
- 概要
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テレワークの普及により、インターネット回線を利用したWEB会議を活用する機会が増えています。
しかし、WEB会議中に「映像が止まる」「音声が途切れる」など、回線トラブルに直面した経験のある人も多いのではないでしょうか。
WEB会議を快適におこなうためには、安定したインターネット回線速度が不可欠です。
本記事では、WEB会議に最適な回線速度について、安定しない原因や対策とあわせて解説します。
WEB会議に必要な回線速度の目安
インターネットの回線速度には「下り(ダウンロード)」と「上り(アップロード)」の2種類があります。
動画視聴などは下りが重視されますが、WEB会議では音声や映像を相手に送信するため、上りの速度が特に重要です。
上りが不安定だった場合、音声の遅延や映像のフリーズが発生しやすくなるため、WEB会議においては上り速度が重要となります。
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WEB会議に必要な回線速度の目安
一般的に、WEB会議に必要な回線速度は上り速度は約3Mbps以上、下りは10Mbps以上が好ましいといわれています。
音声のみの会議であれば、通信するデータ量が少なくなるため、上り・下りともに上記の数値よりも低くても問題ありません。
しかし、参加人数が多い場合や映像を高画質に設定している場合などでは上記よりも高い回線速度が必要となります。
WEB会議で「回線が遅い」と感じる原因

こちらでは、WEB会議で「回線が遅い」と感じる原因をご紹介します。
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デバイスが原因の場合
回線速度が遅くなる要因としては、同時接続しているデバイスの数が多いことや、デバイスのCPUやメモリに負荷がかかっていることなどが挙げられます。
また、利用しているルーターが古い機種である場合、通信速度や安定性が確保できないこともあります。 さらに、インターネットプロバイダの混雑も速度低下の要因となるため、回線の込み合う夕方などは特に注意が必要です。 -
自宅環境が原因の場合
壁や家具などの障害物が多い間取りでは、Wi-Fiの電波がさえぎられて通信が不安定になります。
また、ルーターとパソコンの距離が遠い場合も回線速度に影響をおよぼします。 古いモデムやルーターを使っている場合も、最新の通信規格に対応しておらず、十分な速度が出ないケースが多いのです。
回線速度を安定させるための対策
下記にて、回線速度を安定させるための対策について解説します。
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有線接続の導入
Wi-Fiは電波干渉を受けやすいため通信が不安定になることがありますが、有線接続であれば安定した高速通信が可能です。
デスクトップパソコンやノートPCにLANケーブルを直接接続することで、WEB会議の通信品質は大きく向上します。 -
ルーターや機器の見直し
比較的新しい規格であるWi-Fi6やWi-Fi7対応のルーターに買い替えることで、通信速度や安定性の向上が期待できます。
また、広範囲をカバーできるメッシュWi-Fiの導入や、電波の届きにくい場所への中継器設置も有効です。 -
使用帯域のコントロール
同時に複数の機器がインターネットを利用していると、帯域が分散されて回線速度が低下します。
WEB会議中はストリーミングやオンラインゲームの利用を制限し、帯域を確保することで通信が安定します。 -
プロバイダ・プランの見直し
現在のプロバイダや契約プランが回線速度のボトルネックとなっている可能性もあります。
上り速度が安定しやすい光回線や、法人向けのビジネス回線などへの切り替えを検討するとよいでしょう。
回線速度の測定と改善方法

無料で回線速度を計測できるサービスを使用することで、現在の環境の通信速度を知ることができます。
測定は時間帯を変えて複数回実施し、平均値をとって把握することを推奨します。
測定結果で上り速度が3Mbps未満であれば、WEB会議で不具合が生じる可能性があります。
有線接続への変更やルーターの買い替え、不要な機器の通信制限など、速度改善に向けた対策を講じましょう。
また、ISP(インターネットサービスプロバイダ)の見直しも有効な手段です。
おわりに
本記事では、WEB会議に最適な回線速度について、安定しない原因や対策とあわせて解説しました。
一般的に、WEB会議に必要な回線速度は上り速度は約3Mbps以上、下りは10Mbps以上が好ましいといわれています。
しかし、デバイスや自宅環境などが原因で、通信が安定しないことがあります。
そのような場合、有線接続の導入やルーター・機器の見直し、使用帯域のコントロール、プロバイダ・プランの見直しなどが有効です。
通信速度が遅いと感じたときは、まずはどのような環境で、実際にどれくらいの速度が出ているのかの計測から始めましょう。