
製品イメージ
2025年3月中旬に発売を予定し、世界で初めて(※1)モバイルバッテリーとして製品化に成功した「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」。今回はナトリウムイオンモバイルバッテリーの特長や、開発でこだわった点などをご紹介します。
前編記事は こちらからご覧ください。
※1 ナトリウムイオン電池を採用したモバイルバッテリー(製品)/容量 9,000mAh ・ USB Type-C対応(45W出力・30W入力) に関する市場調査「世界初」検証調査(㈱未来トレンド研究機構 調べ)2024年11月27日時点
―「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」の4つの特長
①使用温度範囲が広い
一般的なモバイルバッテリー(※2)の使用温度範囲は0℃~40℃ほどと言われています。寒い環境で放電が進むため、スキー場のゲレンデなどでは機器への充電が停止し、高温環境では劣化が進みやすくなる傾向にありました。一方「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」の使用温度範囲は、-35℃~50℃のため、雪山や猛暑日など過酷な環境下でもデバイスへの充電が可能です(※3)。
※2 リチウムイオンモバイルバッテリー
※3 充電する機器の動作環境温度をご確認ください。また条件により出力低下や出力停止する場合があります。

②安全性
一般的なモバイルバッテリー(※2)は、強い衝撃で内部が破損してしまうことから発火する危険性がありました。一方、当製品は、仮に釘を刺しても発火しにくく、安全性が非常に高い点が特長です(※4)。
※4 前述の「モバイルバッテリーに釘を刺す試験」は、擬似的に内部短絡を起こすための試験です。通常、内部短絡が起きると、電流が集中することで温度が急激に上昇し、発火の可能性が高くなります。当社では、試験的に発火・発煙の有無を確認することで、落下など外部からの強い刺激によるバッテリーへの影響を検証しています。

③長寿命
実はモバイルバッテリーを充電に使用できる回数は約500回と、永続的に使用できるものではなく、繰り返し使える回数が決まっています。当製品は、一般的なモバイルバッテリー(※2)の充電サイクルの10倍ほどの長寿命を誇ります。そのため、長く使用することができ、経済的にも優しい製品です。
④環境負荷が低い
環境汚染や、発掘現場における人権侵害の可能性のあるコバルトやリチウムを使用しない、人と環境に優しいナトリウムを使った製品です。
-環境に優しい製品を生み出すため、こだわった筐体

以前から、再生プラスチックを採用した製品開発に取り組みつづけていました。特に、当製品はより環境負荷の低い電池にこだわったことから、筐体や製品パッケージも同様に環境負荷の低い製品にしたいという開発担当者の想いがありました。
「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」は、従来よりも長く使用できるため、製品筐体に明るい色を採用すると、汚れが目立ちやすくなってしまう懸念がありました。そのため、従来製品とは異なる石のような粒子が入った再生プラスチックを採用したことで、長く使用しても汚れが目立ちにくく、環境負荷の低い製品が完成しました。

-みなさんのお手元に届いてからのことを考えた結果
モバイルバッテリーに使用している再生プラスチックを、もしまた別の製品に生まれ変わらせる場合、シルク印刷されていると再生利用がしにくくなってしまいます。そのため当製品はレーザー刻印を施しています。
また、長期的に使用いただく場合、製品が傷ついてしまうことは避けられません。そのためあらかじめ傷つきにくいように、製品の表面を少し粗い質感に仕上げています。また、快適な使用感を維持するため塗装もしていません。
-パッケージは、石油由来のプラスチック使用率「0%」を実現
パッケージは、石油由来のプラスチック使用率「0%」を実現し、さらに、適切に管理された森林資源から生まれた紙を使用した環境にやさしい製品です。

-心がけているのは、日常生活が少し豊かになるような製品開発
「これで良い」ではなく「これが良い」と思って買っていただけるように、日常生活が少し豊かになる製品の開発を心がけています。今回の製品は社会課題に挑み、新たな価値を提供する製品に仕上げることができました。その結果、世界初認証を得ることができ嬉しく思っています。
-開発者紹介

2011年の入社以来、国内外問わず通電品、非通電品と幅広い製品カテゴリーで、デザイン・企画・戦略立案に従事。最近のトレンドは二子山部屋の箱推し、韓国ドラマ。
エレコムグループは、今まで、そしてこれからも、より良き製品・サービス・ソリューション、より良き会社、より良き社会を追求しつづけます。