マグネットコネクターをデバイスのUSB Type-Cポートに装着しておくだけで、ケーブルやアダプターを簡単に着脱できる「ピタッとマグネットケーブル」。片手かつノールックでデバイスにケーブルを接続でき、ストレスなく使える便利な製品です。
構想から約1年をかけて開発された「ピタッとマグネットケーブル」
本製品に類似したケーブルは数年前から市場にあり、当社でも製品化の検討を重ねていました。ところが、構造的にショート(発火・発熱につながる過大電流が流れる現象)しやすいため、お客様に安心して使用いただける製品として発売するには安全性の面で課題がありました。
その後、競合企業から同様の製品が発売されはじめたことを機に、当社では安全対策を確立した上での製品化を再検討し、本格的な製品開発をスタートさせました。
当初から課題が多い製品だったため、特にポゴピン構造※・ブレーカーの搭載・溝の深さなどの設計に取り組み、約10年の構想期間と約1年の開発期間を経て、エレコムとして初めて端子部に磁石を採用した製品を完成させました。
- ポゴピン構造とは......内部にバネが入っている、伸縮式の接点ピンのことです。押し当てるとピンが沈み、離すとばね力で復帰します。本製品のポゴピンは充電用のピンとデータ転送用のピンがわかれており、それぞれピンの長さが違うため、充電とデータ転送の接続されるタイミングをずらすことで万が一のデータ破壊などの問題が発生しないように対策しています。
安全性に対するこだわりが反映された製品
構造の特性から、安全の確保が最初の課題と捉えていました。エレコムの研究開発機能の中核である横浜技術開発センター・品質管理課だけではなく、パートナー企業などにも協力を仰ぎ、充電とデータ転送の接続タイミングがあえてズレるポゴピン構造を採用。さらにブレーカー(Thermal Protection for Cable)をコネクター内部に搭載することで、万が一ショートが起きても高温状態や過電流を検知して電流を遮断するため、意図しない事故を防ぎます。
ポゴピン構造を採用した製品は既に市場にありますが、ポゴピン構造にブレーカーを搭載した製品は珍しいものです。「ピタッとマグネットケーブル」は、発熱・発火だけではなく、データの破損を防ぐ構造を採用し、安全面に対するこだわりが反映された製品となりました。
安全の確保のほかにもあった、開発の壁
開発過程で他社製品の使用感を試していたところ、充電中に端末を操作する際に、意図せず磁石部分が外れてしまうことがありました。その経験から当製品は着脱部分の溝を深くし、しっかりと固定される設計に改良。しかし、溝を深くしすぎると使用時に負荷がかかってしまい、コネクターが折れてしまう問題もあったため、ちょうどいい深さになるまで調整し、試行錯誤を重ねました。
毎日の充電を少しでも楽にしたい
自宅やオフィスなどシーンを問わず、コネクター側はそのままでケーブルを近づけるだけで簡単に付け替えられるので、複数のデバイスをお持ちの方にも、ちょっとした場面で手間が減ったと感じてもらえるはずです。毎日の充電を少しでもストレスなくスムーズにしたい方に、ぜひ試していただきたい製品です。
エレコムグループは、今まで、そしてこれからも、より良き製品・サービス・ソリューション、より良き社会、より良き会社を追求しつづけます。

