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2026.10.20

マイナ免許証への対応|2025年開始で現場が変わる点

マイナ免許証への対応|2025年開始で現場が変わる点

「運転免許証を見せてください」と頼んだら、差し出されたのはマイナンバーカードだった。総務や窓口の担当者から、こうした戸惑いを聞く機会が増えてきました。マイナ免許証は2025年3月24日から交付が始まっている制度で、すでに一部の来訪者や従業員が保有しています。

やっかいなのは、カードを見ただけでは中身が分からないことです。マイナンバーカードの券面(表面・裏面の印字)は一体化後も変わりません。運転免許の有効期限や条件等の情報はICチップの中に格納されており、目視では確認できません。レンタカー窓口、自動車学校、運送業の点呼、社用車を貸与する企業の総務窓口など、これまで免許証を目で見て確認していた業務は、対応を見直す時期に来ています。

この記事では、マイナ免許証の制度を正確に整理したうえで、企業の実務担当者が何を変えるべきかを具体的にまとめます。扱うのは次の3点です。

  • マイナ免許証の制度概要と、すでに確定している事実・今後変わりうる部分の区別
  • 券面確認だけでは判断できなくなった情報と、その理由
  • 自社の窓口・受付業務で見直すべき機器と運用のポイント

マイナ免許証とは何か ― すでに確定している制度の事実

マイナンバーカードと運転免許証を一体化させる制度で、2025年3月24日から運用が始まっています。将来の話と受け取られがちですが、すでに施行済みです。警察庁の発表によれば、運転免許センターや一部の警察署で申請でき、次の3つの持ち方から選べる選択制になっています。

  • 従来の運転免許証のみを持つ
  • マイナ免許証のみを持つ(マイナンバーカードに免許情報を搭載)
  • 従来の運転免許証とマイナ免許証の両方を持つ

つまり、運転免許証そのものが廃止されたわけではありません。切り替えるかどうかは本人が選びます。そのため、来訪者や従業員がどちらを持っているかは、実際に提示されるまで分かりません。

一体化の仕組みは、運転免許証のICチップに記録されている氏名・生年月日・写真・有効期限・条件(眼鏡等)・免許の種類といった情報を、マイナンバーカードのICチップにも追加で書き込む形をとります。マイナンバーカード自体の券面(氏名・住所・生年月日・性別・顔写真の印字)は変更されません。ここが、企業の窓口実務に直接影響する部分です。

マイナ免許証の3つの持ち方(選択制)を示す図解

何が変わるのか ― 券面を見るだけでは判断できない

マイナ免許証の保有者が相手だと、「カードを目で見て確認する」という従来のやり方が使えない場面が増えます。運転免許の有効期限や条件等の記載は、マイナンバーカードの券面には印字されないためです。

これまで運転免許証は、券面を見れば有効期限も免許の種類も一目で分かりました。一方、その情報をICチップの中に格納しているマイナ免許証では、確認するにはICカードリーダーで読み取るか、警察庁が案内する専用のスマートフォンアプリ等を使う必要があります。券面だけを見た担当者が「有効期限が書かれていない」と戸惑うケースは、今後さらに増えると見ておいたほうが良いでしょう。

もう一つ押さえておきたいのは、マイナ免許証を保有していても、マイナンバーカード自体は本人確認書類として引き続き使える点です。氏名・住所・生年月日・顔写真は券面で確認できます。変わるのは「運転資格の確認」という一段掘り下げた部分だけであり、本人確認全般ができなくなるわけではありません。この違いを現場に周知しておくと、混乱を防ぎやすくなります。

運転免許証とマイナ免許証で券面表示とICチップ格納情報がどう違うかを示す比較図

企業実務への影響 ― 場面別に見る確認業務の見直し

影響の大きさは業種や場面によって異なります。運転資格そのものを確認する必要がある業務ほど、対応の緊急度は高いです。

場面 これまでの確認方法 マイナ免許証保有者への対応
レンタカー窓口 免許証を目視し、有効期限・条件を確認 ICカードリーダーでの読み取りが必要になる
自動車学校の入校・卒業確認 免許証の種類・条件を目視確認 同上。ICチップ内の情報照会が必要
運送業の乗務前点呼 点呼記録簿に免許証の有効期限を転記 ICチップ読み取りに対応した機器・手順の整備が必要
社用車を貸与する企業の総務窓口 免許証のコピーを取得・保管 読み取り機器がない場合、券面確認のみでは有効期限が分からない
来訪者受付での本人確認 免許証の氏名・住所を目視確認 券面情報は従来どおり確認可能(運転資格の確認は別途必要)

表の最後の行にあるとおり、単なる本人確認(氏名や住所の確認)であれば、マイナ免許証でも券面を見れば従来どおり対応できます。読み取り機器が必須になるのは、運転資格や免許の有効期限まで確認する必要がある業務に限られます。自社の窓口がどちらに該当するかを、まず整理しておきたいところです。

ICカードリーダーそのものの選び方や、接触型・非接触型の違いについては、別記事「ICカードリーダーの選び方|接触・非接触と対応OSの確認点」で機種選定の観点から整理しています。マイナンバーカードを本人確認に使う実務全般の考え方は「マイナンバーカードでの本人確認|企業の実務での使いどころ」にまとめているので、あわせて参照してください。

窓口担当者がICカードリーダーで本人確認を行っている様子

更新時講習のオンライン化 ― 対象と注意点

マイナ免許証を保有していると、運転免許の更新時講習の一部をオンラインで受講できるようになりました。警察庁の案内によれば、令和7年3月24日以降、更新区分が「優良運転者」または「一般運転者」に該当し、かつマイナ免許証を保有している場合、マイナポータル経由でスマートフォンやパソコンから講習を受けられます。

ただし注意点があります。「違反運転者」「初回更新者」は対象外です。また、オンライン講習を受けたからといって更新手続きそのものが完結するわけではありません。従来どおり、更新期間内に運転免許センター等へ出向いて更新手続きを行う必要がある点は変わりません。従業員に案内する際は、この2点を誤解しないよう伝えておく必要があります。

社用車を運転する従業員が多い企業では、更新手続きの進め方が個々の従業員任せになりがちです。切り替えを勧めるかどうかは会社ごとの判断です。ただ、切り替えた従業員がいる前提で窓口の確認体制を整えておくほうが現実的でしょう。

スマートフォンで運転免許のオンライン更新時講習を受講する様子

エレコムのICカードリーダー関連製品

エレコムは、マイナンバーカードをはじめとする各種ICカードの読み取りに対応した、法人向けの接触・非接触ICカードリーダーを展開しています。対応するカードリーダーとソフトウェアを組み合わせれば、マイナ免許証のICチップも読み取れます。

項目 内容
製品カテゴリ 法人向け接触・非接触ICカードリーダー
対応範囲 マイナンバーカード等の公的個人認証サービス対応カードの読み取り(詳細は製品ページでご確認ください)
想定用途 窓口での本人確認、資格確認、電子申請・電子契約時の署名確認

具体的な対応機種や、読み取りに必要なソフトウェア環境については、製品ページで確認するか、問い合わせ窓口に相談することをおすすめします。

よくある質問

Q1. マイナ免許証に切り替えると、従来の運転免許証は使えなくなりますか。

使えなくなるわけではありません。マイナ免許証のみに切り替えることも、従来の運転免許証と両方を持ち続けることもできる選択制の制度です。どちらを持っているかは本人の意思次第であり、企業側が一律に把握することは難しいです。

Q2. マイナ免許証を持っているかどうかは、見た目で分かりますか。

見た目だけでは判断できません。マイナ免許証はマイナンバーカードと同じ券面デザインのため、免許情報がICチップに格納されているかどうかは外観では分かりません。本人に確認するか、読み取り機器で照会する以外に見分ける方法はありません。

まとめ ― 「見て確認する」から「読み取って確認する」への切り替え

2025年3月24日に始まったマイナ免許証は選択制で、すべての人が切り替えるわけではありません。だからこそ企業の窓口では、従来の免許証提示者とマイナ免許証提示者の両方に対応できる体制が必要になります。

現場に共有しておきたい要点は次のとおりです。

  • マイナ免許証は選択制の制度であり、券面はマイナンバーカードのまま変わりません
  • 運転資格や有効期限の確認にはICチップの読み取りが必要で、目視だけでは判断できません
  • 影響の大きさは業務内容によって異なるため、自社の窓口がどこまで対応すべきか整理してから機器を検討します

窓口での確認業務が増える前に、読み取り機器の導入や運用フローの見直しを進めておくと、切り替えが進んだ後の混乱を避けやすくなります。

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