構成・条件・概要
対象モデル
WAB-BE187-M
目的
アクセスポイント間を複数帯域の無線で接続し、離れた場所のネットワーク同士を通信可能にする。
設定概要
WAB-BE187-Mを2台使用します。
無線LANの設定を行い、WAB-BE187-Mから2.4/5/6GHz帯の電波を出力させます。
アクセスポイント間通信であるWDS設定を行い、2台を通じて離れたネットワーク間を接続します。
1台は親機として、もう1台は子機として異なる設定が必要になります。
- 本手順は「WAB-BE187-M」の設定手順として記載しております。(ファームウェアバージョンは 1.0.19)
- 本製品は、IEEE 802.3bt 対応PoEインジェクター(当社対応製品型番:EIB-X01A-BT6) 、または別売りACアダプター「WAB-EX-ADP1」にて給電してください。
本手順で用いているSSID名やPresharedキー等は、入力例です。実際のネットワークでは運用を考慮した任意の値を設定してください。
特にセキュリティーに関連する文字列は、特定されにくい文字列をご利用ください。
導入構成イメージ

設定の流れ
WDSの設定は「親機」となるアクセスポイントと「子機」となるアクセスポイント、両方の機体に設定が必要となります。
親機には対向となる子機の情報、子機には対向となる親機の情報を設定する必要があるため、双方の機体を順番に設定していきます。
MLOでは複数帯域の電波を使用するため、使用する帯域を全て有効化します。
- WDS設定完了後にループが発生しないよう、有線側では親機・子機間の通信ができない状態(別のスイッチに接続されている等)で設定を行ってください。
STEP1 - 子機の設定画面へアクセスします。
設定用PCのLANケーブルを子機のLANポートに繋ぐなど、子機の設定画面にアクセスできる環境で実施ください。
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子機として設定する本製品の設定画面にログインします。
工場出荷時は、ユーザー名、パスワード共に、admin となります。
本製品への接続方法につきましては、「クイックセットアップガイド」ならびに、「ユーザーズマニュアル」を別途、参照ください。 -
設定画面が表示されます。
STEP2 - 子機のIPアドレス設定
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左側メニューにある[LAN側IPアドレス]をクリックします。
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子機で使用するIPアドレスを静的IPアドレスとして設定します。
[IPアドレス割り当て]から[静的IP アドレス]を選択します。
[IPアドレス][サブネットマスク][デフォルトゲートウェイ]、及び[DNSサーバー]の[プライマリアドレス][セカンダリアドレス]を設定します。
[適用]ボタンをクリックします。
[IPアドレス]は、親機となるアクセスポイントや、他の機器と重複しないアドレスを設定してください。 -
注意メッセージが表示されるので、[適用]ボタンをクリックします。
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カウントダウンが始まりますので、しばらくお待ちください。
IPアドレスが変更されたため、これまでのIPアドレスでは設定画面にアクセスできなくなります。 -
ブラウザーのアドレス欄に、子機に設定したIPアドレスを入力し、設定画面にログインしなおします。
STEP1同様、ユーザー名とパスワードを入力すると、設定画面が表示されます。
STEP3 - 子機の2.4GHzの無線を有効にします。
以下は2.4GHz帯の無線を有効に設定する手順です。 同様の手順で5GHz/6GHzの無線も有効に設定ます。
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設定画面上部にある[無線設定]をクリックします。
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左側メニューにある無線モード2.4GHzの[基本設定]をクリックします。
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[無線]の「有効」をクリックして選択し、続いて[SSID]の文字列を「Soumu」に変更します。
その後、[チャンネル]を[Ch 1]に、[チャンネル帯域幅]を[20 MHz]に変更して、[適用]ボタンをクリックします。
WDS通信のためには、親機と子機が同一のチャンネルで動作している必要があります。実際に設定するチャンネル/帯域幅は、ご使用の環境に合わせて適宜変更ください。 -
カウントダウンが始まりますので、しばらくお待ちください。
STEP4 - 子機の2.4GHzの無線セキュリティを設定します。
以下は2.4GHz帯の無線セキュリティを設定する手順です。同様の手順で5GHz/6GHzの無線セキュリティも有効に設定します。
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左側メニューにある無線モード2.4GHzの[セキュリティ]をクリックします
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[認証方式]から[WPA Personal]を選択し、[WPAタイプ]から[WPA2/WPA3 Personal]を選択します。
[Pre-shared キー]に半角英数8 ~ 63 文字以内でキーを入力し、[適用]ボタンをクリックします。
本例では「12345678」を入力しています。 -
カウントダウンが始まりますので、しばらくお待ちください。
STEP5 - 子機の5GHzの無線を有効にし、無線セキュリティを設定します。
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左側メニューにある無線モード5GHzの[基本設定][セキュリティ]から設定画面を開いて設定を行います。
設定内容や手順は、STEP3、STEP4を参照ください。
本手順では、5GHzのチャンネルとして「44ch 20MHz」を設定しています。
実際に設定するチャンネル/帯域幅は、親機・子機が同じチャンネルを使用するようにご使用の環境に合わせて適宜変更ください。
STEP6 - 子機の6GHzの無線を有効にし、無線セキュリティを設定します。
設定用PCのLANケーブルを親機のLANポートに繋ぐなど、親機の設定画面にアクセスできる環境で実施ください。
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左側メニューにある無線モード6GHzの[基本設定][セキュリティ]から設定画面を開いて設定を行います。
設定内容や手順は、STEP3、STEP4を参照ください。
本手順では、6GHzのチャンネルとして「65ch Auto 40/20MHz」を設定しています。
実際に設定するチャンネル/帯域幅は、親機・子機が同じチャンネルを使用するようにご使用の環境に合わせて適宜変更ください。
6GHzのセキュリティは、[WPAタイプ]を[WPA3 Personal]で設定します。
STEP7 - 子機のWDS設定を実施する
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左側メニューにある[WDS]の[MLO]をクリックします
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「MLO WDS」画面が開きます。
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[WDS機能]を「有効」にし、[オペレーションモード]を「STA」チェックボックスをクリックしてチェックマークを付けます。
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[ローカルMACアドレス]欄に表示されているMACアドレスを子機の2.4GHz/5GHz/6GHz MACアドレスとしてメモします。
メモしたMACアドレスは、親機を設定する時に[接続許可MACアドレス]欄へ入力します。(STEP11)
本手順では[接続許可MACアドレス]に何も入力せず次の手順5に進んでください。
親機側の設定が終わった後で、再度本手順にて親機の2.4GHz/5GHz/6GHz ローカルMACアドレスを入力してください。 -
[セキュリティ]欄の[Pre-shared キー]に暗号化キーの文字列として半角英数8 ~ 63 文字以内でキーを入力し、[適用]ボタンをクリックします。
本例では「STUVWXYZ」を入力しています。 -
カウントダウンが始まりますので、しばらくお待ちください。
カウントダウンが終了し画面が再表示されたら、続いて親機の設定を行います。
STEP8 - 親機の設定画面へアクセスします。
設定用PCのLANケーブルを子機のLANポートに繋ぐなど、親機の設定画面にアクセスできる環境で実施ください。
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親機として設定する本製品の設定画面にログインします。
工場出荷時は、ユーザー名、パスワード共に、admin となります。
本製品への接続方法につきましては、「クイックセットアップガイド」ならびに、「ユーザーズマニュアル」を別途、参照ください。
設定画面が表示されます。

STEP9 - 親機のIPアドレス設定
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左側メニューにある[LAN側IPアドレス]をクリックします。
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親機で使用するIPアドレスを静的IPアドレスとして設定します。
[IPアドレス割り当て]から[静的IP アドレス]を選択します。
[IPアドレス][サブネットマスク][デフォルトゲートウェイ]、及び[DNSサーバー]の[プライマリアドレス][セカンダリアドレス]を設定します。
[適用]ボタンをクリックします。
[IPアドレス]は、親機となるアクセスポイントや、他の機器と重複しないアドレスを設定してください。 -
注意メッセージが表示されるので、[適用]ボタンをクリックします。
-
カウントダウンが始まりますので、しばらくお待ちください。
IPアドレスが変更されたため、これまでのIPアドレスでは設定画面にアクセスできなくなります。 -
ブラウザーのアドレス欄に、親機に設定したIPアドレスを入力し、設定画面にログインしなおします。
STEP1同様、ユーザー名とパスワードを入力すると、設定画面が表示されます。
STEP10 - 親機の2.4GHz/5GHz/6GHzの無線を有効にし、セキュリティ設定をします。
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STEP3 ~ STEP6を参照して、子機と同様に親機側の2.4GHz/5GHz/6GHz 無線を有効に設定し、セキュリティも設定します。
親機のチャンネル・チャンネル帯域幅は、子機と同じ設定にしてください。
子機と同様に6GHzのセキュリティは、[WPAタイプ]を[WPA3 Personal]で設定します。
STEP11 - 親機のWDS設定を実施する。
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左側メニューにある[WDS]の[MLO]をクリックします。
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「MLO WDS」画面が開きます。
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[WDS機能]を「有効」にし、[オペレーションモード]を「AP」チェックボックスをクリックしてチェックマークを付けます。
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[ローカルMACアドレス]欄に表示されているMACアドレスを親機の2.4GHz/5GHz/6GHz MACアドレスとしてメモします。
メモしたMACアドレスは、親機の設定が終わった後で子機の[接続許可MACアドレス]欄へ入力します。(STEP12) -
STEP7の手順4で控えた子機の[ローカルMAC アドレス]を[接続先MACアドレス]に2.4GHz/5GHz/6GHzそれぞれ入力し、[適用]ボタンをクリックします。
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[セキュリティ]欄の[Pre-shared キー]に暗号化キーの文字列として半角英数8 ~ 63 文字以内でキーを入力し、[適用]ボタンをクリックします。
本例では「STUVWXYZ」を入力しています。 -
カウントダウンが始まりますので、しばらくお待ちください。
カウントダウンが終了し画面が再表示されたら、親機の設定は完了です。
続いて再度子機の設定を行います。
STEP12 - 子機に追加のWDS設定を実施する。
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「STEP1 - 子機の設定画面へアクセスします。」を参照して、子機の設定画面にアクセスします。
アクセスするIPアドレスは、「STEP2 - 子機のIPアドレス設定」で変更したIPアドレスになります。
STEP1同様、設定用PCのLANケーブルを子機のLANポートに繋ぐなど、子機の設定画面にアクセスできる環境で実施ください。 -
設定画面上部にある[無線設定]をクリック、左側メニューにある[WDS]をクリックして、WDS画面表示します。
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STEP11の手順3で控えた親機の[ローカルMAC アドレス]を[接続先MACアドレス]に2.4GHz/5GHz/6GHzそれぞれ入力し、[適用]ボタンをクリックします。
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カウントダウンが始まりますので、しばらくお待ちください。
カウントダウンが終了し画面が再表示されたら、設定は完了です。
STEP13 - 接続の確認
以下のような方法で、WDS接続完了し通信が行えている事を確認してください。
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親機の設定画面にアクセス(設定用PCが子機側に接続されている場合)
設定用PCが親機側に接続されている場合は、子機の設定画面にアクセスしてください。
WDS通信経由で対向機の設定画面にアクセスします。
設定画面が表示されれば、WDS接続ができている状態となります。 -
親機の設定画面の[クライアント]画面を表示
- 設定画面上部にある[無線設定]をクリックします。
- 左側メニューにある無線モードMLOの[クライアント]をクリックします。
- MLO WLANクライアントテーブルに、入力した子機MACアドレスのクライアントが表示されていることを確認します。
参考設定ファイル
設定ファイル
「WAB-BE187-M」の参考設定ファイルをこちらからダウンロード可能です。
本設定はサンプルとなりますので導入時はお客様ネットワーク環境に合わせて適宜変更下さい。
「WAB-BE187-M」(親機:WDS-AP)設定ファイル のダウンロード
「WAB-BE187-M」(子機:WDS-STA)設定ファイル のダウンロード
アクセスポイントの設定は、ネットワーク環境により異なります。
設定例ファイル読み込むと現在の設定が変更され、通信や設定ができなくなる場合がございます。
適用前に、かならず、現在の設定を保存してください。
この設定ファイルを適用すると、アクセスポイントのIPアドレス、ユーザー設定が以下に変更されます。
親機:WDS-AP IPアドレス:192.168.3.100
子機:WDS-STA IPアドレス:192.168.3.110
ログインユーザー名:admin
ログインパスワード:admin
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WDS接続のためのローカルMACアドレスは機器固有の値となります。
そのため本Configファイルを適用した状態の親機・子機の組み合わせでのWDS通信は行えません。
WDS通信のためには、実機のローカルMACアドレスが必要となります。