地域医療を止めないために。
中嶋病院様が構築した
オフラインバックアップ体制
QNAP NAS+NONフリーズで、
自動二次バックアップを実現
- 導入レポート
社会医療法人 康陽会 中嶋病院 様 - 宮城県仙台市宮城野区にある中嶋病院様は、1953年の開設以来、東仙台エリアの中核病院として地域医療を支えておられる。
今回、同院が導入されたのは、QNAP NASとNONフリーズを組み合わせたオフラインバックアップシステムである。
背景には、近年の医療機関を狙ったランサムウェア被害の深刻化があった。
地域の急性期・回復期の医療を支える、
ケアミックス型病院

中嶋病院様では、仙台市内および周辺地域より
年間3000台以上の救急車を受け入れている。
近隣住民のかかりつけ医療を担うとともに、救急搬送や手術にも数多く対応している中嶋病院様。特に整形外科領域では、大腿骨骨折などの手術実績も多く、仙台市内でも広く認知されている。
同院は病院単体で医療を提供するだけでなく、グループ内の介護・福祉施設とも連携し、医療から介護までを支える体制を築いている。地域住民にとって、診療機能の継続は安心そのものに直結する。だからこそ、病院のシステムを止めないための備えは重要なテーマである。
医療機関を狙うランサムウェアに
対応するため、
バックアップ体制の
強化が急務に
近年、国内の医療機関ではランサムウェアによる被害が相次いでいる。電子カルテやオーダリングシステムが使用できなくなれば、診療、投薬、注射、手術、会計、救急受け入れなど、病院のあらゆる機能に影響が及ぶ。デジタル化が進んだ現在の病院では、情報システムの停止は医療機能の停止に等しい。
「今は業務のほとんどがデジタル化されていますから、それがすべて使えなくなる。記録も手書きになりますし、手術も現実的には難しいと思います。救急の受け入れもできなくなるでしょう」とシステム管理室の千田氏はランサムウェアの脅威について語る。
中嶋病院様でも、従来から院内データのバックアップは行っていたが、それはファイアウォールで守られた領域内にNAS 群を置くという方式だった。外部から直接見えにくい環境ではあったものの、完全に切り離されたバックアップではない。万一、基幹システム側に被害が及んだ場合、バックアップまで守り切れるのかという不安が残っていた。
手作業やテープ運用に頼らず、
バックアップ完了後に自動で
オフライン化
今回の導入の大きな契機となったのは、同院で2026年2月に実施された電子カルテおよび基幹システムの更新である。サーバー類も含めた大規模な入れ替えとなったため、このタイミングでバックアップ環境も抜本的に見直すことになった。
背景には、厚生労働省による医療情報システムの安全管理に関するガイドライン、さらに診療情報管理体制加算をめぐる方針があった。医療機関において、オフラインバックアップの重要性がより明確に示される中、中嶋病院様でも実効性のある二次バックアップ体制を構築する必要があった。
「最初に厚労省から通知があった時は、オフラインバックアップといえばLTOなどのテープ装置に戻るしかないのか、という印象もありました。ただ、テープの交換作業や、装置のメカ的な不具合は避けたいという思いがありました。NAS環境でオフラインバックアップを実現できないかと考えていたのです」と千田氏は話す。
LTOなどのテープ媒体は、確かに物理的な切り離しという点では有効である。しかし、日々の媒体交換が必要になれば、少人数でシステム管理を担う現場にとって負担が大きい。交換忘れなどの人為的ミスも起こりうる。
この課題に対して、同院のベンダーである日本事務器様が提案したのが、NASとNONフリーズを組み合わせた今回のシステムだ。NONフリーズは、バックアップ対象機器の電源制御を担う装置であり、バックアップ完了後にNASの電源を遮断することで、論理的なオフライン環境を実現する。手作業に頼ることなく、必要なタイミングで接続し、完了後には自動的に切り離すという仕組みである。
採用の決め手となったのは、LTOやRDXライブラリを導入する場合に比べ、導入費用および運用費用を抑えられる点だった。さらに、構成が想定していたほど複雑ではなく、既存のバックアップ環境に組み込みやすいシンプルな仕組みであったことも、大きな評価ポイントとなった。
今回、中嶋病院様ではNAS 5台とNONフリーズ 2台を導入された。NONフリーズを2台構成としたのは、電子カルテシステムとオーダリングシステムという、病院業務の中核を担う2つの大きなシステムを効率よくバックアップするためである。
バックアップ対象には、部門システムやファイルサーバーなども含まれる。大容量のデータを効率よくバックアップし、処理が終わり次第、NONフリーズによってNASの電源を遮断する。これにより、通常はバックアップ先がネットワークから切り離された状態となり、基幹システムがランサムウェアに感染しても二次バックアップを守ることができる。
"いざという時に戻せる"安心感と、
少人数でも運用できる確実性を実現
導入効果として一番大きいのは、安心感だという。「以前は、ちょっとしたトラブルの報告があるだけでも、『ついにうちもやられたのではないか』という不安感がありました」と千田氏は振り返る。
現在は、オフラインの二次バックアップを確保できたことで、万一の際にも復旧に向けた手段を残せるようになった。
「外部からの攻撃に対して、防ぐのが難しい時代になってきていると感じています。だからこそ、バックアップだけは死守しておきたい。今回の仕組みがあることで、いざという時の備えになっています」と千田氏は語る。
システム復旧だけでなく、
職員が迷わず動けるBCP体制へ
同院では現在、既存のBCP対策をさらに強化しようと取り組んでいる。システムが使えない時に、誰が判断し、どのように動くのか。現場の職員が迷わず対応できるよう、教育や周知も含めた体制づくりを進めている。
「設備面のBCPは各部署と連携しながら進めていますが、私たちはシステムの部分で、このシステムが使えなかったらどうするのか、その判断を誰がいつ行うのかという目線で対策を講じています。現場の職員が動けなければ意味がないので、教育も一つの使命だと考えています」と総務課の武田氏は語る。
今回のオフラインバックアップシステム導入は、地域医療を支える中嶋病院様にとって、診療継続への備えを一段と強化する取り組みである。システム障害やサイバー攻撃のリスクが高まる中、重要データを安全に保全し、必要な時に復旧できる体制を整えておくことの意味は大きい。QNAP NASとNONフリーズは、その役割をシンプルかつ確実に担う仕 組みとして、同院の医療活動をこれからも下支えしていく。
取材にご対応いただいた方

- 社会医療法人 康陽会 中嶋病院
システム管理室 千田 健 様

- 社会医療法人 康陽会 中嶋病院
総務課 武田 尚之 様

社会医療法人 康陽会 中嶋病院
救急医療をはじめ、急性期治療、手術、回復期リハビリテーション、在宅支援までを幅広く担い、地域医療を支える重要な役割を果たしている。
特に整形外科領域や高齢者医療、術後リハビリに強みを持ち、患者が住み慣れた地域で安心して治療と回復に取り組める体制を整えている。
ホームページ : https://www.nakajima-hs.or.jp/
日本事務器株式会社
創業1924年。豊富な経験を通じて培った高度な業務ノウハウと技術力をベースに、幅広い業種・業務のさまざまなITニーズに応えるソリューションを提供している。
ホームページ
https://www.njc.co.jp/
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GR-OBST01Y5①NONフリーズ NF-Z200/JP-4IP 通常モデル(メーカー保証5年)②連携スクリプト※既存バックアップツールと連携させてNONフリーズに対して電源OFFを実行させるスクリプトのパッケージ。

