなテーマになっていた。
回線速度の不満に加え、
バックアップ体制の不安が顕在化
今回の導入の背景には、社内から「通信速度が遅い」という声が多く上がっていたことがある。大阪本社では、回線速度が体感として30~50Mbps程度の場面もあり、Web会議で接続が不安定になるなどの事象が出始めていた。六田氏は「海外とのWeb会議なども増え、30~50Mbpsだと心許ない。切断などのトラブルも全くないわけではなかった」と振り返る。
当初、他業者から1Gbps回線を10Gbps回線へ変更する提案もあったという。しかし予算面の折り合いがつかず、計画は行き詰まっていた。そこで、日頃から同社の運用・保守を支援してきた株式会社SomuriX(ソムリエックス)と、上流商流を担う住電商事株式会社の担当者が課題を整理し、費用対効果の高い改善策を検討。ネットワーク設計を担うエレコムグループのgroxi(グロクシー)も加わり、3社がそれぞれの立場から強みを持ち寄って提案を組み立てた。
その過程で、単なる回線の速度アップにとどまらない課題も浮かび上がった。現状の利用状況を詳細に確認したところ、ファイルサーバーのバックアップが十分に確立されていないことが分かったのである。業務データは見積、図面・仕様書、売上・仕入、受注・発注データなど多岐にわたり、トラブルが発生すると業務が止まるリスクは小さくない。速度アップだけではなく「守り」の観点を含めた提案が必要だという結論に達した。
10Gbps対応ネットワークへ更新し、
QNAP 2台で"本番+バックアップ"を構築

一新されたネットワーク機器と2台体制のQNAP NAS。
提案の骨子は2点だ。1つ目は、1Gbps回線から10Gbps回線への変更と、それに合わせたネットワーク機器の更新である。10Gbps伝送に対応するためには契約変更とともに、周辺機器も10Gbpsに対応した構成へ刷新する必要がある。他社の機器も柔軟に採り入れ、運用要件に合致するよう現実的なコストで"効く"改善を目指した。
2つ目は、QNAP NAS 2台によるファイルサーバー/バックアップサーバーの2台構成である。採用機種はTS-464U-RP-8G。1Uラックマウント型で冗長電源を備え、4ベイのストレージを搭載できるモデルだ。CPUにIntel Celeron N5095(4コア)、メモリ8GB(最大16GB)を搭載し、2.5GbEポートを2基備えるなど、中小規模の業務用途で性能とコストのバランスを取りやすい。
groxi担当者は「より上位のエンタープライズ向けストレージを選べば性能は上がりますが、規模に対してオーバースペックになりますし、費用も跳ね上がります。必要な機能・性能を満たしつつ、予算内で実装できる点から今回の提案になりました」と語る。このようにして、速度改善(攻め)とバックアップ確立(守り)を同時に満たす今回の提案は実現した。
体感速度と安定性が大幅に向上し、
トラブル対応の頻度が減少
回線変更後、大阪本社では速度が最大で実測1Gbps前後まで出るようになり、Web会議に関する不満が明らかに減ったという。六田氏は「以前は会議中に切れることがしばしばありましたが、今はそうした話を聞かなくなりました。ネットワークのトラブル頻度が圧倒的に減りましたね」と手応えを語る。限られた体制でIT運用を担う同社にとって、"トラブルが起きない"こと自体が大きな効果であるといえるだろう。
ファイルサーバーについては、現時点では大阪本社で運用している。業務データが集約される中で、バックアップが独立したNASとして確立されたことは、心理的な安心感にもつながっている。六田氏は「復旧が必要になるような事態は幸い起きていませんが、独立したバックアップ先があることは、これまでより安心できる」と話す。
ランサムウェア対策に
オフラインバックアップを採用
今回のバックアップ体制の構築では、昨今猛威を振るうランサムウェアへの強力な対策として、単なるデータの複製にとどまらない「オフラインバックアップ」の仕組みを採用している。
ランサムウェアに感染した場合、本番の業務データだけでなく、ネットワークに常時つながったバックアップデータまでもが暗号化され、長期の業務停止や多額の復旧コストなど甚大な被害を招く恐れがある。こうしたリスクを排除し、万が一の感染時にも確実に復旧用のデータを守り抜くため、本システムではバックアップデータをオフライン環境に隔離・保存する構成を導入している。
具体的には、バックアップ制御ソフトと遠隔電源制御機器を活用し、スケジュールに沿ってバックアップ実行時のみ自動でネットワーク機器(HUB)の電源をオンにする。そして、バックアップ用NASへのデータ保存が完了すると、直ちにHUBの電源をオフにして物理的にネットワークを遮断。これにより、バックアップ用のハードディスクをネットワークに繋いだままにしてしまうといった人為的なミスを防ぎつつ、データがウイルスの脅威にさらされる時間を最小限に抑えることができる。手軽に強固なランサムウェア対策を実現できた点も、限られた体制でIT運用を担う同社にとって大きなメリットになるだろう。
基幹刷新・業務アプリ化と並走し、
IT基盤の"当たり前"を整える
同社ではDX推進室を設け、kintoneの活用や稟議書類のアプリ化など、紙中心の業務からの転換も進めている。過去には古いオフコンを長く運用しており、基幹システム刷新は大きな挑戦だったという。そうした全社的な変革の中で、ネットワークとファイル基盤を安定させることは、日々の業務を止めないための前提条件になる。
商社として多拠点・多方面の取引を支える同社にとって、IT基盤の"当たり前"を整えることは、これからの競争力にも直結する。groxiは今後も、ネットワーク設計の知見とエレコムグループの製品力を掛け合わせ、現場に効く改善を提案していく方針だ。
取材にご対応いただいた方

- 総務部 情報システム・DX推進室
主任 六田 憲也 氏
昭和16年(1941年)創業の電子部品商社。大阪本社を拠点に、仙台・東京・九州(北九州市)など各地に拠点を展開し、幅広い電気・電子関連部品を取り扱う。中でもワイヤーハーネスを主力分野の一つとし、長年培ってきた調達力と提案力で、多様な顧客ニーズに応えている。
ホームページ : https://www.e-astic.co.jp





