Vol.10 外付けHDD規格「eSATA」とは?その特徴と内容
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外付けHDD規格「eSATA」とは?その特徴と内容

データのバックアップや特定データのアクセス制限のために、外付けのハードディスク(HDD)を利用している方も多いでしょう。その外付けHDDとPC間でデータを転送するための規格のひとつが「eSATA」です。eSATAとはどのような規格でどのような特徴があるのかをご紹介していきます。

eSATAとは

eSATAとは、PCに増設する外付けHDDなどをPCに接続するための接続方法のひとつです。

現在、内蔵タイプHDDの接続方式は、SATA(シリアルATA)方式が主流です。従来はATA(IDE)が主流でしたが、ATAよりも転送速度が早くて接続ケーブルもコンパクト、さらに設定も簡便であることから、パラレル方式に変わりシリアル方式のSATAが用いられるようになりました。その内蔵HDD向けのSATAの規格を、外付けHDD向けに最適化したものがeSATAです。

データの転送方式はSATAと同じですが、コネクターの形状を抜け落ちしにくい形状にブラッシュアップし、ケーブルは周辺のノイズの影響を受けないように、シールドを強化した物になっています。

eSATAはHDDのほかにブルーレイ/DVDドライブなどで対応している機器があり、それらの接続にも用いられています。

eSATAの特徴

eSATAの最大転送速度は3Gbps(理論値)で、データ変換などの必要がなくSATA規格のまま転送できますので高速です。最大ケーブル長は2mで、SATAの1mと比較して倍の長さまで延長されています。

eSATAのメリットは、やはりその転送速度の速さです。USBの転送速度は、USB2.0が480Mbps、USB3.0が5Gbpsですので、USB3.0と同レベル、USB2.0と比較すると6倍以上の転送速度です。株式会社Go-Nextがデータ転送速度を比較したテストでは、USB3.0よりもeSATAのほうが、転送速度がわずかに速いという結果も出ています。

もうひとつ、内蔵型のHDDを専用ケースに入れれば、そのままで外付けHDDとして利用することができるというメリットがあります。例えば、不要になった内蔵HDDをバックアップ用に再利用するというような使い方ができます。

eSATAのデメリットとして考えられるのは、汎用性が乏しいことです。HDDやブルーレイ/DVDドライブなど、限定した機器との接続にしか使えず、USBと比べて利用できる機器が限られています。また、USBとは違い、電源を入れたまま機器の抜き差しができるプラグアンドプレイに対応していないことも、少し不便に感じる点かもしれません。