続々とデバイスに対応!
USB Type-Cデータ送信電力供給
これ1本の日が近づいている
次世代コネクタ

USB Type-Cとは?
急速充電可能なPower Deliveryなどのメリットを紹介

データを転送したり、周辺機器を接続したり、充電を行ったりと、今やUSBはデジタル生活になくてはならない規格です。ですが、一口にUSBといっても、「Type-A(Standard-A)」「Type-B(Standard-B)」「Type-C」と複数の規格があるほか、同じType-Bでも小さなコネクタを使った「USB Type-microB」もあります。そのため、何がどう違うのか、わかりにくくなっているのです。
ここでは、これまでのUSB規格から大幅にパワーアップしているType-C規格について、最大のメリットであるPower Deliveryを含め、ご紹介しましょう。

※Type-Aの正式名称はStandard-A、Type-Bの正式名称はStandard-Bとなりますが、本記事では商品名などで使われているType-A、Type-Bの表記を使用してご説明します。

USB規格の役割とは?

USBは、Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)の頭文字を取っています。USBのおもな役割としては、パソコンにプリンターやマウスといった、周辺機器を接続するためのものとなります。
まずは、USB規格とは何なのか、その役割について簡単にご紹介しましょう。

USB規格登場以前のインターフェイス

USB規格が登場する前のパソコンでは、接続する機器ごとにポートやコネクタの形状が異なっていました。例えば、マウスやキーボードであれば「PS/2コネクタ」、外部ハードディスクやスキャナなどを接続した「SCSI」、プリンターなどを接続した「IEEE 1284」、モデムなどを接続した「RS-232」など、機器ごとに規格が異なっていました。これらは、現在「レガシーインターフェイス」とされ、一部を除いてあまり使われていません。

USBのような統一規格が求められた背景

ポートやコネクタのさまざまな規格が乱立する欠点は、いくつかあります。例えば、パソコンを買い替える場合、各種規格に対応した機種でないと、周辺機器が使えなくなります。反対に、新しい周辺機器を購入したら、自分のパソコンにつながらなかった…ということもありえたのです。
もちろん、購入時点できちんと調べておけば、このようなミスは生じませんが、パソコンに詳しくない人であれば、失敗する可能性もあるでしょう。

しかし、パソコンは、昔のように仕事で使うだけの物でもなければ、一部のファンが持つだけの物ではありません。子供から大人まで、「ケーブルをつなげたら動く」ような、簡単なパソコンが求められています。
USBは、そのような時代に合った、誰にでも使えるデバイス接続の統一規格として考えられたのです。

USB規格の誕生

最初に登場した「USB 1.0」という規格は、現在ではほとんど使われていませんが、改良された「USB 1.1」以降のUSB規格に対応したパソコンを持っていれば、キーボードやマウス、プリンター、スキャナ、ハードディスクなど、さまざまな機器を接続することができます。ハードディスクやUSBメモリなどをつなげば、データ転送も可能です。
また、接続した機器の電力をパソコンから得られることも、USB規格がもたらした大きなメリットです。

このように、USB規格の役割は、さまざまな周辺機器を接続することのほか、記憶デバイスからのデータ転送や、パソコンからの電力供給などが挙げられるのです。

USB規格の種類

前述したように、さまざまな周辺機器を接続するための統一規格として誕生したUSB規格ですが、性能を向上させるため、進化を遂げてきました。
これにより、同じUSBであっても、複数の規格があり、コネクタの形状も異なっています。
キーボードやマウスなどの接続に使われる「USB Type-A」、プリンターなどの大型の周辺機器で使われることが多い「USB Type-B」、そしてAndroidのスマートフォンなどに使われる「Micro-USB」などが存在しています。また、2014年には、大量のデータを高速で転送することが可能な、「USB Type-C」も登場しました。ここでは、現在でもよく使われるUSB規格について、ご紹介しましょう。

USB 1.1

平べったい長方形の形をしたUSBコネクタがUSB 1.1で、転送速度は最大12Mbpsとなっています。USBと聞けば、この形のコネクタを思い浮かべる人が多いと思いのではないでしょうか。実は、このUSB 1.1のコネクタは、形状的には後述するUSB Type-Aと同一形状です。
また、USB 1.1のコネクタに、USB Type-Aのケーブルを差して使うことができます。ただし、下位互換ですので、転送速度は最大12Mbps以上出すことはできません。

USB Type-A(USB 2.0/USB 3.0)

USB 1.1と同様に、平らな長方形の形をしたUSBコネクタがUSB Type-Aです。USB Type-Aコネクタは、USB 2.0とUSB 3.0に対応しています。USB 2.0の転送速度は最大480Mbps、USB 3.0の転送速度は5Gbpsとなっています。

USB Type-B(USB 2.0)

台形の形状をしているコネクタが、USB Type-B(USB 2.0)です。外付けのハードディスクやプリンターなどに採用されていることが多い規格です。パソコン本体には、この規格を接続できる端子はなく、デバイス側にこのコネクタが採用されています。ですから、片方がUSB Type-A(USB 2.0)で、反対側がUSB Type-B(USB 2.0)となっているケーブルを使って、パソコンと外付けのハードディスクやプリンターなどと接続します。転送速度は、最大480Mbpsとなります。

USB Type-B(USB 3.0)

USB Type-B(USB 2.0)のコネクタの上に、さらにコネクタがついたような、二階建て構造のコネクタが、USB Type-B(USB 3.0)です。形状が違うので、同じType-Bでも、USB Type-B(USB 2.0)との互換性はありません。こちらも、USB Type-B(USB 2.0)と同様に、パソコン本体に端子はなく、周辺機器に採用されている規格です。転送速度は、最大5Gbpsとなります。

USB Type-C(USB 3.1)

平らで楕円形の形をしたコネクタが、USB Type-Cです。USB規格としては、USB 3.1に対応しています。これまでのコネクタと異なり、コネクタ部分に上下の区別がないため、差し込み方向を間違える心配がありません。転送速度は、最大10Gbpsとなります。なお、最新規格としてUSB 3.2がすでに開発されており、2019年後半に実用品が登場予定です。

USB mini(A/B)

小さな台形の形をしたコネクタがUSB miniA、同じ台形でも上下の辺の長さの差があまりないのがUSB miniBです。mini USBと呼ぶ場合もあります。コネクタが小さいことから、デジタルカメラなどによく使われる規格です。しかし、抜き差しを繰り返すと壊れるという耐久性の問題があり、現在は後述するUSB microにその座を奪われています。転送速度は、USB 2.0なので最大480Mbpsとなります。

USB micro(A/B)(USB 2.0/USB 3.0/3.1/3.2)

平らな長方形の形をしたUSBコネクタがUSB microA、台形の形をしたコネクタがUSB microBです。micro USBと呼ぶ場合もあります。
携帯電話で使われる規格で、mini USBと同様に小さいコネクタであることが便利です。転送速度は、USB 2.0なので最大480Mbpsとなります。なお、micro USBにはUSB 3.0/3.1/3.2に対応したMicro-Bコネクタもありますが、形状などはUSB 2.0規格とは異なります。

Lightning

「Lightning」は、Appleが開発した規格です。USB端子と接続可能な規格ではありますが、正確にはUSB規格ではありません。基本的にApple社製の製品にしか採用されませんが、流通量の多いiPhoneに採用されているので、見たことがある方も多いでしょう。形状的には薄い板のような形をしています。こちらも、コネクタ部分に上下の区別がないため、差し込み方向を間違える心配はありません。なお、転送速度については公表されていません。

画期的なUSB規格「USB Type-C」のメリット

さまざまな規格が存在するUSBですが、現在では続々とUSB Type-Cが採用されつつあります。その理由は、USB 3.1/3.2で規格化された最大10Gbpsの高速伝送が可能なことや、コネクタ部分に上下の区別がないことなどあります。それ以外にも、USB Power Delivery(パワーデリバリー/PD)に対応していることや、さまざまな機器と接続できるオルタネートモード(Alt mode)も理由として挙げられます。ここからは、USB Type-Cのメリットについて、詳しくご紹介していきましょう。

メリット
次世代の転送規格に対応!
超高速データ転送が可能に

USB Type-Cは、次世代転送規格USB 3.1に対応し、速度は最大10Gbpsとなっています。このスピードであれば、例えば1GBのデータなら約0.9秒で転送できます。このような大容量のデータを一瞬で送ることができるのが、USB Type-C(USB 3.1/3.2)なのです。なお、USB 3.0は、アップデートに伴い「USB 3.1 Gen1」と表記されることになったため、従来のUSB 3.1は「USB 3.1 Gen2」と呼ばれる場合もあります。今後は、2019年後半に登場予定のUSB 3.2にも対応される予定です。

メリット
2
USB Power Delivery対応

USB Type-C最大の特徴が、USB Power Deliveryに対応したことです。
これまで、電子機器の充電に使用していたのは、ほとんどが独自のコネクタを使ったACアダプタです。しかし、USB規格で電力供給ができるようになったことで、スマートフォンの充電などにUSB電源アダプタポートを採用するメーカーも増えてきました。ですが、これまでの仕様では大容量の電力を供給できないため、ノートパソコンなどの充電はできません。そこで、新しいUSB給電規格としてUSB Power Deliveryが生まれたのです。ここでは、USB Type-CがUSB Power Deliveryに対応したことで得られたメリットについてご紹介しましょう。

USB Power Delivery対応ケーブルで接続ケーブルを一本化

これまで、パソコン側がUSB Type-A、周辺機器側はUSB Type-Bというように、異なったコネクタで接続していたのは、ホスト側とデバイス側を間違えて接続しないためでした。これは、もし誤って接続すれば、電力供給の方向が逆になって充電されなかったり、機械が動かなかったりするからです。しかし、USB Power Deliveryに対応したUSB Type-Cのケーブルであれば、双方向に電力供給ができるので、問題ありません。これにより、1本のケーブルですべての機器に接続が可能となりますので、配線が楽になるだけでなく、外出時に複数のケーブルを持ち歩く必要もありません。また、USB Type-Cのコネクタは上下の区別もありませんので、差し込む方向をミスすることがなくなりました。

最大100Wの電力供給で対象機器の増加や充電時間の短縮が可能

USB Power Deliveryに対応したことにより、最大100Wの電力を供給できるようになりました。例えば、従来使われているモバイルバッテリーや充電器の電力が5W程度ですので、約20倍の電力を供給できることになったのです。
これまでのUSB規格では、スマートフォンなどの小型機器を充電できる程度でしたが、USB Power Deliveryに対応したことで、ノートパソコンや液晶ディスプレイなど、大きな電力を必要とする機器へも電力供給できるようになりました。
また、USB Type-Cには「CC」という充電方式を確定する信号ラインがあります。そのおかげで、USB Power Delivery対応充電器にUSB Type-Cケーブルで機器を接続すると、充電器側で最適な電力が選択され、急速充電が可能になったのです。

ACアダプタが共通化

USB Power Deliveryでは、5V、9V、15V、20Vの4つの電圧に対応した電力が供給できますので、USB Type-C端子がついた電源アダプタが1つあれば、ノートパソコンやスマートフォン、液晶ディスプレイなど、異なる機器への充電が可能となります。
しかし、あくまで規格上共通化できるだけですので、ACアダプタに供給できる電力を生む力がなければ、充電できませんのでご注意ください。

ロールスワップで電力の供給側と受給側を入れ替えできる

USB Power Deliveryの「ロールスワップ」という機能により、電力の供給側と受給側をスワップ(入れ替え)することが可能です。例えば、ノートパソコンと液晶ディスプレイをUSB Power Delivery対応のケーブルでつないだ場合、ノートパソコンにACアダプタが接続されており、ディスプレイにACアダプタが接続されていなければ、ノートパソコン側からディスプレイ側に電力が供給されます。もちろん、条件が逆になれば、ディスプレイ側からノートパソコン側へ電力が供給されます。

メリット
3
オルタネートモードで
USB以外の信号を利用可能

USB 3.1に対応したUSB Type-Cは、USB規格以外の信号を流せるオルタネートモードを利用することができます。
これにより、USB Type-CケーブルでもHDMIの信号を流すことができ、テレビモニタなどに映像出力ができるのです。また、Apple製品などに採用されている「Thunderbolt 3」という高速通信規格も利用できるので、Thunderbolt 3に対応したケーブルであれば40Gbpsという高速通信が可能となります。

使用するケーブルに注意して
USB Type-Cのメリットを活かした環境を構築しよう

USB Type-Cを利用するメリットは、たくさんあります。しかし、USB Power Deliveryを利用する場合、ひとつ注意しなければいけないことがあります。それは、ノートパソコンやスマートフォンなどの機器はもちろん、充電器やケーブルなど、すべてUSB Power Deliveryに対応した製品が必要なことです。
例えば、USB Type-Cのケーブルの中には、USB Power Deliveryに対応していない製品もあり、このケーブルが使われているとUSB Power Deliveryを活用できなくなるのです。この点に注意しながら、USB Type-Cのメリットを活かした環境を構築してください。


USB 2.0とUSB 3.0の違いは?
USB 2.0とUSB 3.0の違いは、データの転送速度と電力供給量です。USB 2.0は最大480Mbps、USB 3.0は最大5Gbpsで転送できます。USBポートから供給できる電力は500mA(USB 2.0)から900mA(USB 3.0)と、倍近くに増えています。挿し込み口の形が同じなら、USB 3.0のケーブルをUSB 2.0のポートに挿すこともできますが、転送速度や電力供給量はUSB 2.0の性能となります。USBの転送速度の違いについて
オルタネートモードとは?
USB Type-Cを、通常のデータ通信以外のさまざまな目的で利用できる機能のことです。USB Type-CポートからDisplayPort信号を流してモニタに映像を出力したり、Apple製品などで採用されている「Thunderbolt 3」という高速通信規格として利用したりできます。USB Type-Cのオルタネートモードについて
USB Type-CとThunderbolt 3は両方同じ端子に見えるが、何が違うの?
USB Type-Cは端子の形を表します。Thunderbolt 3はApple製品などに搭載されている規格で、コネクタの形状はUSB Type-Cと同じですが、対応機器同士なら最大40Gbpsの高速データ通信を行えます。Thunderbolt 3に対応していないUSB Type-C端子やケーブルもありますので注意しましょう。Thunderbolt 3の特徴について
USB Type-CとType-A・Type-Bの違いは?
それぞれ端子の形状を表しています。Type-Aは多くのパソコンで見かける平らな長方形の形をした端子、Type-Bはプリンターなどで見られる台形の形をした端子です。Type-Cは平らで楕円形の形をした端子で、上下の区別なく挿し込めます。ほかにも、デジタルカメラなどで使われるminiBや、スマートフォンなどで使われるmicro Bという端子があります。コネクタの形状の違いについて
USB 2.0とUSB 3.0の見分け方はありますか?
見た目の形状は同じですが、USBの業界団体であるUSB-IF(USB Implementers Forum)は、USB 3.0の端子やケーブルはコネクタの内側を青色にすることを推奨しており、多くの製品がそのルールに従っています。コネクタ画像の拡大図を確認
USB規格の違いって何ですか?
USBの規格には、Type-AやType-Cなど端子の形状を表すものと、USB 3.0やUSB 2.0など最大の通信速度や電力供給量を規定するものがあります。例えば、端子の形状がType-Cで、USB 3.1で定められた最大10Gbpsの速度で通信できる製品は「USB Type-C(USB 3.1)」のように表されます。USB規格の組み合わせパターンの例