
- 概要
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防犯カメラを導入している病院やクリニックは多いです。
受付や病棟・薬品庫など病院・クリニックのさまざまな場所に設置されている防犯カメラ。
防犯カメラには、犯罪抑止を含めたさまざまなメリットがあります。 本記事では、病院やクリニックに防犯カメラを導入することにはどのようなメリットがあるのか、その場所ごとにご紹介していきます。
医療機関に監視・防犯カメラを導入するメリット1
受付窓口
医療機関の受付窓口には、現金やパソコンなどさまざまなものがあります。 カルテや問診票の電子化をまだしていない医療機関であれば、患者さんの個人情報があることもあるでしょう。
夜間の窃盗や強盗、場合によっては職員による不正が起こる場合もあります。
それらの監視・抑止をすることができるというメリットがあります。
防犯カメラにはさまざまな種類があるので、用途に応じてどの防犯カメラを設置するのかを決めましょう。
機種によっては、夜間の撮影により適したもの、スマートフォンでいつでも防犯カメラの映像が確認できるものもあります。
受付窓口には、上述したようなさまざまなものがあるため、このような防犯カメラをぜひとも設置したほうが良いでしょう。
医療機関に監視・防犯カメラを導入するメリット2
玄関・職員通用口

人の出入りのある「玄関」・「職員通用口」にも防犯カメラを設置しておいたほうが良いでしょう。
病院は、患者さんやご家族の方、お見舞いの方、業者の方、職員の方など非常に多くの人の出入りがある場所です。
犯罪抑止や時間ごとの来訪者の情報を記録するために、「玄関」・「職員通用口」にも、防犯カメラを設置しておいたほうが良いでしょう。
医療機関に監視・防犯カメラを導入するメリット3
薬品庫
薬品庫には多くの盗まれてはいけない薬品があります。
薬品の窃盗の抑止・監視をすることができるというのは、非常に大きなメリットの一つです。
医療機関に保管されている薬品には、致死性の高いものや向精神薬・睡眠薬などさまざまなものがあります。
なかには、転売や違法行為を目的として使用することのできるものもあるため、薬品庫には防犯カメラを設置しておいたほうが良いでしょう。
また、防犯カメラ一台では死角ができてしまう場合があります。
薬品庫にもよりますが、死角がなくなるよう複数台の防犯カメラを設置することが推奨です。
医療機関に監視・防犯カメラを導入するメリット4
病棟

入院設備がある病院では特に、病棟への防犯カメラの設置が大切です。
なかには、患者さんのプライバシーを懸念して設置しないという病院もあります。
ただ、何かあった場合に備えて、また、職員が少なくなる夜間のトラブル抑止のため、できれば防犯カメラを設置しておいたほうが良いでしょう。
患者さんの異変に速やかに対応したり、トラブルを抑止したりできることは大きなメリットだと言えるでしょう。
医療機関に監視・防犯カメラを導入するメリット5
更衣室入り口

貴重品の盗難や盗撮など、更衣室でもさまざまなトラブルが想定されます。
防犯カメラを確認し、実行にうつすことを踏みとどまってくれるため、その点も防犯カメラ設置によるメリットです。
病院やクリニックに監視・防犯カメラを導入する際の注意点

病院やクリニックに防犯カメラを導入する際の注意点をご紹介します。
注意点に関して理解しておくことは、患者さんや職員のプライバシーを尊重しつつ、施設の安全を確保するために重要だと言えます。
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患者さん・職員のプライバシー保護
病院・クリニックでは患者さんのプライバシーを最優先に考えなければなりません。
防犯カメラを設置する場所としては、待合室・受付・廊下といった公共エリアに限定するのが良いでしょう。診察室・処置室・休憩室・トイレなど、プライバシーの配慮が必要な場所にはカメラを設置しないことが大切です。 また、医療従事者やスタッフなど職員のプライバシーも配慮する必要があります。 職員の休憩室・更衣室などの個人的な空間には防犯カメラを設置しないようにしましょう。
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法的要件を遵守すること
防犯カメラによって収集される映像データは個人情報保護法の対象となります。
このため、防犯カメラを導入する際に映像データの収集・保存・使用・削除に関する方針を明確にしておき、適切に運用しなければなりません。たとえば「映像データの保存期間を限定しておき、不要になったデータはすぐに削除する」といったことが挙げられます。 また防犯カメラの設置前には、患者さんや訪問者、すべての職員に対しても防犯カメラの設置目的や設置場所について伝えておく必要があります。
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防犯カメラの設置場所・角度もチェック
防犯カメラは施設内の重要なエリアを効果的にカバーするように設置しなければなりません。
たとえば入口・出口・受付など、「セキュリティ上のリスクが高い場所」を優先的に監視することが大切です。防犯カメラの設置場所・角度をこまめにチェックして適切な角度を調整しておきましょう。
また、カメラの設置場所によっては、照明の状態や色味が防犯カメラの映像の品質に大きく影響することがあります。 明るすぎる場所・暗すぎる場所では、防犯カメラの性能を最大限に発揮できないことがあります。 適切な照明の条件も整えておくことで、クリアで詳細な映像情報を確保できるでしょう。 -
映像データの適切な管理
防犯カメラの映像データは適切に保護・管理しなければなりません。
データの暗号化・アクセス制御・データのバックアップといった方法がおすすめです。映像データへのアクセスは限られた担当者だけがおこなえるようにし、権限の管理も徹底しておきましょう。 収集した映像データの使用目的を明確にしておき、必ずその範囲内でデータを使用します。
たとえば防犯目的で収集したデータを、ほかの目的で使用しないことが基本です。 目的外の利用が発覚した場合、法的問題・信頼喪失につながる可能性があるためです。
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運用方法やメンテナンスの指導をおこなう
防犯カメラを導入後は定期的な点検をおこない、正常に機能しているかを都度確認することが大切です。
「カメラのレンズが汚れている」「設置する角度がずれている」「映像が上手く記録されていない」など問題が発生していないかチェックし、必要に応じて修正・メンテナンスをおこないます。また防犯カメラの運用に関わるスタッフには、適切な教育とトレーニング指導をおこないましょう。 映像データの取り扱いや緊急時の対応方法に関して明確な手順を把握・理解しておくことで、効果的に運用することができます。
病院やクリニックに防犯カメラを導入する際には、プライバシー面・法的要件の遵守・カメラの設置場所と角度・映像データ管理などさまざまな要素を総合的に考慮しなければなりません。
このような注意点を一つひとつ押さえておくことで患者さんと職員の安全を確保し、施設全体のセキュリティを向上させることができるでしょう。
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おわりに
本記事では、病院やクリニックに防犯カメラを設置することのメリットを設置場所別にご紹介しました。
多くの人が関わる医療機関では、防犯カメラはとても有用です。
犯罪抑止・監視のために、医療機関内のさまざまな場所に防犯カメラを設置しておいたほうが良いでしょう。犯罪抑止のアピール効果もあるので、お悩みの方はぜひ防犯カメラの導入を検討してみてください。