
- 概要
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Wi-Fiは今や珍しいものではなく、オフィスだけではなくご家庭にも導入されるような、一般的なものとなりました。
高速で通信を行うため、5G技術の開発など進化し続けているWi-Fiを使用するためには、ルーターが必要です。
備え付けタイプのWi-Fiルーターを見てみると、1本のLANケーブルで通信と電力供給を行えているものがあります。
本記事では、法人向けWi-Fi製品に採用されている「PoE」とはどのようなものなのかについて、メリットとデメリットとあわせて解説します。
「PoE」とは?
PoE(Power over Ethernet)とは、LANケーブルを通して電力を供給する技術を指すものです。
従来のWi-Fiルーターは電源コードとLANケーブルが用いられており、最低でも2本の線が必要です。
コンセントやアクセスポイントから遠いところにWi-Fiルーターを設置したい場合、延長コードを使ったり長いものに買い替えたりしなければなりません。
一方、PoE技術が採用されているLANケーブルであれば、1本で通信と電力供給ができるようになります。
長いPoE対応のLANケーブルを1本購入することによってコンセントの場所を気にする必要がなくなるため、Wi-Fiルーターを設置できる場所の選択肢を増やすことができるのです。
また、コードの数を減らせることから、スッキリとした見た目にすることもできます。
特に、パソコンのバッテリーコードやLANケーブルといった、多くのケーブルが用いられているオフィスでは、このメリットが大きいことにお気づき頂けることでしょう。
PoE規格対応のLANケーブルを採用するメリット

下記は、PoE規格対応のLANケーブルを採用するメリットです。
- 電源ケーブルとLANケーブルを統一することで、ケーブルの数を減らすことができる
- アクセスポイントの工事のみで済ませられる
- コンセントがない場所でもWi-Fiルーターを設置することができる
PoE規格対応のLANケーブルは、アクセスポイントを経由して通信と電源を1本で完結することができます。
複数の電源ケーブルやLANケーブルがあると複雑になってしまい、どのケーブルがどのデバイスにつながっているのかが分からなくなってしまいます。
PoE規格対応のLANケーブルを採用することで見た目をすっきりとさせられるほか、コンセントを設置するための配線工事費用を抑えられるといったメリットを得ることができます。
PoE規格対応のLANケーブルを採用するデメリット

一方、PoE規格対応のLANケーブルには、下記のようなデメリットがある点には注意が必要です。
- 導入コストが高くなる可能性がある
- LANケーブルが切れると通信と電源供給ができなくなる
PoEは近年構築された技術であることから、消費者に十分に認知されていないことが考えられます。
メーカーの観点では、認知が拡大してから量産体制を整えたいと考えるため、現状ではPoE規格対応のLANケーブルやスイッチングハブの価格が高額な傾向にあります。
しかし、先述の通りPoEは電気工事が不要であることから、結果として安価で導入することができます。
また、PoEは通信と電気供給を1本のケーブルで行うことから、そのケーブルが故障すると両方が絶たれてしまいます。
とはいえ、ケーブルに不備があった場合でも、1本のケーブルを交換するだけで済むため、結果として工事費用も抑えられます。 総じて、PoEはランニングコストを抑えることができるため、デメリットよりもメリットのほうが大きいといえるでしょう。
おわりに
本記事では、法人向けWi-Fi製品に採用されているPoEのメリットとデメリットについて解説しました。
PoEは電力供給と通信の両方を1本のケーブルで行うことができる技術であり、下記のようなメリットを得られます。
- 電源ケーブルとLANケーブルを統一することで、ケーブルの数を減らすことができる
- アクセスポイントの工事のみで済ませられる
- コンセントがない場所でもWi-Fiルーターを設置することができる
一方、一般的なWi-Fiルーターよりも導入価格が高く、ケーブルが切れると通信と電力供給の両方ができなくなります。
しかし、工事費用を抑えられてケーブルを1本付け替えるだけで修繕することができるため、結果としてランニングコストを抑えることにもつながります。
これからWi-Fi製品を導入したいと考える方は、PoE対応の製品を導入してみてはいかがでしょうか。