Vol.10 加湿器の効果は位置によって変わる?正しい置き場所について
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加湿器の効果は位置によって変わる?正しい置き場所について

加湿器の効果は位置によって変わる?正しい置き場所について

加湿器は、部屋のどこに置いても同じと思っていませんか?実は、置き場所によってはまったく効果がなかったり、結露や細菌が発生したり、問題が発生することもあります。
ここでは、加湿器を置いてはいけない場所や、おすすめの置き場所について紹介します。

加湿器を置いてはいけない場所

加湿器を置いてはいけない場所

加湿器は、部屋のどこに置くかによって得られる効果が大きく変わります。あまり効果が得られない、または別の問題が発生しやすいNGな置き場所は次のとおりです。

壁際

加湿器を壁際に置くと水蒸気が壁にあたり、カビが発生する原因になる場合があります。

出入り口の近くや換気扇の真下

出入り口や換気扇の真下は、空気の出入りが激しい場所です。加湿器から出た水蒸気がすぐに外に出てしまい、部屋全体に行き渡らなくなります。

窓の近く

断熱構造ではない普通の窓は、ほぼ外気温と同じ温度まで冷えているので、窓の近くは空気が冷えやすい場所です。せっかく加湿器から出て空気に溶けた水蒸気がすぐに結露してしまうので、加湿器を置くには最も適していません。

窓の近く

エアコンの下

加湿器の湿度センサーが誤作動を起こし、正しい湿度が計測できなくなります。結果として、快適な湿度を保てなくなります。

紙類の近く

加湿器から出た水蒸気が紙にあたることで、ふやけてしまうことがあります。

紙類の近く

加湿器の水蒸気吹き出し口が床から30cmよりも低くなる場所

暖かい空気は上へ行き、冷たい空気は下へ行く性質があるので、加湿器の水蒸気吹き出し口を床に近い高さにしてしまうと、冷たい空気の中に水蒸気が吹き出されることになります。
冷やされた水蒸気は固まって結露になるので床が濡れてしまいますし、いつまで経っても部屋の湿度は上がりません。

水蒸気が直接肌にあたる場所

加湿器から出る水蒸気が直接肌にあたると、肌が潤っているような気がするかもしれません。しかし実際には、水蒸気が直接肌に吸収されることはありません。反対に、肌についた水蒸気が蒸発する際に水分が持っていかれるため、肌の乾燥を進めてしまいます。

加湿器を置いてはいけない場所をまとめると、「近くで結露が発生する場所(温度が低い場所)」と「周辺の物に直接水蒸気があたってしまう場所」の2つといえます。

空気に溶け込める水蒸気の最大量である「飽和水蒸気量」は、気温に合わせて増減します。空気が冷えて温度が下がると飽和水蒸気量が少なくなり、それまで空気に溶けていた水蒸気がはじき出されて「結露」になります。結露が多くできるということは、それだけ空気中の水蒸気が減っているということです。また、結露を放っておくと、カビや細菌が繁殖する温床になってしまいます。
そのため、加湿器はなるべく結露ができない場所に置くことが大切なのです。

リビングやオフィスにおける加湿器の置き場所

リビングやオフィスにおける加湿器の置き場所

リビングまたはオフィスに加湿器を置く場合、最も効率良く加湿したいなら部屋の真ん中に置くのがおすすめです。
効率良く加湿を行うには、加湿器から空気中に放出された水蒸気が部屋の空気に溶け込み、できる限り部屋全体に行き渡る必要があります。加湿器を部屋の真ん中に置くことで、暖かい空気に水蒸気を溶かして、全体に拡散させることができます。

ただ、リビングまたはオフィスの家具の配置やデザインによっては、真ん中に加湿器を置くことが難しい場合もあるでしょう。そんなときにおすすめなのは、エアコンの吸入口(部屋の空気を取り込む部分)の近くに加湿器を置くことです。
エアコンは、吸入口から部屋の空気を吸い込み、暖房(または冷却)して再び部屋の中へ送り出しています。加湿器から放出された水蒸気をたっぷり含んだ空気が効率良くエアコンに吸入されれば、エアコンを通して部屋全体に拡散し、効率良く部屋の湿度を上げられるのです。

卓上タイプの加湿器はデスクの上が最適

先にご紹介したように、加湿器の水蒸気吹き出し口が床から近い場所にある場合、せっかく放出された水蒸気の大部分が結露してしまう可能性があります。水蒸気の吹き出し口は、床から70~100cmの高さに置くのが理想的。加湿器が卓上利用も可能な小型タイプであれば、オフィスのデスクの上などがおすすめです。
周りの空気が暖かいので結露の心配もあまりないですし、加湿器の温度センサーも、上部の暖かい空気を感知して現在の湿度を認識するので、実際に人が体感する温度・湿度に即した調整が期待できます。
なお、デスクの上に置く場合は、水蒸気が直接書類やパソコンにかかってしまわないように注意してください。

寝室における加湿器の置き場所

寝室における加湿器の置き場所

寝室に加湿器を置く場合も、基本的なルールはリビングやオフィスの場合と同じです。部屋の真ん中に置くのは難しいことが多いので、家具や窓が近くにないのなら、エアコンの吸入口の近くに置くのがおすすめです。 小型の加湿器であれば、直接水蒸気がかからない程度の距離の、ベッドサイドに置くのもいいでしょう。

就寝時に加湿器をつけるのはNG

肌や喉を乾燥から守るには、寝るときも加湿器をつけっぱなしにしておいたほうが良さそうな気がします。
しかし、就寝時も加湿器をつけっぱなしにしておくのは良くありません。

人にとって快適な湿度は40~60%ほどで、これより高くなるとカビや細菌が繁殖しやすく、これより低くなると細菌やウイルスが活発に活動しやすくなります。
エアコン(暖房)を切っている場合、時間の経過とともに部屋の温度が徐々に下がっていきます。すると、空気中の飽和水蒸気量も下がり、結果として部屋の湿度がだんだん上がっていきます。
この状態で加湿器をつけたままにすると、温度が下がり、空気中の飽和水蒸気量が下がっているのに水蒸気が供給され続けるため、湿度が上がりすぎたり、あちこちで結露が発生したりしかねません。すると、カビや細菌も繁殖しやすくなってしまいます。
就寝時に加湿器を使う際は、タイマー設定を使って一定時間後に消えるようにしておくのがおすすめです。

部屋の中央かエアコン吸入口の近くに加湿器を置こう!

部屋の中央かエアコン吸入口の近くに加湿器を置こう!

加湿器の効果は、置く場所によってまったく違うといっても過言ではありません。効率良く加湿をするには、水蒸気が周りの物に直接あたる場所や結露が起こりやすい場所は避けて、水蒸気を含んだ空気を部屋中に拡散させやすい部屋の中心やエアコンの吸入口の近くに置くのがおすすめです。
余計な結露を防ぐことは、カビや細菌の繁殖を防ぐことにもつながるので、ぜひ参考にしてみてください。