Vol.25 PS4®の内蔵ドライブをSSDに換装して高速化しよう!
エレコム製品購入ガイドハードディスク・SSDの基礎知識
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PS4®の内蔵ドライブをSSDに換装して高速化しよう!

PS4®の内蔵ドライブをSSDに換装して高速化しよう!

PS4®やPS4®Proでゲームを高速化したいと思ったときにトライしたいのが、内蔵ドライブを、ハードディスクからSSDに換装、つまり交換することです。ここでは、内蔵ドライブをSSDに換装するメリット・デメリットのほか、換装する際の手順などについて紹介しましょう。

PS4®のハードディスクをSSDに換装するメリット

PS4®のハードディスクをSSDに換装するメリット

PS4®やPS4®Proは、内蔵ドライブをSSDに換装することが公認されています。
SSDは、ハードディスクのように物理的にデータを読み書きせず、電気的に読み書きをする高速なドライブです。ですから、ハードディスクをSSDに換装すれば、PS4®やPS4®Proをより高速に使えるようになります。
まずは、PS4®やPS4®ProのハードディスクをSSDに換装する、具体的なメリットを紹介しましょう。

データの読み込み速度を高速化できる

PS4®やPS4®ProのハードディスクをSSDに変えることで、データの読み込み速度を高速化することができます。では、実際にどれくらい高速化できるのでしょうか。
PS4®Proのハードディスクをエレコムの内蔵SSD「ESD-IBシリーズ」に換装し、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を使用した場合を例にご紹介しましょう。

データの読み込み速度を高速化できる

・セーブデータの読み込み時間

セーブデータの読み込み時間は、ハードディスクでは約55.08秒かかっていますが、SSDの場合は約19.32秒となっています。これは、約64.9%短縮できたことになります。

・ゲームのロード時間

ゲームのロード時間は、ハードディスクでは約86.55秒かかっていますが、SSDの場合約44.22秒と、約半分に短縮できています。

もちろん、ほかのゲームを使用した場合の効果は、大きい場合も小さい場合もあります。しかし、マップ切り替えでデータの読み込みなどがあれば、かなりSSDによる高速化の恩恵を得られるでしょう。いずれにせよ、確実にいえることは、ハードディスクよりも時間を短縮できるということです。

・PS4®の起動時間

時間を短縮できるのはゲームだけではなくPS4®の起動…つまり、コントローラーのPSボタンを押してからメニュー画面が表示されるまでの起動時間も短縮することができます。
ハードディスクでは約39.20秒かかっていた起動時間が、SSDの場合約20.93秒となっています。こちらも約46.6%と、半分近い時間に短縮できています。

音や発熱を抑えることができる

ハードディスクを使用することで発生していたモーター音も、SSDに換装すればなくなります。PS4®やPS4®Proには、メニュー画面で流れる音などもありますので、モーター音が気になるかどうかは人によって異なりますが、メリットのひとつであることは間違いありません。

また、SSDはハードディスクよりも発熱が少なくなります。そのため、PS4®やPS4®Proに内蔵されているファンの回転数が下がり、静音性が高くなります。

PS4®のハードディスクをSSDに換装するデメリット

PS4®のハードディスクをSSDに換装するデメリット

PS4®のハードディスクをSSDに換装することで、ゲームのプレイ環境は格段に向上します。ですが、デメリットがないわけではありません。ここでは、ハードディスクをSSDに換装するデメリットを紹介しましょう。

SSDの購入費用が必要

ハードディスクをSSDに換装する一番のデメリットは、SSDを購入する費用が必要になることです。
SSDはハードディスクに比べて容量あたりの価格が高くなりますし、換装するなら最低でも500GB以上のSSDに換装したいでしょう。そうなると1万円以上の出費は確実となります。

SSDの購入費用が必要

SSDに換装する手間がかかる

ハードディスクをSSDに換装する際には、手間も必要です。購入して一度もプレイしていないPS4®やPS4®Proなら、セーブデータの退避といった手間は減りますが、それでもある程度の時間はかかります。

失敗するリスクがある

SSDへの換装で一番怖いのは、失敗のリスクです。万が一にも換装に失敗し、ゲームのセーブデータが消えることがあれば、かなりのダメージでしょう。
雑に作業を行わなければ失敗する可能性は低いですが、精密機械である以上、壊れる可能性はゼロではないのです。

本当にPS4®のハードディスクをSSDに換装すべきか?

本当にPS4®のハードディスクをSSDに換装すべきか?

PS4®やPS4®ProのハードディスクをSSDに換装する場合、メリットやデメリットがあることがわかりました。それを踏まえて、本当にPS4®やPS4®ProのハードディスクをSSDに換装する必要があるのか考えてみましょう。

換装が手間ならPS4®に外付けSSDを接続する方法もある

PS4®やPS4®Proのシステムソフトウェアが4.50以降であれば、「拡張ストレージ」機能がありますので、USB接続した外付けハードディスクやSSDを、ゲームなどのインストール先として指定できます。つまり、デメリットのひとつであった、SSDへの換装の手間やリスクが一切ないのです。
その上、内蔵されていたドライブも使えるわけですから、使用できる容量はかなり大きくなるでしょう。特に、PS4®はPS4®Proと違いインターフェースがSATA2のため換装より拡張ストレージを使用するほうが最適となります。

ただし、拡張ストレージは、当然ながらPS4®やPS4®ProのUSBポートを使うことになります。PS4®ProであればUSBポートが3つありますが、PS4®は2つしかないので、拡張性の面でデメリットとなります。
PS4®やPS4®ProでUSBを使う周辺機器としては、コントローラーやPS®VRがあります。ですが、コントローラーはワイヤレスで使えますので、有線接続を希望する人以外は問題ありません。

外付けSSD

PS4®にSSDを内蔵しなくてもいい理由

これまで、PS4®やPS4®Proの内蔵ハードディスクをSSDに換装することについてご紹介してきました。ですが、PS4®に限っては、初期型か新型かに限らず、SSDを内蔵するよりも外付けするほうが向いています。これは、内蔵した場合と外付けした場合のデータの転送速度に差があるからです。
PS4®にSSDを内蔵する場合、接続するのはSATA2(Serial ATA Revision 2.0)インターフェースで、転送速度は3Gbpsになります。そして、PS4®にSSDを外付けする場合、接続するのはUSB 3.0のポートで、転送速度は5Gbpsになります。つまり、USB 3.0で外付けするほうが、転送速度が速いのです。これでは、わざわざ手間と壊れるリスクを負ってまで換装する価値は低いでしょう。

ただし、外付けした場合のデメリットは2つあります。ひとつは、SDDを外付けした場合、PS4®の起動はハードディスクから行われるので、起動時間が速くならないことです。もうひとつは前述したように、USBポートを1つつぶしてしまうことです。この2つに目をつぶれるのであれば、USB 3.0で外付けにしたほうがいいでしょう。

PS4®ProでもSSDを内蔵しなくてもいい理由

PS4®の場合、SSDへ換装することが、必ずしもメリットではないことがわかりました。では、PS4®Proの場合はどうでしょうか。
PS4®ProにSSDを内蔵する場合、接続するのはSATA3(Serial ATA Revision 3.0)インターフェースで、転送速度は6Gbpsになります。つまり、USB3.0よりも速いわけです。また、PS4®ProのほうがPS4®に比べて内蔵ドライブを換装しやすいように設計されています。これらのことを考えると、PS4®Proであれば、SSDを外付けするより内蔵したほうがいいでしょう。

ですが、あえてデメリットを挙げるとすれば、ドライブ容量の問題です。PS4®Proの内蔵ドライブは1TBですから、換装するSSDの容量が小さくてはインストールできるゲームが少なくなってしまいます。もし、500GB以上のSSDを購入しないつもりなら、無理にSSDを内蔵しなくてもいい理由にはなります。
もちろん、ユーザーの用途によってはそれほど容量を必要としない場合もあるので、PS4®と同じ500GBあれば十分ということもあります。

PS4®ProのハードディスクをSSDに換装する準備

PS4®ProのハードディスクをSSDに換装する準備

では、実際にPS4®ProのハードディスクをSSDに換装するには、本体とSSD以外に何が必要となるのでしょうか。ここでは、換装に必要な機器や工具に加え、SSDの選び方をご紹介します。

換装に必要な物

まずは、換装に必要な物です。特に特殊な物はありませんが、必ずしも持っているとは限りませんので、念のため確認し、必要であれば購入するなどして準備してください。

・PS4®Pro一式…PS4®Proの本体だけでなく、電源ケーブルとコントローラーが必要
・SSD…厚さは9.5mm以下の2.5インチSSD
・パソコン…インターネットに接続できるパソコン
・USBメモリ…厚さが8mm以下のUSBメモリ
・精密ドライバー…プラスのドライバー

精密ドライバー

PS4®Proに内蔵するSSDを選ぶコツ

PS4®Proに内蔵できるSSDは、厚さ9.5mm以下の2.5インチSSDです。容量的には160GB以上ですが、ゲームを複数インストールするつもりであれば、最低でも500GB以上あったほうが便利です。
もうひとつ注意すべき点としては、PS4®での動作が確認済みかどうかです。これは、パッケージに入っているような内蔵SSDであれば、外箱などに記載があります。もちろん、パソコンのパーツ売り場で売っているSSDが使用できないわけではありませんが、動作保証があると安心です。また、メーカー発売している内蔵SSDには、2.5インチケースやケーブルとセットで販売されている商品もあります。この場合、取り外したハードディスクを2.5インチケースに入れ、外部ストレージとして再利用できるメリットもあります。

PS4®ProのハードディスクをSSDに換装する手順

PS4®ProのハードディスクをSSDに換装する手順

それでは実際に、PS4®ProのハードディスクをSSDに換装してみましょう。なお、SSDにはエレコムの「ESD-IB0480G」を使用しました。

1. USBメモリをフォーマットする

まずは、これまでプレイしたゲームのセーブデータをバックアップしたり、システムソフトウェアのアップデートファイルを入れたりするためのUSBメモリを準備しましょう。
USBメモリはPS4®Proで読み書きできる「FAT32」もしくは「exFAT」でフォーマットする必要があります。どちらのタイプでもない場合は、パソコンを使ってフォーマットしましょう。

1. USBメモリをフォーマットする

2. システムソフトウェア アップデートをダウンロードする

USBメモリのフォーマットが終わったら、システムソフトウェア アップデートをダウンロードして保存しましょう。
まず、USBメモリ内に「PS4」という名前のフォルダを作成します。次に、このフォルダの直下に「UPDATE」名前のフォルダを作成します。スペルを間違えるとPS4®Proが認識しないのでご注意ください。
次に、パソコンのブラウザで「PlayStation®4システムソフトウェア アップデート」のページを開き、「パソコン経由でのアップデート」を選択します。続いて、システムソフトウェアを再インストールするためのファイルをダウンロードします。ファイルは「アップデートファイル(再インストール用)ダウンロード」のほうなので、ご注意ください。ダウンロードが終わったら、先程作成したUPDATEフォルダにコピーします。

2. システムソフトウェア アップデートをダウンロードする

3. ゲームのセーブデータをバックアップする

次に、これまでプレイしたゲームのセーブデータをバックアップしましょう。バックアップは、USBメモリに入れるか、PlayStation Plusのオンラインストレージにアップロードするかを選択できます。PlayStation Plusは有料のサービスなので、今回はUSBメモリを使います。
PS4®Proを起動し、先程フォーマットしたUSBメモリをPS4®ProのUSBポートに差します。このとき、PSNにサインインしている必要はありませんが、ユーザーとアカウントを紐づけるサインアップはしておいてください。
PS4®Proのトップメニューから「設定」>「アプリケーションセーブデータ管理」>「本体ストレージのセーブデータ」>「USBストレージ機器にコピーする」を選択します。セーブデータの一覧が表示されますので、必要なデータをコピーしましょう。

4. PS4®Proからハードディスクを取り出す

いよいよSSDへの換装です。まずは背面にあるカバーを外します。ハードディスクを収納したマウンターが、「◯△□×」の刻印があるねじでとめてあるので、プラスドライバーで外します。このとき、ドライバーのサイズがねじのサイズに合っているか注意しましょう。
ねじを外し終わったら、マウンターを引っ張り出します。SATAのスロットにハードディスクが差されている状態なので、少し固いかもしれません。最後に、マウンターのねじを外して、ハードディスクを取り出したら完了です。

4. PS4®Proからハードディスクを取り出す(1)

5. PS4®ProにSSDを内蔵させる

次に、PS4®ProにSSDを内蔵させます。まず、「ESD-IB0480G」のケースを開け、中のSSDを取り出します。次に、ハードディスクが取り付けられていたマウンターにSSDをねじどめして取り付けます。
そして、取り出したときと反対にPS4®Proにマウンターを差し込み、「◯△□×」のねじを取り付け、最初に外したカバーを戻せば完了です。

5. PS4®ProにSSDを内蔵させる

6. システムソフトウェアを再インストールする

SSDの換装が終了したら、最後はシステムソフトウェアの再インストールです。
PS4®Pro本体の電源ボタンを7秒以上押したままにして、セーフモードで起動してください。セーフモードで起動すると、コントローラーの接続を求められるので、お手持ちのコント―ローラーを有線接続します。接続が完了したら画面の指示に従い、「PSボタン」を押しましょう。
続いて「PS4を初期化する(アップデートファイルを再インストールする)」を選択すると、アップデートファイルを保存したストレージの接続を求められるので、準備しておいたUSBを差し込み、「OK」を選んで、アップデートファイルをインストールします

6. システムソフトウェアを再インストールする

7. バックアップしたセーブデータを復元する

すべて問題なければPS4®Proは再起動し、セットアップ画面が表示されます。「設定」>「システム」>「バックアップ/復元」で、USBメモリからセーブデータをPS4®Proに復元すれば、すべての工程は完了です。

SSDを使ってストレスの少ないゲームライフを送ろう!

SSDを使ってストレスの少ないゲームライフを送ろう!

ご紹介したように、PS4®やPS4®ProにSSDを換装すれば、ゲームやセーブデータの読み込み速度が速くなることがわかりました。
そして、PS4®であればSSDを外付けでも十分に高速化できること、PS4®ProであればSSDを内蔵することが最適な運用方法であるといえるでしょう。SSDを導入して、ストレスの少ないゲームライフを送ってください。