モバイルバッテリーの基礎知識

【2025年最新版】リチウムイオンモバイルバッテリーを選ぶなら「PSEマーク」をチェック!安全性・法改正・選び方をわかりやすく解説

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はじめに

スマホやタブレット、ワイヤレスイヤホンなど、今や外出時の必需品となったモバイルバッテリー(モバ充・モババ)。
でも、「値段が安いから」「デザインが好きだから」と選んでいませんか?

実は、モバイルバッテリーの中には法律に違反する“危険な製品”が出回っていることもあるのです。
その安全を見分けるポイントが「PSEマーク」。この記事では、「モバイルバッテリー × PSEマーク」について、初めての人でも分かるようにやさしく解説します。
2025年最新の法改正情報や、安全に使うためのチェックリストもまとめました。

目次

1、そもそも「PSEマーク」って何?モバイルバッテリーとどう関係あるの?

PSEマークとは、「Product Safety Electrical Appliance & Materials」の略で、日本の「電気用品安全法(PSE法)」に基づき、安全基準を満たした製品だけに付けられるマークのことです。
モバイルバッテリーはリチウムイオン電池を使うため、発火や爆発のリスクがあります。こうした事故を防ぐため、2019年2月からモバイルバッテリーもPSE法の規制対象になりました。

つまり今では、 PSEマークがないモバイルバッテリーを「販売・輸入」することは法律違反! です。

ユーザーが使う分には罰則はありませんが、安全面では大きなリスクがあるため、購入時にはPSEマークが付いている製品か必ずチェックしましょう。

2. 丸い?菱形?PSEマークの形にも意味がある!

PSEマークには2種類あります。

特定電気用品のマーク

特定電気用品のマーク

特定電気用品以外の電気用品マーク

特定電気用品以外の電気用品マーク

  • 菱形(◇PSE)マーク:特定電気用品に表示
  • 丸形(〇PSE)マーク特定電気用品以外の電気用品に表示

モバイルバッテリー(ACプラグ一体型ではない一般的なタイプ)は「〇PSEマーク」の表示が必要です。

【モバイルバッテリー製品例】

DE-C64-20000WH
DE-C72L-20000BK
DE-C76-10000WF
DE-C58L-5000PN

一方、AC一体型モバイルバッテリー(本体にACプラグを備え、充電器機能を内蔵するタイプ)の場合は、対象となる機能に応じて「◇PSE」と「〇PSE」の両方の表示が必要になります。

【AC一体型モバイルバッテリー製品例】

DE-AC07-10000WF
DE-AC07-10000BK
DE-AC09-5000PU
de-ac08-5000bk

もし「PSE」の文字がモバイルバッテリーのどこにも見当たらない場合、その製品は認証を受けていない可能性が高いので注意しましょう。

PSEマークの表示場所は原則として本体です。

本体以外(パッケージ、ラベル、取扱説明書など)への表示が認められるのは、バッテリーが小さく本体への表示が物理的に困難な場合に限られます。購入前に本体表示を中心に確認してみてください。

3.【2025年最新版】PSE法改正で安全基準がさらに強化!

2024年12月、モバイルバッテリーに関するPSEの技術基準が新しい基準に完全移行しました。これにより、旧基準で認証された製品は販売できなくなっています。

つまり、今後市場に出る製品はより高い安全性を持つ新基準対応品です。
購入時には「PSEマーク付き」であることに加えて、製造年が2024年以降のものかどうかをチェックすると安心です。

この法改正によって、発火・過熱などのリスクが減り、より安心して使える環境になっています。

4. リチウムイオン搭載モバイルバッテリーを選ぶときにチェックしたい6つのポイント

PSEマーク以外にも、安全なモバイルバッテリーを見分けるポイントはいくつかあります。以下の6つを確認しておけば、トラブルを避けることができます。

4-1. 「PSEマーク」が付いているか

PSEマークを説明した画像

モバイルバッテリー本体やパッケージに、PSEマークがあるか確認。ないものは非認証品の可能性が高く、発火リスクも増大します。

4-2. 製造・輸入事業者名や容量・電圧が明記されているか

安全な製品には、以下のような情報がきちんと記載されています。

  • 製造・輸入業者の名称
  • 定格電圧(例:12Vなど)
  • 定格容量(例:2420 mAh)
製造・輸入事業者名や容量・電圧が製品に明記されていることを説明した画像

これらが書かれていない製品は、法令を守っていない可能性大です。

4-3. 保護回路が搭載されているか

安全設計を説明しているパッケージの画像

▲ エレコムのモバイルバッテリーは、過充電・過放電・過電流防止機能および短絡保護機能と温度検知機能の5つの保護機能を備えた安心の回路設計です。

過充電や過放電、ショートなどを防ぐための保護回路(安全設計)があるかも重要。安価なノーブランド製品ではコストを切り詰めるため安全保護機能がおろそかになっていることもあり、事故の原因になります。

4-4. 容量とサイズをチェック(飛行機持ち込み制限にも関係)

モバイルバッテリーは、容量によって飛行機への持ち込みが制限されます。
一般的に以下のルールです:

  • 100Wh(ワット時)以下 → 制限なし
  • 100Wh〜160Wh → 航空会社の許可が必要
  • 160Wh超 → 持ち込み不可

つまり、大容量モデルを選ぶときは飛行機移動の予定がある人ほど注意が必要です。

飛行機の持ち込みに関する詳しい解説はこちら
「vol.13 飛行機に持ち込み可能なモバイルバッテリ―の条件とは?気になる充電器の持ち込みについても解説」

4-5. 主たる機能が「外部機器への給電」であるかを確認

PSEの対象となるかどうかは、その製品の“主たる機能”が外部機器への給電であるかによって判断します。

リチウムイオン電池を内蔵していてもノートPC内臓バッテリーやハンディファンなどのように、主たる機能が別にある製品はPSE対象外となる場合があります。 見た目や内蔵電池の有無だけで判断せず、主機能を確認しましょう。

製品のタイプ PSEの対象? 理由
モバイルバッテリー 対象 主たる機能が外部機器(スマホなど)への給電であるため
LED機能付きモバイルバッテリー 対象 主たる機能が外部機器(スマホなど)への給電で、LEDは付加的機能であるため
ワイヤレスイヤホン用充電器 対象 主たる機能が外部機器(ワイヤレスイヤホン)への給電であるため
ノートPC内蔵バッテリー 対象外 主たる機能が外部機器への給電ではなく、PC専用であるため
ハンディファン 対象外 主たる機能が外部機器への給電ではなく、扇風機であるため
USB出力もできるLEDライト(ランタンなど) 対象外 主たる機能が外部機器への給電ではなく、ライトであるため

4-6. 最新の法改正(2024年12月)後の基準で作られているか

2025年以降に購入するなら、新しい基準に適合したモデルを選ぶのがベストです。製品ページやメーカーサイトで「PSE取得済み」「2024年基準対応」などの表記があるか確認しましょう。

5. モバイルバッテリーを安全に使うための4つのコツ

PSEマーク付きでも、使い方次第ではトラブルが起こることもあります。長く安全に使うための基本ルールも押さえておきましょう。

コツ1:高温・多湿の場所に置かない

車内や直射日光の当たる場所など、高温環境ではバッテリーが膨張・破損することがあります。夏場の車内放置は絶対に避けましょう。

バッグの中でも、直射日光が当たる場所やファスナーを閉めたまま熱がこもる状態はNG。通気性を確保してください。

布団・クッション・衣類など熱がこもる布の上での充電は避けましょう。発生した熱が逃げにくく危険です。

暑そうな車内の画像

コツ2:寝る前の充電は控える

寝ている間に過充電が起きると、発火のリスクが高まります。できるだけ目が届く時間帯に充電するのが安全です。

寝室のイメージ画像

コツ3:膨張・変形・異臭を感じたら使用中止

モバイルバッテリーが熱くなる、膨らむ、異臭がするなどの異常が見られたら、すぐに使用をやめてください。
自治体の指示に従って、リサイクルボックスや回収窓口へ処分しましょう。

危険をイメージした画像

コツ4:落下や圧力を避ける

強い衝撃や圧力は内部損傷の原因に。落とさない・投げないのはもちろん、後ろポケットに入れたまま座る、ぎゅうぎゅう詰めの鞄で押しつぶす、重い荷物の下敷きにする、といった行為は避けましょう。

ズボンのポケットにモバイルバッテリーの入った画像

6.よくある質問(FAQ)

Q1. PSEマークがないモバイルバッテリーでも使える?

A. 個人が使用する分には法律違反ではありませんが、安全面ではおすすめできません。特に「通販サイトで格安販売されている海外製」には注意が必要です。

Q2. 海外製品で「CEマーク」や「ULマーク」があれば安心?

A. これらは欧米の安全基準で、日本のPSEマークとは別物です。 日本国内で購入・使用するなら、必ず「PSEマーク」を確認してください。

Q3. 古いモバイルバッテリーでも使っていいの?

A. 目安として「約2年」で買い替えをおすすめします。理由は、一般的なリチウムイオン電池のサイクル寿命が約300〜500回で、毎日でなくても頻繁に使うと約2年で内部劣化が進み、膨張・発熱などのリスクが高まるためです。

Q4. ナトリウムイオンモバイルバッテリーにはPSEマークがないけど安全じゃないの?

A. 安全です。 PSE法は主に「リチウムイオン搭載のモバイルバッテリー」が対象の制度で、ナトリウムイオンにはリチウムイオンが搭載されていないため、対象外。そのため表示が付かないだけで、ナトリウムイオンバッテリーは「安全ではない」という意味ではありません。

エレコムのナトリウムイオンモバイルバッテリーは、過充電・過放電・温度保護などの安全設計を備え、電池の特性上も一般的なリチウムイオンに比べて熱暴走が起きにくく、発火しにくいのが特長です。

ナトリウムイオンモバイルバッテリーの詳細はこちら

Q5. AC出力ができる「ポータブル電源」も、モバイルバッテリーとしてPSE法の対象になるの?

A. いわゆる「ポタ電」と呼ばれる、コンセントと同じ交流100Vを出力できるポータブル電源は、PSE法の「モバイルバッテリー」区分の対象外です。
交流出力が可能なポータブル電源は、直流出力の蓄電池として扱われるモバイルバッテリーとは制度上の区分が異なるため、モバイルバッテリー向けPSE法の規制対象にはなりません。

まとめ

モバイルバッテリー選びでいちばん大切なのは、「安全性」。
デザインや価格よりもまず、「PSEマークがあるかどうか」をチェックしましょう。

  • PSEマーク付き=安全基準をクリア
  • 製造元・容量・電圧の表示=信頼できる製品
  • 新基準対応(2024年以降)=さらに安心

安い非認証品に手を出すより、PSEマーク付きの正規品を選ぶことで、発火や感電といったリスクを避けることができます。

「長く使える」「安心して持ち歩ける」――
そんなモバイルバッテリーを選ぶために、今日からPSEマークをチェックしてみてください。

この記事のポイントまとめ

  • PSEマーク=安全の証。2019年以降は必須。
  • 2024年12月に基準が強化。これからは新基準対応品を選ぼう。
  • 丸い「〇PSE」がモバイルバッテリーの正しいマーク。
  • 安全な使い方は「高温NG」「過充電NG」「異常時は即停止」。

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※本記事の情報は2025年12月時点のものです。掲載商品は売り切れや仕様変更となっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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