自治体病院の大規模な
Wi-Fi環境整備に、
エレコムのソリューションが貢献


- 導入レポート
京都市立病院 様 - 京都市立病院様は、病床数548床、37の診療科を有する自治体病院である。
同院では、昨年来のコロナ禍を契機に、2021年春より病室を含む全館で利用できるWi-Fiネットワークを整備された。
職員用の業務用回線を含め250台にのぼる無線アクセスポイント(以下無線AP)を新規導入する今回のプロジェクトを、
エレコムが受注し工事を完了。同院の黒田院長とプロジェクトを担当された平井氏に、
導入の目的や効果、今後の利用方法などについてうかがった。
京都市をはじめ地域の医療を担う京都市立病院
京都市立病院様は、昭和40年(1965年)開設。地域に根ざし、京都市内や近隣自治体の住民に医療を提供している。「市民のいのちと健康を守ります」「患者中心の最適な医療を提供します」「地域と一体となって健康長寿のまちづくりに貢献します」を理念に、先進的な医療を提供しておられる。
がん医療にも注力し、早期発見治療ができるよう最新の医療機器なども導入。2018年には「がんゲノム医療連携病院」の指定を受けた。重篤な患者への緩和ケアにおいては、緩和ケア病棟を開設し、負担をできるだけ少なく過ごしてもらえるよう配慮をしている。
また、プラスチック製診察券を日本で初めて導入、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を早期に導入するなど、先進技術を積極的に取り入れる姿勢も同院の特徴である。
新型コロナウィルスの流行を機に患者が利用できるWi-Fi導入を決定

京都市立病院 黒田院長
スマートフォンの普及にともない、院内でのWi-Fi利用へのニーズが高まるなか、2020年には新型コロナウィルスが世界的に広がった。
「当院では、2020年7月から入院患者との面会を原則禁止にしました。しかし、患者さんとご家族が会えないという状況を考えると、やはりWi-Fiを導入して電話やビデオ通話が手軽にできる体制をつくるべきではないかと考えました」と、黒田院長は振り返る。
「以前は、約9年前に導入した職員用のLANがありましたが、機器や設計の経年劣化などにより、電波が届きにくい、通信速度が遅いといった問題がありました。またセキュリティについても、最新のものと比べて認証・暗号化方式が古いことも課題でした(事務局総務担当主任 平井氏)」
同院には、400人以上の入院患者がおり、外来患者も1日に1,000人を超える。また職員も1,000人以上が在籍しているという。必要となる機器の台数が多いうえ、病院だけにさまざまな医療機器との干渉を防ぐ工夫も要求される。
「導入前に実施した複数業者とのヒアリングでは、病院での実績があるところを探して声をおかけしました。大規模なプロジェクトになりましたが、計画通りに導入できました(平井氏)」

廊下の天井に設置された無線APから各病室内にWi-Fi電波を届けている。
本プロジェクトの主なシステム要件
- ●電子カルテシステムで使用している周波数帯を避けること(チャンネル分けも 考慮)
- ●総務省「Wi-Fi提供者向けセキュリティ対策の手引き(令和2年5月版)」に準拠すること
- ●暗号化方式としてEnhanced OpenもしくはWPA3を採用すること
- ●他端末との相互通信をブロックできること
- ●次世代ファイアウォール(NGFW)の仕組みがあること
- ●インターネット回線は複数回線用意すること
あわせて、L3スイッチ等も複数台設置し、冗長性を確保すること - ●患者用と職員用のネットワークを分けること
保守・サポート、バックオフィス業務もエレコムが担当

事務局総務担当主任 平井氏
一般競争入札を経て、エレコムが本件を受注したが、ネットワーク構築に使用した無線APは、病院をはじめ公共施設などにも実績のある提携先のフルノシステムズ製のものだ。これだけの規模のシステムでは、同社製の無線APが最適だと判断した。また、バックオフィスサービスや保守・サポートについてもエレコムが行うことで、病院側の負担は最小限となっている。
工事は約1ヶ月を要し、約250台の無線APや関連機器が設置された。これにより、ICUなど特定の病室を除く全病室や外来患者の動線がある院内のほぼ全域でWi-Fiが使えるようになった。取材時点で導入から約3ヶ月が経過していたが、順調に利用されているという。
「PCやスマートフォン等で毎日約500台の利用がありますが、問い合わせは月に10件程度で、大きなトラブルは発生していません(平井氏)」
院内学級でのGIGAスクール構想や、災害時のインフラとしても対応可能に
京都市立病院様には院内学級が設けられており、入院している小学生から中学生の子どもたちが学習を継続することができる。ここでもWi-Fiを活用し、GIGAスクール構想と同等の学習が実現できる環境をつくることが可能になった。
また、災害発生時には被災者が広くWi-Fiを利用できるよう、ファイブゼロジャパン(00000JAPAN)の規格にも準拠している。
患者や地域の人びとによりそった環境整備を追求する同院の運営に、エレコムの技術が貢献している。
取材にご対応いただいた皆さま
- 地方独立行政法人京都市立病院機構
京都市立病院長
黒田啓史氏
- 地方独立行政法人京都市立病院機構
京都市立病院
事務局総務担当主任
平井友喜氏
京都市立病院

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病床数 : 548床
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