「業務を止めない」を最優先に、
拠点間同期と多重バックアップ
を再設計
- 導入レポート
株式会社 ウンノハウス 様 - 山形県を拠点に南東北で事業を展開するハウスビルダー、ウンノハウス様。
これまでの各拠点に点在するNASをバッチ処理で同期する運用では、同期が数日置きの設定のため直前のデータがバックアップされない、また全データの上書きによって過去のデータに遡れないといったリスクが残っていたという。
そこでこの度、山形本社にQNAP NASを2台、仙台支店と福島支店に1台ずつ導入。
SnapSyncによる短間隔同期とスナップショット、さらにクラウド連携まで含めた多重バックアップ体制を構築された。
その狙いは「データを守る」だけでなく、「業務を止めない」ことだった。
南東北の暮らしに寄り添い、
“丈夫で快適な家”を提供するハウスビルダー
山形市に本社を置くウンノハウス様は、昭和34年(1959年)創業の歴史あるハウスビルダーである。米沢・仙台・福島にも拠点を設け、南東北エリアで住まいづくりを担ってきた。建築実績は累計1万8,000棟以上。寒さや雪といった地域の環境に向き合いながら、性能と快適性を両立させた住宅を提供している。
同社の特色について佐藤部長は、「木造住宅の強みを“工法”と“品質”で磨き上げてきた点にある」と語る。
「当社は、40年以上前にいち早く社内に技術開発組織を立ち上げ、自由設計でありながら、高い品質と強度を一邸一邸で実現する体制を整えてきた」と佐藤部長は胸を張る。また、自社のプレカット工場を持ち、木の利点を生かし切ることができるのも強みだ。雪下ろしの負担を減らす住まいなど、地域特性を踏まえた提案も進め、暮らしの時間そのものを守る発想を住まいに落とし込んでいる。
バックアップは“ある”だけでは足りない。
復旧までの時間が、仕事を止める
NAS刷新の出発点は、「データの守り方」が仕組みとして十分ではなかったことにある。情報システム担当の渋谷ICTソリューションセンター センター長によれば、以前は各支店にNASが点在し、本社側も部門ごとに複数台が置かれていた。データ共有はWindowsのバッチ処理で数日おきにコピーして同期を取る運用であり、次のようなリスクを抱えていたという。
第1に、バックアップ間隔が空くことで、直前に作業していたデータが失われる恐れがあること。極端な例でいえば「朝作ったデータが夕方消えた」では業務にならない。
第2に、同期が“上書き”として働くと、過去の状態へ遡れないという問題。誤操作や破損が起きた瞬間に、戻り道が消えてしまう。
第3に、復旧手段があっても、復旧作業の間は業務が止まる可能性が高い。バックアップは取れていても、復旧を待つ間に現場は止まってしまう。
第4に、履歴管理ができていなかったため、いついつのデータと細かな指定をして取り出すことができなかった点である。
住宅会社にとって図面や仕様、打ち合わせの履歴は、お客様と一緒に積み上げた価値そのものだ。渋谷センター長は「お客様の夢の詰まったデータを鉄壁の体制で守りたい」と話す。さらに旧環境は5年程度が経過しており、「壊れてから騒ぐより先に整えたい」という意思も更新の背中を押した。
リアルタイムに近い同期と、柔軟な運用設計を評価

BCP&データ安全性:データは常に少なくとも2台のNASに存在。
1年分のスナップショット履歴により、任意の時点への復旧が可能。
今回導入したのはQNAP NAS 4台である。選定にあたっては、他社製も含め評価機で比較したが、最終的な決め手になったのは、拠点間同期の柔軟性と速度、そして“止めない設計”を現実的に組める点だった。
渋谷センター長が最優先に置いたのは、障害が起きても復旧を待たずに業務を継続できることだ。そこで採用したのが、QNAPのSnapSyncを使った二重化である。山形本社に2台のNASを設置し、両者の間で短い間隔の同期を回すことで、片方が故障しても、もう片方でデータを参照しながら仕事を続けられる。同期は当初リアルタイムも試したが、停電や再起動の際に手動復旧が必要になる場面があり、運用面を優先して「短い間隔のスケジュール同期」に調整した。現状は10分おきの同期で、さらなる短縮も視野に入れているという。また、仙台・福島支店には、QNAP NASを1台ずつ導入し、1時間に1度本社のNASと同期しているが、同期自体は1分程度で 終わっている。こちらも30分おきにするなど短縮を検討されている。
加えて、バックアップの考え方も“用途別の使い分け”で整理した。同期はSnapSync、バックアップはHBS3と役割を分け、基幹系サーバーやWindowsファイルサーバーからの吸い上げも行う。単に機器を入れ替えるのではなく、復旧と継続のシナリオまで含めて再設計した点に、この導入の本質がある。
二重三重のバックアップで、データも業務も守る

AIで作成したマンガでファイル復元方法を解説している。
QNAP NASの導入効果および構築された体制は、大きく4つのポイントに整理できる。
第1に、事業継続性が飛躍的に高まったこと。先述の通り、山形本社のNAS 2台は常に同期されているので、片方が故障している間も仕事が継続できる。
第2に、拠点同期のスピードが想定以上だったこと。導入時には約3TBの初回同期を行ったが、3日かからずに完了したという。渋谷センター長は「社内でNAS間コピーをするだけでも1TBで1日かかることがある。VPN越しでも十分な速度だった」と振り返る。
第3に、スナップショットのスマートバージョン管理によって“1年遡れる”復元性を確保したこと。短周期(例:1時間おき)から日次・週次・月次へと粒度を変えながらデータを保持し、最終的に1年分の世代管理を実装。万一の誤削除や上書きが起きても、自力で戻せる環境を整えた。手順の周知にはWeb版の社内掲示板を活用し、復元方法をマンガで伝える工夫も行っている。読まれない手順書より、読まれる導線を選ぶという発想がユニークである。
第4に、ランサムウェアなど最悪の事態も想定した、多重バックアップ体制が実現したこと。NAS間の冗長化に加え、Googleドライブへ日次バックアップを取り、半年分を保持する設定とした。仮にNASが完全に暗号化されても、クラウドから復元できる逃げ道を用意しているのだ。さらに、大容量の図面データはクラウドへ直接アクセスすると作業が遅くなりがちだが、HybridMountの機能を使ってNASにローカルキャッシュし、バックグラウンドでクラウドへ同期することで、利便性と安全性を両立させた。
渋谷センター長は、「“守る”とは、単に復旧できることではなく、障害が起きても仕事を止めない状態を設計すること」だと言う。本社2台+支店2台のQNAP NASによる拠点同期と多重バックアップで、ウンノハウス様は“止まらない業務”をインフラとして実現された。
取材にご対応いただいた方

- 株式会社ウンノハウス
取締役MB企画部長
佐藤 昌久 氏

- ICTソリューションセンター
センター長
渋谷 昭彦 氏
1959年の創業以来、南東北の気候風土に合わせた住まいづくりを追求。自社の技術開発と木造住宅の強みを生かし、性能と快適性を両立した住まいを提供している。
ホームページ : https://unnohouse.co.jp/
ご採用機器
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TS-673AAMD Ryzen クアッドコア2.2 GHz 2.5GbE NAS -
TS-473AAMD Ryzen クアッドコア2.2 GHz 2.5GbE NAS


