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2025.03.13

エレコムグループの 製品設計や研究開発を担う 横浜技術開発センター(YIH) 後編

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エレコムグループの
製品設計や研究開発を担う
横浜技術開発センター(YIH) 後編
エレコムグループの製品設計や研究開発を担う 横浜技術開発センター(YIH) 後編 エレコムグループの製品設計や研究開発を担う 横浜技術開発センター(YIH) 後編
Introduction
エレコムグループのハードウェア、ソフトウェアに関する設計・研究・開発を行う、横浜技術開発センター、通称 横浜イノベーションハブ(YIH)。
YIHについて、後編では具体的な開発製品や、開発の要である「検証設備」をご紹介します。
前編記事はこちら、YIHの概要はこちら からご覧ください。

―BtoC向け製品:スピーディな検証で信頼性の高い製品をスムーズに開発

USBケーブルやHDMIケーブルを製品化するためには、第三者認証試験機関による品質認証が必要です。従来は海外で開発した製品を、日本に持ち込み、そこで認証試験を受けていました。もしそこで認証されなかった場合は、また海外の工場に戻すというプロセスを執っていたため、スピーディな開発を行うことができずエレコムの特長である「スピード開発」の妨げとなっていました。

スムーズに認証される、精度の高い製品を設計の段階から開発するためには、第三者機関と同様の設備が必要です。認証試験を受ける前に社内で綿密な検査ができる設備とエンジニアを介すると、製品の品質向上に直結させることができるため、認証試験の時間短縮につなげることができます。

検証中の機材がYIHにはいくつも並んでいます

YIHでは現在、USBやHDMIなどの有線製品の検証に使用する設備をはじめ、Wi-Fiなどの無線製品の検証ができる設備を拡充し、様々な認証試験に対応できる設備を整えています。

日々製品の検証を行い品質向上を図っています

―BtoB向け製品:より専門的な検証をスピーディに

一般的に、法人向けの製品は求められるスペックが高く、より専門的な検証が必要です。また、スピーディな検証が求められるため、YIHで開発と検証のどちらも担うことがあります。製品の検証を外部機関で行い、その評価によって製品を改良してまた外部機関へ検証を依頼する方法は、コストがかかり、開発期間も長くなるからです。

YIHでは試作段階から検証を同時に行い、製品検査の際には高品質な製品が既にできているような工程で進行します。そうすることで、結果的にコストや開発期間を削減し、スムーズにプロジェクトを進めることができます。また、品質面で第三者機関から万が一試験データなどのエビデンスを求められた際にも、YIHにデータが揃っているため迅速に対応することが可能です。

検証の様子

―グローバル市場向けの製品開発

現在YIHでは、モバイルバッテリーやQi(チー)と呼ばれる非接触充電系の製品、スマートフォンやタブレットのポート数を増やすドッキングステーションなど、スマートフォンやタブレット関連製品の需要に応える製品開発に取り組んでいます。また、海外企業との差別化を狙うゲーミング対応の高性能マウスやキーボードの研究開発も行っています。

ナトリウムイオンモバイルバッテリー

―グローバル市場へ進出するためのカギ

これまでエレコムグループは、国内市場を中心に製品やサービスを提供してきました。しかし、グローバル市場において事業拡大を推進するためには、よりスピーディな開発が求められ、従来の開発スキームの改革が必要です。

例えば、日本に電気用品安全法や電波法などの規格があるように、展開する国ごとに法規は異なります。国内でのみ展開する製品であれば、日本の法規をクリアするだけで販売できますが、グローバル市場に展開するためには、各国の法規に対応する製品を開発しなくてはなりません。そこで、開発段階から各国の法規に対応したものをベースに設計を行うことで、国別でカスタマイズする必要のない製品開発を進めています。これによりスピーディな開発・販売が可能となります。

―「無いものは作る」マインドで、検証用の機材から独自開発

より専門的な研究や検証を行おうとするとき、その検証機材が世の中にない場合があります。「無いものは作る」というマインドを持って、機材から設計することもあります。

検証という工程は、いかに正確なデータを計測できるかという点が大切です。そして、可能な限り時間や手間を省き、検証自体の効率性を高めるということが重要です。例えば従来、マウスの追従性の検証を行うときは、人の手で何十時間とマウスを動かしつづけて検証を行っていました。しかし、この方法では人件費がかかる上、検証を行う人が変わると違う結果になる、というリスクがあり、精度の高い検証にはなりません。

そこで、このような検証を定量化し、見える化するという発想でオリジナルの機材を開発しました。検証の目的や問題を明確にして、どうすれば精度の高い検証を実現できるのか、プロセスを突き詰めていくことで、新しい機材を生み出しています。

―開発の中でも難しい「相反する技術」の両立を実現する

YIHの技術開発部の責任者は、開発を行う中で最も苦労する場面を、次のように語っています。

「YIHの開発の中でも小型化を求められる製品の開発は、苦労することが多いです。
スマートフォン用の充電器など、携帯性が重要なものは小型化へのニーズが高まっています。しかし実は、小型化しながらも発熱を抑えるというのは相反する技術です。YIHでは試行錯誤を重ねることで、性能を高めながら小型化を両立する、エレコム独自の設計基準へとたどり着きました。」

製品により開発の過程は全く異なるため、その時々によって様々なボトルネックが発生します。YIHでは、トライアンドエラーを重ね、技術力を向上させることで新しい製品を生み出しています。

―幅広い技術を身に付ける。エンジニアの育成

YIHでは、入社後すぐにテーマが与えられ、それぞれの研究をスタートしていきます。研究を進める中で上司や先輩とのコミュニケーションを取り、スキルや知識を蓄え、仕事を覚え、レベルアップしていくという仕組みで人材育成しています。

また、常に約20,000点を取り扱っており、年間約2,300点もの製品を発売する当社の特性上、様々なカテゴリーの製品に触れる機会があります。そのため、YIHでは特定の技術に特化したエンジニアを育成するのではなく、ジョブローテーションを行いながら幅広い技術が自然と身に付くような仕組みを導入しています。

―YIHのミッションとビジョン

他社と差別化できる製品を開発するため、ハードだけではなく、ソフトウェアまでスクラッチ開発(※)が可能な体制づくりを整備することは、YIHの大きなミッションのひとつです。
今後、主力製品を国内外で販売していくために、ライバル企業に負けない製品を生み出す設計技術力を持ち、タイムリーに開発を進め、ニーズに応える製品をスピーディに提供する。そのビジョンの達成に向けてYIHは尽力していきます。

※全く何もない状態から開発する手法のこと

エレコムグループは、今まで、そしてこれからも、「Better being」をパーパスとし、
より良き製品・サービス・ソリューション、より良き会社、より良き社会を追求しつづけます。

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