
- 概要
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Wi-Fiを契約する際、毎月の通信費用や通信速度などを各社で比較する方は多いことでしょう。
ご家庭でWi-Fiを使用する際はパソコンやスマートフォン、スマート家電などが対象で、接続台数はそこまで増えないかもしれません。 オフィスや事務所などの法人では多くのパソコンやスマートフォンを使用するため、接続可能台数が重要な要素です。
本記事では、法人がWi-Fiを導入する際に確認しておくべき、ストリーム数についてご説明します。
Wi-Fiルーターのストリーム数とは?
Wi-Fiルーターにおけるストリーム数とは、端的にいうとアンテナの数を指すものです。
たとえば、Wi-Fiルーターに10ストリームと記載されている場合、10本の通信経路があることを指します。
現在販売されているWi-FiルーターやPC、スマートフォンには「MIMO」と呼ばれる機能が搭載されています。 MIMO「Multi Input Multi Output」とは、複数のストリームを同時に使用して通信品質を向上させる技術です。
たとえば、1ストリームで100文字を入力する際には1つの通信経路で100文字をやり取りします。
しかし、2ストリームの場合は50文字ずつを2つのストリームでやり取りを行うことから、通信速度が倍になったといえます。
しかし、MIMOは接続機器数が増加すると、1端末あたりのストリーム数が減ってしまうといった特徴があります。
そこで、現在主流となっているWi-Fi6では複数の端末に接続してもMIMO通信ができる技術が研究されています。
この技術を「MU-MIMO(Multi User MIMO)」と呼び、特に法人では高い需要があります。
ストリーム数が多いとどうなる?
先述の通り、ストリーム数が増えると通信速度が向上します。
ストリーム数による通信速度は1ストリームあたりの速度に掛け算をすることができます。
たとえば、1ストリームあたりの速度が下記の場合、4ストリームと8ストリームの場合は下記になります。
- 1ストリームの最大速度:600Mbps/287Mbps
- 4ストリームの最大速度:3.6Gbps(600Mbps×4)/1.1Gbps(287Mbos×4)
- 8ストリームの最大速度:4.8Gbps(600Mbps×8)/2.3Gbps(287Mbps×8)
ストリーム数で確認しておくべきポイント
こちらでは、ストリーム数で確認しておくべきポイントをご紹介します。
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1ストリームあたりの通信速度
ストリーム数が多い端末でも、1ストリームあたりの通信速度が遅い場合は全体の速度が遅くなる点には注意が必要です。
1ストリームあたりの通信速度はWi-Fi6・Wi-Fi5・Wi-Fi4といった、Wi-Fiの規格によって異なります。現在最新の規格はWi-Fi6になりますが、それ以前の規格になるにつれて通信速度が遅くなってしまいます。 そのため、Wi-Fiルーターを選ぶ際は、ストリーム数だけではなく1ストリームあたりの通信速度も確認しましょう。
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割り当てられている通信速度
たとえば、同じ通信速度とストリーム数でも、通信速度が異なる場合があります。
こちらは割り当てられている通信速度が異なることが要因で、下記のように分けられていることがあるのです。- 5GHz×8+2.4GHz×4
- 5GHz×4+2.4GHz×8
こちらの場合、前者の方が高速通信を行うことができます。
このように、Wi-Fiルーターを選ぶ際にはストリーム数だけではなく、通信速度そのものも確認しておかなければなりません。多くのストリーム数があっても通信速度が遅い場合、快適な通信環境であるとはいえないでしょう。
そのため、Wi-Fiを設置する際には販売員やスタッフなどに、必要条件などを伝えておくことをおすすめします。
おわりに
本記事では、Wi-Fiにおけるストリーム数についてご説明しました。
Wi-Fiルーターにおけるストリーム数とは、端的にいうとアンテナの数を指すものです。
ストリーム数が多いほど通信速度が速くなるため、法人では特に重要な要素といえます。
これからWi-Fiを導入する・機種変更する予定の方は、通信速度とストリーム数を確認しておきましょう。