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2024.05.16

子どもたちにとって楽しく学べるキーボードを作りたい!
そんな思いからスタートしたキーボード"KEY PALETTO"開発担当にインタビュー

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2023年5月に発売し、グッドデザイン賞とキッズデザイン賞をダブル受賞、さらに全国小学生プログラミング大会の公式キーボードとしても認定された「はじめてのキーボード"KEY PALETTO(キーパレット)"」。
開発担当者に発売までの道のりや、製品に込めた思いをインタビューしましたのでご紹介します。

<キーパレット開発メンバー>
(左から 設計・エンジニアリング担当 薬真寺俊史、プロジェクトリーダー 古畑義矢、デザイナー 金子翔哉)

開発のきっかけは今の時代ならではの教育方針

2020年から小学校でプログラミング教育が必修化され、子どもたちの学習環境は日々新たなものに変化し続けています。
先生や保護者の皆さんは、自分たちが経験したことのないプログラミング教育に対して「子どもたちへのサポート」や「自宅での環境設備」をどうすれば良いか分からず、不安を感じていたそうです。

薬真寺: 実際に私の子供がオンライン授業を受けている様子を見ていても、シフトキーの使い方が理解できなかったり、アルファベットを組み合わせて入力する操作自体がなかなか覚えられないなど、大人が無意識にできていることも、彼らにとっては困難の連続です。中には、苦手意識を抱いてパソコンそのものが嫌いになってしまう子もいます。
キーボード開発者のひとりとして、この体験から「もっと子どもたちにとって楽しく、自ら進んで学びたくなるようなキーボードを作りたい」と考え、キーパレットの開発がスタートしました。

<開発段階の製品イメージ>

とことん追求したデザイン

本製品が謳っている「子どもたちにとって楽しいキーボード」って何だろう?と思う方も多いのではないのでしょうか。「ただ見た目がかわいいだけ?」一般的なキーボードと何が違うのか、開発者へのインタビューを進めるうちに、いろいろな思いや工夫が詰め込まれた思いやりある製品だということがわかりました。

<カラーに込められた深い意味>

金子: ポップでカラフルな第一印象ですが、そこにはきちんと理由があります。タイピングの初歩で重要な"正しい指の位置"を覚えやすくするため、各指のポジションごとに緑、赤、青、黄色を配置。はっきりした原色に近い色にすることで、先生が子どもたちに教えるときなど、「この色」といえば間違いなく意思疎通ができる配色にし、コミュニケーションのミスを防止します。つい触りたくなるワクワク感と、気を散らさない"学ぶ道具"としての佇まい、さらに色の識別がしにくい子も見分けやすいように配色を熟考し、見た目の親しみやすさだけでなく、誰もが快適に使えるよう隅々まで配慮しています。

<ぞれぞれの指が受け持つキーに色分け>

<色の配置についても試行錯誤の連続>

<大人も欲しい便利な機能>

気づかないうちに押してしまいがちな"Caps Lockキー"。「急に大文字しか打てなくなり、もとに戻せない!」と困った経験をした人も少なくないと思います。このCaps Lock機能を無効にするスイッチを搭載することで、無意識にCaps Lockをオンにしてしまうミスを防ぎ、誤操作のストレスなく学習に取り組むことができます。

古畑: ありそうでなかったこの機能、発売後には「すべてのキーボードに搭載してほしい!」という声をいただくことも。実際に大人向けのキーボードでもCaps Lock無効化スイッチを搭載したモデルを開発・発売し好評を博しています。

3年の歳月をかけて完成

開発に3年かけた当製品。上記以外にもこだわりポイントはまだまだあります。実際に製品を作っていく中で、製品のサイズやキーの幅(キーピッチ)、採用するキーの取捨選択、印字のバランスなど、子どもたちの視点だけではなく、教育現場をよく知る大阪電気通信大学の先生方と、打ち合わせと試作を繰り返したそうです。

古畑: 様々な視点・意見をふまえて、ひとつひとつの要素を決定していくことが非常に大変でした。キーパレットのユーザーはプログラミング教育を受ける子どもたちだけではありません。彼らと一緒にいる学校や塾の先生、親御さんたちにも"キーボードの基本的な使い方"が理解しやすく、教えやすいことも重要なのです。

プログラミング大会公式キーボードに!

発売から約5か月後には小学生を対象としたプログラミング大会「ゼロワングランドスラム(https://01-grandslam.jp/)」の大会公式キーボードに選ばれました。併催されたタッチ&トライではキーボードを触ったことのない子たちも夢中になってタイピングをしたり、「このキーボードだと自分から進んで勉強してくれそうだから」と購入を検討してくださる保護者の方もいらっしゃったり。より多くの方に触れていただける機会となりました。

<大会で使われたキーパレット。マウスやヘッドセット、マウスパッドなどもエレコム製品を提供>

こんな方に最適です

パソコンに触れ始めた子どもたちだけではなく、中高生、またデジタルネイティブ世代の新社会人、高齢者でリスキリングを考えられている方々など、幅広く使っていただきたいです。

普段の製品開発で大切にしていること

薬真寺: 製品を使用されるユーザーを常に想像しながら、一人でも多くの人たちの口角を上げられる製品づくりを心がけています。

<完成に向けた会議>

エレコムグループは、今まで、そしてこれからも、より良き製品・サービス・ソリューション、より良き会社、より良き社会を追求しつづけます。

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