eスポーツの大会の種類と参加する方法
PCやアーケード、家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、そしてスマホ…。ゲームの大半がオンラインに対応するようになった現在、プレイヤー同士が腕を競う場面が増えています。その発展系ともいえるのが、プロゲーマーを中心に腕に覚えのある人が競技に参加するeスポーツです。
しかし、一口にeスポーツの大会といっても、街のゲームショップやゲームセンターなどが主催するものから、スタジアムを舞台に世界中に配信(生中継)される世界大会まで、その規模や内容はさまざま。日本と世界で異なる事情も含め、どのようなeスポーツの大会が開催されているのか、またどのように参加すればいいのかをまとめました。
eスポーツの大会は世界中で毎日(!?)開かれている
eスポーツの定義にはさまざまな解釈がありますが、広く定義すると「コンピューターを使用したゲームで勝敗を競う」こと、そしてそれを「観る人がいる」ことといえるでしょう。つまり、プロゲーマーでなくても、使用するハードウェアが何であっても、そこに2人以上のプレイヤーがいて、それを見守る観客がいれば成立するものです。例えば、「家に友達を呼んでいっしょにテレビゲームを遊ぶ」「ゲームセンターで対戦型格闘ゲームをプレイする」「スマホでカードゲームの対戦をする」など、ゲームを遊ぶ人にとっての日常の一コマも、そこに観客がいたならばeスポーツととらえることができます。
しかし、一般的にeスポーツと呼ばれるのは、ある程度以上の人数が参加して行われるゲーム大会です。ゲームセンターやネットカフェが主催するもの、ゲームメーカーが会場を用意して行うもの、eスポーツ専門施設が行うもののような、いわばローカルな大会であれば、各施設の告知やウェブサイト、ゲーム関連のニュース記事などを通じて目にしたことがあるでしょう。また、メディアや企業が集って大きな施設で大々的に開催するものや、世界大会の日本予選なども行われています。
大規模なeスポーツの大会はタイトル&ジャンル別
大会の参加者が数十人~数百人、時には数千人単位になるような大規模なeスポーツの大会は、タイトル別、あるいは特定のジャンルにしぼって行われることがほとんどです。例えば、2016年に韓国で開催された「IEM(Intel Extreme Masters)」のシーズン11は、「スタークラフトII」「リーグ・オブ・レジェンド」「オーバーウォッチ」の3タイトルで競われました。また、2018年の「EVO(Evolution Championship Series)」では、「ストリートファイターV」「鉄拳7」「GUILTY GEAR Xrd REV 2」「大乱闘スマッシュブラザーズ」などの8タイトルが選ばれていますが、いずれも対戦型格闘ゲームであり、ほかのジャンルは一切含まれていません。
「リーグ・オブ・レジェンド」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」のような人気タイトルの場合、そのタイトルだけのリーグが世界各国で組まれています。日本も例外ではなく、「リーグ・オブ・レジェンド」では、次のシーズンの参加権をかけたバトルが繰り広げられていますし、学生専用のリーグではサークル単位での参加を呼びかけたり、各国の学生リーグの中継を観られたりするなど、参加者へのサービスが充実。また、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」のリーグも参加者(チーム)が多く、1部と2部の入れ替え戦が予定されるほどの盛り上がりを見せています。
予選にエントリーすることが世界への第一歩
eスポーツの大会やリーグに参加を希望する人は、基本的に特定のタイトルにしぼって練習を重ね、個人あるいはチームを組んでエントリーすることになります。
大会やリーグの規模、タイトルなどによって参加方法は異なりますが、日本国内で行われる対戦型格闘ゲームの祭典である「闘会議」であれば、各地で開催される予選大会に参加して勝ち抜くことで、本大会への出場権が得られます。その一方で、アメリカで開催されている「ELEAGUE」のように、主催者が参加者を選ぶ招待制の大会では、プロゲーマーとして活躍していたり、大きな大会で好成績を収めていたりといった実績が必要です。
世界&日本で行われているおもなeスポーツの大会
プレイヤー人口が数千万人、大会の賞金総額が数十億円、会場は10,000人単位で収容できるスタジアムやイベント会場、ネットの生中継を数十万人が視聴…。eスポーツの大会やリーグは年々規模が拡大し、今ではほかのスポーツと変わらないほどの市場を形成するようになっています。やや立ち後れていた日本ですが、世界的なタイトルの国内リーグがいくつも立ち上がり、大規模なイベントも開催されるようになりました。eスポーツ界を代表する主要な大会について、その歴史や取り扱っているタイトルなどをチェックしてみましょう。
IEM(Intel Extreme Masters)
IEMの2018年のシーズンは、「カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)」が競技タイトルに選ばれました。シドニー(オーストラリア)、上海(中国)、シカゴ(アメリカ)、カトヴィツェ(ポーランド)の世界4会場で行われます。
EVO(Evolution Championship Series)
アメリカのラスベガスで2018年8月に開催されたEVO。「ストリートファイターV」「鉄拳7」「大乱闘スマッシュブラザーズ」など全8タイトルの対戦型格闘ゲームのチャンピオンが決まりました。
ELEAGUE
ELEAGUEは、「ロケットリーグ」「CS:GO」「鉄拳7」など、タイトルを変えながら2017-2018シーズンを開催。2018年6月に行われた「ストリートファイターV」の大会では、日本の「ときど」選手が優勝しています。
The International Dota 2 CHAMPIONSHIPS
MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)を代表するタイトル「Dota 2」では、世界大会が開催されています。本大会は巨額の賞金が得られることでも有名で、2018年8月31日現在、約2,553万ドルがプールされています。
World Championship(リーグ・オブ・レジェンド)
世界中を熱狂させている「リーグ・オブ・レジェンド」も、世界大会を開催。数百万ドルの賞金獲得を目指し、各国の代表チームが覇を競っています。日本でもリーグが立ち上がったので、近い将来、世界の強豪と戦う日が来るかもしれません。
闘会議
闘会議は、2015年から開催されている日本を代表するeスポーツの大会です。扱うタイトルは対戦型格闘ゲームが中心ですが、2018年は「モンスターストライク」や「パズル&ドラゴンズ」などのスマホゲームの大会も開かれました。また、インディーゲームのコーナーが設けられるなど、ゲームを多角的に楽しめるイベントへと成長しています。
RAGE
2015年からスタートしたeスポーツの大会RAGE。国内では珍しいプロリーグが存在するタイトル「シャドウバース」がメインで、プロバスケットボールチーム・レバンガ北海道が設立したeスポーツチームをはじめ、おやつカンパニー、au、日本テレビ、吉本興業などの企業が運営するeスポーツチームなどが参加しています。
上記以外のジャンルとして、パズルゲームやスマホのタイトルによる大会も開催されています。
今すぐ参加可能なeスポーツの大会もある
大会の賞金と、スポンサーからの収入だけで生きているプロゲーマー。1日の大半を練習や心身の鍛練に費やす彼らが切磋琢磨しているeスポーツの舞台は、ほかのスポーツとなんら変わらない実力主義のきびしい世界です。ゲームが好きというだけで通用するほど甘くはありませんが、ローカルな大会や国内予選などであれば、参加すること自体は難しくありません。また、東京ゲームショウなどのイベントに合わせて開催されるゲーム大会、ヒットしているタイトルのイベントなども参加資格が比較的緩いことがあるので、プレイしているゲームの情報を集めてみましょう。
なお、予選などの成績に影響されずに、eスポーツの大会にエントリーできるしくみも登場しています。海外のサービスでは「ESL Play」、国内では「JCG CHALLENGE」が有名です。ESL Playには、世界から840万人もの参加者が集い、日夜、その腕を競っています。どちらもプレイヤーとして参加するだけでなく、視聴者として観戦することができるため、まずは興味あるタイトルの試合をのぞくことから始めるといいでしょう。