
SSDでWindows 10を使用するのにおすすめの容量とは?

2020年1月14日にWindows 7のサポートが終了することを受け、Windows 10への移行を実施する人もいるでしょう。Windows 10へ移行する場合は、OSを入れ替えることになるため、「使用しているパソコンの起動ドライブの容量が足りるだろうか?」など、不安に思う人もいるでしょう。
また、容量は足りているが、せっかく移行するのであれば、起動ドライブをハードディスク(HDD)から読み込みや書き込みスピードの速いSSDに変えたいと考える人もいるでしょう。ここでは、SSDを起動ドライブとしてWindows 10を使う場合に知っておきたいことや、用途別におすすめのSSD容量をご紹介します。
SSDにWindows 10をインストールするには?

起動ディスクをSSDに換装し、Windows 10をインストールするにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、SSDについての基礎知識を含めてご紹介しましょう。
SSDに関する基礎知識
SSDは「Solid State Drive(ソリッドステートドライブ)」の略で、ハードディスクの磁気ディスクの代わりに、NAND型フラッシュメモリを使った記憶装置です。磁気ディスクを使わないため、データの読み込みや書き込みが速いだけでなく、サイズは小型で衝撃に強く、静音性にも優れています。ですから、SSDは起動ディスクとして最適で、特にノートパソコンには最適なドライブといえるでしょう。
ただし、SSDはハードディスクに比べて価格が高いので、データを大量に保存する場合、SSDだとコストがかかります。また、SSDはデータの書き込みをするたびにNAND型フラッシュメモリが劣化します。

Windows 10パソコンに必要な容量は?
SSDは高額なため、容量の選定はシビアになりがちです。そこで、知っておきたいのが、パソコンのOSにWindows 10を使用する場合、どれくらいのデータ容量が必要になるかです。
これは、お使いのパソコンがノートパソコンだったりデスクトップだったりなど、環境によって変わりますが、概ね32ビット版で16GB、64ビット版で26GBくらいは必要です。ただし、メインのシステムデータに加えて「仮想メモリ」や「休止ファイル」「システムの復元」など、設定によっては、もっと多くの容量が必要です。
これに加えて、Windowsアップデートの際のファイルを保存するスペースも必要ですし、アプリケーションなどもインストールするわけですから、最低でも64GB、実用性を考慮するなら120GB以上の容量を選択すべきでしょう。
なお、容量不足の場合、速度低下を起こすだけでなく、SSDの寿命を縮めることにもつながりますので、余裕を持った容量を使うようにしてください。
用途別に選ぶSSDの容量の目安

ハードディスクに比べて高額なSSDを起動ディスクにするのであれば、用途に合わせてできるだけ最適な容量を選びたいところです。ここでは、用途別に選択すべきSSDの容量の目安をご紹介しましょう。
ライトなビジネス利用なら120GB~128GB
Microsoft Officeなどで書類やExcelファイルを作成したり、インターネットを閲覧したり、電子メールのやりとりをするくらいのビジネス利用であれば、120GB~128GBくらいの容量でも十分です。
あとは、保存データが増えてくるようであれば、クラウドのドライブを利用したり、USBメモリなどを利用したりすればいいでしょう。
アクティブにビジネス利用するなら240GB~256GB
同じビジネス利用でも、PowerPointで画像入りのプレゼン資料を作るなど、アクティブにパソコンを使う職種であれば、240GB~256GBくらいの容量を用意したいところです。PowerPointでプレゼン資料を作るだけなら、120GB~128GBでも十分ですが、客先でプレゼンを行っている際に「容量不足でフリーズ」といったことがあれば、商談がうまくいかなくなる可能性もあります。
また、個人利用の場合は、会社からセキュリティのためにアプリケーションのインストールを制限されることはありません。ですから、ゲームなど興味のあるアプリケーションがあればインストールすることもあるでしょうし、画像や動画などの保存もしたいでしょうから、120GB~128GBよりも240GB~256GBがおすすめです。もし、画像や動画などのデータが増えてきたら、外付けの大容量ハードディスクを購入して保存しましょう。

クリエイティブな制作作業をするなら480GB~512GB
ウェブ制作やDTPなどクリエイティブ系の職種であれば、480GB~512GBの容量は欲しいところです。しかし、これらの職種の場合は、ノートパソコンではなくデスクトップパソコンでの作業が中心になることが多いでしょう。ですから、場合によってはSSDではなく、テラバイトクラスのハードディスクを使用するという選択肢もあります。
SSDは、頻繁に書き込みを行うことで寿命を縮めてしまいます。ですから、「起動ドライブとしてはSSDを使い、データ自体はハードディスクに保存して作業を行う」といった併用がおすすめです。
ゲームや動画制作をするなら960GB~1TB
ゲームをメインにパソコンを使うなら、960GB~1TBの大容量SSDを使用するといいでしょう。SSD最大の利点は読み込みや書き込みスピードが速いことです。ですから、シーンの切り替えなどでデータを読み込むスピードが速ければ、ストレスなくプレイできます。反対に、次のシーンまで間が開けば、興ざめしかねません。もちろん、ハードディスクを利用しても、CD-ROMやDVD-ROMに比べれば格段に速いのですが、長時間プレイすればするほど少しのタイムラグが積み重なりますので、最終的な時間損失は大きくなるでしょう。
動画制作の現場でも、素材に素早くアクセスできる大容量のSSDが欲しいところです。ですが、前述したようにSSDの寿命もありますし、動画の素材によっては960GB~1TBではすぐに足りなくなります。960GB~1TB以上のSSDはとても高価ですから、こちらもハードディスクとの併用などが現実的なラインでしょう。

SSDの容量にこだわらずハードディスクとの併用も考えよう

Windows 10を使用するのに必要なデータ容量や、用途別にどれくらいの容量のSSDがいいのか、目安をご紹介しました。
ですが、あくまで目安であり、ユーザーの使用環境によっては、最適ではない場合もあります。SSDは読み込みや書き込みのスピードが速いという利点もありますが、ハードディスクに比べて容量に対する単価は高くなります。ですから、小さい容量のSSDを起動ドライブに使い、利用するデータは外付けの大容量ハードディスクに保存するなど、ユーザーがかけられるコストに応じた環境づくりをするのもいいでしょう。