モバイルバッテリー選び
の役立つ基礎知識03(全16回)
USB Type-C™が使えるモバイルバッテリーのメリット・デメリット
スマートフォンを外出先で長時間使うことが多い方なら、ぜひ持っておきたいモバイルバッテリー。特に、ビジネスやプライベートで片時も手放せないという方には、急速充電が可能なモバイルバッテリーが適しています。
急速充電が可能なモバイルバッテリーには、USB Type-C対応の製品があります。USB Type-Cは便利な反面、使うときに注意しなければならない点もあります。ここでは、USB Type-Cを使ったモバイルバッテリーのメリット・デメリットをご紹介しましょう。
USB Type-Cとは?

まずは、USB Type-Cについてご紹介します。USBは、Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)の略で、パソコンにプリンターやマウスなどの周辺機器を接続する規格のひとつです。それまで使われていた、SCSI(スカジー)やRS232Cなどの規格よりもデータ転送速度が高いことがメリットですが、大きく違う点として、USB規格は接続した周辺機器に電力を供給できることが挙げられます。
USB Type-Cは、USB 3.1に対応し、データの転送速度は最大10Gbpsとなっています。これまでのUSBコネクターは上下に区別があったため、接続時に間違えると差せませんでした。しかし、USB Type-Cでは、コネクター部分の上下の区別をなくし、簡単に差し込めるよう改善されています。
さらに、USB Type-Cは「USB Power Delivery」に対応し、最大100Wの電力を供給できるようになっています。また、USB Power Deliveryは、5V、9V、15V、20Vの4つの電圧に対応していますので、スマートフォンはもちろんのこと、ノートパソコンなどへの電力供給も可能となっています。
USB Type-C規格のモバイルバッテリーは本当に優秀か?

前述したように、USB Type-Cという規格にはさまざまなメリットがあります。
ですが、これらはあくまで規格としてのメリットであり、モバイルバッテリーを使う場合のメリットとは限りません。
ここでは、USB Type-C規格を使ったモバイルバッテリーのメリット・デメリットをご紹介しましょう。
USB Type-C規格のモバイルバッテリーのメリット
こちらでは、USB Type-C対応のモバイルバッテリーがもつメリットをご紹介します。
・電力供給が早いので急速充電に向いている
USB Type-CはUSB Power Deliveryに対応していますので、最大100Wの電力を供給できます。これまでのUSB規格では10W以下の電力しか供給できなかったことを考えると、各段に進歩しています。
ですから、スマートフォン本体がUSB Power Deliveryに対応しており、USB Type-C規格のモバイルバッテリーの供給電力が必要なワット数を満たしていれば、急速充電が可能となります。反対に規格としての条件がそろっていても、使用するモバイルバッテリー自体の供給電力が低ければ急速充電はできません。
・汎用的な規格なので使える端末が多い
USBは汎用的な規格なので、スマートフォンに限らず、使える端末が多いことが特徴です。例えば、携帯用ゲーム機やノートパソコン、タブレットなど、多くの身近な電子機器に使用することができます。
ただし、実際ノートパソコンなどを充電するには、かなり高性能なモバイルバッテリーが必要になりますのでご注意ください。
・リバーシブルデザインである
これまでの規格であるUSB-AやUSB-Bを見てみると、上下で異なる形状をしていることがお分かりいただけると思います。
これらは挿し込み口もそれに対応した形状をしており、上下さかさまで挿すことができないため、利便性に課題がありました。
しかし、USB Type-Cは上下が同じ形状のリバーシブルデザインであることから、どちらの面でも挿入することができます。
そのため、急いで充電したいときでも、向きを気にせずに接続できることから、手間が軽減されます。
・充電できる端末が増えてきている
USB Type-Cが登場した時期は2014頃であり、この頃はUSB-AやUSB-Bが主流となっていました。
しかし、USB Type-CにはUSB-AやUSB-Bにはない、先述したようなメリットを持っていることから、徐々にUSB Type-C対応の端末が増えました。
近年ではLightning USBケーブルを使用する必要があったiPhoneが、USB Type-Cに対応するようになった点は話題となりました。
このように、USB Type-Cの利便性が理解・認知されたことにより、徐々に充電できる端末が増加した点はメリットといえます。
USB Type-C規格のモバイルバッテリーのデメリット
一方、USB Type-C対応のモバイルバッテリーには下記のようなデメリットがあります
・コードや端末も急速充電に対応している必要がある
USB Type-C対応のモバイルバッテリーを使用することにより、さまざまなデバイスを高速で充電することができます。
しかし、急速充電を実現するためにはモバイルバッテリーだけではなく、ケーブルや端末も同様に急速充電に対応している必要があります。
たとえば、モバイルバッテリーとデバイスが急速充電に対応していても、ケーブルが対応していなかった場合、急速充電を行うことができません。
そのため、急速充電を行うために新たにケーブルを購入しなければならない点はデメリットといえます。
USB Type-C対応モバイルバッテリーの選び方
下記にて、USB Type-C対応モバイルバッテリーの選び方をご紹介します。
・充電できる容量
モバイルバッテリーの充電可能な容量は、「mAh」と表記されているものになります。
機種や端末によって異なりますが、5,000mAhのモバイルバッテリーの場合は1800mAhのスマートフォンを約0.9回充電することができます。
そのため、10,000mAhなら2回、15,000mAhなら3回といったように、数字が増えるほど容量が大きくなります。
また、パソコンやタブレットなど消費電力が大きい端末を充電する場合は、30,000mAhを目安に選びましょう。
モバイルバッテリーによっては複数の充電ケーブルを接続できるものがありますが、同時に使用するとその分電力を消費します。
これらの理由から、モバイルバッテリーを選ぶ際は充電可能な電力を示すmAhを参考にしてみると良いでしょう。
・サイズや重量
多くの方は、スマホやタブレット、ノートパソコンと一緒にモバイルバッテリーを持ち運ぶことでしょう。
大きなサイズだったり重量が重たかったりするようなモバイルバッテリーは、持ち運びに不便だといえます。
モバイルバッテリーを選ぶ際にはサイズや重量など、利便性の高さの観点からも検討しておきましょう。
薄型・軽量なものはカバンやリュックに収納しても容量を圧迫せず、自然に収めることができます。
ただし、薄くて軽いモバイルバッテリーのなかにはバッテリー容量が少ないものがある点には注意が必要です。
そのため、サイズの観点からモバイルバッテリーを選ぶ際は、普段使用するバッグと持ち運ぶものの大きさも考慮しましょう。
・ポートの数
モバイルバッテリーを利用している方のなかには、複数の端末を使用しているといった方がいらっしゃることでしょう。
近年のビジネスシーンではノートパソコンとスマートフォンを使用することが多いため、当てはまる方は多いのではないでしょうか。
同時に複数の端末が電池切れや残り少なくなったときには、一緒に充電をしておきたいものです。
そのような状況を考えると、モバイルバッテリーは複数のポートが設けられているものを選ぶことをおすすめします。
とはいえ、多ければ良いというものではなく、複数の端末を同時に充電すると充電スピードや消費電力に影響を及ぼしてしまいます。
そのため、自分が同時充電する可能性がある端末の数を決めてから、ポートの数を決めておきましょう。
多数のメリットを持つUSB Type-C規格モバイルバッテリーを使おう

別途、ケーブルの購入が必要な場合もありますが、多くのメリットがあるUSB Type-C規格のモバイルバッテリー。特に、スマートフォン以外の端末の充電を視野に入れるなら、USB Type-C規格のモバイルバッテリーがベストな選択ではないでしょうか。
エレコムのモバイルバッテリーにも、USB Type-C対応製品がありますので、ぜひご検討ください。