札幌市の急性期中核病院で、
エレコムのオフラインバックアップ
システムを導入!


- 導入レポート
手稲渓仁会病院 様 - 札幌市の北西部にある手稲区。
自然に恵まれたこの地で、1987年に開院された手稲渓仁会病院様は、現在670床を有する、地域の急性期中核病院である。
この度、同院ではランサムウェア対策としてエレコムのオフラインバックアップシステムを導入された。
その経緯や採用のポイントについてうかがった。
最先端医療に取り組んでこられた手稲渓仁会病院様

NONフリーズとNASのシンプルな構成。
手稲渓仁会病院様は、電子カルテをはじめとしたITインフラの整備にも早くから取り組まれており、北海道で初めて手術支援ロボットの「da Vinci(ダビンチ)」を導入するなど、医療の高度化とともにデジタル化にも注力されてきた。その一方で、災害時やサイバー攻撃時の対応にも強い意識を持ち、食料の備蓄や電源対策などを早期から講じてこられた。2018年に起きた北海道胆振(いぶり)東部地震の際の大停電(ブラックアウト)の時も、その前年に導入したバッテリーや非常電源のおかげで、医療を継続できた他、周辺の病院からの患者を受け入れることもできたという。
病院をターゲットにしたランサムウェア対策が不可欠に
医療機関を狙ったランサムウェアの被害が全国的に増加する中、オンラインバックアップだけではリスクが残るという懸念が高まっている。特に、大阪の病院がサイバー攻撃を受けて復旧に時間を要した事例が、手稲渓仁会病院様にとっての転機となった。 「うちと似たシステム構成の病院がやられた。これは他人事ではないと思いました」と語るのは、情報システム部の石澤氏だ。すでにオンラインでのバックアップ体制は構築していたものの、ネットワークに常時接続されているがゆえに、感染時にはバックアップデータも同時に感染するリスクがあった。
そこで、手動で週に1度バックアップを行う運用を始められたが、担当者の負担やヒューマンエラーのリスクが課題として浮き彫りに。より安全で効率的な運用を模索する中で、エレコムのオフラインバックアップ自動化ソリューションをご採用いただいた。
「もちろん、他社さんのソリューションも検討しましたが、エレコムさんのシステムはシンプルなだけあって、かなりローコストでしたね」と石澤氏は採用のポイントを振り返る。
オフラインバックアップとは?
オフラインバックアップとは、バックアップデータをネットワークから物理的に切り離して保管する方法です。この手法は、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からデータを守るために有効とされています。特に医療機関では、患者情報などの重要データを安全に保管するために、オフラインバックアップの導入が推奨されています。厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」でも、オフラインバックアップの重要性が示されており、医療情報システムの安全管理に関する加算(医療報酬)でも、オフラインバックアップの実施が評価対象とされています。
シンプルな機器構成ながら、安全性向上に大きく貢献
■ システム構成

今回導入いただいたのは、「死活監視システム NONフリーズ」とQNAP NASを組み合わせ、スケジュール設定によってバックアップの開始・終了を自動化できる仕組みだ。これにより、バックアップ中のみ院内ネットワークに接続させ、バックアップ終了とともに接続を遮断することができる。つまり、リスクにさらされる時間を最小限に抑えることが可能になった。
さらに、ログ機能によりバックアップの成否を記録できるようになったことで、これまでは判断しづらかったバックアップのエラーにも気づけるようになった。
「何よりも"忘れない"ということが大きなメリット。これまでは金曜の夜に接続してバックアップを開始、土曜に回線を遮断するという運用でしたが、この作業を忘れてしまうというミスもゼロではありません。自動化によって、そのリスクが大幅に減りました」と語るのは、情報システム部の立川氏だ。
「オフラインバックアップシステム」
ご採用のポイント!
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セキュアなオフラインバックアップをローコストで実現できる。
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手動によるバックアップの手間やうっかりミスを無くせる。
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ネットワークにつなぐ時間を最小化できる。
これから導入する医療機関にも大きなメリットが

オフラインバックアップシステムが設置されているサーバールーム。
オフラインバックアップは、厚生労働省からも推奨されており、これからバックアップ体制を整えようとする医療機関にとっては、医療報酬加算の基準を満たすことができるというメリットもある。
「エレコムさんのシステムは、シンプルな仕組みだからこそ、導入しやすいと思います。これから取り組む病院にとっても、十分に価値があるのでは」と石澤氏。患者さん第一主義を掲げる手稲渓仁会病院様の、システム面から医療を支える姿勢に、私たちも大いに学ぶところがあった。
以前は手作業でバックアップを実施していた。
取材にご対応いただいた方
- 手稲渓仁会医療センター
情報システム部 システム開発課
主任 石澤 崇希 氏
- 手稲渓仁会医療センター
情報システム部 システム開発課
主任 立川 圭太 氏

手稲渓仁会病院
手稲渓仁会病院(ていねけいじんかいびょういん)は、札幌市手稲区に拠点を持つ総合病院で、高度急性期医療を提供する地域の中核医療機関です。「患者主体の医療に徹する」「高度な医療もわかりやすく提供する」という理念のもと、急性期総合医療や高度医療、専門医療を提供しています。
ホームページ : https://www.keijinkai.com/teine/
ご採用機器
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NF-Z200/JP4IP死活監視システム NONフリーズ
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T432PXUN164クアッドコア1.7GHzラックマウントNAS