
ゲーミングPCにSSDが最適な理由とは?

ゲームを快適にプレイするためには、ゲーミングPCと呼ばれるタイプのパソコンを選ぶと良いでしょう。ゲーミングPCは、高性能なグラフィックボードを積み、描画スピードをアップさせるなど、ゲームのプレイ環境を向上させるように組まれたパソコンです。
起動ドライブは「予算がない」「容量が少ない」などの理由で、SSDではなくハードディスクを選ぶ人もいるかもしれません。しかし、ゲームをストレスなくプレイするためには、SSDの読み込み速度は見逃せない項目です。ここでは、ゲーミングPCにSSDが最適な理由をご紹介しましょう。
知っているようで知らないSSDの仕組みと特徴とは?

まずは、SSDとはどういうものかをご紹介します。SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略で、ハードディスクのようにパソコンなどにデータを記録する装置です。内蔵用として売られている2.5インチのSSDを見ると、両者はあまり変わらない製品のように思えますが、その仕組みや構造、ハードディスクとは異なります。
例えば、ハードディスクは磁気ディスクに磁気ヘッドを使ってデータを書き込みますが、SSDは磁気ヘッドを使わず、半導体素子を使ったNAND型フラッシュメモリにデータを書き込みます。ハードディスクが物理的な動作をするのに対し、SSDは電気的に処理しています。これにより、データの読み込み速度や書き込み速度が、ハードディスクよりも格段に向上しているのです。
そのほかの特徴としては、磁気ディスクを使わないためサイズも小型で、ノートパソコンに採用されることが多いです。タイプとしては、「1.8インチ」や「2.5インチ」「mSATA」「M.2」があります。
SSDがゲーミングPCに最適な理由

SSDの特徴は、電気的にデータの読み込みや書き込みを処理することです。この仕組みが、ゲーミングPCに最適な効果を生み出します。ここでは、SSDがゲーミングPCに最適な理由を紹介しましょう。
ゲームの読み込み速度が速くなる
SSDをゲーミングPCに使う最大のメリットが、ゲームの読み込み速度が速くなることです。
これまで、ゲームはCD-ROM、DVD-ROMなどの記録メディアでの販売が主流でしたが、最近ではインターネットからのダウンロード販売も増えています。ですから、ゲームソフトはハードディスクやSSDなどのストレージに保存することになります。
ストレージに保存した場合、重要になるのがゲームソフトの読み込み速度です。データの読み込み速度はドライブの性能によりますから、ハードディスクを使用するよりも、読み込み速度の速いSSDを使用するのは理にかなっています。当然のことながら、CD-ROMやDVD-ROMで提供されているゲームについても、光学ドライブで起動するよりも、SSDにインストールすれば起動時間が短くなります。

また、短縮できるのは起動時間だけではありません。グラフィックの描画スピードについてはグラフィックボードの性能に依存しますが、ゲーム中のデータ読み込み速度はドライブの性能に依存します。ですから、MMORPG系のゲームのように、マップの切り替えなどでデータのロード時間がかかるゲームに最適といえるでしょう。
静音性が高いのでゲームに集中できる
現在、SSDを使っていなくても、ゲームをハードディスクにインストールしてプレイしている人は多いと思います。ハードディスクは物理的にデータの読み書きをするため、起動中はモーターなどが動いている状態です。
FPSなど、ヘッドセットをつけてプレイするゲームであれば気にならないかもしれませんが、アドベンチャー系などの静かなゲームのプレイ中は、カタカタと機械的な音が出続けていては興ざめです。SSDの静音性は、ゲーミングPCに最適である理由のひとつといえるでしょう。
消費電力が少ないのでパソコンの電源に負担がかからない
SSDは、モーターなど物理的な可動部分がないことなどの理由もあり、ハードディスクよりも消費電力が少なくなります。このこと自体は、バッテリー駆動のノートパソコンを使用した場合のメリットではあっても、モバイル環境でのプレイが少ないゲーミングPCには、あまりメリットにならないと思われるかもしれません。
ですが、ゲーミングPCに搭載されるグラフィックボードやハイパワーなCPUなどは消費電力が多く、電源部分の劣化が早くなります。ですから、電源に負担がないようにすることはメリットのひとつといえるのです。

発熱量が少ないのでパソコンにダメージを与えない
SSDは消費電力が少ないこともあり、発熱量も少なくなります。このメリットは、特に熱を持ちやすいノートパソコンで活かされるSSDの特性ですが、ゲーミングPCでも役に立つことがあります。
例えば、機械が熱を持つことは、故障につながる原因のひとつです。SSDの発熱量が少ないということはパソコンの筐体内に熱がこもりにくくなるので、SSD本体はもちろんのこと、周囲に与える影響も少ないといえます。
さらに、パソコンの筐体内に熱がこもりにくいということは、ファンの稼働も抑えられることになります。ハードディスクなどの駆動音も気になりますが、ファンが回り続ける音も気になる人は多いでしょう。ですから、発熱を抑えることでファンの稼働を抑えられれば、静かに作業しやすくなるのです。
駆動部品がないのでトラブルリスクが低い
SSDのメリットのひとつとして、衝撃に強いという特性があります。これは、物理的な駆動部品がないことや磁気ディスクが使用されていないからです。この特性も、ゲーミングPCにとってはあまり意味がないように感じますが、メリットがないわけではありません。
例えば、ゲームをプレイしてデータのセーブ中に大きな地震が起きたとします。この場合、ハードディスクを使用していると、磁気ヘッドが磁気ディスクにダメージを与え、セーブデータの破損を招く可能性があります。SSDには駆動部品がないので、そのような物理的なダメージは受けません。大事なセーブデータの破損リスクを抑えるには、SSDは有効です。
SSDを導入してゲーミングPCのプレイ環境を向上させる

SSDにゲームをインストールすれば、ゲームの起動や、マップの切り替えなど、プレイ環境が向上します。また、さまざまなリスクを回避することにもつながります。
ハードディスクよりコストが高いSSDですが、メリットを考えれば決して高い買い物ではないはずです。ぜひ、SSDの導入を検討してみてください。