の役立つ基礎知識13(全16回)
飛行機に持ち込み可能なモバイルバッテリ―とは?
モバイルバッテリーはスマートフォンやタブレットをはじめとしたモバイル製品に充電することができる「外部バッテリー」です。容量や電力によってはパソコンを充電できる製品もあるので、大容量・高出力の製品を持ち歩く方も多いのではないでしょうか。
さて、モバイルバッテリーは電車・自動車・新幹線などでは問題がなくても、飛行機内への持ち込みについては制限される場合があることをご存じでしょうか。
本記事では、飛行機内に持ち込み可能なモバイルバッテリーについて解説します。
モバイルバッテリーの機内持ち込みのルール、3つのポイント!
飛行機内にモバイルバッテリーや充電器を持ち運ぶ際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。 国際線・国内線にかぎらず、一般的に航空会社が設けている、主なモバイルバッテリーの持ち込みに関する条件です。
押さえておくべき3つのポイント
【ポイント1】 総容量は160Wh以下(160Whは43,243mAhです)
【ポイント2】 個数は2個まで
【ポイント3】 飛行機内では常に確認できる場所で保管(預け入れや収納棚での保管もNG)
モバイルバッテリーの機内持ち込みルールを理解しよう!
「押さえておくべき3つのポイント」を詳細に解説したいと思います。
総容量は160Wh(43,243mAh)以下、個数制限は2個までが主流!
飛行機内に持ち込むことができるモバイルバッテリーの容量は、一般的に160Wh以下とされています。モバイルバッテリーの容量によく使用されている「mAh」に換算すると 43,243mAh(※1) となり、これ以上の容量のモバイルバッテリーは持ち込むことができません。
まずは、モバイルバッテリーの側面や販売会社のホームページなどにmAhやWhといった容量を示す数値が書かれているので、その数値を確認してみましょう。
次に、航空会社のホームページにある、モバイルバッテリーに関する注意事項を確認しておきましょう。航空会社によっては、「100Whを超える場合は1個、160Wh以下のものであれば2個まで」といった、容量とともに「個数」も定めているケースや、国内線と国際線でも異なるケースがあります。
また、落とし穴ともいうべきなのは、充電器一体型モバイルバッテリーです。「リチウムイオン電池」を含んでいる場合は、容量計算に含める必要があります。(※2)
※1 リチウムイオン電池の定格電圧が3.7Vの場合
※2 充電器だけであれば、預け入れ、持ち込みどちらも可能です。
WhとmAhの換算方法
以下、WhとmAhの換算方法です。
3.7(V)× mAh ÷ 1,000 = Wh
モバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池の定格電圧は一般的に3.7Vであるため、こちらの数式となります。
大容量の10000mAh、20000mAh を例にとると、以下のような計算式になります。
3.7(V)× 10000(mAh) ÷ 1,000 = 37Wh
3.7(V)× 20000(mAh) ÷ 1,000 = 74Wh
10000mAh、20000mAh ともに 160Wh 以下のため、一般的なルールの航空会社であれば、どちらも機内に持ち込むことができます。
モバイルバッテリーの個数はひとり2個まで
航空会社の多くは飛行機内に持ち込むことができるモバイルバッテリーの個数を、「160Wh以下のものを、ひとり2個まで」と制限しています。
100Wh以下のものであれば複数持ち込むことができる航空会社もありますが、その分、荷物がかさばります。
そのため、機内にモバイルバッテリーを持ち込みたい方は、たとえば、この制限内のモバイルバッテリーを2個用意しておくと安心かもしれません。
モバイルバッテリーは預け入れできないが、充電器は預け入れが可能
充電器はリチウムイオン電池を含まないため、預け入れも持ち込みも可能です。
ただし、充電器一体型モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池を含む場合を除きます。
モバイルバッテリーを収納棚に入れるのはNG
モバイルバッテリーを機内に持ち込む際は、発熱や発火などが発生した場合、客室乗務員による早期対応ができず火災事故につながる事態を避けるため、 手荷物に入れて持ち込む必要があります。
また、モバイルバッテリーは収納棚に入れず、手元で保管する必要があります。モバイルバッテリーから端末への充電についても、 機内電源からモバイルバッテリーへの充電も、常に状態が確認できる場所で行う必要があります。
つまり、モバイルバッテリーに何かあったとき、すぐに対応できる範囲に置いておくことが重要です。モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は衝撃に弱く、発熱や発火といった問題を引き起こす可能性があります。
(出典:国土交通省ウェブサイト ※社外のホームページが開きます)
ショート(短絡)防止対策
モバイルバッテリーと他の金属機器が触れると、ショートする可能性があります。
複数の端末とモバイルバッテリーを持ち運ぶ際、つい同じ袋に入れて持ち運んでしまいそうになります。
しかし、想像していなかった場所で接触してしまうことで、機器同士がショートを引き起こして、火災に発展する恐れがあります。
そのため、モバイルバッテリーを持ち運ぶ際は専用ケースや絶縁体の袋に1個ずつ入れるようにしましょう。
国内線と国際線でのモバイルバッテリー持ち込みルールの違い
国内線・国際線での違いはありませんが、一部の航空会社で「 独自基準 」を設けていることがあるので、注意しましょう。
利用する航空会社のホームページでモバイルバッテリーの取り扱いについて事前確認を!
モバイルバッテリーの機内持ち込みのルールは、多くの航空会社が同様のルールを設けています。しかし、一部の航空会社では独自基準があったり、新たなルールが追加されることがあります。
そのため、モバイルバッテリーを機内に持ち込みたい方は、利用する航空会社のホームページなどで事前に最新情報を確認しておくことをおすすめします。
モバイルバッテリーとあわせて持ち込みたいアクセサリー
こちらでは、モバイルバッテリーとあわせて持ち込みたいアクセサリーをご紹介します。
USB充電器
USB充電器は、さまざまなタイプのUSBケーブルを挿し込んで機器を充電することができるタイプの充電器です。
スマートフォンやパソコンを購入した際に同梱していることがあり、コンセントがあればどこでも充電することができます。
これらは単体では電力を持たないため、モバイルバッテリーのように持ち込み制限が設けられていません。
※ 充電器一体型モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池を含む場合を除きます。
充電ケーブル
モバイルバッテリーやUSB充電器で充電する際には、充電ケーブルが必要となります。
近年ではワイヤレス充電に対応している機器もありますが、ケーブルで充電したいという方も多いと思います。
そのため、どのような充電器を使う場合でも、充電ケーブルを持っていくことをおすすめします。
モバイルバッテリー専用のポーチ
先述の通り、モバイルバッテリーと別の端末が接触すると、ショートを引き起こす可能性が考えられます。
ショート対策として有効なのが、絶縁体の袋にモバイルバッテリー1個だけ入れて専用ポーチとして持ち運ぶことです。
専用ポーチがない場合は別売りのケースを購入することでも対応することができるため、機内に持ち運ぶ際にはぜひご検討ください。
