エレコムの取り組み

環境管理

エレコムグループは、2024年に新たに策定されたパーパス「Better being」の理念のもと、製品、サービス、行動を通じて、企業価値の向上、そして企業および社会の持続可能性の実現に貢献できると考えています。私たちは脱炭素社会の実現に向けたCO₂排出削減や生物多様性保全への取り組みを通して、これからも資源の有効利用、環境に配慮した製品の開発をはじめとした温暖化防止を推進し、企業と社会の持続的な発展に努めます。

環境管理体制

エレコムグループでは、環境方針に基づき、環境管理規程を定め、環境マネジメントシステム(EMS)を構築・運営しています。事業の環境活動に関わる法令・その他ルールの遵守および、国際規格ISO14001認証を取得し、環境マネジメントシステムを運用しています。これにより、事業活動に伴うさまざまな環境リスク管理を徹底するとともに、環境負荷の低減に努めています。推進にあたってはISO14001事務局がサステナビリティ委員会と連携のもと、環境対策やエコ製品の開発・販売を推進する等、自らの事業が環境に与える影響と開示した気候変動への取り組みの成果を定期的に評価し、PDCAを実践しています。内部監査の実施、社内浸透・教育を行い、継続的な改善に努め、グループを巻き込んで、脱炭素・省資源に向けた環境活動に取り組んでいます。

■環境マネジメント体制
サステナビリティ委員会 環境対策部会
取締役社長
環境管理責任者
ISO14001事務局
環境法務担当者
各部門
内部監査員
■環境関連の罰金・罰則の件数
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対象範囲 単位 2021年
3月期
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
環境関連の罰金件数 エレコムグループ(国内) 0 0 0 0 0
環境関連の罰金総額 エレコムグループ(国内) 0 0 0 0 0
■公的認証取得状況

環境マネジメントシステム ISO14001の取得状況(2025年3月31日現在)は、以下のとおりです。
グループ(国内)におけるISO14001認証取得割合 21%

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マネジメントシステム 会社名 初回登録日 事業所 説明
ISO14001 エレコム 2006/ 2 / 3 本社 本社に開発部門を有するため
ISO14001 ロジテックINAソリューションズ 2005/ 4 /27 本社:伊那工場 工場・開発部門のすべて
ISO14001 DXアンテナ 1999/12/17 西神TC 製造部門をカバー

再生可能エネルギーの供給

エレコムグループの自社所有施設では、自家消費ならびに売電用の太陽光発電パネルを設置し、再生可能エネルギーを発電しています。その発電量は、自家消費で158,609kWh、売電で191,437kWh(2024年度)に達します。自社敷地内に太陽光発電などの再エネ設備を新たに構築した取り組みは、温室効果ガスの排出削減に直接的な効果をもたらすものであり、サステナブルな社会実現に向けた当社グループの姿勢を体現するものです。
今後、太陽光発電パネルは、グループ会社であるテスコム電機 松本工場の増設や葉山の研修施設での新規導入も予定しており、引き続き社会課題解決への貢献に取り組みます。

太陽光パネルの設置
(テスコム電機 松本工場)

気候変動対応(TCFDに基づいた情報開示)

エレコムグループは2022年4月に、TCFD提言への賛同を表明しました。気候変動がエレコムグループの持続的成長に大きな影響を及ぼす重要課題のひとつであると位置づけ、気候変動が事業に与えるリスク・機会を分析し、経営戦略やリスクマネジメントに反映することにより、脱炭素社会とともに持続的成長を目指しています。また、エレコムグループは、2023年に「2030年度にCO₂排出量(Scope1+Scope2)を2020年度対比50%削減する。サプライチェーンでのCO₂削減に取り組むとともに事業活動を通じて、世界が目標とする2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。」の目標を掲げ、脱炭素社会の実現に向け取り組んでいます。
さらに、2024年には新たにパーパスを策定しました。「Better being」の理念に基づき、より良き製品、より良きサービス、より良き会社、より良き社会を追求し、世の中の大きな課題である気候変動への対応に取り組んでいます。

※ TCFDとは、金融システムの安定化をはかる国際機関である金融安定理事会によって2015年に設立されたタスクフォース。気候変動に起因する自社の事業リスクと事業機会が財務上に与える影響を把握・開示することにより、脱炭素社会への移行を推進することによる金融市場の安定化を提言している。

ガバナンス

エレコムグループは、パーパスを基盤として、より良き地球環境の実現への持続的貢献を目指しています。気候変動関連を含めたサステナビリティ課題に対処するため、2021年にサステナビリティ委員会を立ち上げ、代表取締役社長が委員長を務め、気候変動リスクを監督しています。サステナビリティ委員会は気候変動をはじめ、さまざまな要因による持続的な事業活動を阻害するリスクの洗い出し、またそこから生まれる新たなビジネス機会の提言、マテリアリティやKPIなどの重要事項の決定やその進捗確認、対策を立案しています。適宜、サステナビリティ委員会から気候変動を含むサステナビリティ活動に関する報告を受け、指示・助言を行い、活動を監視・監督しています。

取締役会
報告
監督
サステナビリティ委員会
委員長 (エレコム代表取締役社長)
副委員長 (エレコム財務管掌取締役)
オブザーバー (サステナビリティ担当エレコム社外取締役)
事務局
(エレコムサステナビリティ推進課)
エレコムグループWG
エレコム・各グループ会社
事業組織

2025年6月末時点

戦略

■シナリオと世界観

【2℃以下および1.5℃以下シナリオ】

  • 2050年に向けた包括的な合意形成の進展に伴い、炭素税や国境炭素調整税の導入など法規制や脱炭素施策の施行が、厳しく、かつ前倒しで進行する。
  • 脱炭素化への行動強化のもと、社会や顧客における製品やサービスに対する低炭素化志向が一層高まる。
  • 過去のNDCsの甘さから一次的に目標をオーバーシュートすることによる、台風や集中豪雨などの自然災害の増加がより顕著にみられる。

【4℃シナリオ】

  • ナショナリズムの復活、競争力と安全保障への懸念、地域紛争などに伴い、気候変動対策への合意形成の停滞やNDCsの達成が遅れ、気温上昇が想定通りに抑えられない。
  • 合意形成の停滞やNDCsの達成の遅れにより、エネルギー価格の上昇がみられる。
  • 結果として台風や集中豪雨などの自然災害が広域で多発し、慢性的な気温上昇に伴い熱中症や蚊媒介感染症がより広範囲で多発している。

※NDCs:国が決定する貢献。パリ協定批准国が、それぞれに提出した温室効果ガスの排出削減目標。

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2℃以下シナリオの世界観 4℃シナリオの世界観
調達活動
  • サプライヤーに対してカーボンプライシングが導入されることにより、調達コストが増加
  • プラスチック使用規制による原価高騰
  • 自然災害により工場の一部が操業停止となり入荷が滞る
  • GHG排出量規制に伴うサプライヤー管理強化
  • 洪水など自然災害が頻発することにより、長期間にわたり、工場から製品の供給が停止する
  • 各国のGHG排出量削減が進まない
製品開発活動
  • 製品やパッケージに対して脱プラやリサイクルなどの環境配慮施策がより強化される
  • 配送の効率化に伴う、製品やパッケージの小型化および統一化
  • 各国の環境対応は異なるものの、先進国での環境配慮製品の需要は増加
  • 災害増加により防災関連製品の需要が高まる
営業・オフィス活動
  • 猛暑日の増加により就業形態の見直しが必要になる
  • 気温上昇により空調コストが増加する
  • 急激な電化により電力不足が発生し、電力利用制限に伴う就業規制が必要になる
  • 再生可能エネルギーへの投資負担に伴う電力価格の高騰
  • 自然災害の増加に伴い、営業所の機能が停止する
  • 異常気象の慢性化により、従業員の健康被害の増加や労働環境が悪化し、オフィスの設備や就業形態の見直しが必要になる
  • 異常気象に対応するための設備投資コストが増加する
物流活動
  • 運送業者の新省エネ法対応による設備投資増加に伴い、配送コストが増加
  • GHG排出量規制に伴う、梱包や配送方法の見直しが必要になる
  • 自然災害により倉庫設備や運搬車両の被害が増加する
  • 自然災害の増加により配送遅延が頻発する
ステークホルダーの動き
  • 規制強化に伴い、顧客の製品に対する環境志向がより高まりプラスチックを使用した製品の需要が減少
  • 環境未対応企業は投資や就職先、製品購入先から排除される
  • 異常気象の慢性化に伴う消費者の行動変容により、これまでの市場が縮小もしくは無くなる
  • 販売先が被災し、機会損失が増加する

採用シナリオ:SSP1-2.6(2℃以下シナリオ)、SSP1-1.9(1.5℃以下シナリオ)、IPCC/RCP8.5(4℃シナリオ)、IPCC/RCP2.6(2℃以下シナリオ)

■リスクと機会、ならびに取り組み・対応状況
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種類 事業への影響 発生時期 影響度 取り組み・対応状況
リスク 移行リスク 政策/法規制 カーボンプライシング導入に伴うコスト増加 中期 Scope1・2の削減目標を設定し、削減の取り組みを継続中
再生可能エネルギーへの投資負担に伴う電力価格の上昇 短中期 物流センターの省エネ化を継続中
自社所有施設における太陽光パネルの設置
運送業者の新省エネ法対応による配送コストの増加 短中期 SLOCの実証実験への参加など配送効率の向上を検討
サプライチェーン全体のGHG排出量把握、削減規制の強化 中期 Scope3の把握、事業活動に伴う環境影響評価を開始
サプライヤーの再エネ導入状況の把握開始
市場 環境未対応製品の売上減少 中期 「THINK ECOLOGY」製品の基準見直し、対象製品の拡大を継続中
既存市場の縮小 中長期 脱物質型サービスやフェーズフリー製品など新たな事業分野への取り組み拡大
評判 環境配慮の対応遅れに伴う信頼低下 中期 Scope1・2の削減目標を設定し、削減の取り組みを継続中
「THINK ECOLOGY」製品の基準見直し、対象製品の拡大を継続中
気候変動対応遅れによる投資家による投資引上げ Scope1・2の削減目標を設定し、削減の取り組みを継続中
技術 製品における環境配慮型の技術導入や資材への対応 中期 製品のリサイクルプラ使用を拡大中
物理的リスク 急性 気象災害の激甚化に伴う、サプライチェーンの寸断により製品調達や配送遅延が発生 短中期 災害対策訓練(BCP)にて洗い出された課題や問題点の解決
サプライヤーの高リスク地域依存度低減推進、物流センターの2拠点化
慢性 職場環境悪化に伴う設備投資コストの増加 中長期 在宅勤務や出社時刻の選択制導入
異常気象に伴う労働環境悪化により、各営業拠点や物流センターの稼働率が低下 物流センターの省人化・自動化を実施
機会 エネルギー
/資源の
効率化
物流効率化に伴うコスト削減 中長期 SLOCの実証実験への参加など配送効率の向上を検討
資材統一によるコスト削減 製品のリサイクルプラ使用を拡大中
製品/サービス/市場 環境志向や行動変容に対応した製品開発による売上拡大 中長期 「THINK ECOLOGY」製品の基準見直し、対象製品の拡大を継続中
低炭素化志向ポリシーへの共感による事業機会の拡大 Scope1・2の削減目標を設定し、削減の取り組みを継続中
「THINK ECOLOGY」製品の基準見直し、対象製品の拡大を継続中
気候変動対応に貢献する新事業の創出 脱物質型サービスやフェーズフリー製品など新たな事業分野への取り組み拡大
レジリ
エンス
サプライチェーンの強靭化による機会損失の低減 中長期 SAQ実施等サプライヤー向けリスク調査の実施
災害対策訓練(BCP)にて洗い出された課題や問題点の解決
物流センターの省人化・自動化など安定稼働の維持
環境負荷が低い新技術や新素材の一般化 製品のリサイクルプラ使用を拡大中

※短期(2022–2024)、中期(2025–2030)、長期(2031–2050)

リスクに基づいた財務影響

エレコムグループにおけるScope1・2に該当するCO₂排出量の70%以上は電気の使用によるもので、グループにおけるCO₂削減の取り組みは、再生可能エネルギーの調達が重要と考えています。このような状況のもと、財務に与える影響については炭素税の導入と再生可能エネルギーに由来する電気料金の変動が2030年に向けた指標のひとつであると考え、その影響を定量的に試算しました。なお、製造委託先国の炭素税は、調達コストにも少なからず影響すると予想されますが、この試算には含めていません。

■移行が予定通り進んだ場合とそうで無い場合の2つのケースについて、財務への影響を定量的に試算(2030年時点)
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指標 単価 移行が予定通り進んだ場合 移行が予定通り進まない場合
炭素税 炭素税価格推移
289円→21,081円
1,851万円 3,703万円
再エネ由来の電気料金 電気料金単価増
2.2円/kWh
573万円 0万円

※炭素税価格:140ドル/t-CO₂ (「IEA World Energy Outlook 2024」を参照)、1ドル:150.58円換算

【前提条件】
・国内グループ会社Scope1・2
・ 2030年時点のScope1・2CO₂排出削減量(2020年度:3,142t-CO₂対比)
 の変動 50%~0%
・ 2030年時点の再エネ由来電力の使用比率(2020年度:5,212,819kWh)
 の変動 50%~0%
・購入電力の排出量は、電力排出係数の変動を考慮
 2020年電事連電力排出係数:0.441kg-CO₂/kWh
 「地球温暖化対策計画」における2030年排出係数目標:0.25kg-CO₂/kWh
・炭素税は2020年から2030年の変動(予想)を考慮
 2020年の炭素税:289円/t-CO₂
 2030年の炭素税予想:21,081円/t-CO₂

気候変動リスク管理

気候変動に伴うリスクには、政策や規制の強化に伴う事業活動の制限やコストの増加、ステークホルダーの意識の変化、技術の進展などに起因するものと、気象災害の激甚化や気温上昇などにみられる異常気象の慢性化など気候変動に起因するものが考えられます。
エレコムグループは、気候変動に伴うさまざまなリスク要因について部門を横断し、収集しています。具体的には、サステナビリティ委員会が関連部門と議論のうえ、重要な気候変動関連リスクを特定し、それぞれの影響度を大・中・小の3段階で評価します。そして、それらが現れる時期を短期・中期・長期の視点で分析したうえで、取り組み方針や対応策を検討します。
取締役会は、半期に1回もしくは随時、サステナビリティ委員会より課題提示や報告を受け、適宜議論し、グループ全体の経営リスクのひとつとして執行状況を監督しています。

指標・目標

エレコムグループは、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に抑える目標の達成に向け、管理指標として2023年3月期に中長期的なCO₂排出量削減目標を設定しました。※目標はパリ協定に基づき、2021年に表明された日本のNDCに整合しています。

◆2030年度にCO₂排出量(Scope1+Scope2)を2020年度対比50%削減する。
◆サプライチェーンでのCO₂削減に取り組むとともに事業活動を通じて、世界が目標とする2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。

進捗:Scope1・2のCO₂排出量を29%(2020年度比)削減することができました。2025年度は、2020年度比42%削減を目指し取り組ん でいます。(目標に向けた2024年度の活動実績については「資源・エネルギーの効率的利用」をご覧ください)

エレコムグループの電気・ガス・ガソリンの消費量ならびにCO₂排出量

2024年度は、前年度と比較してScope1・2のCO₂排出量は87t-CO₂減少し、エレコムグループ目標である2030年度に50%削減(2020年度比)に対して58%の進捗となりました。2024年は、継続的な温暖化の影響から、平均気温が観測史上最高を記録し、各事業施設では空調利用期間が例年よりも長期化しました。また、groxiならびにテスコム電機が新たにグループ入りしたことに伴う人員および延床面積の増加により、電力使用量は前年度よりも増加しました。一方、兵庫物流センターが8月より使用電力を再生可能エネルギーへ変更し、神奈川物流センターでは7月より倉庫内照明のLED化、10月の人感センサー導入による省エネ効果がScope1・2のCO₂排出量削減に寄与しました。
また、2023年度より算定を開始したScope3(エレコム単体)については、2024年度は新たに、カテゴリ11(販売した製品の使用)および12(販売した製品の廃棄)を算定に加えました。結果、バリューチェーン全体の気候変動への影響をより俯瞰的に評価することが可能となり、これまでの購入した製品の素材や製造に伴うCO₂排出量に加え、自社が販売した製品の使用や使用後の廃棄に伴う排出量に課題が見えました。2030年のCO₂削減目標に基づき、Scope1・2の確実な取り組みとサプライヤーや委託業者との削減に向けた協働、将来的な製品のLCA対応も見据えながら、「THINK ECOLOGY」製品による、さらなる環境負荷軽減に向け取り組みます。

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◆エネルギー消費量
2021年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
電力消費量(MWh) 5,213 4,662 5,421
ガソリン消費量(kL) 318 278 270
ガス消費量(千㎥) 38 37 36

※ Scope1・2目標基準年の2021年3月期、および2025年3月期には、2024年3月期中にグループ入りしたgroxiとテスコム電機グループを通期で加算しています。

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◆Scope1・2・3CO₂排出量と排出原単位
2021年
3月期※2
2024年
3月期
2025年
3月期※2
CO₂排出量
Scope1(t-CO₂) 823 727 693
Scope2
(t-CO₂)
ロケーション基準 2,320 1,972 2,226
マーケット基準 2,248 1,545 1,493
Scope1・2計(t-CO₂)※1 3,071 2,272 2,186
排出原単位基準年度比
(t-CO₂/売上)
1.00 0.80 0.65
Scope3(t-CO₂) 369,996 500,802

※1 Scope1・2計は、Scope2をマーケット基準で合計しています。
※2 集計範囲:Scope1,2はエレコム国内グループ、Scope3はエレコム単体としています。なお、Scope1・2目標基準年の2021年3月期、および2025年3月期には、2024年3月期中にグループ入りしたgroxiとテスコム電機グループを通期で加算しています。

資源・エネルギーの効率的利用

エレコムグループは、省資源・省エネルギー化を推進し、CO₂排出削減や地球資源の保全に努めます。

◆活動実績

●再生可能エネルギー導入の取り組み
エレコムグループでは、掲げたCO₂排出削減目標を達成するために、再生可能エネルギーの導入に取り組んでいます。2023年度以降は、特に電力使用量が多い施設について優先的に再生可能エネルギーへ切り替えを行い、ロジテックINAソリューションズ本社・工場とDXアンテナ 西神テクノロジーセンターでは、2023年4月より再生可能エネルギーの使用開始が実現しました。また2024年度は兵庫物流センターの使用電力を再生可能エネルギーに変更しました。これらの施設における電力使用量は国内グループの39%に相当し、2030年に向けたCO₂排出削減目標に貢献しています。

●省エネ活動(物流センター)
エレコム物流センターではDX化に伴い、作業効率が大幅に改善している反面、施設規模も大きくさまざまな機器の増設により、相応の電力を必要としています。兵庫物流センターでは2023年2月より、照明のLED化と倉庫エリアの一部(約10,000坪)に人感センサーを使用し、事務所の照明・エアコンの消し忘れ防止や有圧扇の定期的な停止を始めました。また、人感センサーでのオンオフの他に、LEDセンサー機能で指定したグループごとの照明の点灯・待機時の明るさや点灯保持時間のスケジュール設定をすることにより、マテリアルハンドリングエリア、作業エリアの消費電力の抑制に努めています。また、神奈川物流センターでも2024年7月より倉庫内(6,188坪)照明のLED化、10月より人感センサーを導入し、使用電力の削減を進めています。
これらの取り組みにおける、電力の削減効果は両物流センターで86,369kWh/年(2023年度比)にのぼります。

●営業車両のハイブリッド化
エレコムグループの強みである営業力を支えるために営業車は不可欠です。特に営業車両保有台数の多いエレコムでは2011年より、営業車両をハイブリッド車両へ順次入れ替えを進めてきました。2025年3月期には、その割合は94%に達し、ガソリン使用量の削減に貢献しています。

「chemSHERPA(ケムシェルパ)」へ対応

エレコムでは、「chemSHERPAVer.2.09.00」に対応しています。「chemSHERPA」とは、2015年に経済産業省が製品含有化学物質の情報の伝達書式やルールを共通化・標準化することを目的に開発し、公開した情報伝達共有スキームです。使用することで、製品に含有される化学物質を管理し、安全の確保を大前提としたサプライチェーンにおけるビジネスリスクやコストを低減することができます。この対応により、当該製品に含有されている化学物質の情報をサプライチェーン全体に共有することができ、製品の管理・運用の効率化が可能となります。

「chemSHERPA」に対応している製品
https://www.elecom.co.jp/news/new/20220816-01/

THINK ECOLOGY

エレコムグループは、従来の製品開発における品質管理や法令遵守に加え、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷低減に積極的に取り組んでいます。その一環として、「THINK ECOLOGY」として自社認定環境基準を設け、2021年10月より仮運用を、2022年4月より正式に運用を開始しました。運用当初は手探りの状態でしたが、その後対応製品を徐々に拡大し、2025年3月31日時点での対応型番数は10,846型番にのぼり、全販売型番数の26%に及びます。
2024年に、エレコムグループはパーパス「Better being」を発表し、「より良き製品・サービス、より良き社会、より良き会社の実現」を掲げました。また、2024~2026年度は中期経営計画に掲げる「お客様に愛される日本発・唯一無二のグローバルブランド」を目指した基盤づくりの期間として、「環境配慮製品の開発」「廃棄物削減と循環の取り組み」「気候変動対応」を環境面の重要課題としてバリューチェーン全体のCO₂削減に取り組んでいます。特にエレコムグループはファブレス企業であり、Scope3の排出割合が全体の99%と大きく、昨年実施した事業活動に伴う環境影響評価でも、気候変動に関連する環境への影響は大きいことがわかりました。この背景のもと、自社の事業活動におけるCO₂排出量の削減はもとより、お客様に使用していただく製品における環境負荷低減の重要度を再認識し、「THINK ECOLOGY」製品の認証基準の見直しに取り組みました。

◀テーブルはスクロールできます
認定プロセス
「THINK ECOLOGY」認定規準

2025年の見直しにより、製品のライフサイクルの観点から、バリューチェーンの各フェーズに対して環境配慮事項を明確にし、製品開発の段階でScope3への削減貢献をより認識できるようにしました。また、基準内容を改廃し、内容もより分かりやすくしています。

Phase 配慮事項 番号 自社環境配慮認定基準
原材料調達 原材料のリサイクル素材利用 環境保全に取り組み、製品本体の主たる構成部品や構成要素の原料に占めるリサイクル原料の割合が10%を超えている製品です。
環境保全に取り組み、製品本体の主たる構成部品や構成要素の原料に占める石油系プラスチック代替原料の割合が10%を超えている製品です。
環境保全に取り組み、製品の包装容器において、原料に占めるリサイクル原料の割合が10%を超えている製品です。
環境保全に取り組み、製品の包装容器において、原料に占める石油系プラスチック代替原料の割合が10%を超えている製品です。
環境保全に取り組み、製品の包装容器または外装箱に持続可能な森林資源から調達された紙材を使用した製品です。
製造 再生可能エネルギー電力による製造 環境保全に取り組み、太陽光等の自家発電による電力自給率もしくは再生可能エネルギー使用率が20%以上の委託先工場で生産された製品です。
輸送・販売 梱包への環境配慮 環境への負荷軽減のため、輸送効率を高める設計の外装箱を使用した製品です。
環境保全に取り組み、製品の包装容器の体積を、社内基準製品より20%以上小型化した製品です。
使用 製品の
省エネルギー化
省エネルギーに取り組み、社内基準より10%以上の省電力の製品です。
廃棄・リサイクル 原材料の
使用削減と再利用
環境保全に取り組み、製品の包装容器が紙・ダンボール・ポリ袋のみで構成されている製品です。
環境保全に取り組み、製品の包装容器におけるプラスチック重量を、社内基準製品より20%以上削減した製品です。
リサイクル・リユース促進に取り組み、製品本体の主たる構成部品や構成要素が廃棄後にリサイクル・リユースされていることを証明できる製品です。

「フェーズフリーな社会」を目指した取り組み

「フェーズフリー」とは、ふだん身のまわりにあるモノやサービスを「日常時」と「非常時」というフェーズ(社会の状態)からフリーにしようという新しい考え方です。「いつも」と「もしも」に関わらず、生活の質を向上させ、私たちの生活や命を守ってくれると考えます。近年、気候変動に伴う災害の発生頻度が増加しつつあり、 BCPの観点からも注目されています。エレコムでは、フェーズフリー製品の開発に以前から取り組んでおり、2024年には4年連続で「フェーズフリーアワード」に入選しました。2025年3月31日現在の対象製品は29型番と毎年増加しており、これからも、社会課題解決に向けた製品を皆様にお届けします。

イニシアチブへの参画

◆気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)
気候変動に起因する自社の事業リスクと事業機会が財務上に与える影響を把握・開示することにより、脱炭素社会への移行を推進することによる金融市場の安定化を提言している組織。
•エレコムは、2022年4月TCFDに賛同、TCFDコンソーシアムに加入
•2022年6月発刊 サステナビリティレポートよりTCFDに基づいた分析、情報開示を開始

◆一般社団法人日本経済団体連合会
総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することを使命とする団体。
•2017年12月に加盟
エレコムグループの2050年に向けたCO₂排出量削減目標は、経団連の「2050カーボンニュートラル実現に向けた提言」と整合しています。
https://www.challenge-zero.jp/jp/news/15

循環型社会への移行

廃棄物の管理

世界的な人口増加に伴い、資源の枯渇や廃棄物増加の懸念から、「サーキュラーエコノミー」へ関心が高まっており、企業においては廃棄物の回収・再利用や無駄な資源利用を減らすなど、資源の有効活用が求められます。エレコムグループでは、これまでの3R活動(リデュース・リユース・リサイクル)に加えて、2023年10月から販売計画・生産計画・在庫計画を管理するPSI管理課を発足しました。需要に合わせた適正な仕入を行うために営業との販売連携を強化し、過剰在庫の削減だけでなく資源の消費抑制につなげていきます。

◯リデュース
  • プラスチックパッケージから紙パッケージ等再生可能なパッケージに変更し、不燃ゴミ削減を推進(2025年3月期 601型番発売)

  • 2023年10月よりPSI管理課発足。需要に応じた適正仕入のために営業との販売連携強化(2025年3月期 社内評価原価ベースで1.7億円の製品廃棄削減)

  • 東西物流センターにおける折り畳みコンテナでの納品により段ボール資材使用量の削減(2025年3月期 226tの段ボール削減)

◯リユース
  • アウトレット品専用ダイレクトショップの運営(パッケージ不良等で販売できない製品を未開封であることを検品したうえで、安価に提供)

  • 使用済みインクカートリッジを回収し、製造会社での再利用に寄与(2025年3月期 212万個回収)

  • 兵庫物流センターにおけるワンウェイパレットをリユース業者へ販売することによる廃棄物削減(2025年3月期 35tの廃棄削減)

◯リサイクル
◆事業所の廃棄物排出状況

◎エレコム
2023年3月期より、物流倉庫での物流資材廃棄を追加しました。増加傾向にある廃棄物削減に取り組んでいきます。

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廃棄物 単位 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
廃棄物排出量 t 181.6 1,508.1 1,458.4 1,402.8
最終処分量 t 89.4 265.3 289.0 246.3
リサイクル量 t 92.2 1,242.7 1,169.4 1,156.5
マテリアルリサイクル t 92.2 64.8 70.6 22.5
マテリアルリサイクル(物流資材分) t 1,162.9 1,082.5 1,128.9
サーマルリサイクル t 15.1 16.3 5.1
リサイクル率 % 50.8% 82.4% 80.2% 82.4%

※ マテリアルリサイクルが困難な古紙および廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料へのリサイクル処理。

◆生産拠点の廃棄物排出状況

◎ロジテックINAソリューションズ 伊那工場・テスコム電機 松本工場・DX ANTENNA PHILIPPINES,INC.

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廃棄物 単位 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
複合屑(廃プラ・金属) t 83.0 11.0 19.4 33.1
蛍光管 t 0.0 0.0 0.0 0.0
パレット(プラスチック・木)・木材 t 10.6 12.3 13.1 16.6
発泡スチロール・PETトレイ t 8.6 14.6 2.4 0.3
廃プラスチック t 36.6 5.7 10.7 17.3
廃乾電池 t 0.0 0.0 0.3 0.1
有害廃棄物 t 0.0 0.3 0.0 0.4
ガラス t 0.0 0.0 0.0 4.5
廃酸・廃液・汚泥・廃油 t 0.0 0.0 0.0 0.3
紙類 t 8.9 5.0 4.6 4.2
リサイクル(複合屑・梱包材等) t 0.0 0.0 0.0 37.1

※フィリピンでは、はんだ屑、蛍光管、プリント基板が有害廃棄物に該当。
※2025年3月期より、テスコム電機 松本工場分を算入。

化学物質管理

基本的な考え方

サプライチェーンのグローバル化に伴い、化学物質の管理はより重要となっています。
エレコムでは、ファブレス企業として製品の環境負荷の低減と化学物質規制への対応をより強化するために、サプライヤーの皆様にご協力をいただきながら、化学物質の管理に取り組んでいます。

管理の仕組み

エレコムでは、環境負荷の低減に関する取り組みの一環として、2025年3月期に「エレコム株式会社 グリーン調達基準」の運用を開始し、サプライヤーの皆様における化学物質管理の実施状況を評価しています。
サプライヤーの皆様に対する要求事項、ならびに管理対象物質を明確にし、サーベイの実施により化学物質の管理状況を確認しています。さらに、当該サーベイの結果を踏まえ、必要に応じて実地監査を行い、是正が必要な場合にはサプライヤーの皆様による改善を促すとともに、必要に応じて支援を行っています。

取り組み事例

◎RoHS指令対応

エレコムでは、RoHS指令に準じた製品の開発を推進しています。規制に対応するための努力を続けるとともに、今後も持続可能な製品開発に取り組んでいきます。

◎グリーン調達

エレコムでは、「エレコム株式会社 グリーン調達基準」に基づいた化学物質管理に取り組んでいます。(詳細は「グリーン調達の推進」をご覧ください)

グループ会社工場での化学物質の管理

◎テスコム電機 松本工場

テスコム電機 松本工場では法令に従って、体制づくりと取り扱っている化学物資の把握、整理を実施しています。
選任された化学物質管理者および衛生管理者が担当者として、安全衛生委員会や部署と連携して化学物質のリスクアセスメントを行っています。主な取り組みとしては、年1回の棚卸実施、不要な薬品等の処分、容器を入れ替えてアルコール等を使用する場合のラベル表示の実施、CREATE-SIMPLEを使用したリスクアセスメントの実施および周知徹底など、リスクの最小化を心掛け、着実に取り組んでいます。

化学物質リスクアセスメント体制
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安全衛生委員会 総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・推進委員・(産業医)
リスクアセスメント担当者 化学物質管理者・衛生管理者
5S推進委員 部署から選任された推進メンバー
部署 設備担当者または作業担当者とその所属部署上長
◆化学物質リスクアセスメントフロー
  1. 発見・報告
    (5S 推進委員)
  2. 受付・実施決定
    (安全衛生委員会)
  3. 連絡・調査・記録
    (リスクアセスメント担当者)
  4. 対策検討
    (部署・リスクアセスメント担当者・5S 推進委員)
  5. 対策決定
    (安全衛生委員会)
  6. 対策実施
    (部署)
◎ロジテックINAソリューションズ 伊那工場

ロジテックINAソリューションズの伊那工場では、事業活動が従業員や地域社会に及ぼすリスクの最小化に努めるとともに、万が一事故などが発生した際に迅速な対応ができる体制を整備しています。工場では組立工程を主な業務としており、材料加工や化学洗浄などの工程がないため、使用する化学物質は、製品ふき取り用の溶剤であるアルコール、アセトンやベンジンなどに限定されます。以前は梱包用ウレタンフォームの原材料に用いる4,4ʼ-ジフェニルメタンジイソシアネートを取り扱っていましたが、2022年に代替え緩衝材を採用したことにより、その使用を取り止めました。
現在、工場で取り扱っている化学物質はわずかですが、従業員や地域社会の皆様への健康被害などのリスク最小化を目指し、今後も自律的な化学物質管理を推進します。

生物多様性の保全

エレコムグループでは、生物多様性の保全や自然に与える影響の軽減のために、自然林の再生をはじめ、事業におけるCO₂排出量や廃棄物の削減、製品の環境対応に取り組んできました。今回ENCORE*1で特定した大気汚染、有害物質や廃棄物の排出、外来種の持ち込みなど自然資本への影響、ならびにENCORE、KBAs*2、AQUEDUCT*3による物流センターや工場の重要地域内や保護地域内、水リスクが高い地域での操業有無の結果を踏まえ、これまでの取り組みに加え、サプライヤーと連携した生物多様性の保全を進めていきます。