Vol.08 ケースやスマホリング付きのiPhoneでワイヤレス充電は可能か?
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ケースやスマホリング付きのiPhoneでワイヤレス充電は可能か?

ケースやスマホリング付きのiPhoneでワイヤレス充電は可能か?

ワイヤレス充電は置くだけで充電できるので、とても便利です。しかし、スマートフォンにケースやフィンガーリング(スマホリング)をつけたままでも充電できるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
ここでは、iPhoneにスマートフォンケースやフィンガーリングをつけたままでも充電できるのかを、エレコムの製品を使って実験してみました。

スマートフォンにアクセサリーをつけるとワイヤレス充電に影響する?

スマートフォンにアクセサリーをつけるとワイヤレス充電に影響する?

スマートフォンはパーソナルツールですから、人によってはいろいろなアクセサリーをつけてカスタマイズしていると思います。中でも、見た目の雰囲気を一変させるスマートフォンケースや、持ったときのホールド感を高めるフィンガーリングは、スマートフォンの定番アクセサリーといえるでしょう。しかし、このようなアクセサリーをつけても、ワイヤレス充電に問題はないのでしょうか。

Qi規格のワイヤレス充電は、充電器のコイルと、スマートフォンのコイルを近づけることで磁界が発生し、電力に変換します。そのため、コイル同士の位置がずれたり、金属で磁界を遮ったりすると、充電できない可能性が高まります。スマートフォンにアクセサリーをつけるということは、当然、スマートフォンと充電器のあいだに厚みが生じますので、充電できないリスクがあるのです。

iPhoneにスマートフォンケースなどをつけてワイヤレス充電ができるかを検証

iPhoneにスマートフォンケースなどをつけてワイヤレス充電ができるかを検証

前述したように、Qi規格のワイヤレス充電では、コイルの位置が離れたり、金属に遮られたりするのは致命的です。そこで、Qiに対応したiPhone XRにスマートフォンケースやフィンガーリングを実際に装着して、ワイヤレス充電ができるかどうかを実験してみました。
ワイヤレス充電器は、スタンダードな5Wのワイヤレス充電器「W-QA02シリーズ」を使っています。

薄型TPUケース(PM-A18CUCUシリーズ)

薄型TPUケース(PM-A18CUCUシリーズ)

最初に試したのは、厚みで充電ができないトラブルを避けるため、薄さ0.7mmのTPU(熱可塑性ポリウレタン)素材の、透明ケース「PM-A18CUCUシリーズ」です。外観としてはシンプルですが、かさばらずにスマートフォン本来のデザインを活かせるので、同じようなタイプのケースを使っている人も多いでしょう。
プラスチックの厚みもないことから、何の問題もなくきちんと充電できました。

薄型TPUケース(PM-A18CUCUシリーズ)

薄型レザーケース(PM-A18CPLFY2シリーズ)

薄型レザーケース(PM-A18CPLFY2シリーズ)

続いては、滑らかな質感の薄型レザーケース「PM-A18CPLFY2シリーズ」です。この製品は「ワイヤレス充電対応」というシールが貼られていました。
先程のTPUケースよりも厚みがありますが、こちらも表記どおりコイルの磁界を妨げることなく無事に充電できました。レザーケースでも、薄型であれば問題なく充電できるようです。

薄型レザーケース(PM-A18CPLFY2シリーズ)

手帳型レザーケース(PM-A18CPLFYシリーズ)

手帳型レザーケース(PM-A18CPLFYシリーズ)

手帳型レザーケースで厚めな「PM-A18CPLFYシリーズ」です。こちらは、先程のケースとは異なり「ワイヤレス充電対応」というシールがなかったので気になるところです。
レザーケースに加えカードホルダーなどがついています。カードホルダーにSuicaなどの磁気カードを入れると危険そうに思えますが、充電するコイル側にカードを入れる仕様となっているわけではないので、充電器との接点には何の問題もなく無事に充電できました。ただし、厚みがあるケースの場合は、スマートフォンと充電器の組み合わせによっては充電できない可能性もあります。ワイヤレス充電に対応した製品を使うほうが安心です。

手帳型レザーケース(PM-A18CPLFYシリーズ)

フィンガーリングをつけてワイヤレス充電ができるかを検証

続いては、スマートフォンの落下防止用に取り付けるフィンガーリングです。ケースと同じく、5Wのワイヤレス充電器「W-QA02シリーズ」を使い、ワイヤレス充電ができるかを実験してみました。

フィンガーリング付きケース(PM-A18CTSRシリーズ)

フィンガーリング付きケース(PM-A18CTSRシリーズ)

ケースの裏側にフィンガーリングがついた「PM-A18CTSRシリーズ」は、手帳型のケースと比べるとがっしりとした作りです。ケース内側にハニカム構造を採用することで、耐衝撃性の向上と軽量化を実現していますが、その分かなりの厚みがあります。
「ケースの厚み」または「フィンガーリング」が影響しているのか、このケースは残念ながら充電できませんでした。見た目も使い勝手もいいケースなのですが、ワイヤレス充電を行うときには、ケースを外して使うしかなさそうです。

フィンガーリング付きケース(PM-A18CTSRシリーズ)

背面に貼り付けるフィンガーリング(P-STRAMシリーズ)

背面に貼り付けるフィンガーリング(P-STRAMシリーズ)

P-STRAMシリーズ」は、フィンガーリングだけをスマートフォンの背面に貼り付けるタイプの製品です。厚みがないので充電できるのではと期待したのですが、結果は充電できませんでした。理由はフィンガーリングが金属だからか、厚みがあるからかははっきりしません。
しかし、充電器を10W出力の「W-QA11シリーズ」に替えてみると、一瞬だけ充電モードに入り、その後、充電できない状態に戻りました。フィンガーリングをつけた場合、iPhoneはリングの厚みの分だけ斜めに傾いて設置されます。そのため、ワイヤレス充電器に組み込まれたコイルの数が多いと、リングのない部分が接地して、一瞬だけ充電できたのかもしれません。

背面に貼り付けるフィンガーリング(P-STRAMシリーズ)

スマートフォンケースは概ね大丈夫だがフィンガーリングには注意

スマートフォンケースは概ね大丈夫だがフィンガーリングには注意

実験の結果、スマートフォンケースの場合は充電可能で、フィンガーリングがある場合は充電できないという結果になりました。
もちろん、スマートフォンケースであれば何でもワイヤレス充電ができるとは言い切れないので、パッケージや商品説明を見て、ワイヤレス充電に対応しているかを必ず確認しましょう。また、フィンガーリングの場合も、「絶対に充電できない」と決まったわけではありません。製品の組み合わせによっては、充電できる可能性もあります。
しかし、フィンガーリングの金属部分はワイヤレス充電を妨げる原因となり、最悪の場合、発熱の危険もあります。ワイヤレス充電をするときは、絶対に金属製のフィンガーリングをつけないようにしましょう。