エレコムの取り組み

環境管理

エレコムグループは、2024年に新たに策定されたパーパス「Better being」の理念のもと、製品、サービス、行動を通じて、企業価値の向上、そして企業および社会の持続可能性の実現に貢献できると考えています。私たちは脱炭素社会の実現に向けたCO₂排出削減への取り組みを通して、これからも資源の有効利用、環境に配慮した製品の開発をはじめとした温暖化防止を推進し、企業と社会の持続的な発展に努めます。

基本理念

エレコムグループは、IT生活関連製品の企画・開発・製造・販売を統括する活動と、地球環境保全との調和・両立を目指し、健全な事業活動を推進します。

環境方針

1.環境法令・規制の遵守 エレコムグループは、環境に関する法規制、条例、およびエレコムグループが合意するその他の要求事項を遵守します。
2.資源・エネルギーの効率的利用 エレコムグループは、資源・エネルギー・水の有効利用、および削減を推進し、限りある地球資源の保全に努めます。
3.循環型経済社会の実現 エレコムグループは、廃棄物の削減、再利用、再資源化を推進し、循環型経済社会の実現に寄与します。
4.地球環境に対する負荷の低減 エレコムグループは、生物多様性保全、温室効果ガス排出量削減や汚染防止など地球環境課題に配慮した製品づくりと販売活動を目指します。
5.環境マネジメントシステムの確立と継続的改善 エレコムグループは、「環境方針」に基づいた目標の設定とその定期的な見直しを行い、環境マネジメントシステムの構築・実施と継続的改善に努めます。
6.環境方針の周知と公表 エレコムグループは、この「環境方針」を社内の全ての関係者に周知させ、全員がこれを理解し、実践できるよう教育・啓蒙活動を推進します。また、社外の関係者に対しても文書などを以って公表し、遵守・協力を要請します。

環境方針の周知と公表

エレコムグループは、グループ会社の一人ひとりが「環境方針」を理解し、すべての事業活動において実践できるよう教育・啓蒙活動を推進します。
また、社外の関係者に対しても文書などにより公表し、遵守・協力を要請します。

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環境管理体制

エレコムグループでは、環境方針に基づき、環境管理規程を定め、環境マネジメントシステム(EMS)を構築・運営しています。事業の環境活動に関わる法令・その他ルールの遵守および、国際規格ISO14001認証を取得し、環境マネジメントシステムを運用しています。これにより、事業活動に伴うさまざまな環境リスク管理を徹底するとともに、環境負荷の低減に努めています。推進にあたってはISO14001事務局がサステナビリティ委員会の環境対策WGと連携のもと、環境対策やエコ商品の開発・販売を推進する等、自らの事業が環境に与える影響と開示した気候変動への取り組みの成果を定期的に評価し、PDCAを実践しています。内部監査の実施、社内浸透・教育を行い、継続的な改善に努め、グループを巻き込んで、脱炭素・省資源に向けた環境活動に取り組んでいます。

◆環境関連の罰金・罰則の件数
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◆公的認証取得状況

環境マネジメントシステム ISO14001の取得状況(2024年3月31日現在)は、以下のとおりです。
グループ(国内)におけるISO14001認証取得割合 24.0%

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自家消費型太陽光発電

ロジテックINAソリューションズ(長野県伊那市)本社工場では、2021年12月より自家消費型の太陽光発電を導入し、環境に配慮した事業活動を推進しています。西に中央アルプス、東に南アルプスを望む自然豊かな南信州に位置する本社工場は、事務棟、製造棟、物流棟の3棟の社屋を緑溢れる敷地内に持ち、産業用コンピューターの製造販売を中心とした事業を展開しています。長野県は澄んだ空気と高い標高、日照時間の長さ、気温の低さなどから、日本国内で太陽光発電効率が最も高い都道府県のひとつとなっており、太陽光発電パネルを各棟の屋上に敷き詰めています。稼働する太陽光発電所は3棟それぞれ独立した電力管理により昼間の工場稼働の電力を生み出しています。そのパネル枚数は1,260枚、年間発電量は430,978kWhとなり、季節によって太陽が高く昇る昼の時間帯には工場の消費電力を全て供給できる程です。この太陽光発電による環境貢献度は石油削減量で97,831㍑/年、CO₂削減効果194,156kg-CO₂/年、一次エネルギー量では4,206,346MJ/年が見込まれます。 これからもモノづくりを通じて環境に優しい事業活動に取り組みを進めていきます。

太陽光パネルの設置
(ロジテックINAソリューションズ伊那工場)

気候変動対応

エレコムグループは2022年4月に、TCFD提言への賛同を表明しました。気候変動がエレコムグループの持続的成長に大きな影響を及ぼす重要課題のひとつであると位置づけ、気候変動が事業に与えるリスク・機会を分析し、経営戦略やリスクマネジメントに反映することにより、脱炭素社会とともに持続的成長を目指しています。また、エレコムグループは2023年に「2030年度にCO₂排出量(Scope1+Scope2)を2020年度対比50%削減する。サプライチェーンでのCO₂削減に取り組むとともに事業活動を通じて、世界が目標とする2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。」の目標を掲げ、脱炭素社会の実現に向け取り組んでいます。
さらに、2024年には新たにパーパスを策定しました。「Better being」の理念に基づき、より良き製品、より良きサービス、より良き会社、より良き社会を追求し、世の中の大きな課題である気候変動への対応をより強く取り組んでいきます。
※TCFDは、金融システムの安定化をはかる国際機関である金融安定理事会によって2015年に設立されたタスクフォース。気候変動に起因する自社の事業リスクと事業機会が財務上に与える影響を把握・開示することにより、脱炭素社会への移行を推進することによる金融市場の安定化を提言している。

ガバナンス

エレコムグループは、パーパスを基盤として、よりよい地球環境の実現への持続的貢献を目指しています。気候変動関連を含めたサステナビリティ課題に対処するため、2021年にサステナビリティ委員会を立ち上げ、代表取締役社長が委員長を務め、気候変動リスクを監督しています。サステナビリティ委員会は毎月開催され、気候変動をはじめ、さまざまな要因による持続的な事業活動を阻害するリスクの洗い出し、またそこから生まれる新たなビジネス機会の提言、マテリアリティやKPIなどの重要事項の決定やその進捗確認、対策を立案しています。取締役会は半期に1回もしくは随時に、サステナビリティ委員会から気候変動を含むサステナビリティ活動に関する報告を受け、指示・助言を行い、活動を監視・監督しています。

戦略

エレコムグループは製造設備を持たないため、自社におけるCO₂排出は限定的です。その一方で、製造委託先や輸送時の排出が大きくなる傾向があり、気候変動関連課題がグループの中長期的な事業リスク・機会に与える影響は決して少なくないと認識しています。「環境方針」のもと気候変動関連課題への取り組みを進める中、2022年に公表されたIPCC第6次報告書、またIEAネットゼロシナリオをもとにシナリオを想定し、重要リスク・機会を特定し、その対応策について検討しました。

【2℃以下および1.5℃以下シナリオ】

  • 炭素税や国境炭素調整税の導入など法規制や脱炭素施策の施行が、これまでの想定よりも厳しく、かつ前倒しで進行する。
  • 脱炭素化への行動強化のもと、社会や顧客における製品やサービスに対する低炭素化指向が一層高まる。
  • 過去のNDCsの甘さから一次的に目標をオーバーシュートすることによる、台風や集中豪雨などの自然災害の増加がより顕著にみられる。

【4℃シナリオ】

  • 戦争や紛争に伴い、気候変動対策への合意形成の停滞やNDCsの達成が遅れ、気温上昇が想定通りに抑えられない。
  • 合意形成の停滞やNDCsの達成の遅れにより、エネルギー価格の上昇がみられる。
  • 結果として台風や集中豪雨などの自然災害が広域で多発し、慢性的な気温上昇に伴い熱中症や蚊媒介感染症がより広範囲で多発している。

※NDCs:国が決定する貢献。パリ協定批准国が、それぞれに提出した温室効果ガスの排出削減目標。

エレコムグループの強みは、市場の需要やトレンドに対して迅速に対応する製品開発力と調達能力、またその製品をタイムリーにお客様のもとに届ける営業機動力と物流能力を持った強固なサプライチェーンだといえます。シナリオ分析の結果、気候変動ならびにそれに対する規制強化対応は、永年培ったこれらの強みを損なう可能性があることがわかりました。一方、気候変動に対して積極的に緩和・適応することは、お客様の脱炭素化を支援する製品やソリューションの提供や、グループのコスト削減の機会を生み出すこともわかりました。

◆シナリオの世界観
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◆リスクと機会
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リスクに基づいた財務影響

エレコムグループにおけるScope1・2に該当するCO₂排出量の70%以上は電気の使用によるもので、グループにおけるCO₂削減の取り組みは、再生可能エネルギーの調達が重要と考えています。このような状況のもと、財務に与える影響については炭素税の導入と再生可能エネルギーに由来する電気料金の変動が2030年に向けた指標のひとつであると考え、その影響を定量的に試算しました。なお、製造委託先国の炭素税は、調達コストにも少なからず影響すると予想されますが、この試算には含めていません。

◆移行が予定通り進んだ場合とそうで無い場合の2つのケースについて、財務への影響を定量的に試算(2030年時点)
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【前提条件】
・国内グループ会社Scope1・2
・2030年時点のScope1・2CO₂排出削減量(2020年度:2,785t-CO₂対比)の変動 50%~0%
・2030年時点の再エネ由来電力の使用比率(2020年度:4,492,924kWh)の変動 50%~0%
・購入電力の排出量は、電力排出係数の変動を考慮
 2020年電事連電力排出係数:0.441kg-CO₂/kWh
 2030年電事連電力排出係数目標:0.37kg-CO₂/kWh
・炭素税は2020年から2030年の変動(予想)を考慮
 2020年の炭素税:289円/t-CO₂
 2030年の炭素税予想:19,538円/t-CO₂

気候変動リスク管理

気候変動に伴うリスクには、政策や規制の強化に伴う事業活動の制限やコストの増加、ステークホルダーの意識の変化、技術の進展などに起因するものと、気象災害の激甚化や気温上昇などにみられる異常気象の慢性化など気候変動に起因するものが考えられます。
エレコムグループは、気候変動に伴うさまざまなリスク要因について部門を横断し、収集しています。具体的には、サステナビリティ委員会の環境対策WGが関連部門と議論のうえ、重要な気候変動関連リスクを特定し、それぞれの影響度を大・中・小の3段階で評価します。そして、それらが現れる時期を短期・中期・長期の視点で分析したうえで、取り組み方針や対応策を検討します。
取締役会は、半期に1回もしくは随時、サステナビリティ委員会より課題提示や報告を受け、適宜議論し、グループ全体の経営リスクの1つとして執行状況を監督しています。

指標・目標

エレコムグループは、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に抑える目標の達成に向け、管理指標として2023年3月期に中長期的なCO₂排出量削減目標を設定しました。

◆2030年度にCO₂排出量(Scope1+Scope2)を2020年度対比50%削減する。
◆サプライチェーンでのCO₂削減に取り組むとともに事業活動を通じて、世界が目標とする2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。

2023年度は、電力使用量が多く、かつ自社所有である事業施設について優先的に再生可能エネルギーへの切り替えを進めました。該当する事業施設における電力使用量は国内グループ会社全体の約25%におよび、削減効果も大きいことから、前年度末から電力事業者と準備を進め、4月より使用電力を再生可能エネルギーへ変更しました。結果として、兵庫物流センターのLED化と人感センサーの導入効果も相まってScope1・2のCO₂排出量を18.4%(2020年度⽐)削減することができました。2024年度は2020年度比24%削減を目指し取り組んでいます。

エレコムグループの電気・ガス・ガソリンの消費量ならびにCO₂排出量

2023年度は、異常気象の影響から11月まで気温の高い状況が続き、各施設で空調設備の利用が多く、例年と比べ電力使用が多い月も見られました。
しかし、再生可能エネルギーの導入や省エネ効果などにより、Scope1・2のCO₂排出量は前年度に対し629t-CO₂減少し、エレコムグループ目標である2030年度に50%削減(2020年度比)に対して36%の進捗となりました。
一方、事業拠点単位でみると、移転・人員増などによる延床面積の増加および新たな機材や機器の導入に伴い、電力使用量が増加している事業拠点も見られることから、拠点ごとに最適なCO₂排出量削減方法を検討し、引き続き取り組んでいきます。
また、2023年度には、エレコム単体における2021~2023年度のScope3を算定しました。算定によりScope3が事業全体のCO₂排出量の約99%を占め、その約92%がカテゴリ1(購入した製品・サービスの製造過程で排出されるCO₂)だと分かりました。今後、Scope3削減に取り組まなければ、世界が目標とするカーボンニュートラルは達成できません。エレコムグループは事業が及ぼすサプライチェーンにおける環境負荷を考慮し、サプライヤーや委託業者とのCO₂削減に向けた協働や、将来的にはLCAの取り組みにも挑戦し、製品の環境負荷軽減を進めていきます。

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気候変動への取り組み

資源・エネルギーの効率的利用

エレコムグループは、省資源・省エネルギー化を推進し、CO₂排出削減や地球資源の保全に努めます。

◆活動実績

●再生可能エネルギー導入の取り組み
エレコムグループでは、掲げたCO₂排出削減目標を達成するために、再生可能エネルギーの導入に取り組んでいます。オフィスの大半はテナント入居であることから、自主的な再生可能エネルギーの切り替えはできません。そこで、2023年度は、自社所有施設について優先的に再生可能エネルギーへ切り替えを行いました。2022年度末よりロジテックINAソリューションズ本社・工場とDXアンテナ 西神テクノロジーセンターでの切り替えを進め、2023年4月より再生可能エネルギーの使用開始が実現しました。これらの施設における電力使用量は国内グループの25%に相当し、2030年に向けたCO₂排出削減目標に貢献しています。

●省エネ活動(物流センター)
エレコム物流センターではDX化に伴い、作業効率が大幅に改善している反面、施設規模も大きくさまざまな機器の増設により、相応の電力を必要としています。兵庫物流センターでは2023年2月より、照明のLED化と倉庫エリアの一部(約10,000坪)に人感センサーを使用し、事務所の照明・エアコンの消し忘れ防止や有圧扇の定期的な停止を始めました。また、人感センサーでのオンオフの他に、LEDセンサー機能で指定したグループごとの照明の点灯・待機時の明るさや点灯保持時間のスケジュール設定をすることにより、マテリアルハンドリングエリア、作業エリアの消費電力の抑制に努めています。また、神奈川物流センターでは2022年8月中旬から、未使用エリアの電源オフ活動を推進しており、省エネに取り組んでいます。
これらの取り組みにおける、電力の削減効果は兵庫物流センターで290,901kWh/年(2022年度比)、神奈川物流センターで88,931kWh/年(2022年度比)にのぼります。

●営業車両のハイブリッド化
エレコムグループの強みである営業力を支えるために営業車は不可欠です。特に営業車両保有台数の多いエレコムでは2011年より、営業車両をハイブリッド車両へ順次入れ替えを進めてきました。
2024年3月期には、その割合は89%に達し、ガソリン使用量の削減に貢献しています。

「SLOC」プロジェクト実証実験へ参加

エレコムは、株式会社デンソーが主催する幹線中継輸送サービス「SLOC」(Shuttle Line Of Communication)プロジェクトの実証実験に参加しました。SLOCプロジェクトは、スワップボディトラックを使い、複数荷主の関西-関東間の荷物を、主に浜松を中継地点として、異なる運送業者が荷台コンテナを交換しながら輸送するものです。一般的に、関東の荷主企業が関西向けのチャータートラックを手配した場合、運送業者側で関西からの戻り荷を見つけられない限り、荷台が空の状態で関東に帰ってくることになります。
現在は、全国を走る中長距離トラックの約3割は空の状態で走っていると言われています。SLOCでは、複数荷主の東西向けの貨物を組み合わせることによって、空荷での走行を極限まで減らし、荷主企業5社12拠点間の運航で、1日のトータルの運行距離を合計5,900kmから、2,720km削減できました。運行距離が短くなったことにより、CO₂排出量も日当り約1,576kg-CO₂減らすことができ、約46%の削減が実証されました。同時に、中継輸送を行わない場合と比べ、必要なドライバー数も12名から7名に削減することができ、「物流の2024年問題」に総称される人手不足解消にも貢献が期待できる結果となりました。エレコムでは、こうした中継輸送や共同輸送の取り組みによって、物流活動で排出するCO₂の抑制、社会問題の解決に努めています。

出典 “SLOCサービスとは” 株式会社デンソー
https://www.denso.com/jp/ja/driven-base/project/sloc/

製品による環境負荷の低減

エレコムグループでは低炭素志向のリスク低減および機会創出の取り組みとして2021年度より、製品・パッケージについて環境負荷の低減を目的とした「THINK ECOLOGY」製品への置き換えを進めています。該当製品について、WEBカタログ上の製品ページに「THINK ECOLOGY」の認定マークを表示し、お客様に環境へ配慮した製品であることを認識いただくことができます。これにより積極的に環境負荷の少ない製品を選択いただくことで、環境への負荷低減を進めています。
特に製品やパッケージに含まれる石油系プラスチックは廃棄時においてCO₂の排出や、海洋生物の生態系破壊をもたらすマイクロプラスチックの発生要因になります。エレコムグループは地球環境を守るため、プラスチック材料の削減、紙の使用量や廃棄物の削減に重きを置いた取り組みを行っています。
具体的な施策として、パッケージの小型化や内部構成パーツ数の削減、天然由来プラスチックやリサイクル紙材等の再生材利用へ置き換えることによる石油系プラスチック材料の使用量を削減、また製品に同梱している紙面マニュアルについても、WEBマニュアル化を進めており、パッケージに表示するQRコードからWEBマニュアルへの誘導をすることで、紙の使用量と廃棄物の削減にも努めています。
2024年3月期において、累計型番数は全型番の52%、またこの取り組みにより削減されたプラスチックの総量は74トンにおよびます。 引き続き「THINK ECOLOGY」選定製品への置き換えを進めていきます。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

◆「THINK ECOLOGY」認定規準
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「フェーズフリーな社会」を目指した取り組み

近年、気候変動に伴う災害の発生頻度が増加しつつあり、BCPの観点から防災用品の必要性が社内で議論されるようになりました。そこでエレコムグループでは、普段使いしているものが、防災対応グッズに代る「フェーズフリー」をキーワードに社内で検討を進め、それを取り組みテーマとしました。結果、2022年度においては22型番、2023年度においては11型番を市場に投入し、災害に対する社会課題にも貢献しています。
※日常時も非常時も役立てることができる製品。

(具体例)エレコム DE-KD04BE:日常時は枕元ライト、災害など非常時には懐中電灯、スマートフォンの充電器としても使えるライト

イニシアチブへの参画

◆気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)
気候変動に起因する自社の事業リスクと事業機会が財務上に与える影響を把握・開示することにより、脱炭素社会への移行を推進することによる金融市場の安定化を提言している組織。
•エレコムは、2022年4月TCFDに賛同、TCFDコンソーシアムに加入
•2022年6月発刊 サステナビリティレポートよりTCFDに基づいた分析、情報開示を開始

◆一般社団法人日本経済団体連合会
総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することを使命とする団体
•2017年12月に加盟
エレコムグループの2050年に向けたCO₂排出量削減目標は、経団連の「2050カーボンニュートラル実現に向けた提言」と整合しています。
https://www.challenge-zero.jp/jp/news/15

廃棄物の管理

循環型社会への取り組み

世界的な人口増加にともない、資源の枯渇や廃棄物増加の懸念から、「サーキュラーエコノミー」へ関心が高まっており、企業においては廃棄物の回収・再利用や無駄な資源利用を減らすなど、資源の有効活用が求められます。エレコムグループでは、これまでの3R活動(リデュース・リユース・リサイクル)に加えて、2023年10月から販売計画・生産計画・在庫計画を管理するPSI管理課を発足しました。
需要に合わせた適正な仕入を行うために営業との販売連携を強化し、過剰在庫の削減だけでなく資源の消費抑制につなげていきます。

◯リデュース
  • プラスチックパッケージから紙パッケージ等再生可能なパッケージに変更し、不燃ゴミ削減を推進(2024年3月期 721型番発売)

  • 2023年10月よりPSI管理課発足。需要に応じた適正仕入のために営業との販売連携強化(2024年3月期 社内評価原価ベースで3億円の製品廃棄削減)

  • 東西物流センターにおける折り畳みコンテナでの納品により残ボール資材使用量の削減(2024年3月期 200tの段ボール削減)

◯リユース
  • アウトレット品専用ダイレクトショップの運営(パッケージ不良等で販売できない製品を未開封であることを検品したうえで、安価に提供)

  • 使用済みインクカートリッジを回収し、製造会社での再利用に寄与(2024年3月期164万個回収)

  • 兵庫物流センターにおけるワンウェイパレットをリユース業者へ販売することによる廃棄物削減(2024年3月期 7.2tの廃棄削減)

◯リサイクル
◆事業所の廃棄物排出状況

◎エレコム
2023年3月期より、物流倉庫での物流資材廃棄を追加しました。増加傾向にある廃棄物削減に取り組んでいきます。

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◆生産拠点の廃棄物排出状況

◎ロジテックINAソリューションズ 伊那工場

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◎DX ANTENNA PHILIPPINES, INC.

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化学物質の管理

◆化学物質の管理

国内エレコムグループは、地域社会へのリスク最小化を常に考えており、事故などが万一発生した場合には迅速に対応できるように体制を整えています。また、国内エレコムグループの地域社会に対する安全性の取り組みについてステークホルダーの皆様にご理解いただくために、今後も自主的に化学物質の取り扱い、ならびに管理状況について情報公開に努めます。

◆国内エレコムグループ生産拠点 化学物質の管理

特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律におけるPRTR制度では、届出対象事業者は、対象化学物質を排出・移動した際にその量を把握し、国に届け出る義務があります。
ロジテックINAソリューションズ本社工場は、この届出対象事業者にはあたらず、使用量も僅かで指定量には満たないものの、対象物質として梱包用ウレタンフォームの原材料に用いる4,4ʼ-ジフェニルメタンジイソシアネートを取り扱うにあたり、使用量の管理、ならびに安全教育を受けた者のみに使用を制限し、防護具の着用や換気装置の使用を徹底する等、適正に管理しています。また同時に、製造工程における特定化学物質の使用削減に取り組んでおり、地域社会のリスク低減および環境配慮のもと、4,4ʼ-ジフェニルメタンジイソシアネートを使用した梱包材の社内制作を中止し、2022年に特定化学物質を使用しない代替緩衝材を採用することにより、その使用を取りやめました。また、期中に新たにグループ入りしたテスコム電機の松本工場においても、製造工程における特定化学物質の使用がないことを確認しています。結果、国内エレコムグループの生産拠点において、2022年3月期以降はPRTR対象化学物質の取り扱いはありません。
また、2024年3月期において、特定化学物質の漏洩事故はなく、あわせてその他の環境法規違反もありません。

グリーン調達の推進

エレコムでは、製品開発において環境負荷低減に貢献する「グリーン調達」の推進に取り組んでいます。
この取り組みの一環として、2025年3月期  に「エレコム株式会社 グリーン調達基準」の運用を開始し、サプライヤーの皆様における、ISO9001やISO14001などのマネジメントシステムに準じた化学物質管理の実施状況を評価しています。評価結果を数値化し、評価が低いサプライヤーの皆様には改善指導を行い、是正に努めています。グリーン調達における管理対象物質は、EUのRoHS指令や米国のTSCA、POPs条約に基づく各国法規に加え、エレコム独自の取り組みも考慮して定めています。環境に関する法規制を常に監視し、製品に含まれる化学物質の管理体制を更新し続けています。

◆エレコムの管理対象物質の区分と定義
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▶エレコム株式会社 グリーン調達基準(▶日本語英語中国語(簡体字)

生物多様性への取り組み

エレコムグループは、生物多様性保全が、事業活動の継続および持続的成長に不可欠であると認識しています。大きくは、気候変動対策や廃棄物削減、製品の環境対応も生物多様性保全につながっていると考えていますが、生物多様性の保全について、より直接的な取り組みとして、国際的な森林認証制度の認定を受けた段ボール等の採用を進めています。また、事業所外では、自然林の再生にも取り組んでいます。

◯国際的な森林認証制度の認定を受けた段ボール・マスターカートンの採用

エレコムグループは出荷に使用する梱包資材において、国際的な森林認証制度の認定を受けた段ボール・マスターカートンへの切り替えを進めています。2024年3月期時点で、兵庫物流センターから出荷される梱包数の約8%について、認証紙を使用した段ボールに切り替わっています。引き続き、認定を受けた段ボールによる出荷梱包数の増加、ならびに製品パッケージにもその利用を広めていきます。

◯気候変動対策

気候変動対策」をご覧ください。

◯廃棄物削減

廃棄物の管理」をご覧ください。

◯製品の環境対応

製品による環境負荷の低減」をご覧ください。

◯自然林の再生

従来の自然林再生事業推進を目的とした「ELECOM FOREST」の植樹活動に加え、活動をさらに強化すべく、熊野市丸山千枚田の保全活動を支援しています。
2020年9月に三重県熊野市と「熊野市丸山千枚田を活用した地域振興および保全等に関する連携協定」を締結し、綿密な連携と協力のもと、お互いの資源を有効活用することで、丸山千枚田の復田、維持保全や景観整備、エレコムグループの社員と熊野市民の都市農村交流による地域振興を行っています。

ELECOM FOREST 志摩

水に関するリスク

エレコムグループの事業拠点は事務所・物流センター・工場に分類されます。工場はグループ会社のロジテックINAソリューションズの伊那工場およびDX ANTENNA PHILIPPINES,INC.、テスコム電機松本工場の3か所で、それぞれ組立工程のみ、つまり工程における水の使用がなく、グループ全体の水使用は生活用水のみとなります。⼀⽅で各拠点における水に関するリスクの把握は重要であり、エレコムグループのバリューチェーンにおける影響度やリスク管理において、物流センターと工場については特に重要性が高いことから、世界資源研究所の水リスク評価ツール(WRI AQUEDUCT)を用いて毎年評価しています。評価の結果、AQUEDUCTにおいて水ストレスが高リスクまたは著しく高リスクに分類される地域での操業ならびに取水はありませんでした。

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