モバイルバッテリーMobile Battery
モバイルバッテリー選び
の役立つ基礎知識
13(全16回)

飛行機に持ち込み可能なモバイルバッテリ―とは?

モバイルバッテリーは、電池切れが近づいている・電池切れしてしまったモバイル端末(スマートフォンやタブレットなど)などの製品に充電することができる「外部バッテリー」です。 容量や電力によってはパソコンを充電できる製品もあるので、大容量のモバイルバッテリーを持ち運んでいる方も多いのではないでしょうか。
さて、電車・自動車・新幹線などでは持ち込みは問題なくても、条件によっては飛行機内への持ち込みが制限されるケースがあることをご存じでしょうか。 本記事では、飛行機内に持ち込み可能なモバイルバッテリーについて解説します。

モバイルバッテリーの機内持ち込みのルール、5つのポイント!

飛行機内にモバイルバッテリーや充電器を持ち運ぶ際に押さえておくべきポイントをご紹介します。航空会社で設けられている、一般的なモバイルバッテリーの持ち込みに関するポイントです。

確認事項(5つのポイント)

ポイント1:容量が160Wh以下であれば、機内持ち込み可能というルールが主流です(160Whは43,243mAhです)

ポイント2:個数はひとり2個までが主流です。

ポイント3:機内では常に確認できる場所で保管する必要があります。預け入れや収納棚での保管もNGです。

ポイント4:充電器は預け入れも持ち込みも可能です。(充電器一体型モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池を含む場合を除く)

ポイント5:各航空会社のルールは事前確認しておきましょう。上記ポイント1~4が主流ですが、航空会社によって異なることがあります。また、国内線と国際線でも異なる場合があります。

 

モバイルバッテリーの機内持ち込みルールを正しく理解しよう!

各航空会社では、モバイルバッテリーについて機内持ち込みに制限を設けています。ここでは「モバイルバッテリーの機内持ち込みルール」について、上記の5つのポイントの内容を解説します。

容量は160Wh(43,243mAh)以下で、個数制限がある航空会社も!

飛行機内に持ち込むことができるモバイルバッテリーの容量は、一般的に160Wh以下としています。mAhに換算すると 43,243mAh(※) となり、これ以上の容量のモバイルバッテリーは持ち込むことができません。 WhやmAhといった容量を示す数値は、モバイルバッテリーの側面や販売会社のホームページなどに記載されているため、飛行機を利用する際は航空会社のホームページを事前に確認しておきましょう。
また、航空会社によっては、「100Whを超える場合は、160Wh以下のものであれば2個まで」といった、容量とともに“個数”も定めているケースもあります。

※リチウムイオン電池の定格電圧が3.7Vの場合

WhとmAhの換算方法

以下、WhとmAhの換算方法です。

Wh = 3.7(V)× mAh ÷ 1,000

モバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池の定格電圧は一般的に3.7Vであるため、こちらの数式を使うことができます。
大容量の10000mAh、20000mAh を例にとると、以下のような計算式になります。

3.7(V)× 10000(mAh) ÷ 1,000 = 37Wh
3.7(V)× 20000(mAh) ÷ 1,000 = 74Wh

10000mAh、20000mAh ともに 160Wh 以下のため、機内に持ち込んでも問題ありません。

モバイルバッテリーの個数はひとり2個まで

航空会社の多くは飛行機内に持ち込むことができるモバイルバッテリーの個数を、「160Wh以下のものを、ひとり2個まで」と制限しています。
100Wh以下のものであれば複数持ち込むことができる航空会社もありますが、荷物がかさばります。
そのため、機内にモバイルバッテリーを持ち込みたい方は、この制限内のモバイルバッテリーを2個用意しておくと安心です。

モバイルバッテリーは預け入れできないが、充電器は預け入れが可能

モバイルバッテリーを機内に持ち込む際は、発熱や発火などが発生した場合、客室乗務員による早期対応ができず火災事故につながる事態を避けるため、手荷物に入れて持ち込む必要があります。 飛行機内では揺れや天候・気圧変化などによって外部からさまざまな衝撃を受けることがあるため、モバイルバッテリーは預け入れ荷物に入れることができないのです。
モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は衝撃に弱く、発熱や発火といった問題を引き起こす可能性があります。
一方、充電器はリチウムイオン電池を含まないため、預け入れも持ち込みも可能です。 (ただし、充電器一体型モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池を含む場合を除きます。)

モバイルバッテリーを収納棚に入れるのはNG

モバイルバッテリーは収納棚に入れず、手元で保管する必要があります。預け入れもNGです。モバイルバッテリーから端末への充電についても、 機内電源からモバイルバッテリーへの充電も、常に状態が確認できる場所で行う必要があります。
モバイルバッテリーに何かあったとき、すぐに対応できる範囲に置いておくことが重要です。

令和7年7月8日 国土交通省より、「モバイルバッテリーを収納棚に入れないで!」というプレスリリースがありました。
(出典:国土交通省ウェブサイト ※社外のホームページが開きます)

ショート(短絡)防止対策

モバイルバッテリーと他の金属機器が触れると、ショートする可能性があります。
複数の端末とモバイルバッテリーを持ち運ぶ際、つい同じ袋に入れて持ち運んでしまいそうになります。
しかし、想像していなかった場所で接触してしまうことで、機器同士がショートを引き起こして、火災に発展する可能性があります。
そのため、モバイルバッテリーを持ち運ぶ際は専用ケースや絶縁体の袋に1個だけ入れておくようにしましょう。

国内線と国際線でのモバイルバッテリー持ち込みルールの違い

国内線・国際線での違いはありませんが、一部の航空会社で「 独自基準 」を設けていることがあるので、注意しましょう。

詳細は利用する航空会社のホームページなどで最新情報の事前確認を!

モバイルバッテリーの機内持ち込みのルールは、多くの航空会社が同様のルールを設けています。しかし、一部の航空会社では独自基準があったり、新たなルールが設定されることもあります。
そのため、モバイルバッテリーを機内に持ち込みたい方は、利用する航空会社のホームページなどで事前に最新情報を確認しておくことをおすすめします。

モバイルバッテリーとあわせて持ち込みたいアクセサリー

こちらでは、モバイルバッテリーとあわせて持ち込みたいアクセサリーをご紹介します。

USB充電器

USB充電器は、さまざまなタイプのUSBケーブルを挿し込んで機器を充電することができるタイプの充電器です。
スマートフォンやパソコンを購入した際に同梱していることがあり、コンセントがあればどこでも充電することができます。
これらは単体では電力を持たないため、モバイルバッテリーのように持ち込み制限が設けられていません。

充電ケーブル

モバイルバッテリーやUSB充電器で充電する際には、充電ケーブルが必要となります。
近年ではワイヤレス充電に対応している機器もありますが、充電速度が遅いため、やはりケーブルで安定した充電をしたい方は多いでしょう。
そのため、どのような充電器を使う場合でも、充電ケーブルを持っていくことをおすすめします。

モバイルバッテリー専用のポーチ

先述の通り、モバイルバッテリーと別の端末が接触すると、ショートを引き起こす可能性が考えられます。
ショート対策として有効なのが、絶縁体の袋にモバイルバッテリー1個だけ入れて専用ポーチとして持ち運ぶことです。
専用ポーチがない場合は別売りのケースを購入することでも対応することができるため、機内に持ち運ぶ際にはぜひご検討ください。