
- 概要
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現場で誰もが一定の品質で業務を遂行するためには、マニュアルや作業手順書の整備が欠かせません。
しかし、これらの資料は更新頻度が高く、更新のたびに紙に出力をしていては印刷コストがかさみ、管理も煩雑になりがちです。
また、現場で紛失や破損が発生するリスクも無視できません。こうした課題を受け、近年では業務用タブレットを活用する企業が増えています。
本記事では、作業手順書を業務用タブレットで代用できるかどうかという点や想定されるメリット、注意点について詳しくご紹介します。
作業手順書は電子化により業務用タブレットで代用できる
作業手順書は電子化により、業務用タブレットで代用することができます。
作業手順書の電子化とは、紙ベースで運用されていたマニュアル類をデジタルデータ化することを指します。
紙媒体とは異なり、PDFや画像、動画、HTMLなど、多様な形式で作成・共有することができます。 電子化によって現場の作業者が最新版の情報を確認できるようになり、ヒューマンエラーの防止や作業品質の向上に寄与します。
作業手順書を電子化するメリット

こちらでは、作業手順書を電子化するメリットをご紹介します。
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情報の即時共有と更新
電子化された作業手順書は、クラウドを通じてリアルタイムに更新・共有できます。
これにより、作業指示の変更や業務改善の内容を、紙媒体よりも効率よく現場に浸透させることが可能になります。紙媒体の場合、更新作業には時間とコストがかかり、誤った情報が残存するリスクもあります。 電子化によってそれらの課題が解消され、統一された情報管理が実現します。
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必要な情報を探す時間の削減
デジタル化された手順書は、キーワード検索機能により必要な情報に即座にアクセス可能です。
また、ナビゲーション機能やタグ分類を活用すれば、複数の手順書の中から対象の作業工程を容易に探し出せます。さらに、クラウド上に保存することで、複数拠点や屋外現場など、あらゆる場所からアクセスできる点も大きな利点です。 タブレット1台で多くの情報を集約管理できる環境が整います。
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コスト削減と環境負荷の軽減
電子化により印刷費用が削減され、用紙や保管スペースも不要となるほか、環境負荷の軽減と、業務のペーパーレス化によるサステナブルな経営にも貢献します。
また、紙媒体の場合は必要な情報を探す際にページをめくって確認しなければなりません。
先述の通り、電子化することによりキーワード検索などで必要な情報を探しやすくなります。
作業手順書を電子化するデメリットと注意点
一方、作業手順書を電子化することで、下記のようなデメリットが生じます。
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初期導入コストと教育
タブレット本体や管理ソフトウェアの導入には一定の初期コストが発生します。
高年齢層や操作に不慣れな作業員が多い現場では、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
スムーズな移行のためには、事前の業務ヒアリングや段階的な導入スケジュールの策定が必要です。 -
システム障害やセキュリティリスク
ネットワーク環境に依存するため、通信障害やシステムトラブル発生時には一時的に手順書を閲覧できない可能性があります。
また、デジタルデータである以上、不正アクセスや情報漏洩といったセキュリティリスクも無視できません。 対策としては、オフライン閲覧対応のソリューション導入や、VPN・端末認証の強化が挙げられます。
作業手順書の電子化の進め方

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1. 現行の紙手順書を収集・分類し、重複や古い情報を整理します。
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2. PDF化や動画化、HTML化といった形式でデジタルデータを作成します。
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3. 現場環境や運用体制に適したタブレット端末とCMS(コンテンツ管理システム)を選定します。
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4. 防塵・防水性能、画面サイズ、操作性なども考慮した機器選定が求められます。
おわりに
本記事では、業務用タブレットを用いた作業手順書の電子化について解説しました。
作業手順書の電子化とは、紙ベースで運用されていたマニュアル類をデジタルデータ化したものを指します。
情報の即時共有と更新や必要な情報を探す時間の削減、ペーパーレス化の促進といったメリットを得られます。
従業員の負担軽減や業務効率を改善したいときは、作業手順書の電子化を検討してみましょう。