法人ソリューション コラム
  • Wi-Fi・ネットワーク
  • 会社・オフィス
2026.10.02

オフィス移転時のネットワーク構築|スケジュールと手配の順番

この記事をSNSで共有しませんか?
オフィス移転時のネットワーク構築|スケジュールと手配の順番

内装工事の打ち合わせは進んでいるのに、インターネット回線の申し込みがまだ――。オフィス移転のプロジェクトでは、この状態がよく起きます。什器や内装は、社内で決めて発注すれば進みます。回線の開通はそうはいきません。通信事業者側の工事日程に左右され、こちらの都合だけでは早められないからです。

移転日にネットワークが使えないと、営業も経理も電話も止まります。什器が届かないより深刻な事態になりかねません。それでも回線工事が後回しにされやすいのは、決定から開通までの期間が読みにくく、「とりあえず内装から」という順番になりがちだからです。

ネットワーク関連の手配を、いつ・どの順番で進めればよいのか。この記事では次の3点に沿って整理します。

  • ネットワークが移転プロジェクトで後回しになりやすい理由
  • 移転日から逆算した手配スケジュールの目安
  • 見落としやすい確認項目

ネットワークが移転プロジェクトで後回しになる理由

原因は担当者の準備不足ではなく、工程の性質にあります。内装や什器の手配は社内と発注先だけで完結するのに対し、インターネット回線の開通は通信事業者の工事日程という「社外の予定」を挟みます。この社外要因が、移転プロジェクト全体のボトルネックになりやすいです。

法人向けインターネット回線は、申し込みから開通まで1か月から2か月程度かかることが珍しくありません。建物によっては、回線を新規に引き込む工事自体が必要になり、ビルの管理会社との調整も加わります。内装工事の発注のように「決めてから数週間で動く」感覚で進めると、移転日に間に合いません。

もう一つの理由は、ネットワーク構築が「最後の仕上げ」と誤解されやすいことです。実際には、フロアレイアウトが固まらないとアクセスポイントの設置台数も配線ルートも決められません。内装設計と並行して、ネットワーク側の要件定義を早い段階から進めておく必要があります。

内装・什器の手配と回線工事の手配の違いを示す図

逆算スケジュール―移転何か月前に何を決めるか

移転日が決まったら、まずネットワーク関連の作業を逆算して並べます。目安は次の通りです。回線の種類や建物の状況によって前後するため、あくまで検討の出発点として使ってください。

時期の目安 やること
移転3〜4か月前 必要な回線帯域・拠点間接続の要件定義、新オフィスの配線状況の確認
移転2〜3か月前 回線の申し込み、工事日程の確定、アクセスポイント・スイッチの機種選定
移転1〜1.5か月前 機器の発注・納品、フロアレイアウトに基づく配線・設置計画の確定
移転2〜3週間前 新オフィスでの配線・設置工事、動作確認
移転1週間前 切替リハーサル、旧オフィスとの並行稼働確認(可能な場合)
移転当日 本番切替、電話・基幹システムの疎通確認

最も時間がかかるのは、たいてい回線の申し込みです。ここが遅れると、後続のすべての作業が押します。逆に言えば、回線さえ早期に手配できていれば、その後の機器設置や設定作業はある程度前倒しで進められます。

オフィス移転のネットワーク構築を逆算したスケジュール図

手配の順番―何を先に決めないと後工程が詰まるか

手配には明確な順番があります。回線契約が最優先で、その後にアクセスポイントの配置設計、最後に細かな設定作業という流れが基本です。

まず回線契約。 開通までのリードタイムが読めない以上、他の何よりも先に着手します。移転先の物件によっては、ビル側の設備都合で選べる回線の種類が限定されることもあるため、契約前に物件側への確認も済ませておきます。

次にフロアレイアウトからのアクセスポイント配置設計。 座席配置や会議室のレイアウトが固まっていないと、アクセスポイントを何台どこに置くかが決まりません。フロア図をもとにした必要台数の見積もり方は、別記事「アクセスポイントの設置台数と配置|フロア図から必要数を見積もる」で具体的に扱っています。

最後に機器の設定と動作確認。 SSID・VLAN・セキュリティ設定は、配線・設置が終わった段階で仕上げる工程です。移転は、旧オフィスの設定をそのまま移さずに見直すよい機会でもあります。特にセキュリティ設定は、移転のタイミングで棚卸しする企業が多いです。認証方式の見直しについては、別記事「無線LANのセキュリティ設定|WPA3・認証方式の法人での選び方」も参考になります。

オフィス移転時のネットワーク手配の順番を示す手順図

見落としやすい確認項目

移転プロジェクトでは、次のような項目が抜け落ちやすいです。事前にチェックリスト化しておくと防げます。

確認項目 見落としがちな理由
旧オフィス回線の解約タイミング 早すぎると業務に支障、遅すぎると二重契約でコストが発生
電話番号・IP電話の移設 番号ポータビリティの手続きに時間がかかる場合がある
既存機器の耐用年数 移転を機に更新すべきかの判断が抜けやすい
ゲストWi-Fiの再設計 新オフィスの来客動線にあわせた設計が必要
什器・内装業者との配線導線調整 LANケーブルの配線ルートが内装の仕上げと干渉することがある

既存機器をそのまま新オフィスに持ち込むか、この機会に更新するかは判断が分かれるところです。機器の寿命や更新判断の基準は、別記事「社内ネットワークの更新時期|機器の寿命と更新判断の基準」で扱っています。移転はまとまった工事が入るタイミングでもあるため、更新を検討するなら移転計画とあわせて進めるのが効率的です。

オフィス移転のチェックリストを確認する担当者の様子

エレコムの法人向けネットワーク構築関連製品

エレコムは、法人向けアクセスポイント・スイッチ・ルーターを扱うメーカーとして、オフィス移転時のネットワーク構築に必要な機器を取り扱っています。新規の配置設計から既存機器との組み合わせまで、規模に応じた相談が可能です。

項目 内容
製品カテゴリ 法人向け無線LANアクセスポイント、スイッチ、ネットワーク構築ソリューション
対応範囲 新規オフィスの配置設計相談、既存機器との互換性確認
相談内容 移転スケジュールにあわせた機器手配(詳細は要問い合わせ)

まとめ ― 回線契約から逆算して動く

オフィス移転のネットワーク構築は、内装や什器と同じ感覚でスケジュールを組むと後手に回ります。進め方を改めて並べると、次のようになります。

  • 回線開通は社外の工程を挟むため、移転プロジェクトの中で最も早く着手すべき作業だと理解します
  • 移転日から逆算し、回線契約・機器選定・配置設計・切替リハーサルの順で進めます
  • 旧回線の解約タイミングや電話番号の移設など、見落としやすい項目を事前にリスト化しておきます

移転日が決まったら、何よりも先に回線を申し込む。後工程を詰まらせない方法は、結局これに尽きます。

※法人様向け「導入ご相談 / 製品・サービスの販売」以外の
お問い合わせは、回答致しかねますのでご了承ください。

新着記事