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2024.07.25

ちょっとした工夫で簡単・らくらく!
片手でプラグが抜ける電源タップの開発秘話

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片手が塞がっている時、どうやって電源タップからプラグを抜きますか?
タップを手で押さえるために両手を使わないと引き抜けず、無理に引き抜こうとして端子が壊れたなど、意外と抜くのが難しい電源タップ。
今回はそんな日常にある小さな不便を解消する「イージーリリースタップ」の開発秘話について、ご紹介いたします。

イージーリリースタップとは?

差込口一つひとつに付いているレバーを押すだけで、片手で簡単にプラグが抜ける電源タップです。電源タップを手で押さえたり、強い力で引き抜いたりする必要がないため、手の力に不安がある方でも安心してお使いいただけます。

製品の詳細はこちらからもご覧いただけます。
https://www.elecom.co.jp/products/T-KF07-2610WH.html

製品を思いついたきっかけ

すでに当社では、電源タップ側ではなく差し込む側のプラグが楽に抜けるAC充電器(※)を販売していました。年齢や障害などにより手が不自由な方や、力の弱い方などに好評でしたが、抜きやすくなるのはその充電器のみという課題がありました。あらゆる機器が電源タップから抜きやすくなれば、より便利な製品になると考え、プラグ側ではなく電源タップの差込口側にプラグを抜きやすくするための機構を搭載した当製品の開発を始めました。
※:https://www.elecom.co.jp/products/MPA-ACCP31WH.html

<AC充電器(左):電源タップ(右)>

より良き製品を目指し何度も改良を重ね、完成したレバー構造!

開発当初は電源タップのサイズを小さくするため、レバーをL字型に折り曲げてタップの側面から押し込む形状を検討していました。しかし、プラグを挿した状態でのレバー操作が難しく、改良を重ねた結果、現在の上から下に押し込む構造に決定しました。手の重さを利用してレバーを押すことができる上、接地面がストッパーになり、片手でも力を伝えやすくなりました。

開発中はテコの原理を最大限活かすため、支点と力点の寸法を長く取ったものも検討しましたが、やはり日常使いの製品としては大きすぎました。ちょうどいい使用感とサイズにするため、何度も3Dプリンターで試作品を製作しました。多くの方から意見をいただきながら、できるだけ奥行きがでないように構造を調整しました。

発表した製品ではレバーを押す際、自然とレバーの端に指が位置するように、指型の凹みと滑り止めを設けています。できるだけレバーの端を押してもらうことでテコの原理を最大限発揮し、最小限の力で簡単に操作ができるようにする工夫です。

楽に抜けるだけではない!もう一つのこだわり

製品本体にはマグネット(一部型番のみ)やフックを搭載しており、壁にかけて使用するなど、より多くの場所で使いやすいように工夫しました。さらに、他のインテリアを邪魔せず、空間に馴染むようにできるだけシンプルな形状を採用。機能的でありながらスマートなデザインに仕上げました。

トラッキング現象などの電源タップの事故を防ぐため、安全面にも配慮

当製品では、雷サージから電子機器を守る「雷ガード」、感電の危険を抑制する「絶縁スリーブ」を搭載し、差込口周りには耐熱性に優れた「熱硬化性樹脂」を使用しています。特に未使用時にホコリの侵入を防止する「ホコリ防止シャッター」は、差込口の中央にプラグを押し出すためのバーを配置しているため、普段他の電源タップで採用している構造が採用できず、この製品のために新たに設計をしました。

日常の小さな不便を解消できる機能を持ちながら、安全性やデザインにもこだわった製品です。
当社は、今後も安全で快適に使える様々な製品をご提案いたします。

エレコムグループは、今まで、そしてこれからも、より良き製品・サービス・ソリューション、より良き会社、より良き社会を追求しつづけます。

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