エレコムグループは、さまざまなステークホルダーの皆様に支えられています。お客様や株主の皆様だけでなく、社員・サプライヤー・地域社会とのコミュニケーションを大切にして、いただいた要請や期待にお応えすることで、継続的に成長・発展していきたいと考えています。
エレコムグループは、労働・人権に関する基本方針を掲げ、全社員および役員が一丸となって国連グローバル・コンパクト(2022年1月賛同)ならびに人権および労働基準における国際規範・法令を遵守し、人権が尊重される社会の実現に努めます。2024年3月期には、労働・人権に関する基本方針を見直し、グローバル基準での尊重に向けた準備を進めました。この方針は、日本語だけでなく各国語に翻訳し、エレコムグループの全社員に展開しています。今後も事業活動における人権影響の理解を深め、取り組んでいきます。
エレコムグループは、人権および労働基準における国際規範・法令を遵守し、人権が尊重される社会の実現に取り組み、以下の活動を実践します。
エレコムグループはハラスメントに関する諸規則を策定し、職場におけるさまざまなハラスメントを防止するための措置を定めて、全ての社員がその能力を十分に発揮できる健全な職場環境の実現を目指しています。
部門横断階層別研修などで、ハラスメント防止に向けた研修を実施し、社員の意識向上にも取り組んでいるほか、2024年3月期には、管理者向けコンプライアンス勉強会で国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を取り上げ、理解促進に努めています。
○公正な評価・処遇
エレコムグループは、年齢・社歴に関わらず成果をあげた社員を評価し、その結果を処遇に反映することで社員のやる気や働きがいの維持・向上に努めています。
会社の経営戦略や所属組織の方針に基づいた目標の達成度等を昇給・昇格・賞与などの処遇に反映するとともに、評価結果をフィードバックするなど、相互理解のための対話を重視しています。また、近年の社会情勢に鑑み、2024年3月期には、基本給の引き上げおよび役職手当の導入を行いました。
○労働組合との関係
エレコムグループには、エレコム労働組合(1998年9月結成、組合員数:607名)、DXアンテナ労働組合(1959年12月結成、組合員数:274名)の2つの労働組合があります。(組合員数は 2024年3月末時点)
エレコムおよびグループ会社は、それぞれに労働組合との健全な労使関係の維持・向上に向けて、定期的に労使協議会を開催し、対話に基づく信頼関係の醸成に努めており、業務内容の確認や長時間労働の原因、具体的な改善策などの報告を受け、労働組合と情報共有するサイクルを回して長時間労働の抑制・削減につなげています。
○賃金の管理
エレコムグループは、労働の対価として支払う賃金等について、それぞれの地域における最低賃金を遵守し、年齢や性別などによる差別は行わないほか、労働時間や残業時間が正しく賃金に反映されているかなどを、労務部門に加えて内部監査でも法令遵守状況を確認し、継続的に管理しています。
○相談窓口
エレコムグループでは、全ての社員がハラスメントや人権侵害に関して相談できる窓口を社内外に設け、ハラスメント行為などに遭遇した社員が相談しやすい環境を作っています。通報者に不利益が生じないように、公益通報者保護規則を定め、通報者の保護および秘密保持に留意して運用しています。2024年3月期には、公益通報窓口の拡充を行い社外弁護士にも相談できるようにしました。
2024年3月期 通報実績 14件
○人権デューデリジェンス
エレコムでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に従い、2023年8月より人権デューデリジェンスに着手しました。M&Aによる新たな事業関係については、人権と環境を投資判断に追加し、外部弁護士にて確認を行います。また、サプライチェーン上の人権課題については、主に日本政府が策定した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」とその資料および国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が策定した人権ガイダンスツールを活用して、リスクを特定し取り組み体制を構築しました。まずは、児童労働、強制労働、長時間労働、技能実習生の課題を優先し、サプライヤーとのコミュニケーションを通じて実態理解に努めています。
2025年3月期は、実態把握から明確になった課題を解決し、確実な継続運用体制を整えながら、実効性を高めていきます。
エレコム株式会社 取締役 専務執行役員 サステナビリティ委員会副委員長 田中 昌樹
急激に変化し続ける社会環境の中で、AIやIoTなどさまざまなイノベーションが登場してきました。革新的なテクノロジーと人々との間に生まれるギャップは大きな社会課題の一つと考えられ、エレコムグループはこのギャップを埋めるかけ橋となる製品を提供し、課題を解決してまいりました。今般、こういったより良き製品、より良きサービス、より良き会社、より良き社会を追求してきたグループの存在意義を示すものとして、パーパス「Better being」を策定しました。これはエレコムグループと社会の持続可能性にもつながると考えております。また、昨今、国際社会では、ESG投資が定着し、情報開示でも国際サステナビリティ基準審議会が主導し、開示の標準化・拡充が進んでおります。その中で、当社は2020年11月にサステナビリティ委員会を設立、グループ一丸の取り組みは4年目に入り、有価証券報告書やサステナビリティレポートで人的資本への取り組みやガバナンス強化などを開示しております。今後もステークホルダーの皆様のご意見に真摯に向き合い、取り組みと情報開示の強化を図ってまいります。これからも「Better being」を社員一人ひとりが自らの心に問い、考え、自発的な行動に繋げ、そして世界をBetterかつサステナブルにすることで、エレコムグループとして成長してまいります。
エレコムグループは、新たに掲げたパーパスである「Better being」に基づき、社員一人ひとりが進取の心を持ち、自ら考え、自発的に行動することで、より良い価値を創造して、個人の成長とともに会社が成長し続けることを目指します。そのために社員一人ひとりが、より働きやすさややりがいを感じられるよう、環境の整備や仕組みの構築に取り組みます。
エレコムグループは、人財育成を「計画的人財育成」「能力開発(支援)」「キャリア開発」という3つの領域で捉え、それぞれに「研修制度」「職場での指導(OJT)」「計画的なキャリアパス」「人事諸制度の整備」の視点を持って、包括的な人財育成を推進しています。
○計画的人財育成
部門横断的な階層別研修と、各部門・グループ会社での事業・業務実態に応じた専門研修を組み合わせることで、汎用的ビジネススキルと専門知識・スキルがバランスよく向上するよう取り組んでいます。
○能力開発(支援)
教育研修の内容や実施タイミングを踏まえて、同研修を修了したメンターや上司が職場でOJTを実施しています。成果にこだわった実践的指導を行うことで、各業務に直結した能力開発を支援しています。
○キャリア開発
Off-JTとOJTの組み合わせによる能力開発と、各業務における成果を見極めながら、育成・登用・配置転換を柔軟に行っています。社員本人の自己実現願望を踏まえ、計画的なキャリア開発を支援するための人事諸制度を整備していきます。
エレコムグループは、社員それぞれの成長ステージに応じた役割の認識や社員のスキル開発を推進することを目的に、各種研修を計画しています。
2023年3月期は、多様な人財が働きやすくチャレンジができる環境、および職務に応じた教育機会により知識とアイデアを蓄積できる環境を構築しました。具体的な施策として、2022年に開設した湘南研修所を活用し、業務から離れて効率的かつ集中した合宿型の研修を実施することで、チームビルディング能力の醸成に努めました。特に、入社5年目までの社員に対する研修、営業・開発部門の能力開発研修、管理職者を対象としたマネージャー研修などを重点的に拡充し、イノベーションの創出に貢献する人財の育成を目指し、社員一人ひとりの成長を支援しています。
2024年度は一部評価制度を見直し、成果・実績だけでなく、目標達成に向けて取り組んだ業務内容やプロセスも評価する制度に変更することで、働きがいのある職場作りにつなげていきます。
研修環境の充実
2023年3月期に湘南研修所を開設し、研修環境の充実を図っています。
同施設は、収容人員100名を超えるセミナー室など、大小20以上の研修ルームをもち、加えて100室以上の宿泊室や食事のとれるカフェテリア、交流ラウンジなども備えた、研修に特化した大型施設です。この施設により、長期間の合宿型研修が可能となり、業務から離れて効率的かつ集中した研修を実施して、チームビルディングを構築しています。
エレコムグループは、社員一人ひとりが、進取の心をもち、主体的に考え、自発的に行動するために、業務で直接的に使用するスキル・技能の習得など専門性を高めていくための学びを中心に推奨、支援しています。2024年3月期には、公的資格の取得支援制度を導入し、自ら学ぶ姿勢をバックアップしています。また、社内のスキルアップ研修プログラムでは、受講希望者を募り自発的な学習を促しています。
DXアンテナでも公的資格に対して手当の支給制度があり、職種を問わず自発的なキャリアアップ希望に対してボトルネックとなる費用面を会社として支援しています。
今後も引き続き、社員の自己成長意欲に応えられる制度の設計を行っていきます。
エレコムでは、従業員エンゲージメントの向上が企業の成長につながると考え、2023年3月期よりエンゲージメントサーベイを実施しています。同サーベイは、当社が抱える課題の洗い出しや、課題に対して講じた施策の効果測定を目的としています。
2024年3月期調査の回答率は83%で、全21項目のうち14項目に前年度より改善傾向が見られました。具体的には、心理的安全性、評価の納得性、収入の妥当性、福利厚生、勤務形態の柔軟性などの項目で改善し、前年調査結果に対して講じた施策の効果も伺えます。
企業の持続的な成長のためには、社員がパーパスに共感し、その実現に向けて主体的に業務に取り組み、自己の能力を十分に発揮することが不可欠です。今後も本調査の結果を用いて、個人と組織全体の成長につなげていきます。
◎前年度エンゲージメント結果から、 2024年3月期に行った施策
評価制度の見直し / 賃金のベースアップ / 福利厚生充実(資格取得支援開始、出産祝金増額)
エレコムグループは、多様な価値観を持つ社員が融合していく「多様な個を活かす働き方の実現」を通して、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう、働き方改革を進めています。ドレスコードフリーの推進、大阪本社のスマートオフィス化、テレワーク制度の整備やシフト勤務化の導入、副業の一部解禁などで働きやすい環境づくりをしています。2024年3月期には、エレコムでは全社共通のコミュニケーションツール(MS365)や経理システム導入によるペーパーレス化で、働く場所によらず連携しやすい環境を作り、社員のワークライフバランスの実現をサポートしています。また、エレコムグループは、この社会課題に対して、時間や場所にとらわれないワークスタイルをかなえるさまざまな製品・技術の提供も行っています。
年度 | 主な取り組み |
---|---|
2023 | コミュニケーションツールの導入(MS365) 経理処理のペーパーレス化 |
2022 | ドレスコードフリー、副業一部解禁 スマートオフィス化(エレコム本社) テレワーク制度整備、柔軟なシフト勤務 量から成果への意識改革 育児・介護・病気等への支援強化 |
エレコムグループは、仕事と育児・介護の両立を社員が実現するための制度整備を進めています。
育児・介護それぞれにおいて時短勤務制度を設けているほか、社員個々の多様なニーズに応える取り組みを行っています。
2023年3月期には、テレワーク制度やシフト勤務などの柔軟な勤務体制を整えスムーズな復職を支援し、2024年3月期には、従業員の子育て支援を目的とした出産祝金の増額を行いました。
エレコムグループでは、会社主導の人財配置に加えて、社員自らの意思によるキャリア開発を支援する手段として、“異動希望調査”を定期的に実施しています。社員個人の希望や適性、家庭の事情と組織ごとの人員の過不足を考慮しながら、部署の新設や異動の活性化に寄与するとともに、社員のモチベーション向上につなげています。定期以外にも、人財ニーズや部署新設の必要に応じて、社内公募制度を設けています。
エレコムグループは、パーパスの実践を体現する好事例を共有し、企業文化として高めていくために、表彰制度を設けています。業務改善・業績功労など業務に関することはもちろん、企業ブランド価値の向上につながるデザイン賞の受賞についても表彰しています。2024年3月期は、特に貢献度が大きかった案件が「会長賞」1件、「社長賞」1件を受賞したほか、業務改善賞3件、業績功労賞5件を表彰しました。
また、グッドデザイン賞、iFデザイン賞、キッズデザイン賞を受賞した合計24シリーズの開発に従事した従業員を表彰し、企業の持続的成長を後押しする貢献を讃えています。
エレコムグループは、国籍、人種、思想、文化、言語、性別、年齢に加え、個々人の価値観や視点の違いを財産だと考えています。多様な人財が互いにのびのびとアイデアを出すことで起こる人間同士の化学反応は、イノベーションの創出へとつながります。従来のエレコムグループは、旧態依然の企業風土が根強く残っていました。このことに目を向けることができたいまを変革の時と捉え、グループ全体で企業風土の改革も含め、多様な社員が能力を最大限に発揮できる働きがいのある職場作りを推進しています。
エレコムグループでは、49名の障がいのある方が勤務しています(国内のみ、2024年3月末現在)。
2023年12月には、障がいのある方が安心して働ける環境づくりとして屋内型農園を導入し、栽培したハーブや野菜はエレコム保養所や研修施設で活用し、安定的な雇用を支えています。障がいのある方を含む全社員がともに影響を与えながら成長したいと考え、障がいのある方の雇用促進ならびに働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
エレコムグループは、アジアを中心にグローバルな供給網、販売網を構築しています。その事業展開のためにも、多様な文化背景を持つ社員の活躍が不可欠だと考え、多国籍の社員の雇用およびサポートを推進しています。2024年3月末現在43名(日本国内グループ会社集計)の方が活躍しています。また、海外グループ会社でも、現地採用社員を登用し、国籍を問わず重要ポジションにつき活躍しています(海外グループ会社管理職のうち81.8%が現地採用)。
エレコムグループは、企業の成長のためには女性の視点、活躍が不可欠であると認識し、女性が活躍できる環境整備に努めています。
ダイバーシティ推進に対する風土醸成に加えて、最長で子が3歳になるまでの育児休業の取得が可能な他、時短勤務制度、所定時間外労働の免除、テレワーク制度、勤務時間の柔軟化等の育児支援策を講じるなど、ライフイベントへの支援を含む働き方改革を推進しています。今後も女性を含む多様な人財が活躍できる環境づくりに取り組んでいきます。
エレコムグループでは、事業活動に関わるすべての社員の安全と健康の確保は、事業継続の優先事項と捉え、安全衛生管理を強化するために「労働安全衛生方針」を策定して、全グループ社員に周知しています。社員が心身ともに安全で健やかに働ける職場環境はもとより、イノベーティブなアイデアを創出する空間づくりにも努めています。また、マテリアリティにも掲げる社員のワークライフバランスは、社員の健康を守り活力を生みだすだけでなく、心の豊かさや視野の広がりにつながる重要なものと考え取り組んでいます。
エレコムグループは、事業を継続・発展させるうえで、事業活動に関わるすべての人々の安全と健康の確保を経営の最優先事項と位置づけ、以下の活動を実践します。
エレコムグループは労働安全衛生活動の一環として、労働安全衛生法に基づき衛生委員会などを設置しています。労働組合も参加し労使が一体となり、災害の未然防止や改善を図っています。
○モニタリング
衛生委員会は、事務所代表ならびに労働組合(労働者代表)を通して、グループ各社・各事務所内で発生した労働災害・疾病状況や安全衛生活動の情報を定期的に収集します。
○情報共有
衛生委員会は、モニタリングの結果や衛生委員会で審議された内容を委員会開催後、速やかに全従業員に開示しています。
○メンタルヘルス支援
メンタルヘルス疾患の予防と早期発見のために、エレコムグループでは、2016年からWEBシステムによるストレスチェック調査を実施しています。これにより、社員本人によるストレスの気づきを促し、高ストレスと判定された社員にはメンタルヘルス専門医や臨床心理士によるフォローを行っています。また、集団分析も実施し、その結果を各部門の責任者と共有し職場環境改善活動につなげています。
2024年3月期においては、ストレスチェック調査の受検率は90%を超えています。加えて、高ストレスと判定された社員へ産業医との面談を強く推奨した結果、面談率は、前年2.3%から11.2%と大幅に上昇しました。今後もメンタルヘルス対策の強化に努めていきます。
質問票には、厚生労働省推奨の「職業性ストレス簡易調査票」を使用しています。簡易な質問形式(57項目×4択)により、回答への負担を下げています。一方、漏れを防ぐために保健師による2段階チェックを行い、医師面談の対象者を選定しています。
エレコムグループの労働災害の発生状況は、以下のとおりです。国内外各拠点で安全教育や訓練、安全パトロールなどを実施し、ゼロ災害に向けた取り組みを継続的に推進していきます。
エレコムグループは、生産に必要な原材料・部品・機器・サービスなどを、さまざまな地域のサプライヤーの皆様から調達しています。
多くの製品は自社で製造を行わず、サプライヤーの皆様から調達している企業として、責任ある調達管理は重要な課題と認識しています。
また、購買のみならず、物流も含むサプライチェーン全体で「社会的責任」の意識を共有し、相互の企業価値を高めるために、まずは自らの課題を明確にするところから取り組んでいます。2024年3月期には、自社の理解も深まり、サプライチェーンでの取り組みをスタートすべく運用環境整備を行いました。引き続き、取引先の皆様とのより良いパートナーシップを育み、持続可能な調達の実現に努めます。
エレコムグループは、事業活動を通してさまざまなサプライヤーの皆様と協働し、サプライチェーンをグローバルに展開しています。
2023年3月期より、地政学リスクに鑑みて調達先の変更や生産地開拓を行い、生産地の分散に努めています。加えて、従来より、グループ会社であるELECOM(HONG KONG)LIMITED を介して、中国をはじめとしたアジア各国からの調達を行っていますが、2022年4月には、ELECOM Asia Pacific IPO Pte. Ltd.(シンガポール)を新たに設立しました。これにより、一国集中によるカントリーリスクの低減および、より安定した調達環境の整備を図っています。
エレコムグループでは、エレコム サステナビリティ推進課と、実際に仕入先と業務上関わりがあるエレコム 調達部門、および工場監査を担い監査の経験ももつ開発部門が協力して、より良い製品づくりに向けた認識を共有し環境整備を行っています。エレコムがイニシアチブをとって運用構築を進め、自社サプライチェーンでもあるグループ会社に展開し、意見を取り入れるなどの支援をしながらグループ全体での取り組みおよびサプライチェーンへの展開を図っています。
DXアンテナ株式会社 代表取締役社長 長代 輝彦
DXアンテナは1953年の創業以来、放送受信関連機器専門メーカーとして常にお客様のニーズに応える製品開発により社会貢献に取り組んでまいりました。
2023年度には、神戸本社の使用電力を再生可能エネルギー由来の電力へと切り替えたことで、当社単体におけるScope1・2のCO₂排出量で約20%(基準年2020年比)削減を達成することができました。そして、開発部門では、メーカーの責務としてSDGs目標12の「つくる責任・つかう責任」を重視し、セキュリティカメラ製品の検証精度を高める測定器を導入し、故障や廃棄のより一層の削減に取り組みました。
2024年度には、CSR調達のESG要求覚書締結が 99% に達していることを踏まえ、取引先とSAQを通じたコミュニケーションを図り、サプライチェーン全体を通じたCSR調達の強化を目指してまいります。
私たちDXアンテナは、これからも世界をより良い場所に変えていく、世界にとってのより良い存在となることを目指し、未来の世代により良い影響を与える企業であり続けます。
エレコムグループは、グループ全体を適用範囲とする購買管理規程を策定しています。また、輸出入に関わる貿易管理については、AEO(Authorized Economic Operator)認定事業者との取引を前提とし、管理体制を整え貿易管理の継続的な改善に取り組んでいます。
エレコムグループは、企業目的を達成するために、誠実な購買を通して、サプライヤーの皆様と相互の信頼関係を構築します。
また、エレコムグループは、サプライヤーの皆様に対して、常に公平・公正・そして総合的に以下の評価を行います。
エレコムグループは、企業目的を実現するため、貿易における法令などを遵守し、貿易管理体制の継続的な改善を行います。
エレコムグループでは、サプライヤーの皆様にも、私たちと同じ認識で取り組んでいただけるように、サプライヤー行動規範を策定しています。このサプライヤー行動規範は、電子機器業界で広く活用されているRBA(Responsible Business Alliance)が制定している行動規範をベースとして、エレコムグループの関連方針を添えて協働を要請しています。新規取引開始時には、仕入売買基本契約書にて本項目への取り組みに同意をいただいて、取引を開始しています。
▶ エレコムグループ サプライヤー行動規範(▶日本語 ▶英語
▶中国語(簡体字)
)
▶ エレコムグループ 購買管理基本方針 / エレコムグループ 労働・人権に関する基本方針 / エレコムグループ 環境方針
エレコムグループでは、サプライチェーンにおいても国連グローバル・コンパクト(2022年1月賛同)、ILO※「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」などの国際規範を尊重し、労働・人権・環境・倫理といった課題解決を推進しています。当グループ事業における課題の大きさを認識し、経営リスク低減とサプライチェーンでの協働を目的として、運用設計に努めています。
2024年3月期には、購買管理基本方針、サプライヤー行動規範、自己評価アンケート(SAQ)を全体的に見直しました。近年、要求の高まっている人権、環境のリスクアセスメントも加え、我々の事業領域や展開国で心配されるリスク低減と協働体制の運用を作りました。また、国内外重要サプライヤーの皆様からのSAQ回答を受けて、現状把握と相互理解のために対話を実施し、オンライン監査(3社)を始めました。運用できる環境を整備した後、想定したStepを一巡し、スキル不足やオンライン監査では把握できないという課題が明確になると同時に、他社管理体制を拝見し多くの学びを得ました。
2025年3月期は、グリーン調達基準の公開、またサプライヤー新規取引開始時のデューデリジェンスや実地での第二者監査も加え、実効性と運用改善を図りながら確実なPDCA運用を構築していきます。
※ILO(国際労働機関)は、労働条件の改善を通じて、労働における基本的権利の保障を推進する国際機関。
年度 | 取り組み |
---|---|
2023 | 購買管理基本方針改訂 サプライヤー行動規範策定 グリーン調達基準策定 自己評価アンケート(SAQ)改訂 人権・環境DD準備 |
2022 | ESG項目追加 契約書締結をグループへ展開 自己評価アンケート(SAQ)開始 |
2021 | ESG項目追加 仕入売買基本契約書締結開始 貿易管理基本方針策定 購買管理基本方針策定 CSR調達ガイドライン策定 |
仕入売買基本契約書に、購買基本方針に則ったCSR要求事項を盛り込み署名(捺印)を得て取引を開始します。
具体的な取り組み指針として、サプライヤー行動規範をお渡しし、協力を要請します。
行動規範の取り組み状況は、重要サプライヤーに対して自己評価アンケート(SAQ)を実施し確認します。
・重要サプライヤーの選定:仕入金額上位60%の重要サプライヤーおよびグループ会社
・自己評価アンケート(SAQ):行動規範の内容に沿った人権、労働安全、環境、CO₂排出量、企業倫理を網羅。回収率91.3%。
サプライヤーの所在国、事業における重要性やリスク、およびSAQの結果を使い、サプライヤー評価を行います。
評価の結果をもって、サプライヤーごとに対話やオンライン監査を行い、低評価項目の実態把握を行います。
人権と環境については、日本政府や国連の資料を活用してデューデリジェンスを行い、まずは、児童労働、強制労働、長時間労働、技能実習生の課題、CO₂排出量把握を優先し、SAQの回答に関わらずエビデンスを確認し、実態把握を行います。
対話や監査結果から、リスクが特定された場合は、是正を依頼します。
エレコムグループの出荷を担うエレコム 物流センターでは、労働力不足や物流2024年問題をはじめとする各種課題に対して、現場と一体になって改善に取り組んでいます。
2022年3月に移転したエレコム 兵庫物流センターでは、自動化により約40%(移転前との比較)の労働力での出荷を可能にしたほか、ピッキングと補充では歩行をゼロとし、「歩かない」物流センターを実現しています。
▶2023年8月公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「ロジスティクス大賞業務改革奨励賞」受賞
企業の垣根を越えた共同配送、幹線中継輸送の実証実験(SLOC。▶参照)への参加、および梱包サイズ適正化による積載率向上などの配送効率化を進めています。2024年度は、エレコムグループ全体のシナジー効果による物流の効率化を目指していきます。
定期的な安全衛生活動、避難訓練実施による安全確保を最優先事項とすることはもちろんのこと、パートナー企業の労働環境改善およびエンゲージメントを高めるために、目安箱の設置やコミュニケーションを通した日常問題の把握を行い、改善活動に繋げています。2024年3月期には、物流センター内に社員食堂を設け、温かく美味しい食事を無償提供し、意欲の向上を図り、協働体制を構築しています。
エレコムグループでは、「イノベーションと人々のかけ橋となる」のミッションのもと、新しい技術やIT機器と人々との間に生まれるギャップを埋める“かけ橋”となることを社会的使命と捉えています。その思いから、私たちの提供する製品やサービスの品質はお客様にとって使いやすく分かりやすいものであるべきと考え、カスタマーサポートはお客様が満足されるまで徹底的にお支えすることを基本ポリシーとしています。
品質マネジメントシステムの取得状況(2024年3月31日現在)は、以下のとおりです。
グループ(国内・海外)の生産事業所におけるISO9001認証取得割合 100%
※1 ISO13485規格をベースとしたマネジメントシステムの運用を実施
「QMS省令に定められた品質マネジメントシステム」を第三者認証を受け運用しています。
▶ https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/k_iryou/k-kanshi/k_seihantop/k_taisei/
2023年7月には、ハギワラソリューションズで新たにISO9001を取得しました。今回の認証取得に向けた活動を通して、品質管理システムの必要性を改めて理解し、効果的なPDCAサイクルの環境整備を実現しました。今後のさらなる品質向上に向けて取り組んでいきます。
エレコムグループは非通電、通電を問わず多岐にわたる製品群を販売しており、それぞれの製品ごとに品質基準や管理手法が違います。
また、製品のライフサイクルが短く陳腐化の激しい業界の中で、市場投入スピードと品質のバランスをとり、競争力を保つためにさまざまな工夫をしています。
私たちの提供する製品やサービスの品質がお客様にとって使いやすく、わかりやすいものであるかを、カスタマーサポート部門にて確認を行い、その結果を開発部門へフィードバックし、製品仕様や説明書の改善を行います。また品質リスクの低い製品はスピード優先、リスクが高い製品や初めて参入する分野は検査設備を増強した横浜技術開発センターに集中させ、設計審査と量産審査を実施し、スピード開発を行いながらも品質を担保できる適切なプロセス・期間での開発慣行を可能にしています。
エレコムは自社工場を持たないファブレス経営を採用しています。多くの製品は、東アジア諸国で生産を行っており、最も生産比率の高い中国、台湾には開発や調達事務所を設け、コロナ禍においては現地スタッフによる品質管理や指導などの活動を行っていました。規制も緩和され2023年1月以降は、日本人スタッフが直接現地に赴き、さらなる品質管理の強化に取り組んでいます。また、取引工場の選定に関して、厳格な監査に合格することを義務付けており、これらの工場監査や品質指導は日々の量産出荷において、サプライヤーの自主管理でも、品質問題を起こさないという点で、有効に機能していると考えています。そして、昨今の製品企画から発売までの開発期間短縮化対策として、日本人スタッフより指導を受け、品質指導に関する専門的な知識を持つ人材を現地事務所に配置しています。また、通電製品の生産は中国に集中しているため、リスク分散としてASEAN諸国などへのサプライヤー開拓も進行中です。
さらに、PSE等の法規制遵守のため、生産現場での品質管理の徹底と、RoHS指令対応等、特定有害物質の使用制限をした製品化や紛争鉱物※の不使用に関する調査についても一層進めていきます。
※コンゴ民主共和国およびその隣接国から産出される一部の鉱物(タンタル、スズ、金、タングステン、コバルト)はグローバルなサプライチェーンを経由して広く流通し、当地の武装勢力の資金源になっているとして「紛争鉱物」と呼ばれています。それ以外の産地からの同鉱物は対象外です。
エレコムグループでは、よりお客様視点に立った製品づくりおよびサービス提供を目指し、日々改善活動に取り組んでいます。「世界のお客様に、喜びを届けること」。私たちはそのために存在し、社会へ貢献できると考えています。
エレコムでは、お客様に品質や使い心地に満足していただくため、エレコムサポート&サービスカスタマーサポートセンターを中心として、継続的な改善に日々取り組んでいます。お客様の声を直接お聞きする電話サポートはもとより、ノンボイスと呼ばれる電話対応以外にも注力しています。チャットBOTやAIの活用、そして2023年3月期からは、より気軽にご利用いただけるよう LINEを活用したサポート環境も整え、24時間365日の顧客フォロー体制を構築しています。
また、直接いただくお客様の声に加えてWEB通販のカスタマーレビューなど、あらゆる情報を集計・分析しています。エレコムが考えるセールスポイントと実際にお客様が感じている価値の違いを知ることで、製品の訴求ポイントや品質、仕様の改善に繋げています。特に、WEB通販のお客様は、製品を実際に触れることができないため、製品説明ページやレビューを充実させることで、お客様の不安を解消し、よりスムーズな購入体験の実現を通してお客様満足度を向上できると考えています。
カスタマーサポートセンターとエレコム開発部門および品質部門は定期的に情報共有の場をもち、これらの活動を通じて、お客様やそれをサポートする社員を大切にする企業姿勢ならびに継続的改善の意識や意欲の醸成を図っています。
エレコムグループでは、自社における研究・技術革新体制の構築のみならず、オープンイノベーションも取り入れて、社会的価値の創出・共創に取り組んでいます。
より良い製品を開発し、エンドユーザーに「より良いモノ」を提供するために、積極的に研究人員や設備の投資を行っています。エレコム 横浜技術開発センター(YTC)、DXアンテナ 西神テクノロジーセンターでは、それぞれの得意分野を互いに活かし、グループ全体でのシナジー効果を狙っています。
○エレコム 横浜技術開発センター(通称:YTC)
YTCは、エレコムグループ全体のハードウェア、ソフトウェア製品に関する設計や研究開発、品質評価のフィードバックなどを行い、グループにおける研究開発機能の中核を担っています。
ファブレスで製造会社に製造を委託する製品設計の審査や検証のほか、技術トレンドを把握・追求することで、他社との差別化を図った製品開発も行っています。
2022年4月に移転し、より高品質の製品をお客様にお届けできるよう、規模も拡大し、さらなる設備投資および機能拡充を図り品質向上に取り組んでいます。
○エレコム 深圳技術開発センター
エレコムは、持続的な成長を実現するために、2024年3月に深圳技術開発センターを開設いたしました。
技術情報の収集力向上、高品質な製品開発、設計検証能力の強化、開発スピードアップを主な目的としています。また、現地で採用したエンジニアが中心となって頻繁にベンダー訪問を行うことで、トレンド情報の収集とフィードバックを可能にし、迅速な製品開発を実現します。さらに、YTCと同等の検証能力と設計開発体制の構築を目指し、日本と中国の2拠点での高速開発体制によって、お客様へより高品質かつ多様な製品を提供できるよう取り組んでいきます。
○DXアンテナ 西神テクノロジーセンター
DXアンテナは、「ものづくりを担う知識と技術の拠点」として神⼾と東京に研究開発チームを設け、時代をリードする情報伝送システム企業を目指しています。
2012年に開設した西神テクノロジーセンター(神⼾)には、開発、製造、品質保証部門を集結させ、放送受信関連機器専門メーカーとして、70年に亘り培ってきた高い技術を活かした高品質かつお客様視点に立った製品開発を行っています。同施設内には、国内有数の規模を誇る大型電波暗室やEMC電波暗室を備え、超高周波次世代ワイヤレス技術やより複雑な使用環境に対応した製品の開発を実現しています。
また、昨今の異常気象による厳しい環境下でも安心してご利用いただくために、ヒートショックをはじめ、雷サージ、耐候性、散水試験機などさまざまな使用環境を想定した試験装置を充実させ、評価試験や検証を行っています。
さらに、環境配慮の製品提供を行うべく、蛍光X線分析装置などによりRoHS分析を実施しています。
DXアンテナ 研究・開発体制
▶ https://www.dxantenna.co.jp/company/research/
○クラウド録画サービス「Antenna-eye」
エレコムグループ(エレコム、DXアンテナ)がもつ技術による高性能カメラと、さくらインターネット株式会社様がインフラレイヤーからソフトウェアレイヤーまで自社で保有・開発・運用しているクラウド基盤の融合による共同プロジェクトで、2023年3月1日よりクラウド録画サービス「Antenna-eye」の提供を開始しました。これにより、従来の防犯セキュリティの遠隔モニタリング・記録における課題を解決し、皆様の暮らしを守り安心をお届けすることを実現しています。
クラウド録画サービス「Antenna-eye」 ▶ https://antenna-eye.jp/
エレコムグループでは、グループの技術・ブランドおよびサービスについて、市場競争力を支える重要な経営資源と位置づけています。
そこで、業務を通して生じた各種知的財産を社内規程に基づいて適正に管理することにより、さらなる知的財産の取得および活用を通して、お客様の満足度の高い新製品開発、新規事業拡大を図っています。また、グループ内のみならず、第三者の知的財産を尊重するとともに、商品開発部門と連携しながら、法務知財部門が中心となって、グループ全体の知的財産の権利化と活用に積極的に取り組んでいます。
商品開発部門で新たに創造される製品・技術について、各種出願による早期権利化を目指しています。製品・技術開発の促進と各種出願による権利化は、エレコムグループ製品と競合他社製品との差別化に必要不可欠となっています。また、拡大する製品カテゴリーおよび販売チャネルの多様化に対応し、適宜日本以外でも出願し、権利化を進めています。これらにより、エレコムグループはもちろん、お客様・お取引先様から、グループ製品の利用に起因する知的財産リスクをさらに低減することを目指しています。
エレコムグループ製品が他社の知的財産権を侵害することがないよう、製品企画時に他社保有の知的財産権を調査しています。また、市場において先行製品・技術が存在する場合においては、定期的に当該他社の保有する知的財産権を監視しています。これらの調査・監視には、外部調査機関も活用しており、侵害リスクの回避を図っています。
エレコムグループは、地域の文化や歴史を尊重しながら、事業を営む地域社会の一員としてコミュニケーションを大切にし、地域との強い絆を育んでいます。エレコムの創業者が、企業として当然のことと考えてきた「社会との共生」の意思をグループ全体で引き継いでいけるように、2023年3月期には、社会貢献方針を策定しました。経常利益の1%を社会貢献費の目安として掲げ、持てる経営資源を有効に使い、良き企業市民として持続可能な社会づくりに貢献しています。
エレコムグループは、「イノベーションのかけ橋」として事業活動を通じて社会へ貢献するとともに、地域社会の持続的発展に貢献することで、創業以来、当然のことと考えてきた「社会との共生」を実現していきます。
エレコムグループでは、地球温暖化対策にとどまらず、自生種に注目した生物多様性保全、防風・防潮などの防災、景観保全、地域社会との協働をも視野に入れて、自然環境の再生に取り組んでいます。
○丸山千枚田(三重県熊野市)
2020年9月に三重県熊野市と「熊野市丸山千枚田を活用した地域振興および保全等に関する連携協定」を締結し、綿密な連携と協力のもと、お互いの資源を有効活用することで、丸山千枚田の復田、維持保全や景観整備、エレコムグループの社員と熊野市民の都市農村交流による地域振興を行っています。
三重県志摩市では、2012年から沿岸のゴルフ場跡地(8.15ha)で防潮・防風を目的とした森林づくりを行っており、10年の節目を受けた2023年には、寄付の増額を含めた振興策の再構築を行いました。
三重県尾鷲市では、2009年より、「地域の気候風土に適合した本来の自然林を未来に残し、その森林づくりの実践を通して、地球温暖化防止などの環境保全活動に貢献する」という理念の下、地元の森林組合おわせ、NPO法人海虹路(エコロ)、尾鷲市の皆様にもご協力をいただき、18haの森林伐採跡地に自然林の再生事業を行っています。10年目の節目である2019年には、寄付の増額を行い、より一層確実な再生事業とする活動を継続しています。
<ELECOM FOREST取り組み実績>
2009年4月より地域密着の社会貢献の一環として、アメリカンフットボールの日本社会人リーグXリーグ所属「エレコム神⼾ファイニーズ」のオフィシャルスポンサーとなりました。また、2015年1月には神⼾大学のグラウンドへの人工芝敷設に対する寄付を行い、神⼾大学のアメリカンフットボール部との相互強化体制を構築しました。
当チームは「アメリカンフットボールの普及と地域貢献」を理念に掲げ、小中学生を対象にしたフラッグフットボール体験教室や、大学生を誘致したアメリカンフットボール講習会を行い子供たちと交流を図るとともに、地元神⼾のクリーンアップ活動に参加する等、地域貢献を行っています。
音楽振興への貢献のため、日本フィルハーモニー交響楽団主催の文化芸術イベントへの協賛を継続しています。2012年より毎年12月には第九特別演奏会を開催・協賛し、いずれも多くの招待者様にご参加いただいています。さらに2021年からは、年1回のパイプオルガン特別演奏会の開催・協賛も行っています。
○「東紀州こどもの園」プロジェクト
三重県東紀州エリアでは初となる児童養護施設を建設するプロジェクト(2023年7月着工)にエレコムとしても賛同し、一部寄付を行いました。2024年4月1日に完成した「東紀州こどもの園」は、子どもたちが生活する『児童養護施設』と、子育てに関する悩み等の相談も受け付けている地域に開かれた『児童家庭支援センター』で構成されています。
児童養護施設の卒園生の就職で頻繁に見られる課題についても、地元に根ざしながら安定した収入を得られるように、エレコムグループのSier会社でプログラマーとしての育成支援を検討しています。
東紀州の自然に囲まれた快適な施設で、子どもたちが地域住民の方々と交流しながら伸び伸びと育ち、健やかに歩む未来を願っています。
エレコムは、2020年より遠隔新生児蘇生法訓練用シミュレーターのデバイス実用化に向けて取り組みを進めています。
現在、世界の5歳未満児の死亡率は大幅に減少しています。一方で新生児(生後28日未満)の死亡率の減少は緩やかで、5歳未満児までの死亡率の中で最大数を占めています(※1)。さらに、全新生児の15%程度が出産直後に呼吸・循環が不安定で仮死状態となりますが(※2)、適切な新生児蘇生法によってその90%以上を救命できると言われています(※3)。この背景を受け、当社の技術が叶える安価で教育効果の高い医療教育デバイスを提供し、各国の医療機関や教育機関と連携し当社シミュレーターを使った研修を行うことで、新生児蘇生法の医療教育普及と質の向上を目指しています。
2023年には、経済産業省(執行団体:一般社団法人Medical Excellence JAPAN)の公募による、令和5年度「ヘルスケア産業国際展開推進事業」の採択事業者に選定され、カンボジア、ネパール、コンゴ民主共和国で基礎調査を実施しました。一人でも多くの救える新生児に届くよう、日本も含め、さらなる海外展開を目指して活動を続けていきます。
※1:出典 国際連合「UN Levels and Trends in Child Mortality Report」、2022年
※2:出典 世界保健機構「WHO and Maternal and Child Epidemiology Estimation Group」、2018年
※3:出典 総務省消防庁「日本版救急蘇生ガイドライン2020」、2021年
<新生児蘇生法訓練用シミュレーターを活用した研修実績>